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2025年7月19日土曜日

米海兵隊F-35が太平洋の英空母から作戦行動、陸自オスプレイの佐賀展開、台湾の演習に北京が反応(USNI News)

 

タリスマン・セイバー演習に先立ち、HMSプリンス・オブ・ウェールズから発進準備する米海兵隊のF-35B。 英国海軍写真

海兵隊のF-35Bが、タリスマン・セイバー演習に先立ち、HMSプリンス・オブ・ウェールズに着艦、給油、発艦した。

 英空母打撃群は、英国海軍の2025年の重要な配備である。旗艦HMSプリンス・オブ・ウェールズが率い、12カ国が参加する8ヶ月の任務(ハイマスト作戦)は、英国の同盟国やパートナーとの一連の大規模な演習を行いながら、地中海や中東を経由して環太平洋西部を目指す。

 英海軍によると、米海兵隊のF-35BライトニングII戦闘機は火曜日、米豪主導のタリスマン・セイバー演習に向けた準備の一環で空母HMSプリンス・オブ・ウェールズ(R09)から運用された。

 英海軍が火曜日に公開した写真には、海兵戦闘攻撃飛行隊242(VMFA-242)「バッツ」の2機のF-35Bが、英海軍の空母から給油と発艦準備を行なっている様子が写っている。同飛行隊はUSSアメリカ(LHA-6)に配備されている。

 「米海兵隊F-35Bは、タリスマン・セイバー演習に先立ち、英国旗艦HMSプリンス・オブ・ウェールズに着艦、給油、発艦した。 VMFA-242は現在、アメリカARG/第31海兵遠征隊(MEU)チームの一員としてUSSアメリカに派遣されており、英国空母打撃群(UKCSG)を含む多くの多国籍艦船や部隊とともにタリスマンセイバーに参加する。

 プリンス・オブ・ウェールズがどこにいるのか詳細は明らかにされていないが、空母はティモール海にいる可能性が高く、タリスマン・セイバーのためにオーストラリアのダーウィンに向かっている。アメリカは月曜日に珊瑚海で活動していた。プリンス・オブ・ウェールズで目撃されたVMFA-242の32号機は、ペンタゴンのイメージ・リリースでは、アメリカに乗艦しているように示されている。VMFA-242は海上自衛隊の艦船として初めてF-35Bの発着艦を行った護衛空母JSいずも(DDH-183)に2021年10月に配備された。

 これに先立つ6月24日の記者会見で、UKCSG司令官のジェームズ・ブラックモア提督は、UKCSGは海兵隊のF-35B、特にVMFA-242のF-35Bと統合すると述べた。海兵隊F-35Bとの統合は、UKCSGがハイマスト作戦の展開で他国のF-35Bと統合する2回目である。最初は5月、NATOの地中海ストライク演習の一環として、カヴールCSGのイタリア海軍F-35Bと統合された。

 プリンス・オブ・ウェールズが率いるUKCSGは、イギリス海軍駆逐艦HMSドーントレス(D33)、オーストラリア海軍(RAN)駆逐艦HMASシドニー(DDG42)、フリゲートHMSリッチモンド(F239)、カナダ海軍(RCN)フリゲートHMCSヴィル・ド・ケベック(FFH332)と共に護衛についた、ノルウェー王国海軍(RNN)フリゲート HNoMS Roald Amundsen(F311)、スペイン海軍フリゲート ESPS Mendez Nunez(F-104)、艦隊給油艦 RFA Tidespring(A136)は、米豪戦争に参加するため、現在、オーストラリアのダーウィン周辺にいる。8月4日(日)までオーストラリアで行われる、オーストラリア主導の多国間演習「タリスマンセイバー」に参加するため、現在オーストラリア・ダーウィン周辺を航行中。


2025年7月8日、タリスマン・セイバー演習に先立ち、HMSプリンス・オブ・ウェールズで待機する米海兵隊F-35Bライトニング。 英国海軍写真


 ニュージーランド海軍(RNZN)のフリゲート艦HMNZS Te Kaha(F77)は、インド洋からシンガポールに寄港し、その後オーストラリアに寄港したが、CSGから離脱した。ドーントレスとタイドスプリングは、ソーシャルメディア・チャンネルXの投稿によると、ダーウィンに入港した。

