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2025年6月16日月曜日

インドネシアと韓国がKF-21開発協定の改定に調印(Breaking Defense)―インドネシアは分担金未払のまま、新協定に移行しましたが、今度は大丈夫?ましてやイは各国の機材にも食指を伸ばしていますね

 


「潜水艦、火力、防空システムなど、さまざまな分野におけるインドネシアとの防衛産業の協力を強化し、将来は東南アジア地域全体に協力を拡大していく」(ソク・ジョンゴンDAPA 長官)。

KF-21 KIA at Lima2023年、マレーシアで開催された LIMA会議で展示された KAI の KF-21 戦闘機設計の模型。(Reuben Johnson/Breaking Defense)

国とインドネシアは、韓国航空宇宙産業(KAI)の KF-21 ボラメ戦闘機開発プログラムへのインドネシアの参加に関する再構築協定に署名したと、韓国防衛調達プログラム庁(DAPA)が本日発表した。

 東南アジア諸国がトルコから KAAN 戦闘機を購入することに合意したわずか数日後、両国は、インドネシアの KF-21 プログラムへの継続的な参加に関する「共同開発プロジェクト協定」の改定に署名した。

 新協定には、2016年に締結した当初の協定に基づく支払いが長年にわたって履行されなかったことを受け、インドネシアのプログラム参加分負担額の改定が含まれている。

 DAPA は、インドネシア国防省が「KF-21 の共同開発に関する残りの負担分の支払手続きを開始している」と発表し、インドネシアが負担分の支払いを継続すれば、両国の防衛産業協力は再び勢いを増すだろうと付け加えた。

 この合意は、インドネシアの首都ジャカルタで開催されたインド防衛展示会(Indo Defence Expo)で、DAPA のソク・ジョンゴン長官とインドネシアのサフリ・ジャムスディン国防相、ドニー・エルマワン・タウファント国防副大臣との会談を受けて締結された。

 発表によると、ソク長官はインドネシアの閣僚との会談で、海軍およびその他のシステムにおける両国の将来的な協力の可能性について協議した。

 DAPA の発表では、「潜水艦、火力、防空システムなど、さまざまな分野におけるインドネシアとの防衛産業の協力を強化し、将来は東南アジア地域全体に協力を拡大していく」とある。

 DAPA の発表では、KF-21 の開発費用のうちインドネシアが負担する割合については明らかにされていないが、韓国では、その割合が 6,000 億ウォン(4 億 3,780 万ドル)に減額されるとの報道があった。

 インドネシアは、2010年にこのプログラムに参加した際、KF-21の開発費用の20%、つまり約1兆7000億ウォンを負担し、その見返りとして、試作機1機と技術移転を受けることを約束していた。

 しかし、インドネシアは支払いを繰り返し遅延し、2020年8月時点で5000億ウォンの滞納額があると言われている。インドネシアは2024年5月、プログラムの負担割合を7.5%に削減するよう要請し、韓国は8月にこれを受け入れた。

 また、インドネシアが支払いの分割払いを2034年まで延長するよう求めたとの報道もあったが、韓国はプログラムの負担割合削減に合意した際、このスケジュールを約束したかどうかを確認していない。

 さらに、インドネシアから韓国に派遣されたエンジニアが、KF-21の技術データを盗む試みをしたと非難されたことで、新たな論争が勃発した。2024年7月、KAIの幹部は内部調査で重大な問題は見つからなかったと述べましたものの、調査は継続中と付け加えた。


Indonesia, South Korea sign revised KF-21 development agreement

“We will do our best to strengthen defense industry cooperation with Indonesia in various areas such as submarines, firepower, and air defense systems, and expand cooperation to the entire Southeast Asia region in the future,” DAPA Minister Seok Jong-gun said in an announcement.

By   Mike Yeo

on June 13, 2025 at 12:37 PM

https://breakingdefense.com/2025/06/indonesia-south-korea-sign-revised-kf-21-development-agreement/



A model of KAI’s KF-21 fighter design on display at the 2023 LIMA conference in Malaysia. (Reuben Johnson/Breaking Defense)


2022年7月20日水曜日

南朝鮮の新型戦闘機KF-21ボラメが初飛行に成功。企画どおりならF-35を買えない諸国に有望な選択肢となるかも。

 South Korea’s KF-21 Homegrown Advanced Fighter Just Took To The Air

YouTube Screencap

 

