ラベル ロシア の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ロシア の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2026年7月6日月曜日

在英米空軍基地上空へのドローン侵入にロシア関与の疑いが浮上―洋上の貨物船から発進したか。とにかく邪悪なことを展開するロシアですね。日本も対岸の火事とばかり油断していられません

 

在イングランド米軍基地へのドローン侵入に

ロシア関与の可能性が「極めて高い」との報告書

Russia “Highly Likely” Behind Drone Incursions Over U.S. Bases In England Report Concludes


IISS(国際戦略研究所)の調査は、2024年以降ヨーロッパ各地で相次ぐドローン侵入事件でのロシアの役割を包括的に検証した

https://www.twz.com/air/russia-highly-likely-behind-drone-incursions-over-u-s-bases-in-england-report-concludes

2024年11月、本誌は出所不明のドローンによるイングランドの米軍基地上空での一連の侵入事件についてスクープを報じた。無人機の出所は公式には特定されていないようだが、新たな報告書によると、ロシア艦船から発射されたことが示唆されている。

国際戦略研究所(IISS)が作成したこの報告書は、2024年8月に始まった欧州全域でのドローン侵入の相次ぐ事例を調査し、「クレムリンが欧州上空で無人航空機(UAV)による作戦を実施した可能性が極めて高い」と結論づけた。

「ロシアと関連のある船舶や『ダークフリート』が、クレムリンによる欧州に対する広範な非対称戦争の一環として、無人航空機の発射・回収プラットフォームとして使用された可能性が高いと評価される」と報告書は付け加えている。

報告書は、2024年8月から2026年2月にかけて、NATO加盟国12カ国およびアイルランドにまたがる欧州上空で、クレムリンが調整された無人航空機(UAV)作戦を実施した可能性が極めて高いと評価している。

また、ロシアと関連のある船舶や『シャドウ…』が…pic.twitter.com/pGRtWRHPtE

— IISS News (@IISS_org) 2026年7月2日

調査は状況証拠や公開情報に大きく依存している。本誌は調査結果を独自に確認することはできないものの、これらの結果は、飛行の背後に誰がいたのかについて、具体的な答えとは言えないまでも、新たな洞察を提供している。

当メディアが最初に報じたドローンの基地上空への侵入は、IISSが調査した欧州全域での一連の侵入事件の中でも初期の事例だ。報告書によると、ほぼ同時期に、ドイツのラムシュタイン空軍基地上空でも飛行が確認されたという。当メディアはこれらの事件についても報じている

当時当メディアが報じた通り、出所不明のドローンは、最初にRAFレイクンヒース上空で、続いてRAFフェアフォード、RAFフェルトウェル、RAFミルデンホール上空で目撃された。

RAFレイケンヒース。(Google Earth)

特に報告書は、核兵器配備の準備が進むRAFレイケンヒースの重要性に言及している。「一般市民への情報提供呼びかけにより、約170件の目撃情報が寄せられ、約半数は、複数の目撃者による裏付けがあるか、あるいは通常の航空交通では説明のつかない画像で裏付けられたものとして、信憑性ありと判断された。」

「作戦上のセキュリティは高度に維持されていたようだ」とIISSは指摘した。「無人機は、ライトを点灯させたまま低高度でRAF基地周辺の空域に進入し、高い高度で離脱した。到着および離脱の方向は、事象期間を通じ様々であった。」

目撃者の報告は、「複数の機種が関与していた可能性があることを示唆している」と報告書は述べている。「一部の目撃情報はマルチローター型UAVと一致し、他の情報は固定翼型プラットフォームと一致していた。UAVの推進音については証言に一貫性がなく、一部目撃者は、電気モーターというよりはガソリンエンジンに典型的な音を聞いたと述べている。」

「特に注目すべきは、後に2025年のドイツにおけるドローン事件と関連付けられた船舶『Hav Dolphin』が、当時たまたま英国に停泊していたことだ」と調査チームは指摘した。

