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2025年11月9日日曜日

米海軍は空母でヴェネズエラのどこを攻撃するのか考えてみた(National Security Journal)

 


The world's largest aircraft carrier, USS Gerald R. Ford (CVN 78), conducts flight operations in the North Sea, Aug. 23, 2025. Gerald R. Ford, a first-in-class aircraft carrier and deployed flagship of Carrier Strike Group Twelve, is on a scheduled deployment in the U.S. 6th Fleet area of operations to support the warfighting effectiveness, lethality, and readiness of U.S. Naval Forces Europe-Africa, and defend U.S., Allied and partner interests in the region. (U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Maxwell Orlosky)

フォード級空母。画像クレジット:クリエイティブ・コモンズ。

要点と概要 – ヴェネズエラ沖に展開するジェラルド・R・フォードは、大規模な空戦を約束せずとも圧力を示す存在だ。

-ワシントンが行動を命じた場合、航空機・ドローン・衛星によるISR(情報・監視・偵察)を基に限定的かつ精密な攻撃が展開される可能性が高い。標的は軍事拠点やトレン・デ・アラグアのような麻薬関連施設となる。

-ヴェネズエラが保有するロシア製S-300VM、Buk-M2E、パンツィール防空システムは脅威だが、駆逐艦や潜水艦から発射されるトマホーク巡航ミサイルは全土を射程に収め、滞空しながらデータリンク経由で目標を再設定し、固定/移動目標を攻撃できる。これによりパイロットを危険から遠ざけられる。

-ステルス戦闘機F-35Cは時間的制約のある目標や移動目標への選択肢だが、最初の打撃手段はトマホークミサイルである。

ヴェネズエラ沖に空母ジェラルド・R・フォードが展開した際の作戦計画

ヴェネズエラ沖に展開が予想される空母ジェラルド・R・フォード(CVN-78)は、米海軍の戦力投射能力について説得力のあるメッセージを発信している。

しかし、この地域における戦闘シナリオで、空母航空団や空母打撃群が具体的にどう運用されるのか疑問に思うかもしれない。

米国が第四世代・第五世代機を大量投入し大規模空爆を展開する可能性は極めて低い。単に、そのような大規模攻撃の必要性が全く見当たらないからだ。ただし、精密攻撃が軍事施設、指揮統制施設、あるいはトレン・デ・アラグアのような麻薬密輸組織の拠点として知られる場所を標的とする可能性はある。

ヴェネズエラの防空能力

ヴェネズエラが米空母発進機を脅威とする防空能力を有している可能性は低い。とはいえ、ヤフーの報道によれば、同国はロシア製S-300VMシステムを運用しており、100マイル超の距離から航空機を標的とできる。

保有数や整備・近代化の程度は不明で、各プラットフォームが相互にネットワーク化されているかどうかも不明だ。USSフォードから発進したF-35Cは、同国国内の軍事目標や麻薬密輸組織を攻撃する場合、これらのシステムに対して一定の成功を収める可能性が高い。

世界最大の空母USSジェラルド・R・フォード(CVN 78)の航空部門に配属された航空甲板員(航空機取扱)一等兵曹ホセ・メヒアカストロは、2025年9月26日、飛行甲板上で第87攻撃戦闘機隊所属の第8空母航空団F/A-18Eスーパーホーネットへの信号準備を行う。ジェラルド・R・フォードは同型初の空母であり、第12空母打撃群の旗艦として、米第6艦隊作戦海域に予定配備中である。これは欧州・アフリカ海軍部隊の戦闘効果性、殺傷力、即応態勢を支援し、同地域における米国、同盟国、パートナー諸国の利益を守るためである。(米海軍広報専門士2等兵曹 マリアノ・ロペス撮影)

2021年6月18日、大西洋を航行中の空母ジェラルド・R・フォード(CVN 78)が、初の予定された全艦衝撃試験(Full Ship Shock Trials)の爆発実験を完了した。米海軍は、実戦で使用される爆発物を使用して新造艦の衝撃試験を実施し、戦闘で遭遇する可能性のある過酷な条件下でも、軍艦が厳しい任務要件を引き続き満たせることを確認している。(米海軍、マスコミュニケーションスペシャリスト3等兵、ライリー・B・マクダウェル撮影)

別のTWZの報道は、ロシアの出版物を引用し、モスクワが輸送機でパンツィールS1およびブクM2E防空システムをヴェネズエラに送ったと公式に主張していると述べている。