 水曜、陸上自衛隊(JGSDF)は、V-22オスプレイを九州の佐賀の新しい恒久基地に移転するプロセスを開始した。

 オスプレイの佐賀への移転は、隣接する長崎県の相浦駐屯地を拠点とする陸上自衛隊の水陸機動団(ARDB)の近くに位置する。オスプレイは、ARDBの輸送を主な任務とする航空輸送隊として知られる1個飛行隊にまとめられている。日本の防衛省は当初、オスプレイを佐賀に配備する予定だったが、基地用地の取得に関する地元漁民の同意の取得が遅れたため、2020年7月からオスプレイは東京近郊の千葉県にあるキャンプ木更津に配備されていた。 水曜日が配備の期限となった。

 木更津市議会は、北関東防衛局から提供された情報に基づき、公式ウェブサイトで移転の動きに関する詳細を提供した。自治体や市民が敏感になっているため、防衛省は、自治体や市民との連絡や情報提供、近隣での軍事活動に関する苦情や懸念への対応を目的とする地方防衛局を多数運営している。

 木更津市議会によれば、金曜日、天候による欠航を防ぐため、防衛省は合計6機のオスプレイを水曜日までにまず九州の高湯原サブキャンプに飛ばし、そこからキャンプ佐賀に飛ばし、水曜日に1機、翌日以降に他のオスプレイを飛ばす予定であることを知らされたという。

 日曜日に市議会は、4機のオスプレイが高湯原分屯地(熊本空港)に飛来したと発表し、水曜日には、1機のオスプレイが高湯原から佐賀駐屯地に飛来し、2機のオスプレイが木更津キャンプから高湯原に飛来したと発表した。

 中谷元・防衛相は火曜日の定例記者会見で、オスプレイがキャンプ佐賀に配備され、キャンプ相浦を拠点とするARDBとの共同運用が可能になったことは、南西地域を含む島嶼防衛能力の強化を実現する上で重要な意味を持つと述べた。

 日本が保有する尖閣諸島に対する中国の領有権主張と、南西地域における中国の軍事活動の増加により、日本は南西地域を防衛する能力を高めている。中国の軍用機、船舶、無人航空機(UAV)は、南西地域周辺の国際水域と空域を通過し、様々な任務を遂行し、その活動の一部は台湾に向けられている。

 台湾は水曜日、毎年恒例の漢光軍事演習を開始した。この演習は、グレーゾーンでの行動やサイバー攻撃から、本格的な侵攻やそれに対する台湾の予備役の動員まで、台湾における中国の行動に対抗する準備を目的としている。

 中国国防省はこの訓練を非難し、スポークスマンは火曜日の記者会見で、この訓練についてコメントを求められ、「漢光演習は、民進党当局が自他を欺くためのハッタリに過ぎない。一党の利己的な利益のために、台湾の人々を『台湾独立』という戦車に縛り付け、台湾を傷つけ、破壊しようとしている」。

 同報道官は、台湾に対する人民解放軍の対抗措置は抑止されず、台湾は最終的に台湾と統一されると述べた。「民進党当局に対し、『力による独立』を求めることは行き詰まることを厳粛に警告する。民進党当局に厳粛に警告する。『武力による独立』を求めることは行き止まりであり、民進党がどのような臣民を訓練し、どのような武器を使おうとも、PLAの『台湾独立』に対する断固とした対抗措置は抑止されることはなく、中国の国家統一の圧倒的かつ不可抗力的な流れは止められないだろう」。■



U.S. Marine F-35s Operate from U.K. Aircraft Carrier in the Pacific

Dzirhan Mahadzir

July 10, 2025 11:09 AM

https://news.usni.org/2025/07/10/u-s-marine-f-35s-operate-from-u-k-aircaft-carrier-in-the-pacific





2023年10月29日日曜日

米海兵隊もXQ-58Aヴァルキリーの試験運用を開始した(The War Zone)

 The US Marine Corps has flown one of its XQ-58A Valkyrie drones for the first time, making it the second known operator of the type in addition to the US Air Force.

