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2024年6月7日金曜日

EA-18GグラウラーがフーシのMi-24ハインドをAGM-88E対放射誘導弾で破壊していた

 


戦闘の現場で独創的なアプローチが取られることがよくありますが、電子戦機として本来はレーダーを標的にするEA-18Gが地上に駐機中のハインドヘリを対レーダーミサイルで撃破したことを米海軍が確認しました。それにしてもフーシがこうした装備を今でも保有していることが紅海の情勢を不安定にしているので、米軍含む各国軍が躍起として撲滅を進めてしるのですね。




A USN EA-18G took out an Mi-24 with an AARGM.


米海軍は、EA-18GグラウラーがAGM-88E高性能対放射線誘導ミサイルを使用してMi-24ハインドを破壊していたとの本誌の疑いを確認した


軍は木曜日、電子戦機EA-18Gグラウラーの1機がAGM-88E高性能対放射線誘導ミサイル(AARGM)を使用してMi-24/35ハインド攻撃ヘリコプターを破壊していたことを本誌に確認した。5月15日に公開された写真で、空母ドワイト・D・アイゼンハワー(アイク)に配備されたグラウラーにハインドの謎の "キルマーク"が写っていたときに本誌が示唆した推論を裏付けるものである。この交戦はまた、非放射標的に対するAARGMのユニークな精密攻撃能力を浮き彫りにしているようだ。

 「AARGMが実戦で使用された最初の事例となったのは、アイクに配備されたE/A-18Gによるもので、米第5艦隊地域に現在配備中である」と海軍関係者は我々に語った。同関係者は、その交戦がグラウラーにハインド・キル・マークを与えた交戦と同じかどうかについては明言しなかった。

 本誌は当初、その殺傷にはAARGMが関与している可能性が高いと推測していた。

 「ハインドは地上で攻撃されたらしいが、グラウラーにしては奇妙だ」と本誌のタイラー・ロゴウェイは5月16日にツイートした。「最良の推測はこうだ。彼らは座標を打つためにAARGMを発射した。AARGMは、このように時間的な影響を受けやすいエフェクターである。もっと詳しく調べてみよう」。"


海軍関係者が『ウォー・ゾーン』に語ったところによると、それは2月24日に起こったことのようだ。

 ドワイト・D・アイゼンハワー(アイク)空母打撃群は、イエメンのフーシ支配地域への自衛攻撃を実施した。「これは連合軍との共同作業で、イエメン国内の対艦ミサイル基地、貯蔵施設、指揮統制センターを含む16カ所にわたるフーシの標的60箇所を攻撃した。また、回転翼航空機も破壊された」。


海兵隊兵器戦術教官(WTI)コースの訓練中、反対勢力(OPFOR)アセットとして使用された民間所有のMi-24。(米海兵隊撮影:SSgt. Artur Shvartsberg, MAWTS-1 COMCAM/ Release)


VAQ-130 "ザッパーズ "のグラウラーは、"AGM-88E高性能対放射線誘導ミサイル(AARGM)を地上目標に空対地交戦を行い、回転翼機を破壊した。「このヘリコプターは、イエメンでイランに支援されたフーシ派のテロリストのもので、民間商船を脅かし、罪のない人々の命を奪い、航行の安全を危険にさらしている」。


CENTCOMは、その作戦のビデオを投稿した。


F/A-18スーパーホーネットがUSSドワイト・D・アイゼンハワーから発進し、2月24日、イランに支援されたフーシの標的に対する攻撃を支援している。


AGMは、AGM-88高速対放射ミサイル(HARM)の進化形であり、主に敵の防空を抑制し、破壊する設計だ。80マイル以上離れた目標に到達し、音速の2倍以上の速度に達する。海軍によれば、AGM-88Eは2011年にグラウラーから初めて試験発射され、数年間運用されている。


