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2022年7月13日水曜日

バイデン中東訪問直前に米中央軍がイスラム国指導者を無人機で攻撃し死亡させた

 

247 News Agency

 

スラミックステイト指導者をシリアの火曜日に無人機により殺害したと米中央軍司令部が発表した。

シリア北西部での攻撃で、テロリスト集団シリア支部のリーダーであり、イスラミックステイトの高官マヘル・アル・アガルMaher al-Agalが死亡したと、米当局が発表した。攻撃で、ISIS幹部も「重傷を負った」という。

米中央軍報道官のジョー・ブッチーノ大佐Col. Joe Buccinoは声明で、「今回の攻撃は、ISISの永続的な敗北に対する中央軍の確固とした取り組みを再確認した」と述べた。「ISIS指導層の排除は、世界規模の攻撃を計画し実行するテロ組織の能力を混乱させる」。

今回の攻撃は、ジョー・バイデン大統領が火曜日の夜、大統領として初の中東訪問に出発する準備中に起こった。バイデンのイスラエルとサウジアラビアへ公式訪問は、イスラエル首相との会談、イスラエル、インド、アラブ首長国連邦の指導者との仮想サミット、サウジ指導者との会談、エジプト、イラク、ヨルダンも含む、GCC+3湾岸協力会議のサミットを予定している。

ジェイク・サリバン大統領補佐官は「イランや多くの国で活動するテロリスト集団からの挑戦や脅威がこの地域に満ちていると明確に認識している。「このため大統領は、対面外交の力に代わるものはないと考えている」と述べた。

昨年の米軍アフガニスタン撤退の時点で、議員には、アメリカを脅かす中東のテロリストを標的にする軍の任務を維持するには、「オーバー・ザ・ホライズン」作戦では不十分だと心配が見られた。

しかし国防総省は今年、ISISの指導者アブ・イブラヒム・アル・ハシミ・アル・クレイシAbu Ibrahim al-Hashimi al-Qurayshiが2月のアメリカの特殊作戦襲撃時に自決し、家族の一員も殺害したとアメリカ当局が発表するなど、知名度の高いISISテロリストを複数殺害している。さらに最近では、アメリカ軍は先月、テロリスト集団の爆弾製造者を捕らえるため襲撃を実行した。

アメリカの対テロ作戦は、「イスラム国」以外にも及んでいる。先月、米中央軍はアルカイダ系のテロ組織「フーラス・アルディン」Hurras al-Dinの幹部であるアブ・ハムザ・アル・イエメニ Abu Hamzah al Yemeniに対する空爆を実施した。■

US Drone Strike Kills Leader of ISIS In Syria - Defense One

The strike comes just ahead of Biden’s first trip to the Middle East as president.

 

BY JACQUELINE FELDSCHER

SENIOR NATIONAL SECURITY CORRESPONDENT

JULY 12, 2022 10:09 AM ET


2016年1月12日火曜日

イスラム国が独自SAMシステムを開発中か

イスラム国を単なる狂信的な集団と思うとまちがいです。技術専門家も中におり、これまでは道端に即席爆弾を置き、輸送部隊を脅かしてきたのが空に拡大されかねません。今のところはまだ実用にならないようですが、看過できない状態だといってよいでしょう。

「IHS Jane」の画像検索結果The Islamic State's improvised SAM

       
Neil Gibson, London and Jeremy Binnie, London - IHS Jane's Defence Weekly        
       
10 January 2016
       
   
       
               
                                       

イスラム国は米国製シャパラル対空ミサイル車両(サイドワインダーミサイルを搭載)に相当する装備を自主開発しようとしている。            
                                                   
                       

  • イスラム国はR-13空対空ミサイルを地対空ミサイルとして搭載しようとしている。
  • この過激集団が技術上の課題を克服してもそのままでは同装備は有志連合軍の航空機や民間航空機への脅威にはならないだろう


Sky Newsが1月5日にイスラム国が空対空ミサイルを地対空ミサイルに転用しようとしていると報じた。

同報道ではシリア反乱分子から入手したという映像を紹介。イスラム国専門家がシリア国内のアルラッカの「聖戦大学」で「西側で老朽化した多数のミサイルを再利用するため」の作業としてバッテリーを入れ替えている様子を伝えている。

映像ではミサイルの全体像は写っていないが、誘導制御部分はAIM-9サイドワインダーのもののようだ。ただしミサイルの飛行制御部分はR-13(AA-2「アトール」)(ソ連製サイドワインダーのコピー)のようだ。可能性が高いのはシリア空軍基地を占拠した際に持ち出したR-13Mだ。

サイドワインダーのバッテリーに手を入れることはきわめて困難だ。なぜなら目標探知装置と一体化されているためで、R-13でもおそらく同様だろう。

映像ではミサイルの誘導部分が航空機からの発射用ハードポイント調整装置が見える。これはミサイル発射まで電力を供給し圧縮ガスでシーカーを冷却しておくのが役目でパイロットは赤外線シーカーがロックオンすればミサイルを発射できる。■

2015年2月14日土曜日

★ISIL空爆対象は半年で4,817。だがその中身は?