同船は、いわゆる「ダーク・フリート」の制裁対象船舶でロシアが運用する船舶、あるいはロシアと関連のある船舶の一隻だ。報告書は、欧州の米軍基地での事件後、欧州全域で発生したドローン侵入事件との関連を詳細に論じている。報告書は、これらの船舶を「シャドウ・フリートのタンカー、沿岸貨物船、小型船舶を含む、ロシアと関連のある商船」と記述している。

IISS

IISSは、ロシア製ドローン「オルラン-10」が、これらの侵入事件の際に使用されたプラットフォームの一つであった可能性を示唆した。

「2010年からロシア軍が運用中の小型多目的無人航空機(UAV)『オルラン-10』は、沿岸および内陸の標的に対する遠距離からの情報収集に適した航続距離と搭載能力を備えており、中型商船の甲板スペースにも収まる」とIISSは述べている。

「民間航空測量業務に『オルラン-10』を使用しているロシアの地理空間企業が公表した仕様など、同プラットフォームの商用仕様書によれば、航続距離は500キロメートル、最大飛行時間は12時間、速度は90~130 km/hと記載されており、これらの性能パラメータは、問題となっている欧州の海岸線から視認範囲をはるかに超えた海域を航行する船舶からの海上発射に適している。」

さらに、「『オルラン-10』の動力源は内燃機関である。この詳細は、2024年11月にRAFレイクンヒースで発生した事件に関する目撃証言と照らし合わせると関連性があるかもしれない。同事件では、推進音の性質について、一部観察者から、民生用ドローンやファーストパーソンビュー(FPV)ドローンに典型的な電気モーターというより、ガソリンエンジンに特徴的なものだと説明があった。」

さらに、オルラン-10が搭載可能なペイロードには、「衛星測位偽装モジュールやGSM(Global System for Mobile Communications)ネットワーク監視モジュールに加え、光学センサーや熱センサーが含まれており、オルラン-10シリーズが受動的なISR(情報・監視・偵察)能力だけでなく、能動的な電子戦能力も有していることを示唆している。」

オルラン-10は、ウクライナ戦争において、ロシアによって情報・監視・偵察(ISR)ドローンとして広く使用されてきた。しかし、それをこのような秘密作戦に用いたのは極めて異例である。報告書はこの点を批判的に指摘し、「識別可能なロシア製UAVプラットフォームの使用には、本質的な帰属リスクが伴う」と述べている。

「別の、かつ作戦上信憑性のある仮説としては、否定の余地を残すために、市販品または改造されたプラットフォームが意図的に使用されたというものである。これには、長距離[一人称視点(FPV)]システム、自家製の固定翼機、あるいは無線周波数(RF)通信の代わりに携帯電話通信を使用するように改造された商用UAVなどが含まれる」とIISSは付け加えた。

ロシアは「オルラン-10」ドローンでウクライナ軍の陣地の探知と攻撃を支援している

同シンクタンクは、海上発射説が「好機、実証済みの能力、そして一貫した地理的パターンの合致に基づいている」と認めている。しかし、当局者が非公式にその可能性を示唆しているにもかかわらず、特定の「影の艦隊」の船舶を特定の事件と公に結びつけた欧州政府はまだない。本報告書の残りの部分では、事件の発生場所と時期について、海上とドローンの関連性を最も妥当な説明として扱っているが、これを裏付けるには、まだ公表されていない証拠が必要であることを認めている。


IISS

ロシアがドローンの侵入の黒幕であると非難されたのは、これが初めてではない。

2025年2月、英国を拠点とするThe i Paper は調査記事で同様の主張を行ったが、同紙は飛行が地上のロシア工作員により行われた可能性を示唆していた。

調査をきっかけに、一部の政治家がさらなる調査を求めている。

「元保守党所属の国防特別委員会委員長、ジュリアン・ルイス氏は次のように述べた。『昨年11月、米英当局が両空軍基地でのドローン侵入を検知した際、調査が進行中であると表明していた』」と同紙は報じた。「『一方で、ここにはレイケンヒースおよびミルデンホール近郊にGRU(ロシア軍参謀本部情報総局)と関連する工作員が存在した可能性を示す信頼できる証拠がある。私は閣僚に対し、これらすべての調査結果を統合し、できるだけ早く下院で声明を発表するよう求めるつもりだ』」