トマホークによる攻撃

米海軍の火力がヴェネズエラ国内の目標を攻撃するために使用される場合、は潜水艦や駆逐艦がトマホークを内陸の目標に向けて発射する形になる可能性が高い。最も重要な問題は射程距離だ。水上艦や潜水艦から発射されたトマホークは、少なくとも 900 マイル飛行できる。

この射程距離により、ヴェネズエラ国内のあらゆる地点がトマホーク攻撃の脅威に晒される。つまり海軍は、敵対地域上空での有人戦闘機運用に伴うリスク(たとえヴェネズエラの防空能力が限定的であっても常に存在する危険)を冒さずに目標を攻撃できる。

麻薬密売組織を標的とした精密攻撃

いかなる攻撃でも固定翼偵察機(ISR)、ドローン、衛星が攻撃地点の特定を支援する。

トマホークに組み込まれた最新技術は、標的捕捉と攻撃の可能性を向上させる。ブロックIV標準型トマホークはISR対応の滞空機能を備え、標的領域上空に滞空しながら双方向データリンクで標的情報が変化した場合に必要な再誘導が可能となっている。

海軍は現在、戦術トマホーク巡航ミサイルも運用している。この兵器は飛行中に軌道を変更し、海上船舶・陸上車両・移動式防空システムなどの移動目標を追尾できる。

こうした特性とトマホークミサイルの射程・飛行誘導オプションを考慮すれば、必要と判断されれば、沿岸数百マイル沖からヴェネズエラ全土を攻撃圏内に収めることが可能となる。


USSアイオワ艦上のトマホーク発射装置。ナショナル・セキュリティ・ジャーナル誌写真。

トマホークは射程と精度の高さから、紛争時にはしばしば最初の攻撃兵器となる。このミサイルは冷戦時代に、ソ連の防空網を突破するため、地表すれすれを飛行する巡航ミサイル軌道で設計された。最適なスタンドオフ距離の精密兵器である。

歴史的には、バンカー、指揮統制センター、兵器施設、部隊配置地などの固定目標に対して使用されてきた。近年では、航路を調整可能な戦術兵器として開発が進み、海上を航行する艦船を追跡・攻撃する能力を獲得した。

F-35Cによる攻撃はありうるか?

可能性は低いものの、もし承認されれば、長距離ISR(情報・監視・偵察)とトマホークのような巡航ミサイルが使用されるだろう。

ヴェネズエラへの攻撃は極めて限定的な標的攻撃に留まるため、大規模な空軍作戦は必要がない。

同時に、F-35Cのようなステルス機は特定の状況なら望ましい攻撃プラットフォームとなり得る。標的が小型で機動性が高い場合、空中からの追跡が必要となるからだ。■

著者について:クリス・オズボーン

クリス・オズボーンは、軍事近代化センター「ウォリアー・メイヴン」の代表を務める。オズボーンは以前、国防総省で陸軍次官補室(調達・兵站・技術担当)の高度な専門知識を持つ専門家として勤務した。また全国ネットのテレビ局でアンカーおよび軍事専門家として出演した経験を持つ。フォックスニュース、MSNBC、ミリタリーチャンネル、ヒストリーチャンネルに軍事専門家ゲストとして出演した。コロンビア大学で比較文学の修士号を取得している。

What a U.S. Navy Aircraft Carrier Could Actually Hit in Venezuela

By

Kris Osborn

https://nationalsecurityjournal.org/what-a-u-s-navy-aircraft-carrier-could-actually-hit-in-venezuela/


2024年11月15日金曜日

F-35C海軍統合打撃戦闘機がイエメンでフーシ派に対する攻撃任務を遂行で実戦デビュー(The War Zone)

 U.S. Marine Corps F-35C Joint Strike Fighters took part in recent strikes on Iranian-backed Houthi militants in Yemen, the Pentagon has disclosed.  

CENTCOM capture



今回が空母運用型F-35Cの "戦闘デビュー"なのかは定かではないが、A型B型では実戦投入は実施済みだ


海兵隊のF-35C統合打撃戦闘機がUSSエイブラハム・リンカンの甲板から飛行し、イエメンでイランに支援されたフーシ派武装勢力に対する最近の作戦に参加したことを、国防総省が明らかにした。これは、海兵隊と米海軍のいずれかに所属するF-35の空母ベースのC型にとって、最初ではないにせよ、最初の戦闘出撃のひとつであるようだ。

「米中央軍(CENTCOM)部隊は11月9日から10日にかけて、イエメンのフーシ支配地域にある複数のフーシの武器貯蔵施設に対して、一連の精密空爆を実施した」と、国防総省報道官パトリック・ライダー空軍少将は本日の定例記者会見で述べた。「これらの施設には、イランに支援されたフーシが紅海とアデン湾の国際水域を航行する米軍および各国の軍用・民間船舶を標的にする各種最新通常兵器が保管されていた。