USAF

XQ-58ヴァルキリーが海兵隊で飛行中

海兵隊はXQ-58を偵察、電子戦、忠実なウイングマン用プラットフォームの想定でテストし、将来のドローン運用に向け情報を集めている

海兵隊がステルス無人機クレイトス「XQ-58Aヴァルキリー」の飛行を開始した。海兵隊はドローンを高度に自律的な監視・偵察資産、電子戦プラットフォーム、乗組戦闘機のウィングマンとして評価する計画で、キネティックな役割も含まれる。

海兵隊のXQ-58の初飛行は10月3日に行われた。ドローンはフロリダのエグリン空軍基地から打ち上げられた。試験飛行は、エグリンの第96試験飛行隊に属する空軍の第40飛行試験飛行隊と、海軍航空システム司令部(NAVAIR)隷下の米海軍航空戦センター航空機部(NAWCAD)の協力で実施された。国防次官研究技術局(OUSD(R&E))もマリン・ヴァルキリー・プログラムに関与している。

XQ-58は完全に滑走路に依存しない設計で、地上発射装置からのロケットアシスト離陸方式を採用している。同機はパラシュート回収システムで地上に戻り、着陸時には膨張式エアバッグがクッションとなる。

クレイトスによれば、XQ-58は全長30フィート、翼幅27フィートで、最大航続距離は約3,000マイル、最大打ち上げ重量は6,500ポンド(内部ペイロードベイに最大600ポンド、翼下にさらに600ポンドを含む)である。巡航速度は亜音速のマッハ0.72で、最高速度はマッハ0.85。

第40飛行テスト飛行隊は、主に人工知能と機械学習主導の自律飛行システムの開発を支援するため、昨年最初の機体を受領して以来、エグリンでヴァルキリーを運用している。空軍は2019年に同型機の初飛行を監督した。

NAVAIRは1月、PAACK-P(Penetrating Affordable Autonomous Collaborative Killer-Portfolio)と呼ばれるプログラムを支援するため、海兵隊に代わってヴァルキリーのペアを購入する契約をKratosと締結した。海兵隊は現在、PAACK-Pがより大規模な海兵空地任務部隊の無人航空機システム遠征プログラム(MUX)の戦術航空機(TACAIR)コンポーネントに組み込まれることを期待している。

今日発表のプレスリリースによると、海兵隊は3月に2機のXQ-58のうち最初の1機を受領した。MODEXの番号からすると、海兵隊が2機目を受領したのはその後となる。

海兵隊が公開した10月3日の試験飛行のビデオと写真(この記事の上部と下にある)は、MODEX番号107のヴァルキリーだ。

One of the US Marine Corps' two XQ-58A Valkyrie drones flies together with a US Air Force F-16C Viper fighter on October 3, 2023. <em>USAF</em>

2023年10月3日、米海兵隊の2機のXQ-58Aヴァルキリーのうちの1機が、米空軍のF-16Cバイパー戦闘機と一緒に飛行する。USAF

先月の2023年海兵隊ミラマー基地航空ショーからの追加写真には、もう1機の海兵隊XQ-58が写っている。

<em>USMC</em>

USMC

海兵隊は、PAACK-Pの一環として、XQ-58で少なくともあと6回の試験飛行を計画している。

海兵隊プレスリリースによると、飛行試験には「さまざまな情報・監視・偵察(ISR)任務を支援するプラットフォームの能力評価、乗員付きプラットフォームへの自律電子支援の有効性、戦闘空中哨戒を増強するAI(人工知能)対応プラットフォームの可能性、その他の有人-無人チーミング(MUM-T)能力目標の継続成熟を含む目的」がある。

海兵隊のプレスリリースでは、テストで武器やその他の装備品の放出を伴うかは不明である。しかし、2023年のミラマー・エアショーで海兵隊ヴァルキリーは、不活性AIM-120高性能中距離空対空ミサイル(AMRAAM)と不活性500ポンド級統合直接攻撃弾(JDAM)精密誘導爆弾のペアと一緒に展示されていた。

今年初め、クレイトスのエリック・デマルコEric DeMarco社長兼最高経営責任者(CEO)は、ステルス性を持つF-35統合打撃戦闘機とともに電子戦任務を飛行するヴァルキリーの能力が、海兵隊にとって重要な関心分野であることを明らかにした。

海兵隊が最終的にXQ-58、あるいはその派生型を運用するかどうかは、まだわからない。現状では、PAACK-Pは、海兵隊が将来のドローン要件を絞り込む実験的な取り組みに過ぎない。

「今回の購入は、将来の自律型共同プラットフォームを検討する米海兵隊の取り組みの一環です」と、海兵隊航空広報担当のジェイ・ヘルナンデス少佐は1月の声明で本誌に語っていた。「基本契約はベースライン機のために締結され、機体は実験用で、将来の改造や運用に関する決定はなされていない」。