日本もいまやISIL(ISIS)との戦いに巻き込まれています。そこで空爆の途中結果から敵方の状況がどうなっているのか、どんな戦術が必要なのかを正しく理解することは重要と考えます。以下ご紹介する記事がその意味で参考になれば幸いです。

4,817 Targets: How Six Months Of Airstrikes Have Hurt ISIL (Or Not)

By SYDNEY J. FREEDBERG JR.on February 11, 2015 at 5:07 PM
戦闘はエスカレートしてきたが、6ヶ月に及ぶ空爆で自称イスラム国へどれだけの被害を与えられたのだろうか。
  1. 先週ヨルダンは自国パイロット捕虜を焼き殺したイスラム国へ報復攻撃を敢行した。昨日はISILは別の捕虜カイラ・ミューラーを殺害したこともわかった。今朝はオバマ大統領は対ISILで軍事力行使の権限付与Authorization for the Use of Military Force(AUMF) を正式に議会に求めた。核心は今後米地上軍派遣の可能性だ。
  2. 米中央軍 (CENTCOM)から空爆戦術の効果で詳細データが発表された。2月4日現在の数字で合計4,817箇所の目標が損傷あるいは破壊された。リストは28分類となり、「戦闘地点」(つまりたこつぼ)752箇所から「通信装備」7組まで分かれている。
CENTCOM data analyzed by Breaking Defense
  1. 今回の作戦は近接地上支援攻撃であり、空軍の本来の目的である敵戦略拠点への局地攻撃ではない。対象の3分の2は戦闘員、抵抗拠点、車両で、残る3分の1が建物等固定目標だった。これだけでは実態が見えてこない。なぜなら建物と言っても前線近くで戦闘員が立てこもる拠点の場合もあるからだ。ただし、2対1で戦闘員への攻撃が突出しているのは明らかだ。
  2. イスラム国にはタリバンやイラクの反乱勢力と同様に戦略的な意味がある空爆対象は全く存在しない。ISILの石油関連施設攻撃で資金調達を困難にさせたが、この目標は130回分、わずか3%弱にしか相当しない。橋梁や道路の空爆も69箇所と1.4%しかなく、Dデイ直後に道路上で大軍を移動させ連合国空軍の格好の目標となったロンメルとISILの移動バターンは異なっている。
.ISIL infrastructure struck
  1. 米空軍は前身の陸軍航空隊時代から敵地奥深くへの攻撃を望み、蛇の頭を切り落せば良い、と考える。2003年の「衝撃と畏怖」空爆はこの考え方の絶頂だったといえる。ただしその後はゲリラには司令部、工場、インフラがなく爆撃の標的が成立しなかった。そこで米空軍は近接航空支援に切り替えた。
  2. ただし今回は空爆の支援対象は米地上軍ではなく、クルド人ゲリラ組織やイラク軍だ。ある意味で2001年時点の状況に戻ったといえる。当時は圧倒的な北方同盟がタリバンに立ち向かうのを米国は空軍力で支援していた。では2001年モデルがイスラム国にも有効だろうか。
ISIL troops struck
  1. ISILは確かに失速気味だ。昨年は電光石火のごとく前進していたのが各地で行き詰まりを示しており、コバニではクルド人部隊を攻撃するISILは空中の米軍の格好の目標で、消耗戦が展開されている。空爆では395箇所のISIL戦闘員集合地点が攻撃の対象となった。
  2. ISILはイラク陸軍から相当数の高性能軍用車両を捕獲したものの、訓練不足と補給の不備で現在も車両の中心は武器を搭載したピックアップトラックで、空爆は396両もの「テクニカル」車両を破壊している。戦車62両が目標となった。目標リスト全体を俯瞰するとISILには戦闘員を支援する重武装がなく、装甲兵員輸送車、戦車の不足がわかる。戦闘意欲を喪失したイラク軍やシリア穏健派には勝るものの、頑強な抵抗にであうと第一次世界大戦の西部戦線と同じこう着戦になっている。
.ISIL vehicles struck
  1. 行き詰まりの観があるISILは反撃から程遠い状態だ。防御は攻撃より容易だが、戦闘を終了させるのは攻撃だけだとクラウゼビッツがいみじくも言っている。ただし現在のイラク治安維持軍は戦意が不足し、クルド人部隊は大型兵器が不足している。シリア穏健派にはその両方が欠けている。それぞれ米軍による訓練、装備提供、航空支援がないと攻勢をとれない。やはり米軍地上部隊が必要なのか。
  2. 今のところ米軍地上部隊はイラク後方での訓練に限定されている。上院軍事委員会ジョン・マケイン委員長はこれまで数ヶ月に渡り「地上部隊増派が必要だ...前線航空統制官や特殊部隊などの増強が求められる」と発言している。少数の専門兵科隊員で空爆を正確に誘導し、効果の大幅増加が可能だ。これは9.11後に実施済みの北部同盟向け戦術であり、2001年のアフガニスタン空爆でも重要な役割を果たしているのに、今日の中東では実施されていない。
  3. オバマ大統領が求める軍事力行使権限申請(AUMF)では少規模地上部隊の投入は排除していない。報道発表では特殊部隊による急襲、墜落パイロットの捜索救難、その他支援任務を想定し、地上戦は意図しない、とする。AUMFで除外するのは「長期間の陸上攻勢作戦」だけだ。これは故意に不明瞭な言い回しだが、抜け道を残しており機甲一個師団なら投入は十分可能だ。
  4. マケイン委員長からAUMFのコメントは出ていない。ただ下院軍事委員会のマック・ソーンベリー委員長からは大統領の選択は「正しい方向性」をめざしたものと議会承認を求めたことを評価しているが、オバマ大統領の手法については「憂慮」を表明しており、「なぜ今も使える権限に制限をかけて自らの手を縛るのか」と発言。上下両院の軍事委員会での民主党議員トップ、ジャック・リード上院議員とアダム・スミス下院議員はともに大統領を支持するものの、リード議員は「遅すぎた」としている。「今後は議会で討論をし、内容を改善し、最終的には別のAMUFで議決する」と発言。政治上の現実を軍事上の状況に一致させるのが課題だ。■