急ピッチで進むKF-21プログラムの最新のマイルストーンとして、韓国泗川空港で試作型が初飛行に成功した。

 

 

朝鮮の国産次世代戦闘機KF-21が本日初飛行した。近代的な戦闘機の開発プログラムとして極めて迅速に進められており、最新かつ最も重要なマイルストーンとなった。KF-21が地上試験を実施していることが明らかになり、本誌も報告したが、それからわずか2週間の出来事となった。

 朝鮮語で鷹を意味する「ボラメ」と名付けられたKF-21の試作1号機は、韓国南東部にある泗川空港から初飛行した。同空港には韓国航空宇宙産業(KAI)の主要生産施設が隣接している。また、韓国空軍(ROKAF)の第3飛行訓練飛行隊の本拠地でもある。

 KF-21(シリアル001)は、現地時間午後3時40分に離陸し、天候の影響で若干遅れ、午後4時13分着陸した。追跡機は、KAIの複座T-50高性能ジェット練習機だった。泗川にある第281試験飛行隊の機体だろう。

 機首に韓国とインドネシアの国旗を描いた試作機「ボラメ」は、初飛行としては珍しく、長距離空対空ミサイル(AAM)「メテオ」のモックアップを4基搭載し、胴体下のセミコンフォルマ位置に搭載していた。

 KF-21初飛行は、早ければ7月22日との未確認観測とほぼ一致した。今月初めの動力地上試験に先立ち、6月には泗川で最初の試作機が静止エンジン試験を行う公式映像が公開されていた。

 当然ながら、KF-21の初飛行は韓国メディアに歓迎されている。聯合ニュースは、「技術的障害、費用対効果、その他の実現可能性に関する疑問に対する懐疑論にもかかわらず、巨大開発プロジェクトが始動して約6年半で飛行を開始した」と報じた。

 韓国で防衛調達を管理する国防調達計画局(DAPA)は声明で、「国産戦闘機の開発成功に一歩近づいたことは、国内航空技術の新たな飛躍と強力なハイテク軍事の台頭を象徴している」と述べた。

 聯合ニュースはまた、KF-21(旧称KF-X)の開発におけるマイルストーンの歴史を紹介している。

 

  • 2000年11月。金大中大統領(当時)により、2015年の生産を目指し新型戦闘機計画が初めて発表される。

  • 2002年11月 統合参謀本部がF-16を上回るハイエンド戦闘機の開発に関する長期計画を立案。

  • 2009: 政府の委託研究により、将来の新型戦闘機の開発は経済的に可能だと結論付けられる。

  • 2011-2012: 初期研究プロセス

  • 2013: KF-Xの運用能力を含む詳細計画が完成。

  • 2015年12月 DAPAがKAIとKF-Xの開発契約を締結。


これら出来事に続いて、2020年までにプロトタイプ一号機の組み立てが始まり、2021年のロールアウトに続いた。

 DAPAはKF-21を「第4.5世代戦闘機」と表現するが、これは一般的に1990年代以降に登場した新型または大幅に近代化された戦闘機を定義するため用いられるカテゴリーだ。第5世代戦闘機と比較すると、ステルス性を主要な設計要因とし、高度なセンサーフュージョンなどの主要な属性に欠けるのが一般的だ。

 一方、KF-21は、スーパーホーネット、ユーロファイター・タイフーン、ダッソー・ラファールなどの第4.5世代戦闘機や、ロシアのミグ35やスホイ35のように1970年代から続く設計と全く異なる路線を選択している。

 KF-21は当初からスパイラルな開発経路をたどる意図で、新しい任務能力を追加するだけでなく、内部武器搭載など、重要な低視認性特性を持つバージョンにつなげる狙いがある。

 

ブロック1と呼ぶ初期型でも、空中目標を捕捉するためアクティブ電子走査アレイ(AESA)レーダーと赤外線捜索・追跡(IRST)を装備する。

 このアプローチにより、ソウルは真の第5世代戦闘機をゼロから開発する膨大なコストと長いプロセスを回避する方法を巧みに見出しているようだ。同時に、基本型のKF-21は、ライバルの第4.5世代戦闘機と同程度の性能と、国産ならではの利点を備えることが約束されている。この観点から、非公式に「4.75」世代と呼ぶ人もいる。KF-21計画の総額は8兆8000億ウォンで、現在のレートで換算すると66億7000万ドルに相当する。