とはいえ、XQ-58の設計は海兵隊にとって大きく魅力となる特性を持っている。クレイトスは過去にヴァルキリーで使用するコンテナ化された発射システムも提示していた。ドローンの低観測特性と3000マイルの余裕ある航続距離は太平洋戦域に非常に適している。

海兵隊は近年、迅速展開と、遠隔地や僻地を含む前方で持続的なハイエンド作戦を実施する能力に重点を置いた新しい作戦構想を中心に、部隊構造全体を抜本的に再編成中だ。海兵隊航空部隊のF-35B統合打撃戦闘機が将来の無人偵察機とチームを組む可能性があり、この新しい遠征・分散作戦ビジョンの中心的存在となる。

「海兵隊は、急速に進化する安全保障環境の中で、常にその能力を近代化し、強化しようとしています」と、海兵隊本部海兵隊航空室のドナルド・ケリー中佐は、本日のプレスリリースで述べている。「XQ-58ヴァルキリーのテストは、過酷な環境での待機する部隊の作戦と統合軍の両方を支援する、機敏で遠征的で致命的な能力の必要性を補完し、高度に自律的で低コストの戦術的UAS(無人航空機システム)の要件を決定する」。

もちろん、特に空において、ますます無人装備を投入する将来を見据えているのは海兵隊に限らない。エグリンは空軍の自律型航空機試験の主要拠点となっており、XQ-58も含む。海軍もまた、空母航空団やその他艦船の作戦に、ドローンを統合することを期待している。

さらに、空軍と海軍は、関連技術について積極的に協力している。これには、将来の作戦中に無人機の制御を相互にやり取りできるようにするシステムも含まれる。これはすべて、海兵隊にとっても間違いなく関心のあることだ。

PAACK-PプログラムでXQ-58をテストし、海兵隊のドローン要件がどう進化していくかはまだわからない。いずれにせよ、海兵隊は初飛行で重要な一歩を踏み出した。■

XQ-58 Valkyrie Is Now Flying With The Marine Corps | The Drive

BYJOSEPH TREVITHICK|PUBLISHED OCT 5, 2023 8:55 PM EDT

THE WAR ZONE



2023年3月5日日曜日

2023年の米軍の展望 ①海兵隊 戦力再編が進む中、バーガー大将の任期が今夏終了。後継人事と本人の統合参謀本部議長ポストに注目

 U.S. Marines with III Marine Expeditionary Force Support Battalion, III Marine Expeditionary Force Information Group, board a C-130J Super Hercules on Kadena Air Force Base, Okinawa, Japan, Jan. 20, 2023.


2023年1月20日、沖縄・嘉手納空軍基地でC-130Jスーパーハーキュリーズに乗り込むIII海兵遠征軍情報群支援大隊の米海兵隊員たち。アメリカ海兵隊 / CPL. CESAR ALARCON


「フォースデザイン2030」のビジョンへの取り組みが、軌道に乗ってきた。だが、次の設計者は誰になるのだろうか



州で陸上戦が二年目に入ったが、反対側の半球で準備にはげむ海兵隊の関心が削がれている状況はない。

 「ある日突然、海兵隊員2万人が日付変更線の西側で活動する。私たちの仕事は、来るべき危機に対処するため、組織化し、訓練し、装備し、準備することです。私たちは太平洋に集中しています。しかし、これらの部隊は太平洋ためだけに想定されているわけではありません」。海兵司令官補佐エリック・スミス大将は、2月14日、サンディエゴでのWEST2023会議で、「太平洋で最も有用だが、世界各地でで非常に有用だ」と述べた。

 海兵隊は1月、コロナウイルス流行で遅れていたグアムのキャンプ・ブラスを再稼働させた。同基地は、沖縄から海兵隊員数千人名を移動させるとの日本との長期にわたる合意の一部で、海兵隊と米軍に西太平洋での訓練と作戦の「戦略的ハブ」を提供する。

 海兵隊は1月に、日本にある第12海兵連隊を、計画されている3つの海兵隊沿海域連隊の第2連隊に改編すると発表した。


戦力再編成の進捗状況

あと6年で、「フォースデザイン2030」ビジョンを実現する海兵隊の取り組みは、佳境に入ってきた。

 「分割を終えました。国防長官が計画指針と国家防衛戦略で全員に指示したのを受けて迅速に行った」と、海兵隊司令官デビッド・バーガー大将はDefense Oneに語る。「だから今は安定している。そして今、迅速に、部隊を近代化しつつあり、能力を現場投入することができる。5年後でも7年後でもなく、今すぐだ。私たちはそうしている」。