「AARGMは、敵対的なエミッターを攻撃する際に、既存のHARMインベントリよりもはるかに高い精度を実証した」と、直接および時間敏感な攻撃プログラムオフィス(PMA-242)で対放射線ミサイルを担当していた副プログラムマネージャー、チャド・リード中佐は述べている。「この兵器は、敵の防空能力を無力化するために特別に設計されたものであり、航空機搭乗員に電子攻撃任務のための追加ツールを提供するも」。


The basic configuration of the AGM-88E AARGM. <em>Orbital ATK</em>

The basic configuration of the AGM-88E AARGM. Orbital ATK


AARGMは、その祖先であるHARMとは多くが異なっている。その最たるものが、脅威のレーダーが一旦放射を停止しても高精度で命中させることができる点だ。つまり、レーダーが攻撃の途中で停止しても、AARGMは極めて高い精度でレーダーを攻撃する。アクティブ・ミリ波レーダー・シーカーの追加により、AARGMは目標が元の位置から移動ている場合にも命中させることができる。


このスタンドオフの精密打撃能力により、AARGMは防空関連以外の目標に対する迅速な対応打撃兵器として二次的に使用することもできる。つまり、放射線を出さない地上標的を長距離で素早く攻撃することができる。このケースでは、海軍の「キルチェーン」または作戦前の諜報活動がMi-24を発見し、AARGMが地上のMi-24を破壊するために使用された。そうでなければ、近くで攻撃された別の目標による巻き添えで破壊されたことになるが、その可能性は低いと思われる。


グラウラーのキルマークは、航空機や艦船、その他の軍用装備品に、敵の装備品を破壊したことを示すこのようなアートがステンシルされる長い伝統の中で最新の事例だった。例えば3月には、アイクに配備された米海軍のF/A-18E/Fスーパーホーネットが、フーシの無人機撃墜を記念してステンシルでマークされた。また、これらのミッションに参加した同盟国の航空機にも施されている。これは、この地域で同様の脅威を撃墜した軍艦に見られたキルマークに続くものだ。


このキルマークは、以前にも指摘したように、AIM-120 AMRAAMの搭載オプションが追加され、AIM-9Xも間もなく追加されることで、グラウラーの空対空ミサイル能力が拡張されることを意味している。紅海上空やその周辺でのフーシのドローンの活動を考えると、もしまだそうでないとしても、グラウラーがいつでも初の空対空殺戮を行う可能性は残っている。


イエメン空軍は、サウジアラビア主導のアラブ連合との戦争が同国西部でフーシ派反体制派に対して勃発する前に、Mi-24/35ハインド派生機を多数保有していた。当初、イエメン空軍が保有するMi-24/35ハインドは紛争中に破壊されたか、まったく使用できなくなったものと考えられていたが、近年、少数が戦闘に参加したとの報告もある。



8月08日、亡くなったフーシ派少将の弔辞ビデオには、フーシ派指導者が #イエメン のミルMi-24ヘリコプター、ヒューイIIヘリコプター、MiG-21ジェット戦闘機の近くに立っている様子が映っている。


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いずれにせよ、フーシのハインドが一機減ったわけだ。■


EA-18G Growler Killed A Houthi Mi-24 Hind With An AGM-88E Anti-Radiation Missile

The Navy has confirmed our suspicions that an EA-18G Growler used an AGM-88E Advanced Anti-Radiation Guided Missile to destroy an Mi-24 Hind.

BYHOWARD ALTMAN, TYLER ROGOWAY|PUBLISHED JUN 6, 2024 3:53 PM EDT


2022年7月28日木曜日

米軍が強い理由は訓練が実践的であること。CSAR訓練でMi-24を投入。同機を運用する民間企業が米国にあることが驚きですね。

  

hind helicopterテキサス州ランカスターで訓練中にMi-24ハインドを調べる第41救難飛行隊の米空軍飛行士(2022年6月27日撮影)。(Airman 1st Class Courtney Sebastianelli / U.S. Air Force)

 

空軍の救難捜索隊員は、敵機の間を縫い友軍を救出する訓練を行っている。

 

