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2024年6月4日火曜日

米政府の承認を受け、早速ウクライナがロシア領内のSAM基地をHIMARSで攻撃し、効果が出ている模様。(ウクライナ戦の最新状況)

 

ホワイトハウスがなぜもっと早くウクライナにロシア国内攻撃を承認しなかったのか疑問であり、一応ハリコフ等の攻撃に関与した施設の攻撃に限定しているものの、その効果は大きく、ロシアがこれまで警告を発していたのはそれだけ自国が脆弱だとわかっているからでしょう。バイデン政権の優柔不断でこの戦争は長引いていると言ってよいのではないでしょうか。The War Zoneの速報からです。

RA smoldering Russian SAM launcher. <em>Via Telegram</em>

A smoldering Russian SAM launcher. Via Telegram

Damaged and destroyed Russian SAM components. <em>Via Telegram</em>

Damaged and destroyed Russian SAM components. Via Telegram


ウクライナがロシア国内の長距離SAMシステムを米国製武器で攻撃

ロシア国内数十マイルのS-300/S-400 SAMシステムへの攻撃はウクライナの防空破壊作戦の新たな段階を意味する


シア国内ベルゴロドにあるS-400またはS-300地対空(SAM)システムが、M142高機動砲ロケットシステム(HIMARS)により破壊されたことを示すビデオと画像がソーシャルメディアに登場した。国境から約30マイル北のSAMへの攻撃は、バイデン政権がハリコフに向かって進行中の攻勢を妨害するために、HIMARS含む米国が供与した兵器をロシア国内で使用することを承認した数日後に行われた。


ビデオと画像は、月曜日にロシアのスパイ・ドシエ・テレグラム・チャンネルに最初に投稿された。ロシアの防空輸送車の横で撮影された10秒間のビデオには、遠くで炎と煙が上がる様子が映っている。映像からは何が燃えているのか不明だが、近くの物体はS-300/S-400システムで使用される輸送機-起重機-発射機と並んでいる。追加画像では、何が被弾したのかの詳細がわかる。


投稿された画像には、損傷したS-400やS-300の部品が写っており、一部はまだ燃えている。


スパイ文書によると、攻撃は日曜日に行われた。


本誌は、HIMARSが発射したGMLRSがこの攻撃に関与していることを独自に確認することはできなかった。また、長距離兵器システムを含むウクライナへの直接的な脅威に対して、ハリコフ地方付近のロシア国内を攻撃するために米国の兵器の使用を承認したホワイトハウスの新しい方針にも合致する。


照会に対し国防総省はウクライナ軍がすべきとかわし、ウクライナ軍は声明を発表していない。しかし、スパイ・ドシエやロシアのテレグラム・チャンネル、さらにウクライナのメディアは、今回の攻撃はGMLRSで実行したと報じている。ロシアの外務副大臣は、特定のシステムの名前は挙げなかったが、ロシア国内での米国の兵器使用に警告を発した。


ロシアのクレムリン秘密テレグラム・チャンネルが月曜日に報じた。「敵の一撃があった。S-400防空システム2機が深刻な被害を受けた。攻撃は西側兵器で行われた。予備的にはHIMARSだ。「我々の情報によると、これらの設備はハリコフと国境地帯の他の人口密集地域を攻撃するために使用された」とクレムリン秘密テレグラム・チャンネルは付け加えた。「また、残念ながら、レーダーと補助装置多数が失われた。我々はこの事件に関する情報を詳細にチェックした。防空システムに対する攻撃の後、徴兵一名が行方不明になっている。2人の将校が死亡した」。


クレムリン秘密テレグラム・チャンネルによれば、SAMシステムはロシア人徴兵兵によって運用されていた。同チャンネルによると、ベルゴロド州知事ヴャチェスラフ・グラドコフの側近は、「ベルゴロドは以前も攻撃を受けている。ウクライナ軍が西側の武器で攻撃する許可を得た今、彼らはより頻繁にやってくるだろう」。


今回の攻撃でモスクワの怒りがかきたてられた。ロイター通信によると、ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務副大臣は月曜日、「我々はアメリカの政治家たちに、致命的な結果をもたらすかもしれない彼らの誤算を警告する」。