トム・トゥーゲンハット元安全保障相は『i Paper』に対し、この調査結果は「国防省および英国情報機関による緊急の調査を必要とする」と語った。

それでも、RAFレイクンヒースでの事件に関する国防省の調査は、容疑者の特定に至らず終了した、Bury Mercuryによると。


RAFレイクンヒース。(RAF)

関与した他の基地3箇所に関する調査の結果は明確ではない。

「英国は軍事基地の安全保障を真剣に受け止めており、国防関係者の安全、施設、能力を守るため、同盟国、法執行機関、その他の当局と緊密に連携している」と、英国国防省は木曜日の朝、IISSが「ドローンの侵入の背後にはロシアが関与している可能性が高い」と指摘した疑惑や、その操縦者に関する同機関の評価につい本誌が質問して、以下回答してきた。

「『軍法法案』を通じて、我々は基地を脅かすドローンを撃退するため、防衛要員に大きな権限を付与しており、対ドローン能力にも多額の投資を行ってきました。潜在的な脅威を検知し、抑止し、対応する能力を引き続き強化しています」と国防省は付け加えた。

国防省は、「諜報事項や防衛施設における具体的な警備体制についてはコメントしない」として、これ以上の詳細の提供を拒否した。

また、本誌はこれらの事象へのロシアの関与に関するIISSの主張が正確かどうかを在欧州・アフリカ米空軍(USAFE)に尋ねた。

「2024年に、英国の軍施設数カ所の上空で、小型無人航空機(UAS)による活動があったことは確認できる」と広報担当者は語った。「これらの事象は監視されており、要員や作戦に何の影響もなかったと判断された。」

「作戦上の機密保持のため、諜報に関する事項については言及できない」と広報担当者は付け加えた。「施設の安全と保安を確保するため、英国のパートナーと緊密に連携し続けている。」

同司令部は、これらの侵入の背後に誰がいるのかという当メディアの質問に対する回答は準備中であると述べたが、7月4日祝日までは準備が整わない見通しだ。

ドローンの侵入問題はヨーロッパに限ったことではない。当メディアも頻繁に報じてきた通り全米の軍事施設でも侵入事例多数が発生しており、2023年12月に本誌が最初に報じたラングレー空軍基地のように、水辺に近い場所での事例も含まれている。さらに最近では、B-52戦略爆撃機や核兵器を配備するルイジアナ州バークスデール空軍基地でも極めて懸念すべき一連の侵入事件が発生した。2019年夏には、カリフォーニア沖で米国の海軍艦艇が数日にわたり断続的にドローンの群れに襲われた。他にも多くの事例があり、欧州の場合と同様、これらすべての事例において、誰がそれらのドローンを操縦していたのかは依然として公には明らかになっていない。

IISS報告書は、欧州以外の事例については一切触れていない。しかし、英国やドイツの米軍基地を含む欧州を悩ませてきたドローンの越境飛行の黒幕として、ロシアを明確に指弾している。■

ハワード・アルトマン

シニア・スタッフライター

ハワードはTWZのシニア・スタッフライターである。紛争について頻繁に執筆しており、特に中東とウクライナに焦点を当てているほか、世界中の軍・諜報当局者や業界リーダーへのインタビューも行っている。現在は、米中央軍および米特殊作戦司令部の本拠地であるフロリダ州タンパ近郊に在住している。





2025年12月25日木曜日

主張 ロシアは領土拡張を諦めない帝国であ理、世界の平和のためにロシアは分割されるべきだ

 主張 ロシアを解体せよ

19fortyfive

マイケル・ルービン

要点と要約 

マイケル・ルービン博士は、ウクライナに平和のため領土割譲を強要すればロシアの侵略に報いることとなり、帝国主義的野心を固定化すると主張する。

ルービン博士はロシアを植民地帝国と位置づけ、指導者たちが非ロシア系アイデンティティの正当性を否定していると描写する。

ルービン博士が主張する唯一の持続可能な解決策は、ロシアを構成共和国へと解体させることだ。オーストリア=ハンガリー帝国、オスマン帝国、ユーゴスラビアの崩壊が最終的により安定した政治を可能にしたのと同様である。