「今回の作戦には、F-35C戦闘機を含む米空軍と米海軍の資産が関与していた」とライダー少将は付け加えた。

2024年8月、USSエイブラハム・リンカーンから発進する米海兵隊のF-35C。 米海軍

「国防総省:米海軍のF-35Cは、米空軍機とともに、イエメンのフーシの標的を狙った一連の作戦で11月9日から10日にかけて戦闘デビューを果たす」と、アビエーション・ウィークのペンタゴン担当編集者であるブライアン・エバースティンはXへの投稿で書いた。

ライダー少将は、問題のF-35Cが海軍のものであることを言い間違えたようだ。CENTCOMが本日公開したビデオには、F-35C、F/A-18Fスーパーホーネット戦闘機、EA-18Gグラウラー電子戦機が、11月9日から10日にかけて行われたフーシ派に対する攻撃の一環として、USSエイブラハム・リンカンから離陸する様子が映っている。現在リンカンに乗艦している唯一のF-35C部隊は、海兵戦闘攻撃飛行隊314(VMFA-314)、"ブラックナイツ "である。

今日のブリーフィングでライダー少将は、F-35Cが戦闘に採用されたのは今回が初めてとは明言しなかった。 海兵隊のC型が戦闘出撃したのは今回が初めてという可能性もある。 VMFA-314は、これまでにもこの地域で戦闘任務に就いていた可能性がある。空母リンカンは8月にCENTCOMの責任地域に到着した。

F-35Cが週末のフーシ派に対する出撃でどのような弾薬を使用したのかも不明だが、CENTCOMのビデオに映っているジェット機は外部には武器を搭載していないようだ。 F-35Cは現在、1,000ポンドおよび2,000ポンド級の統合直接攻撃弾(JDAM)GPS支援精密誘導爆弾、500ポンド級のペイブウェイ・シリーズ・レーザー誘導爆弾、AGM-154統合スタンドオフ・ウェポン(JSOW)精密滑空爆弾、およびAIM-120高度中距離空対空ミサイル(AMRAAM)を内部に搭載することができる。

本誌は、国防総省、中米中央司令部(CENTCOM)、海軍、海兵隊に問い合わせている。

2024年5月、USSエイブラハム・リンカーンの甲板上のVMFA-314所属の F-35C。 米海軍

ともあれ、F-35Cは現在、明らかに戦闘に投入されている。これは、2018年のアフガニスタンの標的に対する米軍F-35B(海兵隊機材)の戦闘デビューと、翌年のイラクの標的への攻撃における米空軍F-35Aの戦闘デビューに続くものである。 

2018年には、イスラエルのF-35Iアディールも、統合打撃戦闘機として初の実戦を行った。 

米軍が現在唯一運用しているF-35Cは、初期運用能力のマイルストーン(2019年)に最後に到達した機種であり、海軍空母に配備され始めたのは2021年である。 VMFA-314は、実際に空母に配備された最初の海兵隊F-35C飛行隊であり、翌年エイブラハム・リンカンでの初期配備を終えた。

2021年、USSエイブラハム・リンカンから発進する準備をするVMFA-314 F-35C。 米海軍

フーシ派に対する紅海周辺での米軍の作戦は、すでに多くの海軍航空史上初を生み出しているものの、残念ながら危機は収まる気配を見せていない。 週末にF-35Cや他の航空機が攻撃した後、フーシ派は対艦弾道ミサイルや巡航ミサイル、神風ドローンの弾幕を、USSエイブラハム・リンカン打撃群に配属されているアーレイ・バーク級駆逐艦2隻に対して発射した。

「11月11日、米中央軍部隊はバブ・アル・マンダブ海峡を通過中、イランに支援されたフーシ派の複数の攻撃を撃退することに成功した。通過中、アーレイ・バーク級誘導ミサイル駆逐艦USSストックデールとUSSスプルーアンスは、少なくとも8発の一方向攻撃型無人航空機システム、5発の対艦弾道ミサイル、3発の対艦巡航ミサイルの攻撃を受けたが、迎撃に成功し、攻撃は撃退された」と、パトリック・ライダー少将は今日のブリーフィングで述べた。 「艦船に損傷はなかった。 人的被害はなかった。私の知る限り、エイブラハム・リンカンに対する攻撃はない」。

VMFA-314のF-35Cは、エイブラハム・リンカン空母打撃群の他の部隊と同様に、フーシ派との交戦を続けるようだ。■

F-35C Naval Joint Strike Fighters Fly Combat Missions Against Houthis In Yemen

It isn't clear if this is the 'combat debut' of the carrier-capable F-35C, but that milestone has already come for its A and B model counterparts.