これまでたびたび指摘してきたように、ウクライナがこれらのSAMシステムの攻撃を優先した理由は主に2つある。まず、ロシアの防空能力を低下させ、標的を攻撃しやすくするためだ。これらの長距離防空システムは、ウクライナの航空機やスタンドオフ兵器の作戦を、機種にもよるが半径250マイルまで脅かす。加えて、このシステムが設置されている国境を挟んで戦闘が非常に白熱しているため、国境を越えて滑空爆弾やその他の攻撃を仕掛けるウクライナの航空機を脅かすことになる。


もうひとつは、ロシアがこのシステムから発射されるミサイルを、ハリコフを含む長距離攻撃兵器として使用していることだ。この特定のシステムは、国境に非常に近く、ウクライナの領土と、モスクワから遠く離れたロシアに常に攻撃している長距離一方向攻撃ドローンの重要な空中パイプラインの間に位置している。SAMが攻撃されたベルゴロド州は、すでにウクライナの無人偵察機の最重要標的となっている。このシステムを破壊することは、ドローンの生存率を高めることにつながる。西側の兵器がロシアのこの地域の標的に対して使用されることが許されるようになった今、投入されそうな巡航ミサイルもこのSAMシステムによって脅かされることになる。


F-16が間もなくウクライナに到着するが、各機が紛争で可能な限り効果を発揮できるよう、敵の防空をさらに激しく制圧・破壊する作戦が展開される可能性が高い。


ともあれ、アメリカから供与された弾薬を使ったロシア国内での最初の攻撃が土曜日にベルゴロド州で行われたのは確実なようだ。


「ウクライナ軍はベルゴロド地方を砲撃するために初めてアメリカのヒマースMLRSを使用した」とロシアのベルゴロドNo.1テレグラム・チャンネルは日曜日に報じた。「国防省の報告によると、過去24時間に23発のHIMARS砲弾がロシア連邦上空で撃ち落とされた。正確な数は不明だが、そのうちの1発がシェベキノで発見された」。


しかし、同チャンネルからはGMLRSによる攻撃の証拠は得られなかった。本誌は、GMLRSによる空爆を独自に確認できなかったし、GMLRSの弾薬が迎撃されたかどうかも不明である。


ベルゴロド・テレグラム・チャンネルNo.1によると、ロシア・ベルゴロド州シェベキノの倉庫が誘導多連装ロケット弾で攻撃された。ベルゴロドにおけるGMLRSの残骸の最初の画像は、バイデンがロシアでの使用を許可したわずか数時間後、前日に発射されたとされる攻撃で6月1日に現れた。


日曜日、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ハリコフ近郊のロシア国内でHIMARSを使用できることに感謝しつつも、長射程兵器で侵略国の奥深くの軍事飛行場を攻撃することを許可されるべきだと述べた。


これまでのところ、米国から供与された武器の使用許可が拡大されたことは、ウクライナにとってハリコフの激烈な状況にすでに良い影響を与えているようだ。



月曜日、ホワイトハウスのジョン・カービー国家安全保障会議報道官は、本紙含む記者団に対し、米国から供与された弾薬の今後の使用方法に関しては何も決まっていないと語った。ウクライナが[陸軍戦術ミサイルシステム]ATACMSを使用したり、ロシア国内を長距離攻撃することを米国が禁止していることは、今のところ「変わっていない」としながらも、カービー報道官は、この政策が調整される含みを残した。


「ご承知のように、この戦争のあらゆる段階において、戦争が進展し、戦況が変化するにつれて、われわれは進化し、ウクライナ支援のありかたを変更してきた。「一般的なアプローチが変わることはないだろう。今後数週間、数カ月で、ウクライナに送られるものが増えるだろう」。


ウクライナがロシア国内でどのような供与された米国製兵器を使用できるか、またロシア国内にどの程度まで持ち込めるかについての今後の決定は、ウクライナにおけるロシアの攻勢がどのように進展するかなど、多くの要因に左右されるだろう。モスクワからは怒りに満ちたレトリックが飛び出しているが、これまでのところ、米国やNATOに対する実際の政策や武力態勢に目に見える変化は見られない。■


Ukraine Strikes Long-Range SAM System Inside Russia With U.S. Weapon


The S-300/S-400 SAM system located dozens of miles inside Russia was hit, signally a new phase in Ukraine’s air defense destruction campaign.