 ブロック2バージョンでも真の第5世代ステルス戦闘機には及ばくても、韓国にとってさほど問題ではないかもしれない。韓国はF-35を調達しており、さらに短距離離陸・垂直着陸(STOVL)型のF-35Bの購入を計画しているからだ。

 ソウルは、KF-21のブロック1バージョンを韓国空軍に迅速に渡すことを望んでおり、これも同プログラムの利点のひとつだ。KAIは、最初の量産型KF-21を2026年から2028年に製造する計画で、老朽化したF-4EファントムIIとF-5E/FタイガーII戦闘機の代替が可能になる

 

現在の計画では、2032年に120機のブロック1が配備される段階で、より高度なブロック2の作業が順調に進んでいるはずだ。重要なのは、この機体が空対地任務もこなせるようになることだ。KF-21は、低視認性の向上と内部搭載するスタンドオフ空対地兵器の組み合わせで、北朝鮮の重要な標的に対処するため防空を突破する性能が期待される。現在の計画によれば、このようなミッションは、国産のステルス無人機と共同、あるいは少なくとも国産のステルス無人機の支援を受けて飛行することになりそうだ。同じ考え方で、KF-21は必要に応じF-35とも連携することになりそうだ。

 

 

DAPAビデオでは重武装のKF-21が標的ポッドもつけ、ステルス無人機編隊と飛んでいる  DAPA Screencap

 

ソウルが新世代戦闘機開発で自国製造のアプローチを取らざるを得なかったことも興味深い。ある段階まで、米国がAESAレーダー、IRSTセンサー、電気光学照準ポッド、無線周波数ジャマーを提供する期待があった。2015年、米国政府が該当技術の共有を拒否し、韓国は単独行動することになった。その結果、韓国産業界はこれらの技術を開発する経験を手に入れ、輸出にも可能性が出てきた。

 しかし、その他重要部品は海外供給となる。KF-21は、米国製ジェネラル・エレクトリックのF414-GE-400Kエンジンを搭載するが、同エンジンは、世界各地で信頼性が十分に証明されているのが利点だ。F/A-18E/FスーパーホーネットやJAS 39E/Fグリペンなども同エンジンを搭載している。

 主な空対空兵装は、ドイツのディールの短距離兵器IRIS-Tと、MBDA社の前述のMeteorで構成される。

 信頼性の高い航空機エンジンや空対空ミサイルをゼロから生産する能力を確立することは、容易ではない。ソウルにとっては、少なくとも米国製と同等、あるいはそれ以上の性能を持つミサイルを提供されるのであれば、入手するのは理にかなっている。

 現段階では、プロトタイプ1機が飛行し、さらに5機(うち4機は2人乗り)が生産段階にあり、次世代戦闘機を作るべく異なるルートを取るソウルの決断が功を奏する可能性があるように見える。

 しかし、落とし穴がある。飛行試験で予定されている2,000回以上の離着陸は、予期せぬ試練と問題をもたらすに違いない。そして、インドネシアのコミットメントの問題がある。インドネシアはプログラムの第1フェーズに20%出資しており、50機のKF-21を購入する予定だった。しかし、支払いの遅れはインドネシアが長期にわたりKF-21を維持しない可能性を示唆している。しかし、F-35より低価格が約束されているKF-21は、JSFプログラムに参加できない国にとって、(能力が低くても)低価格の魅力的な代替品になり得る。

 KF-21が韓国空軍と輸出市場において、潜在能力をどこまで発揮できるかを興味深く見ていきたい。■

 

South Korea's KF-21 Homegrown Advanced Fighter Just Took To The Air

BYTHOMAS NEWDICKJUL 19, 2022 4:22 PM

THE WAR ZONE


2022年7月6日水曜日

韓国KF-21戦闘機の開発ペースが早い。今月中に初飛行敢行か。技術開発力はいいが、竹島上空を飛行する画像を公開するところが日本にとって許しがたい。

 KF21 taxi test

via Twitter

 

 

 

南朝鮮は、新型戦闘機KF-21の飛行試験開始に向け、異例のアプローチをとっているようだ。

 

朝鮮の次世代戦闘機KF-21は、初飛行に向けた準備を進めており、試作機が地上試験を行う映像が公開された。同テストは、最近行われた双発戦闘機の静止状態でのエンジン運転に続くもので、今月末に初飛行が計画されていると噂されている。

 

 