Joseph Trevithick

Posted on Nov 12, 2024 7:48 PM EST


https://www.twz.com/air/f-35c-naval-joint-strike-fighters-fly-combat-missions-against-houthis-in-yemen



2024年7月18日木曜日

米海軍がF-35CとCMV-22Bを日本に前方展開する「理由」をなぜ日本メディアは伝えないのか。新型機=騒音、事故、迷惑という感情的な反発を煽るだけでいいのだろうか。

 Fighter Squadron 147, Fleet Logistics Squadron 30 Detachment to Forward Deploy to Japan


2024年5月30日、大西洋を航行中のニミッツ級空母ジョージ・ワシントン(CVN73)から離陸する、打撃戦闘機隊(VFA)147所属のF-35CライトニングII。ジョージ・ワシントンは、共同、多国籍、省庁間の交流と協力を通じて、能力を強化し、相互運用性を向上させ、米南方司令部の責任範囲全体で各国との海洋パートナーシップを強化することを目指す「南方海域2024」の一環として展開されている。(米海軍撮影:オーガスト・クローソン3等通信兵)



米海軍は、打撃戦闘飛行隊(VFA)147と艦隊後方支援マルチミッション飛行隊(VRM)30、前方展開海軍部隊(FDNF)が岩国に前方展開すると発表した。以下海軍報道発表より。


打撃戦闘飛行隊(VFA)147と前方展開海軍部隊(FDNF)分遣艦隊兵站多任務飛行隊(VRM)30が岩国へ前方展開する。同飛行隊は、岩国海兵隊航空基地に前方展開している空母航空団(CVW)5の航空機と合流する。


VFA147のF-35CライトニングIIはVFA115のF/A-18ホーネットに交代し、VRM30, Det FDNFのCMV-22Bオスプレイは、CVW5と空母打撃群(CSG)5を支援していた艦隊後方支援飛行隊(VRC)30分遣隊のC-2Aグレイハウンドと交代する。


F-35Cは米海軍で最も高性能な戦闘機であり、航空優勢を支える基幹戦闘機である。F-35Cは空母打撃群を、米国の戦力投射と抑止力を強化する圧倒的なマルチロールの第5世代航空機で補完する。


海軍のV-22は、C-2Aと比較して、航続距離の増加、貨物の積み下ろしの高速化、空中給油能力、生存性の向上、見通し外通信の強化などを実現している。同機は、機動性、柔軟性、持続可能性をもたらし、ハイエンドの戦闘において海軍部隊を効果的に前方で運用する。CMV-22Bは次世代の空母艦載機輸送(COD)任務を代表し、空母打撃群の持続的な展開機動性を確保するための重要なイネーブラーだ。


Fighter Squadron 147, Fleet Logistics Squadron 30 Detachment to Forward Deploy to Japan米第3艦隊作戦海域を航行中のニミッツ級空母カール・ヴィンソン(CVN70)の飛行甲板に着陸する、艦隊後方支援マルチミッション飛行隊(VRM)30の「タイタンズ」所属のCMV-22Bオスプレイ。米太平洋艦隊の重要な一部として、米第3艦隊はインド太平洋で海軍部隊を運用するほか、制海権と戦力投射という海軍の時代を超えた役割を完璧に遂行するために必要な、現実的で適切な訓練を提供している。米海軍第3艦隊は、他の艦隊と緊密に連携し、指揮官に対し、日々の競争、危機、紛争において前方に展開し、勝利するための有能で準備の整った部隊を提供している。(米海軍撮影:デレク・ケリー2等通信兵)


CVW5は現在、ニミッツ級航空母艦USSロナルド・レーガン(CVN76)に配備されている。ロナルド・レーガンは約9年間におよぶ日本での前方展開を終え、今年定期整備のために米国に戻る。


ロナルド・レーガンは、太平洋で定期的な作戦を実施しており、横須賀のアメリカの前方展開空母として、USSジョージ・ワシントン(CVN 73)が配属される。CVW 5は引き続き米軍の前方展開空母航空団として任務を遂行し、今年後半に日本に帰還する際にはジョージ・ワシントンに乗艦する。


ジョージ・ワシントンは以前、2008年から2015年まで横須賀で海軍の前方展開空母を務めていた。


VFA147とVRM30の前方展開は、日本の防衛と重要なインド太平洋地域の安全と安定に対する米国のコミットメントを支援する。VFA147とVRM30は、インド太平洋地域で最も能力の高い部隊を前方に配置するという防衛戦略指針を直接支援する。