BYHOWARD ALTMAN|PUBLISHED JUN 3, 2024 3:17 PM EDT


2022年8月28日日曜日

ウクライナ独立記念日に米国が発表した30億ドル新支援策で注目のNASAMS、Vampire両システムは、ロシア対抗が今後も続くことを前提としている

 



AIM-120 Advanced Medium Range Air-to-Air Missile (AMRAAM)を発射するNASAMS (National Advanced Surface to Air Missile System)ランチャー。オランダ陸軍

「ヴァンパイア」対無人機システムも含めた新しい援助パッケージはこれまで最大のものとなる

 

国防総省は、ウクライナがロシアの全面侵攻から半年を迎える中、ソビエト連邦からの独立31周年を迎えるにあたり、これまでで最大規模となる約30億ドルの軍事支援策を発表した。米国の新たな支援には、NASAMS(National Advanced Surface to Air Missile Systems)6基とVampireと対ドローンシステム多数、さらに砲弾、レーダー、その他が含まれる。供与は数年かけ、進行中の紛争と別に、ウクライナ軍の能力を長期的に強化することに焦点が当てられていると明確に示している。

米国政府は、ウクライナ安全保障支援構想(USAI)を通じて、総額約29億8000万ドル相当の新たな支援を提供する。これはウクライナに特化した米国の軍事支援であり、ジョー・バイデン大統領がいわゆる「ドローダウン権限」で認可した武器その他物資の提供とは別物である。ドローダウンは米軍在庫から品目を移動させるが、USAIはウクライナ向けに新しい武器やその他装備、訓練、メンテナンス、サポートサービスの購入資金を提供する。

「アメリカ国民全員を代表し、ウクライナの独立記念日に祝意を表します。この6ヶ月間、ウクライナ国民は、並外れた勇気と自由への献身で世界を感動させてきました」と、バイデン大統領は声明で述べており、今回の新しい軍事援助にも触れた。「ロシアによるウクライナ全面侵攻に直面しながらも、断固として強く立ち向かいました。そして今日は、過去を祝うだけでなく、ウクライナが誇りを持って主権と独立の国家であり続けることを明確に確認する意義があります。米国は、主権を守る戦いを続けるウクライナ国民の支援を約束いたします」。

国防総省報道発表によれば新支援策(約30億ドル)は以下を含む。

  • NASAMS6基と「追加弾薬」(数量不明)

  • VAMPIRE対無人航空機システム

  • レーザー誘導ロケットシステム

  • 155mm砲弾最大245,000発

  • 120mm迫撃砲弾薬最大65,000発

  • 対砲兵レーダー最大24

  • RQ-20プーマ無人機・スキャンイーグル無人機の譲渡の「支援装置」の追加

  • 訓練、メンテナンス、維持の資金

 

ノルウェー王立空軍 (RNoAF)の NASAMS 2 の典型的構成を示した図 Royal Norwegian Air Force

 

M142 HIMARS搭載車両が AIM-120 AMRAAMミサイルを発射している. Public Domain

特に、NASAMSが6基追加され、さらに弾薬が増えることに大きな意味がある。米政府はこれまで、NASAMS2基をウクライナに移送すると発表していた。

NASAMSの構成はまだ不明である。NASAMSは発射機、レーダーなどセンサー、コマンド&コントロール・ノードの組み合わせで、各種バージョンが存在する。例えば、ハンビーなど軽車両にミサイルランチャーを搭載するタイプもある。また、ウクライナが少なくとも16台受領しているM142高機動砲ロケットシステム(HIMARS)車両を、NASAMSで利用可能なAIM-120高性能中距離空対空ミサイル(AMRAAM)の発射台として試験することも行われている。