 バーガーは、海兵隊退役将校の一部による戦力再編への批判にもめげず、こう語った。しかし、耳を傾けている。

 「数名は、絶対に戦力再編に影響を与えている」とし、「飛行隊に何機の機材があるかという議論。歩兵大隊に何人の海兵隊員がいるかという議論。これらすべて、プロセスの中で起こっていた議論だが、彼らはそれを提起した。だから、コンセプトを洗練させ、仮定に立ち返ってテストする方法に絶対に影響を与えている」。

 バーガーは、トレーニングや "基本的なエートス文化 "など、「変わることのないものをより明確に伝える」必要があるという指摘にも耳を傾けてきたという。

 戦力再編が正しい方向に進む「証拠」として、バーガー大将は1月に行われた日米発表で、海兵隊が次のMLRを日本に設置すると発表したことを挙げた。

「これは2つの大国間で行われたもので、第一の項目は、海兵隊が何をすべきかということです。「両国のリーダーが、これは絶対に進むべき方向であり、より速く進むべきであると認めているのです。

 第3MLRは、今年中に初期運用能力を達成する予定だが、カリフォーニア州とアリゾナ州で「かなり現実的な環境下でのストレステスト」を行い、学習と調整を図っている、とバーガー大将は言い、実験で第12次MLRが日本でどのように組織されるかを決定すると語った。

 海兵隊は、戦力再編の取り組みの一環として、「施設とロジスティクス2030」という新しい報告書を発表したばかりだ。報告書には、数十年にわたり「即応性と致死性」を優先してきた結果、兵舎、食堂、職場といった「必要不可欠な存在」に取り組む必要がある、とバーガー大将は述べた。海兵隊教典4「ロジスティクス」の更新も間もなく行われると、司令官付軍事秘書官のロブ・ワイラー大佐がDefense Oneに語った。


人員

 戦力再編の取り組みで最重要なのは、やはり人材とバーガー大将は指摘する。

 「装備品などの要素ではなく、適切な人材を招き入れ、適切な方法で訓練できなければ、うまくいかないからだ。人という要素を正しく理解できれば、他のことはどうでもいい。これこそが海兵隊の基本なのです」。

 海兵隊は、2021年以降、隊員を維持するため努力してきたこともあり、他軍より良い結果を出している。

 「今年だけでも、従来よりも3カ月ほど早く、兵力維持の目標を達成する予定です。これはポジティブなことだ」と、海兵隊のトロイ・ブラック最先任上級曹長はDefense Oneに語った。

 「何人を維持するか上限を設ける代わりに、それを下限とするプロセスになっている」とブラックは言った。「だから、より多くの一期生の海兵隊員を維持する。さらに重要なのは、2回以上再入隊した隊員、つまり後期研修生をより多く確保することだす」。

 人材管理の年次報告書は、3月上旬に発表される予定だ。

1ヶ月前の「訓練と教育2030」文書には、「将来の活動環境」に備えるためのToDoリストが掲載されている。海兵隊訓練教育司令官であるケビン・アイアムス中将は、すべての海兵隊部隊レベルに「ライブ、バーチャル、建設的な訓練環境」を提供するプロジェクトトリポリという新プログラムが含まれていると述べている。




予算

バーガー大将によると、ウクライナに送られた榴弾砲など武器や装備の多くは、海兵隊と陸軍のもので、両軍はDODの「グループ」活動の一環で、2024年の防衛予算要求で在庫補充の資金提供を求める見込みである。

 バーガー大将は、海兵隊が財政的に規律正しく、戦力再編で築いた道を歩み、海軍と国防総省が決めた手段内で活動していくことを改めて誓った。

 「海軍長官が期待するのはもし、もっと予算があったら、どうするのかでしょう。これに対して私の答えは、『より速く』です。そして、うちのいくつかは、もちろん装備品展開ロジスティクスだろう」。


水陸両用運用能力

2023年の国防権限法では、海兵隊は少なくとも31隻の水陸両用艦を保有し、水陸両用部隊に関連する決定については司令官の意見を聞くとされた。将来の水陸両用部隊の規模と構成は、水陸両用戦力要件調査が分析したが、結果は機密のままである。