ルービン博士は、西側諸国がロシアの民族共和国を占領国として認識し、人口移動に備え、分裂の際に核兵器を確保するよう促している。

その目標は、ロシアを歴史的な中心部に縮小し、修正主義のエンジンを恒久的に排除することである。

恒久的な平和にはロシアの分裂が必要だ

ドナルド・トランプ大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、旧ソ連国家が平和と引き換えに領土を割譲するというウクライナの和平解決について、引き続き協議を続けている。

これでは紛争を鎮めるどころか、むしろ紛争を煽る可能性が高い近視眼的な動きだ。

結局のところ、ロシアは現在要求している領土は1991 年と 1994 年の両方の時点で、ウクライナ領土として認識されていた。

ウクライナに譲歩を強いることで、トランプは侵略に報いるだけでなく、プーチンの帝国主義的な物語を支持することにもなる。

ロシア帝国主義の簡単な歴史

これが最大の危険だ。アメリカの知識人や学者が自虐的にアメリカの歴史的悪意を嘆き、アメリカ例外主義の概念を貶めようとして、チャールズ3世を含む英国当局者が植民地時代の行き過ぎた行為に謝罪しているが、ロシアは世界で最も残虐な植民地支配を行った国の一つであるだけでなく、今日でもなお帝国主義国家であることを恥じていない。

ロシア帝国主義と欧州諸国の帝国主義との唯一の違いは、欧州諸国が植民地化を行う際、海軍力を背景に地球規模で展開した点だ。英国はインドを、オランダはインドネシアを、スペインとポルトガルはラテンアメリカの大半を植民地化した。フランスは西・中央アフリカからカリブ海、南太平洋に至るまで領土を収奪した。これに対しロシア帝国は陸軍に依存し、国境沿いに拡大した。

16世紀、ロシアは拡大を続け、アストラハンやカザンといったハン国を征服した。これらはモンゴル帝国の分裂した残骸の上に築かれた後継国家であった。

ロシア軍はその後シベリアへ進出した。1689年のネルチンスク条約は清朝中国とのロシアの陸上の国境を定め、バイカル湖地域のロシア支配を確定させた。18世紀、ロシア軍は西へ進路を変え、バルト海沿岸地域やポーランドを征服し、スウェーデンから領土を奪った。プロイセンの強さだけがロシアの西進を食い止めた。

19世紀初頭、ロシア軍はペルシャからコーカサスを奪い、ジョージア、アルメニア、ダゲスタン、そして後にアゼルバイジャンとなる地域を掌握した。1853年から1856年のクリミア戦争での敗北により、ロシアのオスマン帝国領への南進は阻まれた。そのためロシア軍は代わりに東進し、数多くの国家や王国を地図から消し去った。ヒヴァ・ハン国、サマルカンド・ハン国、ブハラ・ハン国は今や存在しない。1860年にはロシアが中国からアムール地方を奪い、太平洋に到達した。

ロシア帝国の総面積はイギリス帝国より小さかったが、ロシアの植民地領土はフランスのそれを圧倒的に上回った。

ロシアは残虐性でも際立っていた。アリューシャン族のような征服民を奴隷化し、1863年から1878年にかけてのチェルケス人領土征服では、チェルケス人の95%以上を追放または殺害した。チェルケス人だけが犠牲になったわけではない。ロシア軍はチェチェン人、タタール人、シベリア先住民をも強制移住させた。文化的抑圧は横行した。プーチンがウクライナ人に罵倒を繰り広げ、ウクライナ文化が非合法で存在権限がないと主張する姿勢は、ロシア指導者層では常態化している。これは非ロシア人に対するロシア指導者の軽蔑の典型だ。

トランプは悪魔との取引でノーベル賞が取れると信じているかもしれないが、この地域に平和をもたらすのは現実を認識する者だ。恒久的な平和にはロシアの解体が不可欠である。