同じ疑問は、米国がこれらのシステムと一緒に送るとする「軍需品」にも当てはまる。NASAMSは、地上発射に最適化された射程延長型AMRAAMや、AIM-9Xサイドワインダーなどレーダー誘導ミサイルも発射できる。

そうなるとNASAMSは構成次第で様々な短・中距離防空能力の提供につながる。ウクライナ軍のNASAMSは、少なくとも当初はAIM-120を発射する可能性が高いようだ。同ミサイルのサプライチェーンがしっかりしていることと、ウクライナはエリア防空能力の強化を最も必要としているためだ。

合計8種のシステムで、ウクライナ軍は航空機、巡航ミサイル、ドローンなど各種脅威に対して、都市や特定の高価値施設など、各所で即時防御が可能となる。米国の防衛関連企業レイセオンとノルウェーのコングスベルグが共同開発したNASAMSは、ウクライナの既存のソ連時代の短・中距離地対空ミサイルシステムを上回る最新かつ高性能の装備となる。

問題は、米国政府がこれらのシステムの納入をどれだけ迅速に行えるかだ。国防総省高官は先週、ウクライナはまずシステム2基を引き渡される見込みと述べた。これがレイセオンやコングスベルグの生産能力にある程度の余裕があることを反映しているかどうかは不明である。レイセオンやコングスベルグにある在庫を購入したり、他の顧客向けに生産中システムの転用やサードパーティーから直接入手することも選択肢となる。米軍には今回活用できる完成品NASAMSの取得手段を持っていない。

すでに述べたように、ウクライナ向けのNASAMSも米軍在庫から調達したものではない。米軍が現在保有するNASAMSは小規模で、ワシントンD.C.の防空に特化していることを考えれば、これは理にかなっている。

ウクライナへの主要兵器システム、特にミサイルや誘導弾の納入を維持する産業基盤の能力への懸念がすでに表面化している。ウクライナ軍事支援では、肩撃ち対戦車ミサイル「ジャベリン」や肩撃ち地対空ミサイル「スティンガー」(後者はマンパットとも呼ばれる)の増産や供給拠点拡大がすでに始まっている。現在、ウクライナが保有するM142高機動砲兵ロケットシステム(HIMARS)とM270多連装ロケットシステム(MLRS)に使用するGMLRSロケット弾でも同様の議論が行われている。

また、これまでの米軍援助に含まれていなかった「Vampire」が入ったことも興味深い。このシステムの実態は当初明確ではなく、一部の初期報道では、無人機であると誤って伝えらていた。どうやら、英国海軍のプロジェクト「ヴァンパイア」という艦船打ち上げ型ドローン開発計画と混同したようだ。

L3Harrisはその後、問題のシステムが同社の新しいVehicle-Agnostic Modular Palletized ISR Rocket Equipmentシステム、またはVAMPIREだとBreaking Defenseに確認した。少なくともこれまで公開されているVAMPIREは、Advanced Precision Kill Weapon System II (APKWS II)などの70mmレーザー誘導ロケット用の4連ランチャーと、電気光学および赤外線カメラ、集中制御システム、専用電源を備えたセンサータレットで構成されている。

L3Harrisは、VAMPIREが対無人航空システム(C-UAS)能力を持つと言及してこなかったようだが、「顧客の固有要件に合わせ構成が可能」と述べている。このシステムのプロモーションビデオでは、赤外線カメラのMQ-9リーパー映像を見せながら、「L3Harrisの高性能画像追跡機能で移動目標へのロックを維持できる」と説明しており、「地対地、地対空の精密打撃能力」が実現するとも述べている。

同システムをドローンに使うとすれば、比較的動きの遅いタイプのドローンへの交戦に関しては、必ずしも無理な話ではない。米空軍は、亜音速巡航ミサイルの代用として、空中発射式APKWS IIロケットの使用を実証しており、The War Zoneはこの能力は無人航空機にも使用できると指摘してきた。

また、VAMPIREはその名の通り、自己完結型のパレット型システムであり、各種車両に容易に装着できる。L3Harris社、ピックアップトラックに搭載したバージョンを公開しています。ウクライナ軍はすでに、各種ミサイルやロケットランチャーなどを搭載したピックアップトラックを運用している。