泗川にある韓国航空宇宙産業(KAI)の生産施設の外部から撮影された、最近のビデオには、試作型KF-21(韓国語で鷹を意味するボラメと名付けられた)が一時的に閉鎖された道路を横切るタキシングが映っている。KAI施設は泗川空港に併設しており、同空港は韓国南東部の晋州市にある。報道によると、ジェット機はKAI工場から空港のメイン滑走路に北上した。そこでテストパイロットは、米国から供給されたジェネラル・エレクトリックF414-GE-400Kエンジンのスロットルを開き、短時間の高速走行を行った後、減速した。このような試運転は、初飛行が差し迫っていることを示すものだ。

 

未確認情報だが、KF-21の初飛行は7月22日に行われる可能性があるという。合計6機の飛行試作機が完成する予定であり、少なくとも2機目、3機目、4機目の組立て作業が進行中だ。

 

先月末には、泗川の試験場で着陸装置を地面に固定し、エンジン静止試験を行う試作1号機の公式映像が公開された。エンジンは2基ともフル出力で、アフターバーナーもフルに設定されているようだ。

 

2020年に試作一号機の組立てが始まり、2021年にロールアウトが行われた。

 

ソウルは、老朽化した韓国空軍(ROKAF)のF-4EファントムIIとF-5E/FタイガーII戦闘機の後継機として、KF-21を開発している。現在の計画では、韓国空軍は2028年までにKF-21を40機導入し、2032年までに120機が配備される。さらにインドネシアが50機発注する予定で、インドネシアは同事業のジュニアパートナーであるが、過去にはKF-21へのコミットメントが疑問視されていた。KF-21プログラムの総額は74億ドルになる予想がある。

 

現代の国産戦闘機プログラムとしては、積極的なスケジュールだ。しかし、試作機がすでにエンジン(およびおそらく他の主要サブシステム)を稼働させた状態で地上試験を行っていることは、非現実的なものでない可能性を示唆している。

 

結局のところ、KAIは、少なくとも当分の間、例えば韓国が調達中のF-35の特徴である高度なステルス性能を見送った。このような難しい要件は、航空機設計や戦術のほぼすべての面で考慮する必要があり、全体的なコストやサポートの負担を大幅に増加させる。

 

KF-21では低視認性設計に慎重なアプローチをとっており、能力面ではF-35と第4世代F-16の間のギャップを埋めるのをめざす。KF-21の兵装は、6つの翼下ハードポイントと4つの胴体下ハードポイントに搭載され、F-35はじめ次世代戦闘機の多くが、主にレーダー探知能力を低下させるため武器庫を内蔵するのと異なる。就役後は、高度な派生機の開発に着手するとの予想がある。初期のKF-21のレーダー断面積はユーロファイター・タイフーンとほぼ同じで、その後の改良で大幅に減少する可能性がある。

 

さらに、KF-21は当初、空対空能力のみを持つブロック1が配備され、その後のブロック2は空対地任務をクリアする。この点も、最初から多用途性を持たせようとするその他機種と大きく異なる点である。

 

昨年4月のロールアウト時に、試作機KF-21のコックピットから敬礼するパイロット。MBC News Screencap

 

 

しかし、興味深いのは、南朝鮮がKF-21に期待する運用方法だ。

 

ソウルの新型戦闘機に対するユニークなアプローチは、高度なステルス性を引き換えに、低コスト機材とし、ステルス機と連動して戦闘効率を高めるものだ。例えば、F-35の補助機として、韓国空軍のKF-21は、共用打撃戦闘機よりも多くの武器(大型兵装も含む)を内部搭載できる。

 

4発のセミ・リセスド・メテオ空対空ミサイル、IRIS-T自己防衛ミサイル、2発のJDAMを搭載したKF-21の初期のコンセプトアートワーク MBDA

 

 

同時に、KF-21は基本形でも、韓国空軍の60機のマルチロール機F-15Kスラムイーグル、F-15Eストライクイーグルの発展型、現在F-16V規格にアップグレード中のF-16C/Dより小さなレーダー探知性を持つことになる。

 

しかし、KF-21は韓国空軍のF-35と協力するだけでなく、国産のステルス無人機と一緒に働く可能性が注目されている。

 

韓国防衛装備庁(DAPA)が昨年作成した短いビデオでは、KF-21の任務と武器のいくつかをCGで詳細に明らかにしている。

 

ビデオでは離陸、KC-330シグナスタンカーからの空中給油、長距離空対空ミサイル(AAM)メテオの発射のほか、KF-21が3機のステルス無人機と飛行する様子が示されている。

