ラベル Tu-95MS の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル Tu-95MS の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2023年10月2日月曜日

ロシア空軍基地のエプロンにTu-95の外形ペイントが登場。タイヤに続き、ロシアが必死に重要機材を守ろうと必死だ。

 


Tu-95 Engels Decoy

PHOTO © 2023 PLANET LABS INC. ALL RIGHTS RESERVED. 

ウクライナの攻撃を妨害しようとロシアは、爆撃機のシルエットを地上に描くまでになった

 星画像によれば、ロシアは現在、爆撃機基地エンゲルス空軍基地(別名エンゲルス2)の駐機場で、Tu-95MS「ベアH」戦略爆撃機のシルエットをペイントしている。同基地は昨年から繰り返し攻撃を受けている。

War Zoneが9月29日に入手したPlanet Labsの衛星画像には、エンゲルス基地の駐機場に2次元のデコイが写っている。4発爆撃機の特徴的な平面形状を、黒く塗られたコックピット部分までほぼ「コピーペースト」している。完成品の隣には、2機目の塗装済みデコイが部分的に見える。注目すべきは、これらがある種の薄型の布/キャンバスなどのデコイである可能性があることだが、縦方向の寸法がほとんどないため、塗装の可能性が高い。

PHOTO © 2023 PLANET LABS INC. ALL RIGHTS RESERVED. REPRINTED BY PERMISSION

PHOTO © 2023 PLANET LABS INC. ALL RIGHTS RESERVED. REPRINTED BY PERMISSION

興味深いのは、塗装済みデコイには、その左側にある本物のTu-95と同じように、中央翼と胴体部分にタイヤが敷き詰められていることである。これは明らかにリアリズムのため追加されたもので、囮に説得力を期待している。タイヤは現在、ロシア空軍で駐機中に使用する一般的な対抗手段だ。

ペイントされたデコイにはいくつかの目的がある。その第一は、衛星を欺き、誤った標的データを提供することで、ウクライナの攻撃作戦を「発射前」に(実行される前に)事実上混乱させることだろう。しかし、限られた高解像度の商業衛星画像でさえ、シルエットと実際の航空機を明確に区別できるのだから、これは明らかに機能しない。合成開口レーダー(SAR)衛星画像(これも市販されている)のような複数情報源を使えば、標的が3次元の物体でないことは明らかだ。それでも、この戦術は低解像度の画像衛星でも有効であり、過去にも同様の応用例がある。言い換えれば、偽のシルエットのランプを描くことは新しいことではないが、ロシアは不可解なほど時代遅れの対策に投資している。

また、「偽のベア」が局地的な攻撃を実行するドローン操縦士を混乱させることを期待しているのかもしれないが、現実には大きな無理がある。それでも、このような攻撃は表向き、夜間や視界の悪い場所で行われ、発見を制限する。低照度センサーで本物と偽物の爆撃機を見分けるのは、難しいかもしれない。また、赤外線を反射または吸収する性質を持つ塗料を使用することで、対策の効果を最大限に高めることもできる。8月、ウクライナのドローンは、Il-76「キャンディッド」大型貨物機とTu-22M「バックファイア」爆撃機を破壊した。

ベアとして描いたペイントも、自律画像照合を使用するスタンドオフ兵器の赤外線照準センサーを混乱させる目的の可能性がある。それがどの程度効果的なのかは不明だが、特に二次元物体であることを考えると、真上から見た場合と比べ、浅い角度で見た場合には、デコイ効果の恩恵は受けられないだろう。

Tu-95は、ロシアの長距離爆撃機Tu-160「ブラックジャック」やTu-22M「バックファイア」と並び、ウクライナ奥地の標的に対するモスクワの航空作戦の主力として、巡航ミサイルを数百発発射している。

こうしたミサイルは特に貴重で、補充は不可能に近い。ロシアの作戦ドクトリンは、爆撃機基地に機体を隠す格納庫がほとんどないことも意味する。そのため、爆撃機は風雨の中に放置され、空爆による標的となり、その後の破壊にさらされる。