また、米軍が初めてウクライナにAPKWS IIロケット弾を供与する計画を5月に公式発表したが、その際、何を発射するのか、どう使用するのか、といった詳細は一切明らかにされなかったことも記憶に新しい。さらに最近、ドイツ政府はピックアップトラックに70mmロケットランチャーとレーザー誘導ロケット弾を搭載する計画を明らかにした。こうした発表が直接関係しているかどうかはわからないが、米国の新支援策にVAMPIREが含まれたことを考えると、今までの発表に興味深いものを感じる。

米政府は、大砲や迫撃砲向け弾薬を増やし、敵の野砲部隊の位置を特定する対砲台レーダーを送る計画を立てている。このことは、紛争の両側でロケット砲や榴弾砲などの間接発射兵器が引き続き重要であることを強調している。追加されるRQ-20プーマは、敵の砲台を発見するなどの任務に就く可能性もある。ウクライナ軍とロシア軍はすでに、砲の探知に無人航空機を多用している。

ウクライナに対する新しい大規模なUSAI支援パッケージは、内容以上に、現在の紛争がいつ、どのように、あるいは解決されたとしても、ウクライナに今後必要となる積極支援策について、米国当局がウクライナと協力してきた背景を浮き彫りにしている。

バイデン大統領は声明で、「ウクライナは、長期にわたり自国を防衛できるよう、防空システム、大砲システム、弾薬、対無人航空機システム、レーダーを獲得する」と述べている。

「ウクライナ独立記念日に発表されたUSAIパッケージは、米国が長期にわたりウクライナを支援することを明確にし、ロシア侵略に直面し主権を守り続けるウクライナ軍の持続的な戦力を構築するべく複数年に及ぶ投資を意味する」と、国防総省報道発表は述べている。「今回の発表は、ウクライナが独立主権国家として自らを守り続けられるように、中長期的にウクライナに能力を優先的に追加提供する契約プロセスの始まりを意味する」。

長期的な焦点があてられていることが重要だ。The War Zoneはじめ、多くが、明日にでもロシアとウクライナの間に和平が成立したとしても、その後も紛争リスクはほぼ間違いなく高いままであると強調している。その意味で、ウクライナ軍は、紛争後の環境、あるいは2月のロシアによる全面侵攻以前のように紛争がほぼ凍結された状況で、どのように自らを再建し戦力を近代化し、将来の侵攻に対する抑止力と防衛力を強化するか、今から計画しておかなければならない。

「数千名が死傷し、数百万人が住居を追われ、その他にも多くの国民がロシアによる残虐行為や攻撃の犠牲になっているため、今年の独立記念日が多くのウクライナ国民にとってほろ苦いものであることは承知している。しかし、6カ月にわたる執拗な攻撃は、ウクライナ国民の自分自身、自国、そして31年にわたる独立への誇りを強めるだけだった」とバイデンは本日の声明で述べている。「今日も毎日、我々はウクライナ国民とともに立ち上がり、独裁政治を動かす闇は、世界中の自由な人々の魂を照らす自由の炎にかなわないと宣言する。米国は、誇り高きウクライナ系米国人を含め、ウクライナを民主的で独立した主権国家、繁栄する国家として、今後何十年も祝福し続けることを期待している」。

米国政府は、本日の新たな大型軍事支援パッケージ発表により、コミットメントを確実に表明したといえる。■

 

NASAMS Air Defenses, 310k Artillery Rounds In Huge $3B Ukraine Aid Package

BYJOSEPH TREVITHICKAUG 24, 2022 5:31 PM

THE WAR ZONE


2022年7月21日木曜日

ウクライナでHIMARSはロシアに深刻な損害を与えつつある。追加供与が決まり、ウクライナの期待が高まる

 


こ数週間、M142高機動砲ロケットシステム(HIMARS)は、徐々にしかし着実にウクライナを有利に近づけている。さらに多くのHIMARSをウクライナが受け取る準備が整いつつあり、ロシアのウクライナ侵略の命運が確実になりつつある。