 

興味深いことに、ビデオで見られるジェット機は単座機だ。しかし、複座型が計画されており、「忠実なるウィングマン」の制御のため追加搭乗員が好まれる傾向がある。中国では明らかにこの任務のために作られた2人乗りJ-20ステルス戦闘機が登場した。

 

聯合ニュース報道によると、「プロジェクトが順調に進み、国産ジェット機が配備されれば、無人機と任務を遂行するかもしれない」とDAPA関係者は述べている。この無名の関係者は意図的に慎重に話したのかもしれないが、ソウルがステルス機プログラムに取り組んでいることは周知の事実である。

 

 

DAPAのビデオでは、重武装KF-21(外部照準ポッド付き)が3機のステルス無人機とミッションを遂行する様子が映し出されている。DAPA Screencap

 

 

DAPA映像に登場するステルス機3機は、無尾翼の飛行翼型で、エンジン吸気口が前方の機体上部に配置された構成で世界中のUCAV設計と類似している。このDAPAの描写が、実際にどの程度、量産型ステルス機と一致するかは不明だが、南朝鮮のこれまでのUCAV設計と大まかな特徴を共有している。

 

大韓航空宇宙部(KAL-ASD)が、KUS-FCプログラムでステルス無人戦闘機(UCAV)の開発に取り組んでいる。2015年にはサブスケール実証機「Kaori-X」が飛行試験を開始した。同実証機は、低観測性、空力制御と安定性、推進コンセプトのテストに使用されたと伝えられている。

 

大韓航空が開発した無尾翼のステルス機「Kaori-X」実証機は、2020年8月公開された。 Korean Air

 

 

昨年9月、韓国防衛庁(ADD)は、2016年に開始したプロジェクトの成果として、フルサイズのステルスUCAVの生産似必要な重要技術を習得できたと発表した。特に、レーダー吸収材を含む空中構造の開発に加え、無人機のレーダー断面積(RCS)を減らすのに役立つ飛行制御アルゴリズムを指摘した。ADDはまた、各機能が無尾翼の無人航空機に組み込まれていると説明した。この取り組みは、KUS-FCプログラムとは別個だが、補完するものであると報告されている。

 

ステルスUCAV「KUS-FC」の可能な構成を示す大韓航空のコンセプトアート Korean Air

 

 

同時にソウルは、KF-21のような有人航空機を無人機と密接に連携して運用するため必要な技術も、共同チームの一員として研究している。

 

2021年10月、KF-21プログラムを主導する韓国航空宇宙産業(KAI)が、DAPAから340万ドルの契約を獲得し、新しい有人・無人チーミング(MUM-T)システムを迅速に開発したと発表された。2022年12月に完成予定で、当初はスリオンや軽攻撃ヘリ(LAH)など南朝鮮の戦場ヘリと無人機の共同作戦の支援に使用される。ヘリコプターが直接無人機を制御し、UAVからリアルタイムで画像を受信し、任務を支援する。南朝鮮に配備されているアメリカのアパッチとグレイ・イーグルは、現在この機能を備えており、このことが現地開発に拍車をかけたと思われる。

 

MUM-Tの技術は、KF-21とUAVの統合に応用される可能性がある。

 

KF-21の「忠実なるウィングマン」としてステルス・無人機を利用することは、意味のあることのように思われる。前述したように、KF-21の初期バージョンは、F-35のようなハイエンドのステルス属性は備えない。

 

また、KF-21は当初、空対空専用のブロック1バリアントとして配備される予定なので、攻撃用弾薬を搭載できるUCAVは有人戦闘機の補助として有用となる。例えば、有人戦闘機が確認した地上目標を無人機で攻撃することが可能にとなる。

 

ソウルは、すでに欧米の各種空対地兵器を保有しているだけでなく、独自に精密誘導弾を開発している。少なくともその一部は、KF-21だけでなくUCAVの武装としても適している。最大射程距離62マイルの500ポンドMk82爆弾を運用する韓国GPS誘導爆弾(KGGB)、射程距離約250マイルと予想されるヨーロッパのTAURUS KEPD 350巡航ミサイルの小型版が含まれる

 

韓国製GPS誘導爆弾KGGBは、KF-21や戦闘用無人機に搭載される可能性がある。LIG Nex1

 

 