米国は、インド太平洋の平和、安全、安定に対する日本の貢献と、同地域に前方展開する米軍を受け入れることに対する日本の長期的なコミットメントと歓待を高く評価する。これらの部隊は、自衛隊とともに、日米同盟が共通の戦略目標を達成するために必要とする中核的能力を構成している。


インド太平洋の安全保障環境は、米海軍で最も能力の高い艦船と航空機を前方に駐留させることを必要としている。この態勢は、海上部隊と統合部隊の迅速な対応を可能にし、最大の打撃力と作戦能力を備えた最も能力の高い艦船を実戦に投入する。■


U.S. Navy Forward Deploys F-35C And CMV-22B To Japan

The U.S. Navy announced that Strike Fighter Squadron (VFA) 147 and Fleet Logistics Multi-Mission Squadron (VRM) 30, Detachment Forward Deployed Naval Forces (FDNF) will forward deploy to Iwakuni, Japan.

Naval News Staff  16 Jul 2024


https://aviationweek.com/special-topics/sustainability/new-technologies-could-boost-aviations-decarbonization-goal



2024年3月23日土曜日

もし戦わば、F-35対J-31 空母搭載ステルス機の対決

J-31がF-35のコピーなのか、外観だけで判断はできないようです。むしろ情報処理能力など中身では足元にも及ばない可能性があります。ただし、頭から中国製を馬鹿にするのは危険かもしれません。第二次大戦前には日本では「人種的に」西側戦闘機に匹敵する性能を有する機体の製造は無理と広く信じられていましたからね。Warrior Maven記事からのご紹介です。


PLANは、空母運用型の第5世代ステルス戦闘機J-31プロトタイプを急速に試験しているようだ


民解放軍海軍は、米海軍のF-35Cに匹敵すると思われる、空母発射型の第5世代ステルス戦闘機J-31の試作を急ピッチで進めているようだ。 

 中国のJ-31空母艦載ステルス戦闘機の最も知られている要素は、単に数が少ないということかもしれない。中国新聞は2機の試作機を挙げており、同機はまだ運用されていないようだ。

 しかし、同機は、PLANにとって史上初の空母運用型の第5世代戦闘機であり、アメリカ海軍のF-35Cに匹敵するよう設計された航空機であるため、国防総省にとって潜在的な脅威になりうる。PLAは、F-35Bに相当する機体や、水陸両用強襲揚陸艦から垂直に展開できる第5世代航空機のエンジニアリングに関して遅れているようだ。同機は、米海軍のF-35Cと比較すると、運用目的が非常に似ているように見える。PLAがJ-31の運用部隊を実戦投入できるようになるまで数年かかるかもしれないが、その存在は中国に前例のない戦力投射能力を与えるだろう。PLANの第5世代空母搭載ステルス機は、これまで到達できなかった世界各地でステルス航空攻撃を行うことを可能にする。例えば、中国がアフリカや南米などで経済的・軍事的影響力の拡大を目指していることはよく知られている。PLAは、アフリカの角のジブチにある米国の既存基地のすぐ近くに独自の軍事基地を建設しており、中国がアフリカや、より大きな影響力を求めるその他の場所に積極的に投資していることはよく知られている。こうしたことはすべて、2049年の建国100周年までに、いや、もっと早期に、世界の誰もが認めるグローバルな軍事大国になるという中国の野心と一致している。


J-31はF-35Cにどう対抗するのか?

J-31については、F-35と明らかに似ていることを除けば、ほとんど知られていない。アメリカの指導者たちは、PLAがアメリカの兵器プラットフォームを「複製」または「模倣」しようとする定期な努力をすることを懸念していることはよく知られている。丸みを帯びた翼胴一体型の胴体は、明らかに米F-35のステルス形状に似ている。設計上、敵のレーダーにリターンシグナルを発生させそうな鋭いエッジや突出した構造はないようだ。J-31とF-35のデザインの類似性は、観察者の目に認識できるだけでなく、2013年の中国の新聞にも具体的に引用されている。   2013年の中国政府系『人民日報オンライン』のエッセイでは、具体的な設計上の類似点が挙げられており、「J-31とF-35は同じDSIインレット(非境界層分離陸上超音速インレット)を使用している」と書かれている。また、J-31は内部武器庫で運用されているようだ。この類似性は、瀋陽FC-31とも呼ばれるJ-31の膨大な「スペック」と性能パラメータを掲載している出版物、AeroCornerによって認識されている。