帝国の崩壊が長期安定をもたらす

前例はある。オーストリア=ハンガリー帝国が存在した時代より、その崩壊後の方がヨーロッパにとってはるかに良くなった。確かに、領土回復主義的で飽くなきドイツが第二次世界大戦を引き起こした一因は、その残骸を食い物にしようとしたことにある。だがそれは脱植民地化の結果というより、ドイツがヨーロッパを再植民地化しようとした欲望の結果だった。中国を除けば、ロシアの隣国でロシアの骨の上に自らの帝国を拡大しようとしている国はない。

ユーゴスラビアがより均質な単位へと崩壊した後は、セルビアのスロボダン・ミロシェヴィッチ大統領が扇動した急進的なナショナリズムと領土回復主義を打ち破ったことで、豊かさとは言えなくとも機会の時代が訪れた。1990年、ユーゴスラビアの一人当たり所得(現在のドル換算)は約3,700ドルだった。今日、セルビアの平均一人当たり所得はその4倍に達し、スロベニアやクロアチアではさらに高い。アメリカ当局者はユーゴスラビア崩壊を国家分裂の戒めと見なすかもしれないが、真の教訓は逆だ。平和の鍵は領土回復主義の打倒にある。ユーゴスラビア崩壊時に戦争は必然ではなかった。ミロシェビッチが戦争を招いたのだ。今日のプーチンはミロシェビッチと類似している。

オスマン帝国の崩壊もまた、東地中海と中東全域に自由を広げた。病める巨人が倒れた時、ギリシャ人、ブルガリア人、エジプト人、アラブ人、ユダヤ人、その他多くの人々が自由を手にした。トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の虚勢はさておき、オスマン帝国の旧属国が元に戻ることはありえない。むしろエルドアンがトルコ経済と前任者たちが築いた制度を破壊したことで、彼の死後に生じる空白を埋めるため、さらなる崩壊と領土割譲が起こる可能性が高い。

歴史家や外交官は、オーストリア=ハンガリー帝国やオスマン帝国、ユーゴスラビアの崩壊に伴う戦争を例に挙げてロシア崩壊を回避すべきだと主張するかもしれない。しかし現実には、ロシアは既に戦争に囲まれており、いずれの場合も短期的な暴力の爆発がはるかに安定した未来をもたらした。中東の局地戦争でさえ、オスマン帝国が関与した戦争と比べれば取るに足らないものだ。

ロシア崩壊後の展望

プーチンの死もまた、空白を残すだろう。

ソ連崩壊後と同様に、地域の実力者が台頭するだろう。無害な者もいれば、故ウラジーミル・ジリノフスキーのように、民族主義と陰謀論の過剰を基盤とする者もいる。ミロシェビッチが国境変更を強行した結果、コソボ独立を招いたように、エルドアンがローザンヌ条約を無視したことがトルコ国境内陸化の前例となったように、プーチンが1991年アルマティ宣言(ソ連崩壊後の国境を保証)を無視したことも、将来のロシアが最も重い代償を払うことになる前例を作り出している。実際、トランプが平和に最も大きく貢献する可能性は、領土賠償に関する前例を作ることだ。これはウクライナにもロシアにも同様に適用されうる。

プーチンが隣国から切り離した疑似国家——トランスニストリア、アブハジア、南オセチア、そして短期間ながらドネツク人民共和国とルハンシク人民共和国——は、将来ロシア本土から国家を切り離す前例を提供する。米国と欧州は、ロシアの構成民族共和国22を、占領下にあるとはいえ独立国家として承認すべきだ。そしてソ連占領下のバルト諸国と同様に、米国に代表機関を開設させるべきである。チェチェン、ダゲスタン、トゥヴァといった共和国は、過去の経験から独立への移行が比較的容易かもしれない。カレリアの欧州志向も準備を整えるだろう。サハやブリヤートなどの共和国はより慎重な育成が必要だが、シベリアの資源を考えれば、これは欧米や中国にとって有益な投資となり得る。