 バーガー大将は、研究が求める水陸両用戦力規模について言及を避けたが、「研究の厳密さ、分析には非常に満足している」と述べた。「報告中に組み込まれた仮定と結果には満足している」と述べた。

 同大将は、艦船数より準備態勢が重要だと述べている。

 「即応性が高ければ在庫を少なくすることができます。私たちの高い準備率では、31隻が最低限です」とバーガーは言う。「2つ目は、構成です。31隻は、大型艦と中型・小型艦の両方に分けなければならないので、それぞれ内訳が必要だ」。

 バーガーとスミスは、31隻以下になれば、戦闘指揮官に潜在的なリスクがあると述べている。

 海兵隊は、大型揚陸艦とドック揚陸艦間の能力ギャップを埋めるため、陸上から陸上への接続船も追求している。LSM(ランディング・シップ・ミディアム)が、海兵隊沿岸連隊に使用される予定だ。海兵隊は、MLRあたり9隻、メンテナンス期間中の8隻の合計35隻を必要とすると、バーガー大将は述べた。海軍は2025年に新型の水陸両用艦の導入を開始する予定なので、つなぎとして海兵隊は民間船尾揚陸船(SLV)3隻をリースして改造し、連隊での使用方法をテストしている。最初のSLVは4月から5月にかけサンディエゴに到着し、今夏に実験を開始すると、ワイラー大佐は述べている。

 バーガー大将は、SLVの可能性や機能性だけでなく、海兵隊員からのフィードバックにも期待を寄せている。

 「海兵隊員からどんなフィードバックが返ってくるか期待している。手元にあるからこそ、実験ができる。そして、こういうことができる、あんなこともできる、と教えてくれるでしょう。学ぶことができる」(バーガー大将)。


将来

バーガー大将が今夏に司令官任期を終えると、誰が海兵隊を率いることになるのかまだ不明である。当のバーガー大将は、誰になるか知らないという。この決定は、海兵隊がバーガーの築いたフォースデザイン2030の道をどれだけ忠実に歩むか、あるいはどこで乖離するかを決めるかもしれない。

 バーガーの次の章は?報道では、彼は統合参謀本部議長の座を狙う将官の一人だという。バーガーは、ロイド・オースティン国防長官とジョー・バイデン大統領が「決定を下し、そのプロセスを実行する」と述べ、話をそらした。

 「彼らが喜んで提供しようがしまいが、私は彼らの前に立ちはだかるつもりはない。それは彼らの、彼ら自身のものであり、正しいやり方なのだ」と述べた。

 大統領とオースティン長官の両報道官は、次期議長指名プロセスに関するコメントを避けた。■


State of the Marine Corps 2023 - Defense One

BY CAITLIN M. KENNEY

STAFF REPORTER, DEFENSE ONE

MARCH 2, 2023


2023年2月20日月曜日

AH-1ZにAMRAAMミサイルを搭載し空対空能力まで実現しようという米海兵隊は同型機を統合作戦に投入し、今後数十年供用を続ける考え。投資効率は高いが効果は?

 



第3海兵航空団(MAW)海上航空機群(MAG)39の海上軽攻撃ヘリコプター隊369所属のAH-1Zバイパーが、2022年12月7日、太平洋上で行われたスチールナイト23演習で、移動海上目標にAGM-179統合空対地ミサイルを発射した。MAG-39は、沿岸作戦を可能にするために、海上阻止作戦を実施する。 (U.S. Marine Corps photo by Sgt. Samuel Fletcher).



米海兵隊は、H-1ヘリコプターを将来の戦いに対応させようと、野心的なアップグレードプログラムに着手している



兵隊とベルは、UH-1Yヴェノム Venom と AH-1Zヴァイパー Viper ヘリコプターの電気システムのアップグレードプログラムに着手し、搭載電力を高め、将来の武器運用と能力の拡大を可能にする野心的な取り組みを行っている。

 海兵隊は最近、AH-1Zバイパー攻撃ヘリコプターの最終引き渡しを完了し、UH-1Yでは2018年以降新造機を購入していないが、今後数十年間飛行させる予定だ。海兵隊航空機群39の指揮官で、11月にテキサス州アマリロのベル社工場からカリフォーニア州キャンプ・ペンドルトンに最後の「ズールー」を飛ばしたパイロット、ネイサン・マーベル大佐は、息子が海兵隊に入隊してもH-1を飛ばす可能性が高いと語っている。


