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2017年3月1日水曜日

★★もし戦わば⑩ 日中海戦がいまあれば、勝者はどちらか



改革開放を始めたばかりの「素朴な」中国が三十年ほどでここまで「敵意むき出しの」脅威になったのは驚異です。ただ一国の海軍力は装備だけでは語れない部分があります。果たして本当にPLAN部隊が効力を発揮するのか、その実証の機会が来ないことを祈るしかありません。なんといっても海自の本分は抑止力にあるはすで望むらくはもう少し攻撃力を増やしてもいい気がしますが

The National Interest

Why War Between Japan and China Could Be the Ultimate Naval Clash (And Maybe World War III)


February 27, 2017


  1. 日中間の海上戦がここまで現実に近づいたのはごく最近にのことだ。1980年代の中国は沿海防御しかままならない海軍力だった。まして兵力投射を数百マイル先に行うなど想像でしかなかった。反対に日本はその時点でも新鋭駆逐艦部隊を運用し、数千マイル先の通商路の防御にあたることができた。日本は中国がいかなる対抗策を繰り出しても容易に対処できたはずだ。
  2. この状況は変わってしまった。四分の一世紀に渡り国防力整備を続けた結果、現在の中国軍事費は当時の10倍規模になった。中国国防費は2,000億ドルで、日本の防衛費430億ドルの5倍近い。このため海上自衛隊(JMSDF)には装備整備と訓練が深刻な課題になっている。
  3. 日中間の海軍戦の想定では、両国海軍の指導原理を検分する必要がある。海上自衛隊はほぼ純粋な防衛力であり、船団護衛、対潜戦、弾道ミサイル防衛、人道救難で訓練を積んでいる。兵力も防御中心で、対艦ミサイルは少数で巡航ミサイルは皆無だ。攻撃的な作戦は領土奪還の強襲揚陸を除き耳に入ってこない。これでは戦闘を日本に都合よい形では終了させられないだろう。
  4. 対して人民解放軍海軍(PLAN)に制約は少ない。PLANは攻撃手段をより多く配備しており、その好例が空母だ。さらに国内にはYJ-18対艦ミサイルがあることで艦載ミサイルを攻撃、防御に振り分ける柔軟活用ができる。またDH-10巡航ミサイルを艦載し、対地攻撃も可能だが、JMSDFにはこれがない。
  5. このため将来に両国海軍部隊が対決した場合、中国が攻勢、日本は防御にまわるはずだ。PLANは大規模任務部隊数波を東シナ海に派遣するはずで001A型空母二号艦を中心にするだろう。水上戦闘群ニ個の中心は052D型駆逐艦になる。各群に052B型C型駆逐艦、054Aフリゲート、056コルベットも加わるだろう。また093G型巡航ミサイル潜水艦も戦隊に加わる。
  6. では日本側はどうか。日本も三個の戦闘任務部隊を編成するだろう。内1つは「ヘリコプター護衛艦」かがを中心にに、残り2つはこんごう級駆逐艦をたかなみ級、あきづき級汎用駆逐艦を護衛に配置する。日本もそうりゅう級攻撃潜水艦を配置するはずだ。
  7. では勝者はどちらか。PLANは対艦ミサイルの数で勝り、攻撃力は大きい。ただし、防空と対潜を犠牲にしている。PLAN指揮官は海自水上艦、潜水艦または航空機を脅威と認識し、艦載ミサイル格納数に上限がある中で攻撃力を重視する。そうなるとPLANは空母と潜水艦を攻撃力の中心に置くはずだ。水上戦闘群ニ個は陽動作戦をしながら二次攻撃を加えてくるだろう。
  8. PLAN任務部隊には日本攻撃の選択肢はまだある。J-15「空の鮫」飛行隊が海自部隊の配置を探知する。12機ほどのJ-15飛行隊は対艦ミサイルを搭載し、海自防空網を制圧する。同時にPLAN潜水艦が海自部隊を攻撃すれば理想的だ。PLANには日本国内の自衛隊基地をDH-10巡航ミサイルで攻撃し、燃料補給等を妨害する選択肢もある。
  9. 日本側は一方的に攻撃を受けるだけではない。かがは対潜駆逐艦としてSH-60Kシーホーク対潜ヘリ7機を運用し、PLAN潜水艦を食い止めるだろう。こんごう他あたご級駆逐艦には強力な防空能力があり、Mk. 41垂直発射ミサイルサイロ96個でSM-2対空ミサイルやASROC対潜ロケットを運用する。中国攻勢を日本が無力にする可能性は高い。
  10. 攻撃で日本の選択肢は限られる。海自駆逐艦はハープーンまたは90式対艦ミサイルを8発しか搭載していない。四隻で構成する水上戦闘群で対艦ミサイルが32発にとどまるが、海自艦が中国の攻撃射程に入ってしまう。そうなると001A型空母の攻撃はそうりゅう級ディーゼル電気推進潜水艦に任せるのがよいだろう。PLANが対潜能力に劣るのは周知の事実で、潜水艦攻撃は成功の可能性が高い。
  11. 日中海上衝突は以前のような一方的な勝負にならない。両国の海軍力がここまで近づいたことはこの100年間ではじめてだ。そうなると勝敗を決するのはその他要因の影響が強くなる。たとえば陸上基地から運用する航空機、弾道ミサイル、宇宙装備、サイバーだろう。もちろん米海軍の強力な第7艦隊もある。だが、海自部隊に立ち向かう能力は中国で増える一方だ。空母がさらに増え、巡航ミサイル潜水艦を追加し、訓練を強化すれば、(いずれも十分実現可能だ)現在の不安定な日中間バランスは中国側に大きく有利に傾くだろう。
Kyle Mizokami is a defense and national-security writer based in San Francisco who has appeared in the Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and the Daily Beast. In 2009, he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch. You can follow him on Twitter: @KyleMizokami.