中国のJ-20、第6世代はF-35の「センサー・フュージョン」コンピュー 第5世代ジェット戦闘機「瀋陽FC-31」は、「卓越した操縦性、ステルス設計、内部武器庫、アップグレードされたエイビオニクスとセンサーが特徴で、状況認識能力の向上、レーダー追尾と照準能力の強化、アップグレードされた電子戦システムを備えている」とAeroCornerは書いている。

 AeroCornerによれば、J-31はRD-93アフターバーニング・ターボファン・エンジン2基を搭載し、およそマッハ1.8、最大巡航速度1080ノットで飛行する。Aerocornerのスペックによれば、J-31は65,000フィートに達し、おそらく最も驚くべきことに、航続距離は2,160海里である。

 この航続距離は、F-35Cの航続距離が1,300海里であることを考えると、戦闘攻撃範囲という点でかなり重要であるように思われる。ただし、F-35Cのスペックには "少なくとも"と書かれており、航続距離がもっと長い可能性を残している。

 しかし、ミッションシステム、コンピューティング、センシング、兵器性能のパラメーターに関係する可能性が高いため、両機の真の差は完全には判別できないかもしれない。これらの属性を判断するのはより難しいかもしれないが、センサー・レンジ、照準、誘導兵器の攻撃能力に優れた機体が、もう一方の機体に対して素早く優勢になる可能性が高い。

 AeroCornerのスペックによると、J-31はAESA(アクティブ電子スキャン・アレイ)レーダーを搭載している。しかし、米空軍のウォーゲームでは、F-35は探知不可能な距離から第4世代の敵機を「視認」し「破壊」できることが示されている。これは、よく知られているEO/IRの高解像度照準と、分散開口システムと呼ばれる360度センサーに関連する範囲、画像忠実度、コンピューティングと関連している。また、「空飛ぶコンピューター」と呼ばれるF-35は、センサー・フュージョン、ミッション・データ・ファイルと呼ばれる脅威データ・ライブラリー、高速コンピューター処理で知られている。したがって重要なのは、J-31がこのレンジと忠実度をどの程度まで再現できるかということだ。そうでなければ、F-35Cに対抗するチャンスはあまりないだろう。

 最後に、中国共産党はJ-31のプロトタイプを数機しか運用していないことが知られており、アメリカのF-35はすでに運用中で、かなりの数が配備されていることを考えれば、単純な数の問題がある。例えば、米海軍は273機ものF-35Cを調達中である。米国のF-35部隊は、編隊全体で相互運用が可能なマルチファンクション・アドバンス・データリンク(MADL)で運用されており、リアルタイムでF-35の編隊全体のデータ伝送を可能にしている。■


Carrier-Launched Ocean Stealth Air War: China's J-31 vs. US Navy F-35C - Warrior Maven: Center for Military Modernization

  • MAR 20, 2024

By Kris Osborn, President, Center for Military modernization




2022年1月30日日曜日

空母運用中のF-35C機体表面の汚れが気になる。レーダー吸収塗装が厳しい環境で劣化しているのだろうか。ステルス性能に影響は出ていないか。

 

USN

 

(メディア関係者の皆さんへ。F35Cではありません)

 

初の艦上運用に投入されたF-35Cの機体表面に錆のような付着物が見られる。

 

海軍のF-35Cステルス戦闘機はUSSカール・ヴィンソン艦上からの水没事故もあり、注目を集めているが、初の海上作戦運用で著しい劣化摩耗が現れている。レーダー吸収剤を塗布した機体表面は以前から環境条件に弱いと指摘されていた。

 

F-35のレーダー吸収剤(RAM)の整備性は大幅に改良されたはずだが、F-35C初の作戦投入での直近の画像を見ると、厳しい海上環境での塗装整備が本当に軽易になっているのか疑問が生じる。

 

ペンタゴンの国防映像情報配信サービス(DVIDS)で公開された最近の写真では打撃戦闘機飛行隊147(VFA-147)「アーゴノーツ」がニミッツ級空母USSカール・ヴィンソン(CVN-70)艦上で運用する機体で表面に劣化が進んでいることがわかる。写真は今月、同艦がフィリピン海を航行中に撮影されている。

 

空軍で供用中のF-35では見られない、表面に赤っぽい筋や汚れが海軍機の機体、主翼、尾翼に見られる。錆のようにも映る。

 

錆は機体の鉄、鋼で発生するが、複合材では起こらない。ただし、RAMは塩水に長く露出されると同様の現象があらわれる。F-35のRAM成分は極めて固く守られる秘密だが、主成分に鉄分がステルス技術初期から投入されていることが判明している。

 

U.S. NAVY

 