アメリカ海兵隊 UH-1Y ヴェノムとAH-1Z ヴァイパー。U.S. Marine Corps photo by Cpl. Austin Gillam


「息子は今6歳ですが、海兵隊でのキャリアを選択した場合、私が約1ヶ月前にアマリロから移動したのと同じヘリに乗ることになっても全く驚きません」と、マーベルはThe War Zoneのインタビューに答えている。「このマシンには20年の寿命があると思うし、とても素晴らしい機体だ」。

 今後20年間、両ヘリコプターを適切な状態に保つため、海兵隊は『ヤンキー』と『ズールー』にさらに多くの技術と武器を統合すると、マーベルは語った。アップグレードの3本柱は、順不同で生存性、殺傷力、相互運用性の強化だ。

 生存性の強化には、飛来するミサイルを防ぐ分散型開口赤外線対策システムとAN/APR-39デジタルレーダー警報受信機の搭載が計画されている、とマーベルは解説してくれた。


12月に太平洋で行われたスチールナイト23の演習で、USSジャクソン(LCS6)の上空をホバリングするAH-1Zバイパー。 U.S. Marine Corps photo by Sgt. Samuel Fletcher


 「直面している戦いや、これまでの戦いでは、生存能力がなければ、相互運用性や殺傷能力を発揮することはできません」とマーベルは述べる。

 AH-1Zはすでに多くの武器を持っており、各種弾薬を搭載できるが、さらに、米国で最先端の空対空ミサイルを搭載することも計画されている。

 AH-1Zは非常に柔軟性の高いAGM-179 Joint Air-to-Ground Missile(JAGM)によるレーダー誘導とレーザー誘導のモードを実証している。H-1は、GAU-17ミニガン、50口径、20mm機関銃など機関銃で、水上艦との交戦や敵の無人航空機(UAS)に対する攻撃的・防御的対空任務の能力も実証している。


ジョイント空対地ミサイル(JAGM)を発射するAH-1Zバイパー。U.S. Marine Corps photo by Sgt. Samuel Fletcher



 海兵隊はAH-1ZにAIM-9サイドワインダーミサイルも搭載している。現在AIM-9Mを大幅にアップグレードした、より高度なAIM-9Xが次に控えているとマーべル大佐は言う。AIM-9Xでは、推力偏向コントロール、ヘルメット型ディスプレイに対応した改良型イメージング赤外線シーカー、遠く離れた標的を見るだけでロックオンできる機能などが導入される。AIM-9X Block IIとして知られるデータリンク機能を備えた最新版は、軍の統合戦場ネットワークシステムを通じ、航空機、水上艦船、海兵隊の標的データを活用できる。また、中国との戦争で海軍と海兵隊が必ず遭遇するはずの巡航ミサイルとの交戦能力も強化されている。

 「前方配備中のAH-1には、ネット対応AIM-9X対巡航ミサイル兵器が8発搭載されます」(マーベル)。


2023年1月、スリランカ海軍艦艇ガジャバフの横を飛行する海兵隊のUH-1YベノムとAH-1Zバイパーヘリコプター。U.S. Marine Corps photo by Sgt. Kevin G. Rivas



アップグレードは、H-1で搭載する電力システムの大幅なアップグレードなしでは実現しない。ベルと海兵隊は、SIEPU(Structural Improvement and Electrical Power Upgrade)プログラムで、ヘリコプターの搭載電力を約200%増加させると計画している。ベルのH-1プログラム担当副社長マイケル・デスラットによると、性能向上以外に、頭文字の発音が「シープー」になるのも海兵隊にありがたいことなのだそうだ。

 SIEPUには、H-1の両機種に共通するドライブトレインとダイナミックコンポーネントの強化、ローターブレーキの改良が含まれる。2022年の海兵隊航空計画に記載があるその他技術は以下の通り。

  • イントレピッドタイガーII

  • AH-1Z ジョイント・エア・トゥ・グラウンド・ミサイル

  • (JAGM)

  • AIM-9X

  • 組み込み型GPS/慣性航法システム(EGI)のアップグレード

  • システム(EGI)アップグレード

  • BRITEスターレーザースポットトラッカー(UH)