習すれば完璧になるということわざがあるが、空軍のヘリコプター・パイロットは、世界で最も有名な戦闘ヘリコプターMi-24ハインドを飛ばすロシアや北朝鮮などと戦争となった場合を想定して、戦場で出会う可能性の高い敵への訓練をしている。

 空軍の第41救助隊は先月末、ジョージア州のムーディ空軍基地からテキサス州ランカスターに飛び、ハインドへの対応方法を学んだ。この珍しい対戦は、制空権が確保されていない紛争で、墜落したパイロットやその他友軍を救助する準備を乗員にさせるためだった。空軍ヘリコプター隊員は、米製ヘリコプターや固定翼機を相手に訓練を行うが、将来の戦争で戦うかもしれない機体を相手に飛行することはあまりない。

 ムーディにある第23航空団の広報担当者、クリスチャン・リトル中尉Lt. Christian Littleは、「訓練は、主要戦闘作戦(MCO)環境で人員回収を行う一部となる」とタスク&パーパスに語った。「空戦機動は空対空訓練ブロックの要で、エナジー機動、乗員管理、生存性、相互支援の概念を強化するのに役立つ「。

 タンデムコックピット、武器搭載用の翼、大きなトループベイと威嚇的な外観を持つハインドは、ランボー3からトップガンまで、アクション映画の悪役に登場し、高速でタフ、武器庫に匹敵するほど重武装できる。では、アメリカのヘリコプター乗員はどうやって同機と戦えるのだろうか?

 「ここに来て、実際の脅威のヘリコプターと戦うことができた 」と、先週ムーディ空軍基地がFacebookに投稿したビデオで、第41救助隊のパイロット、マシュー・キーオウ少佐Maj. Matthew Keoughは言った。「そのため、他では得られない視覚的にも空力的にも正確な脅威を再現できるのです」。

 知ることは戦いの半分だが、ハインド・ヘリコプターは米軍にとって日常的な光景ではない。同ヘリコプターは世界各地の軍に普及しているにもかかわらず、アメリカにはわずかしか存在しないとキーオウは説明する。米軍の飛行士はハインドの性能を文献で研究できるが、実際に飛んでくるのを見るのは最高だ。

 「ハインドがたくさんいる戦場に行くことになれば、よりよい準備ができる」「本物を操縦することで、機体の本当の能力と限界を知ることができる」(キーオウ少佐)。

 リトル中尉は、同演習は空戦演習の機会であり、「潜在的な脅威であるヘリコプターがどう飛行し、HH-60W乗員が敵機からどう防御するかを学ぶ最良の方法の一つ」と述べた。

 ムーディーズ基地のヘリコプター乗員は、固定翼戦闘機や海兵隊や陸軍のヘリコプターと空戦機動訓練を行うが、今回は、将来の戦闘で実際に対決するかもしれないヘリコプターを相手に飛行する珍しい機会だったとリトル中尉は説明する。

 空軍は過去にもMi-24を相手に同様の演習を行っていた。例えば、2019年にはアリゾナ州デービスモンタン空軍基地を拠点とする第55救難飛行隊のパイロットが、HH-60Gペイブホークでガンシップを相手に飛行する練習を行った。ペイブホークは、陸軍のブラックホークヘリコプターの亜種で、特に戦闘時の捜索・救助や人員回収任務を任務とする。しかし、ムーディに拠点を置く第41救助隊との最近の演習は、新型HH-60Wジョリー・グリーンIIが「フライング・タンク」と対峙する初めての機会となった。

 

hind helicopter 1

テキサス州ランカスター上空で空戦演習中の米空軍HH-60WジョリーグリーンIIをMi-24ハインドヘリコプターの前に飛ばす第41救難飛行隊の飛行士たち(2022年6月29日)。 (Screenshot via video by Airman 1st Class Courtney Sebastianelli / U.S. Air Force)

 