半年ほど海上展開したF-35Cが若干劣化しているのは間違いないが、赤茶色い汚れの原因は機体そのものに影響がなく、機体表皮の酸化もステルス性に大きな影響を与えない可能性がある。ただし、B-2やF-22など過去のステルス機で、低視認性処理が時間経過で劣化し、ある閾値に達するか、運用上の懸念から必要になった時点で、最適状態に戻すため補修が行われていることは注目に値する。

 

また、今回のF-35C型による初の空母運用展開の準備中に、ジェット機表皮の回復力が問題のひとつに挙げられていた。空母艦内でのステルス機の繊細な表皮の手入れは、陸上基地と同じだが、予備品や整備の専門家、専門工具が大量にない海上で重要な整備作業を行わなければならない場合は、より複雑な作業となる。さらに空母のスペースは限られるが、ステルス機整備には広い専用施設が必要となることが多い。

 

USN

 

また、空母艦上では機体の周囲を整備員等がたえず歩き回り、ジェット排気や海水噴霧を常に浴びる。さらに、作動油など油類があらゆるものに付着しがちだ。カール・ヴィンソン搭載のF-35Cは、こうした要因のいずれかが原因で劣化した可能性がある。

 

レーダー吸収材はF-35の生存性を高める一要素に過ぎず、複合材構造、特に前方から照射される火器管制レーダーを逸らすように調整されたエッジと放射状輪郭が慎重に配置されていることが別の要素だ。これらの特徴に加え、高度なセンサー、データ融合、ネットワーキング機能により飛躍的に向上した状況認識、電子戦、独自の戦術、最新の情報に基づき綿密に計画された任務プロファイルと組み合わせることで、同機は厳しい戦闘空域でも生き残ることができる。言い換えれば、RAMが多少劣化しても、脅威となるレーダーに完全に脆弱になるわけではない、ということだ。

 

米海軍はF-35Cのファクトシートで、同機は「従来の教訓と技術の突破口を組み合わせ、最も過酷な艦上条件でも、最小限のメンテナンスでステルス性を維持できる」と自慢している。

 

F-35Cの空母運用より前に、ロッキードは、600時間以上に相当する累積効果による「広範な損傷」の影響をモデルでシミュレートしたとする。また、レーダー断面積(RCS)の測定では、ステルス性が損なわれていないことが確認されたという。

 

2012年から海軍は艦上搭載のF-35向けの低視認性塗装とともに、専門設備なしで補修可能とするプロセスを開発していた。一方、米空軍のF-35A整備に関する説明では、高度かつ専門的な作業を労働集約的と強調することが多い。

 

空軍のF-35Aには、定期メンテナンスのためフライトラインで頻繁に取り外す・開けるパネルがあり、パネル固定用のファスナーも5,000以上に上る。「パネルの摩耗で、航空機のステルス性能を制限する可能性がある」と空軍は過去に述べており、同じことが空母上のF-35Cにも当てはまると思われる。

 

「F-35の表面に施されたレーダー吸収コーティングの保守整備は、細かい部分までマスキングし、薬品を適切に混ぜ、正確に塗布し、平滑化し、微小な欠陥も記録するなど、細部に非常にこだわり、時には退屈な仕事だ」と388整備飛行隊のフランシス・アネット上等兵曹は、空軍発表文で説明している。■

 

 

The F-35C's Radar-Absorbent Skin Is Looking Pretty Rough After Months At Sea

F-35Cs have become covered in rusty-looking deposits on their first operational carrier cruise.

BY THOMAS NEWDICK AND TYLER ROGOWAY JANUARY 29, 2022

https://www.thedrive.com/the-war-zone/44067/the-f-35cs-radar-absorbent-skin-is-looking-pretty-rough-after-months-at-sea




2018年12月24日月曜日

F-35C運用を遅らせている最大の問題はなにか



The Navy's Version of the F-35 Has a Big Problem 米海軍向けF-35の大問題
The Navy plans to deploy its F-35C carrier-based jets in 2019—but less than one out of six were fully mission capable last year.海軍はF-35Cを2019年に艦上運用開始の予定だが、運用可能な機体は昨年6機中一機だった。


by Sebastien Roblin
December 22, 2018  Topic: Security Blog Brand: The Buzz  Tags: MilitaryTechnologyWeaponsWarJetsF-35