したがって、ロシアが爆撃機の地上での潜在的な露出を制限するために、特別な措置を取るのは理にかなっている。先月はタイヤだった。今月は駐機場にTu-95のシルエットを描いたわけだ。■

Tu-95 Decoys Are Being Painted On Russian Air Base's Apron

BYSTETSON PAYNE|PUBLISHED SEP 30, 2023 4:17 PM EDT

THE WAR ZONE


2017年7月9日日曜日

ISISを1,000キロ地点から巡航ミサイル攻撃<ロシアも長距離精密誘導攻撃能力を手に入れた模様


技術は水の流れのようなもので堰を作って止めた気になっても結局流れを止めることができません。米技術の優位性が揺らいでいます。21世紀に入りアフガニスタン、イラク等の技術格差が大きい相手に有利な戦いを展開してきた米国ですが、その間にロシア、中国さらにイラン等が着実に技術力を引き上げて、今や互角の技術を有する相手との戦いを想定せざるを得なくなっているのは皮肉な歴史の進展です。ただ米国も黙って状況を見ているわけではなく、さらに先を行く技術を実用化していくはずです。

One of Russia's Most Deadly Bombers Now Has a Scary New Capability

ロシア最強の爆撃機に恐るべき新能力が付与されている

July 5, 2017


  1. ツボレフTu-95MSベア戦略爆撃機に機内で目標再設定できる新型巡航ミサイルの導入が始まっている。飛翔中に目標変更も可能でロシア軍に新しい形の戦力が生まれる。
  2. ロシア国防省は本日の発表ではTu-95MS爆撃機隊が最新X-101巡航ミサイルでシリア国内のISISを攻撃したとし、同ミサイルの射程は4,500キロだという。
  3. 「7月5日戦略ミサイル母機Tu-95MSはロシア連邦内エンゲルス飛行場を離陸し、空中給油を受けたあと(シリアアラブ共和国の)ハマおよびホムスのISIS拠点を最新巡航ミサイルH-101で攻撃した」とロシア国防省がフェイスブックで伝えた。
  4. 「この攻撃でアケルバット近郊の武器弾薬庫三棟および指揮命令拠点が破壊された。攻撃は高精度H-101でおよそ1,000キロ地点から実施された」
  5. Tu-95MSはSVPシステムを装備し乗員が飛翔中のミサイルの標的を再設定できるようになる。同装備はまだ広く導入されておらず、何機に搭載したか不明だ。
  6. 「新装備の爆撃機導入が進んでいます」とワシリー・カシン(モスクワ高等経済学研究所内欧州国際総合研究センター主任研究員)がNational Interestに述べている。「巡航ミサイル発射の前に標的設定できます」
  7. さらに発射後にミサイルの標的再設定が可能だ。カシンはX-101の標的再設定能力を伝える複数報道があると指摘するが、実戦化はまだとはいえ開発が着実に進んでいるのは確かだ。
  8. 「米軍に倣い開発中なのだろう」とカシンは述べる。「爆撃機の側が準備できておらず性能をフルに活用できていない」
  9. SVP装備のTu-95MS搭載は、各機が定期整備改修に入るたびに実施されているようだ。
  10. この分野でのロシアの開発成果には目を見張るものがあるが「ロシア軍にとって大きな一歩で作戦の柔軟度や効果を引き上げ、戦闘状況に応じた攻撃が可能になります」とマイク・ガンジンガー(戦略予算評価センターで航空戦力アナリストを務める元B-52パイロット)がNational Interestに語る。
  11. 「発射後に標的の再設定可能な兵器が手に入ると大きな意味があります。向こうはこの能力を実用化するでしょう。さらに将来は兵器間でやり取りすることになれば戦闘の様相は大きく変わります」
  12. 長距離精密兵器は米国の独占分野ではなくなった。■

Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @Davemajumdar.
Image: Creative Commons.