 長い航続距離と優れたセンサーを備えた60Wは60Gの後継機だが、最近空軍がこの新型ヘリコプターの購入を控える決定を下したため、捜索救助関係者は眉をひそめている。しかし、空軍は60Wを75機購入する予定であり、そのパイロットはいつかハインドと対面することになるかもしれない。

 「HH-60Wはこれまでこのようなシナリオに投入されたことはない」と、同じく第41救助隊のパイロット、タイラー・ハドソン大尉 Capt. Tyler Hudsonは言う。「ウィスキーをこのような敵、ハインドと戦わせるのは初めて。ですから、ウィスキーの技術や使い方が証明され、ウィスキーを戦闘に投入できるようになるまであと一歩です」。

 ジョリー・グリーンIIなどブラックホーク各種は、Mi-24と比較してどうか?ハドソンとキーオウは、ハインドが60Wより大きく、重く、速く動くと説明した。しかし、60Wは直線速度では劣るが、機動性で補っている。

 「敏捷性の観点からは、欧米のヘリコプターが有利だ 」と、System Studies & Simulation (S3) Inc.のハインド教官パイロットであるジョン・トッティーJohn Tottyは、Vertical Magazineの2018年記事で述べている。「旋回戦はハインドが望むところではありません。」

 それほど鋭くは旋回しないかもしれないが、ハインドはタフで、機首下の12.7mm機関銃や、翼に装着したり平兵装庫から発射できるロケット、爆弾、銃の数々など、十分な火力がある。しかし、元海軍のヘリコプターパイロット、ジェフ・ノーランJeff Nolanは、ハインドは空対地攻撃任務に使われることが多く、ヘリコプターとの空対空戦闘には使われないと指摘する。

 携帯型地対空ミサイルシステムなどの対空脅威が普及している現在、ヘリコプター乗員は敵ヘリコプターよりも地上からの脅威に直面する可能性が高いとノーランは指摘する。Business Insiderによると、ロシアのウクライナ侵攻では、先月までに200機近くのヘリコプターを喪失していると報告されている。

 しかし、変化が起きているかもしれない。米軍は将来起こりうる紛争で中国やロシアと戦う準備をしているが、空軍の戦闘救難飛行隊は、他の空軍固定翼機と連携し、墜落したパイロットやその他の友軍を救出する方法を計画している。

 空軍の捜索救助ヘリコプターのパイロットであるブロウ・マクドナルド中佐Lt. Col. Brough McDonald,は、「第41救助隊が行っていることは、戦闘空軍の垂直上昇運用の任務と目的を考えると、まさに理想的である思う」と述べた。

 マクドナルドは、戦闘空軍のヘリコプター隊員は、敵のヘリコプターや固定翼機からの脅威を含め、制空権が保証されないシナリオでの飛行に備えなければならないと説明しました。空軍の戦闘救難飛行隊は、敵のふりをした味方の固定翼機に対して日常的に飛行しているが、「侵略者のヘリコプターに対して飛行する機会はもっと稀であり、機会があれば、それを利用すべきである」とマクドナルドは述べている。

 マクドナルドは、映画『トップガン マーベリック』で実際に行われた空軍の捜索・救助作戦を例に挙げた。だ。ネタバレになるが、ある有名なパイロットが敵地上空で機外脱出し、即座に敵のMi-24ヘリコプターに直面する。ミッションを監督していたアメリカ海軍士官が、墜落したアメリカ人パイロットを救出するため「CSAR」を派遣することを提案する。

 「これこそ自分の出番だ!」 マクドナルドは、映画を見ながらそう思ったと振り返る。ハインドについて、「あれなら戦える!」と思ったそうだ。

 

air force helicopter

 

テキサス州ランカスターの上空で空戦演習を行う第41救難飛行隊所属の米空軍HH-60WジョリーグリーンII(2022年6月29日撮影)。(Airman 1st Class Courtney Sebastianelli / U.S. Air Force)

 

 