死の雨を降らせるHIMARS

M142 HIMARSは3名(運転手、砲手、指揮官)しか必要ない。ミサイル6発を搭載し、弾薬にもよるが、最大43マイル離れた目標に発射できる。HIMARSがさらに優れているのは、対砲撃回避能力です。HIMARSは各弾頭を発射し数分で移動できるため、敵に対応する時間をほとんど与えない。

 ウクライナ軍はHIMARSを有効活用している。ウクライナ軍は計画的に目標選定し、正確に攻撃することで、巻き添えを食わずにロシアの軍事力と補給線を徐々に低下させている。

 ウクライナ軍は自国に殺傷力の高いミサイルを打ち込み、弾薬庫や補給路など、学校や建物に隣接することが多い軍事目標を標的にしている。しかし、民間人目標に近いにもかかわらず、ウクライナ側は大きな巻き添え被害を出さずにやり遂げている。ターゲット情報に加え、HIMARSの精度も証明している。


Ukrainian HIMARS fires at targets


ザポリージャ州でウクライナ軍HIMARSが発射された。(ウクライナ軍参謀本部)


ウクライナ軍指導部は、HIMARSの有効性について、ウクライナ軍の防衛に極めて重要であったと述べている。HIMARSはドンバス前線を安定させ、ロシアの進攻を食い止めるのに役立っている、と言う評価だ

 ウクライナ軍のHIMARSはロシアの最前線部隊ではなくロシア軍弾薬庫や兵站庫を標的にしている。

 これまでのところ、わずか数週間で、ウクライナ軍はHIMARSを使い、ドネツクやルハンスクの親ロシア派の飛び地を含む占領下の各地にある弾薬・物流基地30箇所以上を破壊した。その結果、ロシア前線部隊は基本的な必需品や弾薬が不足し始め、1日2万発の砲弾を無造作に発射していた砲兵隊も、今はより慎重に発射任務をこなさなければならなくなっている。

 「HIMARSは最近導入されたばかりなので、ウクライナ側は運用を開始してまだ日が浅い。しかし、同システムは精密かつ射程が長いので、ウクライナ側はより体系的にロシアの努力を損えるターゲットを注意深く選ぶことができる」と米国防関係者が評している。


HIMARS in Ukraine


ザポリージャ州でのウクライナ軍HIMARS。(ウクライナ軍参謀本部)


ジョン・カービー国家安全保障会議戦略コミュニケーション調整官は2日、記者会見で、米軍は大統領令によるあらたなドローダウンパッケージ(16回目)として、ウクライナにHIMARSを追加派遣すると明らかにした。

 「今週末、政権はウクライナ向け武器・装備の次期大統領令を発表する。大統領就任以来、ウクライナ支援の16回目のドローダウンとなる」とカービーは述べた。

 「このパッケージには、ウクライナ軍が戦場で効果を発揮しているHIMARS追加が含まれる。さらに、多連装ロケットシステムと砲弾の追加も含む」。

 水曜日にロイド・オースティン米国防長官は、国防総省がウクライナに追加で4台のHIMARSを送ると発表した。これで、ウクライナのHIMARSは合計16台となる。

 HIMARSに関しては、米国は侵攻開始以来同じアプローチを取っている。HIMARSの初回パッケージは、わずか4台だった。主に2つの理由からだ。一つは、ウクライナ軍が大量の新兵器に振り回されるず兵器システムを導入できるようにする、もう一つは、ウクライナ軍が兵器システムに適応し、有効に活用できるかを判断するためだ。■


HIMARS: How an advanced US artillery system is winning for Ukraine - Sandboxx

Stavros Atlamazoglou | July 20, 2022


Stavros Atlamazoglou

Greek Army veteran (National service with 575th Marines Battalion and Army HQ). Johns Hopkins University. You will usually find him on the top of a mountain admiring the view and wondering how he got there.

