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2020年10月19日月曜日

中国の極超音速攻撃手段の開発状況をうかがわせる映像の流出

 

CHINESE INTERNET

 

 

国からの映像でH-6Nミサイル発射用爆撃機に長大な兵装が吊り下げられている。ミサイル前方の鋭角形状から極超音速兵器の可能性がある。また寸法は中国の地上発射式DF-17極超音速兵器に類似している。弾道ミサイルで加速し、無動力DF-ZF極超音速滑空体をマッハ5で飛翔させつつ経路を操作し標的に命中させるものだ。

 

中国が地上発射式弾道ミサイルを空中発射式に転用しようとしているのは前からわかっていた。空中発射式極超音速加速滑空式兵器の登場は予測にあったが実物を目にするのは初めてだろう。

 

H-6Nは大型兵装用に特別改装され、高速無人機から対艦ミサイルまでさらに従来型の巡航ミサイルまで運用可能だ。H-6Kの発展型だが、ソ連時代のTu-16バジャーが原型だ。

 

中国が既存の地上発射式装備から空中発射式極超音速兵器の開発へ走るのは理屈にかなう。中国が軍事パレードで誇示したDF-17をもとに開発するのはそれが唯一の選択肢だからだが、原型ミサイルの性能自体が不明だ。とはいえ、中国としては実用に耐える極超音速兵器を保有している姿を世界に示したいのだろう。


CHINESE INTERNET

建国70周年記念軍事パレードに現れたDF-17部隊

 

だからといって今回現れた映像で謎がすべて解けたわけではない。米国同様に中国も極超音速兵器各種を並行開発し、各種用途を想定しているはずだ。空気取入れ式極超音速巡航ミサイルもそのひとつだ。これと別に従来型の弾道ミサイルに制御可能な弾頭を付ける試みもDF-21DやDF-26にあるが、判明している画像の弾頭部分はこれを裏付けるものではない。高解像度の映像画像が現れればこの推論も変わりそうだ。

 

CHINA MEDIA

DF-21D の試射

 

極超音速滑空兵器を数千マイル先を狙っ中国国内からて発射すれば、有効射程外だった敵基地も脅威にさらされる。グアムのアンダーセン空軍基地およびウェーク島がとくに要注意だ。ただしこの種の兵器は各地の高度防衛施設を攻撃可能で、敵艦隊撃破も目指して開発が進んでいる。この戦力で中国が米国の先にあるのかは議論を呼ぶところだ。

 

今回の映像で極超音速兵器開発に拍車がかかっていることがわかる。米側の極超音速兵器は各種が開発中で、それ以外にも極秘事業があるはずだが、中国も黙ってみているわけではない。一千マイルを12分で移動したといわれる米空軍のAGM-183ARRWと同様に人民解放軍も数千マイル先の標的を防衛不可能にする空中発射式の高精度極超音速攻撃手段を重宝するはずだ。今回の映像が示しているのは中国が米国の開発に後れを取らず努力していることだろう。そのほか、映像では弾道ミサイルを搭載した機材の姿から中国が戦略上の効果を期待していることもわかる。

今回の映像関連の情報は変更となる可能性もある。追加情報や詳しい分析が出てくればこの場で提供したい。■

 

 

この記事は以下を再構成したものです。

 

Video Of Chinese Missile Carrier Jet Hauling What Appears To Be A Hypersonic Weapon Emerges

The video could be the first visual evidence that China is actively testing an air-launched hypersonic weapon.

BYTYLER ROGOWAYOCTOBER 17, 2020

Contact the author: Tyler@thedrive.com


2019年10月2日水曜日

中国の新型極超音速兵器DF-17は完成した装備ではない可能性



Check Out China's New DF-17 Hypersonic Glide Vehicle: A Real Killer? 中国の極超音速滑空ミサイルDF-17が要注目、威力はどこまであるのか。

Can the U.S. military match it? How capable is it? 米軍に匹敵する装備はあるのか。どこまでの性能があるのか
by David Axe 
October 1, 2019  Topic: Security  Region: Asia  Blog Brand: The Buzz  Tags: ChinaMillitaryTechnologyWorldDF-17HGV
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国人民解放軍が2019年10月1日公開した新型極超音速ミサイルは太平洋に展開する米軍に新しい脅威となりそうだ。
DF-17極超音速滑空飛行体(HGV)は15千名を動員した人民共和国体制発足70周年を祝うPLA軍事パレードで初公開された。
極超音速兵器の開発に取り組む各国が、音速の5倍超の速度で移動する動力付きあるいは滑空方式の精密誘導攻撃手段の実現をめざす中で、DF-17は初の、または二番目の極超音速滑空体として配備される装備となる。ロシアはHGV配備を2019年に発表している。
パレードにはDF-17が16本登場し、DF-16中距離弾道ミサイルと思われるものの上に搭載されていた。DF-16がDF-17をマッハ5超まで加速し、DF-17が分離されて標的に向かい飛翔経路を変更しながら敵の防空網を回避する。
DF-17が弾頭を搭載しているか不明だ。「DF-17は通常弾薬を装備しHGVの運動エナジーから破壊力を発生する構想だろう」とJane’sのアンドリュー・テイトがコメントしている。
推定射程が1000マイル程度なのでDF-17は西太平洋に展開する米軍に脅威となる。
元陸将の日大の吉富 望教授はDF-17の登場で既存の防衛体制は陳腐化するとロイターに述べている。「もっと高性能の弾道ミサイル防衛体制がないと日米両国は対抗できなくなる」
「こんな兵器が配備されれあば対応できる装備がない」とジョン・ホイテン米戦略軍司令官(当時)は上院軍事委員会で2018年3月に発言していた。
極超音速兵器は拡散しつつある。2018年12月にロシア大統領ウラジミール・プーチンがロシア軍が高性能極超音速滑空体をテスト中と認め「技術面ではすべて実証に成功した」と国営TASS通信が報じていた。
他方で米国は初のHGV部隊を発足させようとしている。ペンタゴンは2018年末にダイネティクスおよびロッキード・マーティンにあわせて7億ドル相当の契約を交付しており、「共通型の」極超音速飛翔体20基、誘導装置8式、発射台4基の製造をさせる。米陸軍がHGV発射部隊をはやければ2023年に発足させる。
米海軍、米空軍も同じHGVの導入を予定している。このうち海軍はトマホーク巡航ミサイル同様に潜水艦から垂直発射させるとする。
空軍は爆撃機に搭載する。B-1爆撃機を発射母機とする意向だが、B-1では信頼性が引き続き問題となっている。
一番乗りを競うロシアと中国は信頼性が低いままで配備することになるかもしれない。米国防次官(研究開発)マイケル・グリフィンが2018年にライバル国が進展をみせているものの、極超音速兵器研究では米国が世界のリーダーであることに変わりないと2018年7月に述べている。
ペンタゴンとしては未完成の装備品を第一線配備する必要はなく、焦る必要もないと達観している。「その必要もない」
米国の極超音速兵器の成熟化には「2020年代をかけて」かかるとグリフィンは述べる。「今後はテストのペースが加速し、2020年代初めに装備品が実現し、2020年代通じて成熟化する様子が今後見てもらえますよ」とグリフィンは語っている。■

David Axe serves as Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels  War Fix, War Is Boring and Machete Squad.