  • ターゲットサイトシステム レーザースポットトラッカー (AH)

  • 配備型ミッションリハーサルトレーナー

  • MCAS普天間シミュレータ

  • ヘルメットの改良

  • PRU-70/AEベストの交換

  • ワイヤレスインターカムシステム

 

 デスラットは、The War Zoneも参加したテキサス州フォートワースのベル本社でのメディアツアーで、「新しいシステムには十分な電力が必要です」と述べた。「SIEPUアップグレードには、AIM-9X統合を可能にする経路があります」。SEIPUはH-1の将来の能力の基礎となるもので、AIM-9Xは将来の能力の1つであるという。



AIM-9X サイドワインダーミサイル。 Raytheon Photo



 SIEPUは、ベルがV-22のナセル改善プログラムとして行ってきたものと類似している。オスプレイはアマリロに戻され、ナセル(主翼端にある傾斜部分でエンジンが搭載されている)を分解し、信頼性が高くメンテナンスが容易な新しい部品に交換される。

 SIEPUプログラムを開始するため、AH-1ZとUH-1Y各1機が2023年にベルのアマリロ組立センターに運ばれ、アップグレードが行われると述べています。

 マーベルは、SIEPUは、AH-1コブラとUH-1ヒューイの進化した子孫という意味で、「巨大なエンジニアリングのアップグレード」であると述べている。その他アップグレードとしては、配備された武器、データリンク、搭載されたセンサー、新しいイーサネットバックボーンなどから航空機に供給される情報を処理できる、より強力なデータプロセッサの導入が含まれるとマーベルは言う。

「H-1には、オンボードとオフボード機能がありペイロードにとらわれず、対応できる。「AIM-120をZに搭載することも不可能ではないし、従来H-1に搭載されていなかった妨害ポッドを搭載することだって可能です。H-1の電磁波能力を高めるために、電子攻撃や電子支援のもと電子防御を行えるようになっています」。

AIM-120ミサイル。 Raytheon Photo



 AIM-120高度中距離空対空ミサイル(AMRAAM)は、通常戦闘機が搭載するが、回転翼機に搭載すれば前例のない空対空能力となる。AIM-120は、目視範囲外を想定したミサイルで、「撃ってから忘れる」ことができ、近距離の目標に照準を合わせることもできる。

 海兵隊は、太平洋における中国との対決を想定し、広大な太平洋の基地や艦船などにコブラやヒューイを前方展開することを想定していると、マーベルは言う。新機能により、H-1は海上航空支援、攻撃航空支援、偵察、対偵察、偵察対策、攻撃など、海兵隊空地任務部隊でより多くの任務を担うことになると、マーベルは見ている。

 最新のAIM-120のような兵器はネットに対応している。つまり、ヘリコプターが発射し、F-35統合戦闘機、船舶、地上レーダーシステムなど第三者の情報源から標的情報を受信できる。H-1プラットフォームにリンク16を追加すれば、各装備と照準データやその他の情報をほぼリアルタイムで交換できる。

 ヤンキーとズールーの共通性は85%で、巡航ミサイルへの対抗能力が特に役立つ、条件が厳しい前線基地への配備に最適な候補だ。また、飛行時間あたりのコストが最も低く、海兵隊航空部隊の中で最も高い即応性を持つ機体でもある。

 「海兵隊が1年間に発射する弾薬の大半を発射し、海兵隊が1年間に飛行する時間の大半を飛行している」とマーベルは述べた。「海兵隊の年間飛行時間の大半を占めています。もし、共食いする必要があれば、できる。コブラからエンジンを取り出してヒューイに搭載し、翌日にヒューイとして完成する。コブラからテールローターブレードを取り外し、ヒューイに搭載することもできます。ヒューイのドライブシャフトをコブラに取り付けることもできるんです」。

 海兵隊が保有するH-1ヘリコプターは284機に減少しているが、アップグレードしながら何十年も運用することは賢明な投資といえるだろう。海兵隊は姉妹軍より少ない資金でより多くのことを行わなければならないので、なおさらだ。■


An AIM-120 On A AH-1 Cobra? Not Impossible, Say Marines

BYDAN PARSONS|PUBLISHED FEB 17, 2023 5:23 PM

THE WAR ZONE

https://www.thedrive.com/the-war-zone/an-aim-120-on-a-ah-1-cobra-not-impossible-say-marines