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2020年11月9日月曜日

米海兵隊は中国海軍をミサイルで狙い、各地を迅速移動する戦術構想を訓練中。

 

 

海兵隊が火力を迅速展開する新方式で訓練中だ。HIMARSミサイル攻撃を展開すれば海兵隊に実用的かつ残存性の高い対艦攻撃能力が実現する。

海兵隊の迅速展開訓練から西太平洋における米軍の軍事戦略が垣間見える。

 

2018年12月7日に第352海兵燃料補給輸送隊がM142高度機動ロケット発射機(HIMARS)をカリフォーニアのキャンプペンドルトンからユタのダグウェイ試射場まで移動させ、演習を展開した。

 

HIMARSは車輪つきだが自重12トンあり、各種対地攻撃ロケット弾を発射できる。KC-130J輸送機から展開し、訓練弾を発射し、またKC-130Jで原隊に戻った。

 

 

航空機による迅速展開演習は米陸軍が先行し陸軍では「HIMAR迅速展開」(HIRAIN)と呼んでいる。

 

新型装備、新型戦術と組み合わせHIRAINにより米軍部隊は長距離砲兵部隊を迅速移動させ敵軍を混乱させるのが目的だ。この手法で米軍は西太平洋で中国の動きを封じようとする。

 

中国は日本列島からフィリピンへ伸びる「第一列島線」を中国の影響圏ととらえ、中国共産党は貿易、外交、軍事脅威を使い影響力を行使している。有事になればこの列島線で多数地点を占拠するだろう。

 

ペンタゴンはこの動きを困難にしたいとする。航空・海軍戦力が米戦略の中心であることにかわりはないが、地上部隊へも固有の役割が期待される。H.R.マクマスター米陸軍大将(退役)は短期間ながらトランプ大統領の安全保障担当補佐官を務め、陸軍に「陸地からの兵力投射」を期待している。オバマ政権で海軍次官だったジャニーン・デイヴィッドソンも「陸軍に艦船を攻撃させる」よう動いたと発言。海兵隊には陸軍と同程度の装備品が多数あり、敵艦攻撃も可能だ。

 

近い将来の戦闘で中国艦艇が日本あるいはフィリピン近隣の諸島へ向け移動中としよう。海兵隊のロケット中隊が輸送機で諸島の一つに迅速移動し、中国艦へ数発発射する。その間輸送部隊が待機する。「発射するたびに部隊は別の場所に隠れ、次の発射命令を待つ」とRANDコーポレーションが2017年に構想を発表していた。

 

「遠隔島しょ部分の防御を強化し、隣接水域に海軍部隊が展開すれば低コストで戦略上の優位性が大きく確保できる」と海軍大学校のジェイムズ・ホームズ教授も2014年に提案していた。

 

陸軍は構想の一部を現実的な条件で訓練している。2018年のリムパック演習では陸軍HIMARS部隊が除籍した海軍強襲揚陸艦ラシーンをロケット弾5発で沈めた。発射地点は50マイル先で無人機が射撃を調整した。

 

とはいえ、無誘導227ミリロケット弾(弾頭200ポンド)を40マイル先から運用するHIMARSは理想的な対艦兵器とはいえない。

 

そこでHIMARSで誘導式610ミリ陸軍戦術ミサイルATACMS(弾頭500ポンド)を190マイル地点から発射させればよい。2016年に陸軍はシーカーの改良で艦船攻撃の効果を増大する作業を開始した。

 

海兵隊はHIMARS発射機に専用対艦ミサイルの導入を検討中だ。2018年にアリゾナでの試射では、F-35ステルス戦闘機から標的情報をロケット部隊に送信し、命中精度を引き上げようとした。海兵隊のF-35Bは地上のコンテナを探知し、データリンクでGPS座標をHIMARS要員へ送った。

 

HIMARSにより海兵隊に実用に耐えつつ残存性が高い対艦攻撃能力が実現する。そこにF-35を加え、ロケット攻撃の命中精度が向上する。また発射部隊は迅速空輸により敵の反撃を逃れ、敵は所在をつきとめようと懸命になる、という目論見だ。■

 

この記事は以下を再構成したものです。

 

How Would U.S. Marines Fight China in a War? This Photo Is a Hint.

 

November 7, 2020  Topic: Security  Blog Brand: The Reboot  Tags: MarinesArmyF-35MilitaryTechnologyHIMARS

by David Axe 

 

David Axe is the author of the new graphic novels MACHETE SQUAD and THE STAN.