2016年7月6日水曜日

6月17日東シナ海上空で何があったのか どちらの言い分が正しいのか


この問題の背景には中国が狙う心理戦もありますが、世界に孤立する様相を示す中国が多方面で大胆な動きに出ていることにも注目すべきでしょう.一体真実はどうだったのか。否定するだけではだめで、日本も情報開示すべきではないでしょうか。でないとウソを言い続けるほうが真実だと受け止められるようになります。日本も主張する際に計算された戦略戦術が必要ですね。

China says Japanese F-15s locked onto its fighters over East China Sea

Gabriel Dominguez, London - IHS Jane's Defence Weekly
05 July 2016


Source: JASDF
中国国防省が火器管制レーダーを東シナ海上空を6月17日に飛行中のスホイSu-30戦闘機二機に航空自衛隊のF-15戦闘機二機がロックオンしたと非難した。
中国は中国戦闘機のうち一機が航空自衛隊F-15に攻撃を加える構えを見せて接近したとの報道を否定している。F-15はスクランブル出撃していた。
「日本側の発表は事実を捻じ曲げ白を黒と言いくるめ不和を植え付けようとするものである」と同省情報局報道官が述べているとChina Military Onlineが伝えた。
それによると報道官はSu-30の二機編隊が「東シナ海防空識別圏で通常の哨戒飛行を行っていたところ」航空自衛隊F-15が二機高速で接近し「火器管制レーダーを中国機にロックオンした」とし、日本側がいつでも武器を発射できる状態だったとしている。
Su-30編隊は「戦術行動など必要措置」で日本側の「挑発行為」に対応したと報道官は述べ、F-15二機は赤外線フレアを放出しその場を去ったという。
中国側報道官は日本の行為は「空中事故で深刻な被害や損傷を航空機搭乗員に与えかねない」事態だったと注意喚起した。また同報道官は日本政府が「中国に歩み寄り」かつ「交渉の障害を取り除き」中日海上空中連絡メカニズムの立ち上げ・運用の条件整備に向かうよう希望すると述べた。日中両国は海上での意図しない衝突回避のしくみづくりで昨年12月に基本合意している。
萩生田光一内閣官房副長官は中国の言い分を否定しており、航空自衛隊機は「中国国防部が言うような挑発行動は一切取っていない」と述べ、中国戦闘機へのロックオンレーダー作動の事実はないと述べている。■