実際、コミやバシコルトスタンが国家となる論理は、かつてタジキスタンやキルギスの独立がそうであったように、突飛なものではない。

人口移動と核兵器管理

ロシア崩壊後の管理は容易ではない。数十年、いや数世紀に及ぶ植民地支配により、これらの共和国の多くには膨大なロシア系住民が定着している。

ここにも前例がある。ロシア人は長年カザフスタン北部に定住していた。その後の移住により、カザフスタンにおけるロシア系少数民族の割合は、1991年の独立時には人口の40%だったが、現在では約15%にまで減少した。ウラジオストクからのロシア人の撤退は、オスマン帝国によるテッサロニキ(サロニカ)からの撤退と大差ないだろう。

場合によっては人口移転の促進が必要となるかもしれないが、ここにも前例は存在する。1947年のインド分割だ。これは最終的なイスラエル・パレスチナ和平の基盤となり、ユダヤ人入植者はイスラエル国外とみなされた入植地を放棄する一方、土地交換の結果として一部のイスラエル系アラブ人はパレスチナ国家に編入される可能性もある。率直に言えば、ロシアの場合、こうした強制移住はおそらく不要だろう。大半のロシア人は、単に職を得るためだけにモスクワとその周辺地域へ戻ると考えられるからだ。

ロシア崩壊に伴う最も重大な脅威は核兵器だろう。この危険を軽視することは不可能だが、ここでも前例は存在する。パキスタンの核兵器は、同国が常に崩壊の瀬戸際に立たされている以上、同様に重大な危険を孕んでいる。

ソ連崩壊後、西側諸国はその遺産としての核兵器の安全確保に努めた。ウクライナやカザフスタンが核兵器を継承したように、ロシアの兵器群も配置されていた後継国家へ移行するだろう。核兵器の場合、これはさらなる軍縮につながる可能性がある。核ミサイルを物理的に保有することと、それを発射する能力は全く異なるからだ。

いずれにせよ、ロシア国家がモスクワ周辺の歴史的中心部へ縮小することは、ロシア帝国主義の被害者だけでなく、ロシアの影の下で長く苦しんだ近隣諸国にとっても、純然たる利益となるだろう。時には、周囲の安全のためには、ある国を無力化する必要がある。プーチンの失脚は歴史的機会をもたらすかもしれない。■

著者について:マイケル・ルービン博士

マイケル・ルービンはアメリカン・エンタープライズ研究所の上級研究員であり、中東フォーラムの政策分析部長である。本稿の見解は著者個人のものである。元国防総省職員であるルービン博士は、革命後のイラン、イエメン、そして戦前・戦後のイラクに居住した経験を持つ。また9.11以前にはタリバンと接触したこともある。10年以上にわたり、アフリカの角や中東海域で展開中の米海軍・海兵隊部隊に対し、紛争・文化・テロリズムに関する講義を海上で行ってきた。本稿の見解は著者個人のものである。


Russia Must Be Broken Up

By

Michael Rubin

https://www.19fortyfive.com/2025/12/russia-must-be-broken-up


2025年12月20日土曜日

2026年に米国が軍事行動を行使しかねない場所はここだ

 

2026年にはここから第三次世界大戦が起こり得る(19fortyfive)

ブレント・M・イーストウッド

U.S. Air Force F-22 Raptors, E-3 Sentrys, C-17 Globemaster IIIs, C-130J Herculeses and C-12F Hurons participate in a close formation taxi known as an elephant walk at Joint Base Elmendorf-Richardson, Alaska, May 5, 2020. This event displayed the ability of the 3rd Wing, 176th Wing and the 477th Fighter Group to maintain constant readiness throughout COVID-19 by Total Force Integration between active-duty, Guard and Reserve units to continue defending the U.S. homeland and ensuring a free and open Indo-Pacific. (U.S. Air Force photo by Senior Airman Jonathan Valdes Montijo)

2020年5月5日、アラスカ州エルメンドルフ・リチャードソン統合基地にて、米空軍のF-22ラプター、E-3セントリー、C-17グローブマスターIII、C-130Jハーキュリーズ、C-12Fヒューロンが「エレファントウォーク」と呼ばれる緊密な編隊地上走行に参加した。(米空軍、上級空軍曹ジョナサン・バルデス・モンティジョ撮影)