ステルスUCAVに内蔵された武器は、KF-21ブロック1またはブロック2が激しい戦闘空域に侵入する際に非常に有利となる。これにより、有人戦闘機は安全なスタンドオフ距離を保ち、高性能なメテオ・ミサイルとアクティブ電子スキャン・アレイ(AESA)レーダー、赤外線捜索・追跡(IRST)を使って空中の目標を狙い撃ちできる。KF-21の搭載レーダーを使用せず、UCAVのセンサーから受信したターゲティングデータで行えるだろう。有人戦闘機が電磁気的に沈黙を守り、生存率を高め、無人機が前方探査プラットフォームとしてリスクの高い役割を担うことを可能になるため、同コンセプトはさらに魅力的になっている。

 

DAPAコンセプトビデオより、流星ミサイルを発射するKF-21の静止画。 DAPA Screencap

 

KF-21用の国産AESAレーダー(ハンファ・システムズLIG Nex1の共同事業)の開発も進んでいるようだ。このプログラムでは、南アフリカのAircraft Instrument and Electronicsが運航するボーイング737-500ををテストベッドとして使用している。この機体は、公開飛行追跡データによると、先月だけでソウル仁川国際空港から5回離陸している。

 

KF-21のブロック2バージョンは、地上目標に対してスタンドオフ・ミサイルを発射できるようになる。これもF-35、ステルス・無人機、またはその他の手段が座標を提供し、おそらくUCAVの存在に向けられる敵対的防空に対応できる。

 

こうしたハイエンドの能力は、北朝鮮以外の潜在的な敵も示唆している。前述のDAPAビデオでは、KF-21とUCAVチームが独島(竹島)上空を飛行している。独島は、南朝鮮と日本間で長年続く領土問題の中心地だ。南朝鮮と日本は、豊かな漁場と石油・ガス埋蔵量に囲まれた同島の領有権を競い合っている。

 

DAPAビデオで独島上空で完全武装したKF-21を追跡するステルス無人機。DAPA Screencap

 

北朝鮮だけでなく、中国や日本とも歩調を合わせるためには、さらに高度な能力が要求されている。KF-21のような国家資産、特にステルスUCAVと連携できる装備は、韓国空軍や韓国軍で大きな需要がある可能性がある。

 

KF-21は輸出市場でもニッチを見つけることになりそうだ。ほぼ間違いなく、KF-21はF-35より運用コストが安く、大規模な支援インフラを必要としない。また、共用戦闘機プログラムでの厳しい輸出規制の回避もできる。KF-21がF-16後継機として世界で市場を見つけることができるかは、同機の最終単価と運用コストに大きく依存する。

 

しかし、国産機と国産AESAレーダーを市場に投入できるのは、南朝鮮の航空宇宙産業の総合力を示している。

 

ソウルはKF-21の実用化で野心的なスケジュールを描いているが、初期生産に控えめな能力を組み込むことが目標達成に役立つはずだ。地上試験が示す最新の証拠は、同機開発が着実に重要な進展を遂げている裏付けだ。■

 

 

オリジナル記事への読者コメント一部


  • KF-21が満たす「中間世代」のニッチについてはよく理解し、同意するが、この設計が韓国空軍にとって最も重要である理由は別にある。経済発展にもかかわらず、同国ではF-4とF-5がまだ相当の割合を占めている。これらの機体は休ませる必要があり、老朽化が追いついてきている。KF-21は、その問題を解決するための国内的な要素になりそうだ。


  • 尹政権では国防部長官をはじめ、複数の主要メンバーが空母計画に難色を示している。専門家は、新政権が北朝鮮のミサイルと核戦力への対抗を重視したことが、韓国空軍計画を承認する判断につながったとしている。


  • このようなアプローチは、米国が提案しているF-16の後継機MR-Xに有効ではないだろうか。ステルス技術を駆使しないなら、信頼度が低い同盟国向けの輸出が容易になり、低所得国へのアピールが生まれる可能性もあります。ステルスパイロンとポッドの開発で、LOをさらに進めるかもしれません。また、統合装備品よりもポッドを使用することで、互換性のあるアメリカの装備品、例えばT/F-7をさらに購入することができるかもしれません。


  • 米国内に工場があったほうがいいかもしれませんね。問題なく順調に進んでいるようです。


  • これは35よりも安く、飛行を継続しやすいはずですが、F-35の「ビーストモード」の最大外部搭載量と比較するとどうでしょうか。実際はそれほど変わらないのではと想像します。これはむしろ、南朝鮮の産業界が航空宇宙開発で多くの経験を積み、将来の選択肢を多様化するための足がかりになるように思える。