F-35ライトニングIIステルス戦闘機は経費超過、遅延、性能不足などの嵐にさらされてきた。ペンタゴンは敵防空圏内への侵入能力が価値を発揮する日が来ると一貫して主張してきた。2018年になり各問題で沈静化の動きが出始めており、機体単価が下がる中、イスラエル空軍及び米海兵隊で実戦の試練を初めてくぐった。
だが艦載型F-35Cが最大の技術課題に直面しており、初期作戦能力(IOC)の獲得が2019年と一番最後になる。批判派はIOCが政治判断で勝手に宣言され、技術問題が未解決のままだ、試験評価段階が未完了と声を上げているが、IOCとはそういうものだ。
米会計検査院(GAO)のジョン・ペンドルトンが2018年12月に議会証言で海軍向けF-35Cで任務実施可能な機体は2017年で15%のみだったと証言している。状況は2018年に入っても悪化のままのようだ。「2018年6月にF-35で信頼性、整備性で改善の兆しが見られないと報告したが、必要な性能項目の半分で不満足な結果しかでていない」
海軍仕様のF-35Cの単価は陸上配備型F-35Aより50%高い150百万ドルだ。世界初のステルス海軍戦闘機は大きな「コウモリ状の」主翼で揚力を稼ぎ空母発艦に備える。また拘束フックで着艦時にケーブルをつかむ。機首降着装置を強化して衝撃に備え、折りたたみ式主翼で艦内格納に対応する。

機体重量が増えた分だけ燃料タンクを大型化し、海軍仕様の給油方式はドローグ・プローブ=ドローグ対応で空軍のブーム方式とことなる。ただプローブ先端の破損が頻出といわれる。重量が増えた分だけF-35Cの動作は鈍いが海軍戦闘機でよく見られることだ。
F-35Aと異なり、F-35Cが機内に25ミリ機関砲を搭載していないのは機体重量軽減のためだ。オプションの外部ガンポッドを試験中だが、F-35Aの機内砲が右寄りに流れる現象がある中でこちらのほうが優秀な結果を出しているのは皮肉だ。
F-35Cは2014年11月にUSSニミッツで初着艦を行った。
ただし機首降着装置に問題があり、カタパルト発艦試験ではパイロットは機首降着装置ストラットが振動して機体も大きくバフェットすることに気づいた。このためコックピット計器が読み取れず、パイロットが105回の発艦中92回で「中程度」から「重い」痛みを訴えた。ただこの現象は完全戦闘装備を搭載しない場合に発生したと言われる。構造面の手直しは2019年以降に持ち越されている。
だがF-35Cの最大の問題は補給面だ。ペンドルトンは「数ヶ月、場合より半年以上待たないと部品修理がすまず現場に戻ってこない」と議会で述べている。
ロッキードが機体を可能な限り迅速に生産したことが、交換部品の在庫が不十分なままなのだ。このため補給処の修理能力が「予定より6年遅れ」になっており、部品修理に二倍の時間がかかっている。
この問題はF-35各型で深刻だが特に海軍海兵隊の機材で稼働率が低い。空軍飛行隊で6割から7割なのに対し海軍海兵隊では4割ないし5割程度で修理部品を「作戦機材」から取り外して共食いで対応している。つまり作戦投入可能機材は公表機数より低い。ジェイムズ・マティス国防長官が8割の実現を2018年に求めたが海軍海兵隊では6割に達するかどうかという水準だ。

それでもF-35Cは連続作戦テストを2018年8月にUSSエイブラハム・リンカンで開始し、2019年のIOC獲得に備えた。ステルス機の空母運用は補給面が課題となる。レーダー吸収剤の定期的補修やALIS補給システムのサイバー保安体制の維持さらに交換部品の輸送があるが、エンジンは通常の輸送機では大きすぎて運べず、ヘリコプターやCV-22オスプレイの機外吊り下げで搬送している。しかしリンカン艦長は報道陣にF-35の運用はすぐに普通のことになると語っていた。
スーパーホーネット全機に交代するはずだったF-35C発注数は削減されライトニングと改修型ブロックIIIのスーパーホーネットの併用に変更された。海軍の戦闘機には任務がふたつある。陸上海上の標的への攻撃であり、空母任務部隊を敵爆撃機、ミサイルから防御する役目だ。ライトニングはステルス性能のかわりに航続距離が犠牲になっており、空母は敵の対艦ミサイルの射程により近い地点まで進出する必要がある。またライトニングは最高速力が低く、防空戦闘機としては致命的な性能不足だ。
そうなるとF-35のセンサー性能、スーパーホーネットの搭載量の大きさを組みあわてそれぞれの不足点を補える。米海兵隊も海軍の大型空母からF-35C計5個飛行隊を運行する予定で、小型揚陸艦空母で運用するF-35Bとあわせ二形式となる。■



Sébastien Roblin holds a master’s degree in conflict resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring .

Image: Wikimedia Commons.