Korea's Future Is Dying (Thanks to Demographics) 未来がない韓国(人口構成が原因)
South Korea's demographic decline could lead to a structural slowdown that puts a permanent brake on growth
人口減少が韓国の構造的減速につながり高成長は未来永劫に期待できなくなる
August 31, 2019 Topic: Security Region: Asia Blog Brand: Korea Watch Tags: South KoreaDemographicsPopulationEconomyNational Security
韓国の生存を脅かしているのは北朝鮮だけではない。共産主義体制の北と緊張緩和に走る一方で日本との関係を気まずくしている韓国だが人口減に向かい経済も減速を免れず、高成長は二度と実現しなくなる。.
韓国政策当局者に頭が痛いのがこの度発表された政府資料で出生率の低下で人口減が早ければ2020年から始まるとある。
前回2016年発表の予測では人口ピークは2023年とあった。
それが今年3月の資料では今年が人口ピークの51百万人で、最悪のシナリオでは2067年に1972年水準の34百万人になるとある。
65歳以上の老年人口が2065年に全人口の半分となる。これは中程度の成長シナリオでの話だが、世界有数の老人国となり当然軍事力でも足かせとなる。
対照的に移民に寛容な米国、カナダ、オーストラリアの老齢人口は全体の四分の一以下にすぎない。
韓国女性の出生数が減少し、女性の生涯平均生涯出産数は2018年に記録更新の0.98にまで低下した。これは日本の1.43より低く、人口維持に必要な2.1に遠く及ばない。
韓国の老齢人口比率は2017年で14パーセントと日本の半分程度だった。労働人口の15歳から64歳は73パーセントだったが、2065年にわずか46%に減る。これは中程度成長シナリオの場合だが同時期の日本では51%の予想だ。
日本と同様に高齢化が若年人口の重荷となる。2015年調査では年齢が20歳から44歳男子で58%が未婚で女性では48%が未婚だった。
韓国統計局の試算では労働人口100人が支える若年人口、老年人口は2017年の36.7人が2067年には120.2人となる。国民年齢の中央値は2017年の42歳が2067年に62.2歳となる。
子育て費用、若年層の失業率の高止まり、仕事を持つ女性の負担、受験競争、就職難が背景にあると専門家が指摘する。
韓国でも女性の晩婚化が見られるのは高度教育やキャリア形成を優先しているためだ。最新データでは2018年中に出産した女性の3割超が35歳以上だった。
またOECD加盟国中で男女間賃金格差が最大になっている韓国では女性がキャリアを求めても受けられる見返りはあまりにも少なく、およそ四分の一が「結婚、出産、子育て」のため退職している。
成長の鈍化
人口減でも一人あたり国内総生産に成長の余地が残るのは日本と同様だが、高齢化が新たな投資を鈍らせ生産性も伸びず、最終的にGDP成長が減じる。
政府の観点では拡大する老齢人口を少ない人口で支えるのが財政上の難題となる。これは社会福祉支出が増える一方、税収が減るのためだ。
現代研究所の予測では韓国経済の成長余力は現在の2.7パーセントが「早ければ2030年に」1パーセントまで低下する。
ムーディーズ投資サービスから韓国、日本両国の信用格付けの低下および経済成長の鈍化に注意喚起がでている。政府部門の借り入れが増える中、借り入れ余地が減り、労働人口の成長が鈍り高齢化が顕著となるのは2030年代だという。「借り入れ余地の不足が浮上するのは2030年代のことで政府の財政力が減少する」
韓国メディアは「新生児危機のほうが通貨リスクより深刻」と警鐘を鳴らしている。韓国政府は117兆ウォン(970億ドル)を2016年から2018年にかけ投入し各種施策で出生率引き上げを引き上げようとしてきた。.
それでも人口高齢化の食い止めは韓国政府に難題のままだ。「経済成長の余地を伸ばすには女性に働きやすい労働環境、移民流入の緩和、投資環境改善策として規制緩和や新規産業の育成が必要だ」と専門家は見る。
退職者の増加が脅威となる見方もある。「このままだと年金制度が持たない。現行制度の抜本的見直しが必要だ。移民受け入れもその一つだ」
韓国が大量難民を歓迎すると見る向きには昨年のイエメン難民事例を見れば甘い期待が吹き飛ぶだろう。
内戦を逃れたイエメン難民561名が済州島に到着した。2015年中に到達した難民が89万名のドイツとは比較もできない規模だ。
済州島という隔離された環境にもかかわらず韓国ではヒステリーともいうべき反応が生まれ、難民受け入れ拒否を求める大統領嘆願書に70万名が署名した。という。
とはいえ政府の取り組みで傾向は逆転はしそうにない。北欧型の支援策でも出生率回復の長期的効果は限定的と見る専門家もいる。
再統一で高齢化は止まらない
では南北統一が実現すればこの問題は解決されるのか。
国連統計はそう見ていない。北の出生率も低下を開始したとみられ、現在でさえ1.9で人口維持に必要な水準を下回るだ。
先行事例がドイツで統一後の旧東ドイツで0.8へ急降下したとの報告がある。その後回復したものの、最高の州でも1.6と人口維持に足る水準を下回っている。
南北統一が朝鮮半島で進んで出生率が安定しても「北の出生率が急上昇する兆しは皆無」と専門家は見る。
人口減の韓国では軍事面でも課題が生まれる。現状は625千名が北の120万に対峙して国土を防衛している。
軍務につける若年層人口が減少すれば韓国軍は現状の兵力維持が困難となり同盟国が負担増を強いられるかも知れない。米国は28千名を韓国に駐留させている。.
国際通貨基金の指針予測では韓国のGDP成長率は昨年の2.%が2019年は外需の低迷で2.6%になる。その他2%成長を予測するものもある。”
IMFは「潜在成長力が減速し、人口構成が不利な状況となり生産性が伸びないのは同国の構造面で弱みがあるため」と注記している。
アジア四位の経済規模を有する韓国にとって人口減少傾向の逆転は北朝鮮への対応や日本との関係修復よりも難易度が高い。ちなみに日本では人口減が始まっているので韓国当局者は遠くまで出かけなくても自国の将来を垣間見ることができるのだ。
Anthony Fensom is an Australia-based freelance writer and consultant with more than a decade of experience in Asia-Pacific financial/media industries.