  • 南朝鮮は日本と係争中の島の上空を飛ぶ戦闘機と無人機の画像を作成した---世界は複雑な場所であり、我々の友人はいつもお互いに友好的ではないことを米国に思い出させるだけである。猫の群れのように。ギリシャとトルコ。南朝鮮と日本。イスラエルと...そうです。  あのメッセージは、日本はすでに知っていることを思い出させるためのものだと思う。私たちは聞いていますか? 私たちは2つの友好国の領土問題を解決するのを助けるべきでしょうか? 我々は彼らの間でこの紛争を悪化させる必要はありませんし、もちろん、我々が介入すれば、さらに悪化させるかもしれない。地域の真の問題に対して、同盟国が団結する必要がある。


  • SKのために良いこと! アメリカの力を借りなくても、NKに対応できるようになってきた。このことは、台湾をめぐるPLAとの熱い戦いの可能性を示唆しているのではないだろうか?


South Korea Readies Its KF-21 Next-Generation Fighter Jet For Takeoff

 

BYTHOMAS NEWDICKJUL 5, 2022 1:27 PM

THE WAR ZONE


2021年4月11日日曜日

ロールアウトしたKFX改めKF-21ホークは来年初飛行予定。韓国はどんな任務を想定しているのか。

 

  •  

MBC NEWS SCREENCAP

 

 

朝鮮が次世代国産戦闘機KF-Xの試作機をロールアウトした。公式にはKF-21ボラマエ(鷹)と呼称される。同国で最大級の野心的事業で初飛行を来年実施し、同国大統領は2026年までに初期型開発を完了する日程を発表している。

 

韓国空軍(ROKAF)は2028年までにKF-21を40機導入し、最終的に120機を2032年に運用する。老朽化進むF-4EファントムIIおよびF-5E/FタイガーIIの後継機として、さらに60機調達予定のF-35A以外にF-15KスラムイーグルやF-16C/Dの補完役も期待されている。

 

MBC NEWS SCREENCAP

A ROKAF pilot disembarks the first prototype KF-21 at today’s ceremony in Sacheon.

 

ロールアウト式典は韓国航空宇宙工業(KAI)のサンチョン工場(道)で行われ、文在寅大統領が出席し、「自国防衛新時代」を開き、「航空宇宙産業の歴史的一歩」となったと述べた。大統領は2030年代に世界7大航空産業強国の一角になる目標を表明した。

 

同機の本格開発は2015年に始まり、2019年に国防調達事業庁 (DAPA)が試作機製造にゴーサインを出した。

 

試作機には単座型4機、複座型2機を製造し、米国製ジェネラルエレクトリックF414-GE-400Kエンジン二基を搭載する。2016年にF414エンジン240基に予備部品合わせ導入を決めた。同型エンジンはF/A-18E/Fスーパーホーネット、EA-18Gグラウラー、スウェーデンのJAS39E/Fグリペンが採用しており、インドのテジャスMk.2も搭載予定だ。

 

KF-21量産生産契約は2024年交付との観測があり、空対空戦対応のみのブロック1引き渡しが2026年開始となる。対地攻撃能力はブロック2で実現する。

 

国産多任務戦闘機の開発・生産は大きなチャレンジだが、KAIにはFA-50軽攻撃機含むハイエンド軍用機製造の知見があり、F-16C/Dの現地生産実績もある。

 

KF-21には低視認性を目指した特徴もあり、尾翼が角度をつけていること、胴体形状などにF-22、F-35に通じる特徴がみられる。ただし、米ステルス機並みの全方位ステルス性能は有しない。むしろ、同機はF-35とF-16のギャップを埋める存在を目指し、F-35より安価な運用コストの実現を狙う。KF-21の兵装は機体外部に搭載し、主翼と胴体下に合計10点のハードポイントがある。

 

MBC NEWS SCREENCAP

The flags of South Korea and Indonesia appear on the forward fuselage of the KF-21.