要点と概要 

– ドナルド・トランプ大統領の下で一連の停戦と外交上の「勝利」があったにもかかわらず、2026年の世界地図には、米国が戦争に巻き込みかねない火種が散らばったままだ。

– 筆者ブレント・イーストウッド博士は、最も懸念される5つのシナリオ、①中国の台湾侵攻、②ウクライナの安全保障をめぐるロシアとの新たな対立、③④ヴェネズエラやイランに対する米国の潜在的な攻撃、⑤北朝鮮による韓国への奇襲攻撃を解説している。

– 各戦域には、それぞれ独自の引き金、エスカレーションのリスク、条約上の義務があり、それらが相まって、ワシントンの現在の平穏が実際にどれほど脆弱であるかを示している。筆者の主張は単純だ。抑止力、同盟関係、準備態勢が、2026年が冷戦状態のままであるか、あるいは熱戦状態に突入するかを決定する、というものである。

米国が戦争に巻き込まれる可能性のある5つの場所

ョー・バイデン大統領の下で地政学的環境が第三次世界大戦のような危険地帯に近づいていると感じる者もいたが、ドナルド・トランプ大統領の交渉力のおかげで、和平の突破口、戦争を緩和する合意、停戦が実現し、事態は多少落ち着いている。

しかし、戦争は常にその醜い頭をもたげており、2026年には米国が銃撃戦に巻き込まれる可能性もある。

ここでは、戦争が勃発し、アメリカが地上部隊の派遣や軍事攻撃を余儀なくされる可能性が最も高い地域を紹介する。こうした攻撃は、アメリカがグローバルなテロとの戦争で追い込まれたのと同じような、終わりのない戦争となる可能性がある。

中国が最大の脅威だ

将来の紛争が最も起こりそうな地域は、東アジアだ。中国は、好戦的な新興大国で、アメリカを苛立たせるような敵対的な発言や行動をしばしば行っている。

台湾に対する中国の野心は、常に同島への水陸両用攻撃を引き起こす潜在的可能性を秘めている。

米国が中国の台湾侵攻にどう対応するか不明だ。ホワイトハウスの新たな国家安全保障戦略は、中国と台湾の問題に関し現状維持を支持している。戦略文書からはトランプが介入を命じるかどうかは明らかではないが、中国による台湾奪取の試みに対抗して戦争が常に起こり得る可能性は十分にある。

中国が台湾を飢餓に追い込む封鎖や隔離を命じる可能性もある。これにより台湾から世界中の顧客への半導体輸出が凍結される。先進チップは多くの国で経済を支えている。米国は迅速に対応策を模索せざるを得なくなる。

ロシアが米国の軍事的対応を必要とする可能性がある

長年ホットスポットとなっている別の地域がロシアだ。4年近く続くロシア・ウクライナ戦争では、ウラジーミル・プーチンの軍勢に対抗するため、米国がウクライナに数億ドルの支援を行ってきた。今後数週間で交戦当事者間の停戦と和平計画が成立する可能性がある。

しかし、ロシアとウクライナの戦闘停止の代償として、米国はロシアが再び攻撃した場合に備え、ウクライナに対し将来のNATO型安全保障を保証せねばならないようだ。これは、プーチンがウクライナへの新たな侵攻を命じた場合、米国がロシアとウクライナの間の非武装地帯において、何らかの軍事攻撃や地上部隊の展開を命じることを意味する。ロシアとの戦争が可能性として残ることになる。

ヴェネズエラに対する米軍の軍事行動の可能性

米国が西半球で展開する新モンロー主義は紛争を引き起こす恐れがある。米海軍はヴェネズエラを威嚇するため、海兵隊を満載した強襲揚陸艦と共にジェラルド・R・フォード空母打撃群をカリブ海に展開している。プエルトリコの旧米海軍ーズベルト・ローズ基地で米軍活動が活発化している。空軍・海軍機がヴェネズエラ周辺を飛行している。