 

同機が実戦配備となる2026年ごろに開発が期待される派生型で機内兵装庫の実現が想定される。KF-21のレーダー断面積はユーロファイター・タイフーン程度とみられるが、今後登場する発展型で削減を図る。非武装でも重要なセンサー機材として友軍に貴重な情報を提供できる。

 

総額79億ドルといわれるKF-21開発ではインドネシアも参画しており、開発費用の2割を負担し50機調達する予定だった。だがインドネシアは分短期払い込みを滞っており、事業に暗雲を与えている。

 

ただし、インドネシア国防相プラボウォ・スビアントはロールアウト式典に参列しており、韓国関係者も両国協力体制は健在と述べている。その他国への輸出構想もある。

 

海外諸国にKF-21は魅力ある商品になりそうだ。F-16Cを上回る飛行性能があり、アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーを採用し、ラムジェット推進方式のミーティア空対空ミサイル(MBDA製)を運用する。実証機のフライトテストはボーイング737試験機を使い、もう始まっている。

 

KF-21ブロック2では搭載兵装の組みあわせが決まっており、GBU-12ぺイヴウェイII、GBU-31/38共用直接攻撃弾(JDAM)、GBU-54/56レーザーJDAM、GBU-39/B風向き補正弾薬ディスペンサー(WCMD)がある。各兵装はROKAFで供用中で今後は機体との統合が中心となる。

 

同機のペイロードは16,975ポンドになる見込みで、最大離陸重量は56,400ポンドだ。最高速力は時速1,400マイル(約マッハ1.83)で航続距離は1,800マイルとなる。もちろん、これはカタログ値で実戦運用では大幅に下がることがある。

 

ステルス性能を備えた同様の高性能戦闘機開発プロジェクトはヨーロッパ、インド、日本、トルコ、英国で進行中だが、KF-21はKAI初の高性能機材かつ迅速開発案件となっており、今後輸出が成立すればこれまでの投資を回収できる。

 

KF-21は兵器国産開発を目指す南朝鮮の技術水準を示す。部品の65パーセントを国産で調達し、KAIは重要エイビオニクスとしてミッションコンピュータ、飛行制御コンピュータも担当する。その他にもAESAレーダー、電子戦装備、赤外線捜索追跡センサー、電子光学標的捕捉ポッドも国産化する。KF-21が量産に入れば10千人の雇用が生まれると文大統領が述べた。ここには2016年以降に生まれたプロジェクト関連雇用12千名は含まれていない。

 

KAI

The first prototype during its final assembly at KAI. 

 

KF-21でROKAFは核装備を有する北朝鮮の軍事脅威に対し質的優位性を確保できそうだ。北朝鮮の朝鮮人民空軍(KPAF)に対しROKAFは現在でも大きな差を確保している。

 

KPAFで最新鋭の戦闘機は冷戦末期のMiG-29フルクラムが少数機あるだけで、ROKAFはF-35Aを先鋒に展開するはずで、F-35Aはすでに20機が配備されている。またF-15Eストライクイーグル60機のほか、F-16C/Dも134機がF-16V仕様に改修しAESAレーダーを搭載する。さらにF-35Bの導入も検討中で、次に建造する強襲揚陸艦で運用する。

 

こうした第一線戦闘機に加え、ROKAFには戦力効果を増幅させる支援機材がそろっている。まず、ボーイングE-737(E-7ウェッジテイル)ピースアイ空中早期警戒統制機(AEW&C)があり、北朝鮮空域を監視できる。またレイセオンRC-800情報収集機、ダッソー・ファルコン2000EXにL3コミュニケーションズによる情報集機材を搭載している。こうした機材がKF-21を支え、リアルタイムで北朝鮮の空地海の脅威対象の情報を提供する。

 

KBS NEWS SCREENCAP

 

南北朝鮮が開戦となれば、KPAFは旧型機多数を動員するが、火砲部隊、移動式ミサイル発射装置の威力を前面に出してくるはずだ。さらに核兵器が北朝鮮にあるほか、化学兵器、生物兵器も備蓄している。朝鮮人民軍の固定式、移動式の地対空ミサイル多数は、対空火砲とあわせ、まっさきに制圧する必要がある。

 

このため、KF-21ブロック2で対地攻撃能力の実現をROKAFは目指すはずだ。

 

KF-21により南朝鮮は国産次世代多任務戦闘機の配備を目指し独自の道で一歩を記したといえる。同機開発の進捗には目を見張るものがあり、初飛行に向けカウントダウンが始まった。■

 

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Meet South Korea's New KF-21 "Hawk" Indigenous Fighter


Developed under an ambitious timeline, the fighter will complement F-35s and older fighters as part of a revamped Republic of Korea Air Force.

BY THOMAS NEWDICK APRIL 9, 2021


 

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