トランプはヴェネズエラを麻薬テロ国家と見なしている。ニコラス・マドゥロ率いる非合法政権は共産主義者かつ犯罪者であり、違法薬物で米国民を毒殺しようとしている。米国はこれまでにヴェネズエラ麻薬密輸船多数を撃沈してきた。

トランプがカラカスへ実戦攻撃を命じるかは不明だが、軍事的態勢は確実に整ってきた。海兵隊による水陸両用上陸作戦の可能性は低いが、ヴェネズエラ国内の軍事目標への空爆は確実にあり得る。ただし、戦争権限法の発動や、南米国家における潜在的な無期限紛争への議会の激しい反発を招きかねない。

イランに新たな教訓を与える可能性

敵対国への空爆の次の焦点はイランだ。6月の米軍によるイラン核施設攻撃ミッドナイト・ハンマー作戦は成功したが、米情報機関がイランが依然としてウラン濃縮や核兵器開発に向けた活動を継続していると判断した場合、追加攻撃が行われる可能性がある。

イランの最高指導者アヤトラ・アリー・ハメネイは強硬姿勢を崩しておらず、大量破壊兵器技術と制裁解除を交換するいかなる「核合意」でも米国と協力する意思はない。

イランは容易に屈服する相手ではない。テヘランからのサイバー戦争、米国に対するテロ攻撃、あるいはイエメンのフーシ派のような同盟勢力に働きかけ、紅海やアデン湾における民間・軍用船舶への攻撃再開を促す可能性もある。こうした行動が現実化したら、トランプ大統領はイランへの追加攻撃を命じるかもしれない。

北朝鮮が韓国を侵攻し、米国の対応を引き起こす可能性

最後に、北朝鮮はいつでも韓国を攻撃する可能性があり、米国は条約上北朝鮮と戦う義務を負う。この侵攻は急速に進展し、米軍は北朝鮮がソウルを占領するのを阻止するため迅速に対応する必要がある。

これは最も可能性の低いシナリオだが、金正恩が米国を巻き込み、甚大な流血を伴う戦争を引き起こす絶望的な行動に出る可能性を軽視してはならない。

朝鮮半島では冷静な判断が優先され、トランプ大統領が来年の習近平国家主席との首脳会談後に金正恩氏と会談することを望むばかりだ。米下院は最新の国防権限法に条項を盛り込み、議会の承認なしに在韓米軍を削減することを禁止した。

金正恩は米国が依然として北朝鮮侵攻を企てていると主張するかもしれない。この地域の緊張を緩和するには、トランプ政権による直接的な関与が不可欠だ。

今後の展開は?

世界は火薬庫だ。敵を牽制し、偶発的な事態が新たな米軍参戦や武力衝突を引き起こすのを防ぐには、多数の空母、前線配備の陸軍・海兵隊、そして巨額の防衛予算が必要となる。

トランプの国家安全保障戦略は、米国は他国の主権を侵害しないと主張しているが、その留保条項は熱戦を引き起こす可能性のある攻撃を阻止できないかもしれない。トランプが脅威を乗り切り、2026年に平和を維持できることを願おう。■

著者について:ブレント・M・イーストウッド

防衛問題に関する3,000 本以上の記事を執筆しているブレント・M・イーストウッド博士は、著書世界に背を向けないで:保守的な外交政策』および『人間、機械、データ:戦争の将来動向 のほか、さらに 2 冊の著書を執筆している。ブレントは、人工知能を用いて世界の出来事を予測するテクノロジー企業の創設者兼最高経営責任者であった。米国上院議員ティム・スコットの立法フェローを務め、国防および外交政策の問題について上院議員に助言を行った。アメリカン大学、ジョージ・ワシントン大学、ジョージ・メイソン大学で教鞭をとった。ブレントは元米国陸軍歩兵将校である。X @BMEastwoodでフォローできる。


World War III Could Happen: 5 Places America Could Go to War in 2026

By

Brent M. Eastwood

https://www.19fortyfive.com/2025/12/world-war-iii-could-happen-5-places-america-could-go-to-war-in-2026/