 残念ながら、映画では作戦担当の提督はCSARを派遣しないことを選択したが、マクドナルドやパイロットたちは、上層部が別の選択をしたときに備え訓練している。では、具体的にどのようにハインドと戦うのだろうか。ヘリコプター大多数に空対空兵器は搭載していないのは事実だが、F-15Eストライク・イーグル戦闘機のパイロットがイラクのヘリコプターに空対地爆弾を投下したり、ウクライナ兵士がロシアのヘリコプターを対戦車ミサイルで撃墜したと伝えられている世界では、アメリカや敵国のヘリコプターの乗組員が空対地武器で敵ヘリコプターを撃墜しようとしないとは言い切れないとマクドナルドは見ている。

 「乗組員は武器を持っており、それらは空対空用に最適化されてはいないものの、ハインドを撃退する効果を生むのであれば、使用を承認する」とマクドナルドは言う。

 ムーディ基地報道官であるリトル中尉は、ジョリーグリーンIIはGAU-2ミニガンとGAU-21 50口径兵器システムを搭載して飛行すると語った。先月テキサス上空で行われたヘリコプター2機の空中戦は、戦闘機パイロットが互いに戦うときに使う基本的操作に匹敵するものだったが、速度がはるかに遅く、はるかに低高度であったとマクドナルドは説明している。ヘリコプターのパイロットは、後部座席にF-15イーグルのパイロットを乗せて訓練していたときのことを思い出して、戦闘機パイロットが "「我々と同じことをしているが、速度が遅いだけだ 」と言われたそうだ。

 ハインドとの演習のもう一つの利点は、ムーディーのパイロット数人がMi-24に同乗し、敵コックピットから戦況を見れたことだ、とリトル中尉は説明する。ハインドを操縦する契約パイロットは、ムーディーの飛行士に航空機の兵器システムをあらかじめ説明し、隊員はその知識を携えて、翌日、契約パイロットがハインドを操縦する際に兵器システム席に座った。

 リトル中尉は、「ムーディーの乗員が両方の航空機に乗ることで、脅威に対する防御策を練習し、戦術が敵軍の視点から見てどこまで効果的であるか分析できた」と述べた。

 このようなスキルは、固定翼機との戦いにも応用できる。ヘリコプターと固定翼機の対戦というと、後者に有利に見えるかもしれまないが、マクドナルドは、ヘリコプター乗員は大地にへばりつき、タイトなターンをして、ミサイルロックしようとする敵パイロットの努力をくじくことができると説明している。目標は、味方の固定翼機が敵を追い払うまで、数分間生き延びることだ、とマクドナルドは説明する。

 敵のヘリコプターであれ、固定翼機であれ、ハインド演習で得た教訓は、どんな状況でも役立つ。「通常の訓練では、事前にブリーフィングを受け、台本通りに行動することは非常に簡単だ」とキーオウは言う。「第3のプレーヤー、ハインドが加わると、もっと難しくなる」。

 

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テキサス州ランカスターの上空で空戦演習を行う米空軍HH-60Wジョリー・グリーンIIを操縦する第41救難飛行隊の飛行士たち(2022年6月29日)。 (Screenshot via video by Airman 1st Class Courtney Sebastianelli / U.S. Air Force)

 

 ハインド等の脅威が出現した場合、空軍の乗員は、通常の指揮系統から外れてでも、迅速対応で撃退したり、脱出しなければならない。しかし、突然の脅威や緊急事態が発生した場合、他の搭乗員がタックリードと呼ぶ戦術的な指揮をとり、他の搭乗員を危険から遠ざけることができるとノーランは説明する。それは「左へ行け」「右へ行け」という単純な命令かもしれないが、それが違いを生むこともあり、空軍搭乗員は本格的に練習しているようだった。

 「全員が......いつでも、いわゆる『タック・リード』をとることができ、僚機を救う呼びかけを指示できます」とキーオウは言った。「この訓練は、隊員の自信を高め、いつタック・リードを取り、指示を出す必要があるかを知らせる機会」だという。

 このようなスキルは、脅威がハインドでもミサイルでも、軍用ヘリコプター全体に適用できる。

「万が一の事態を想定した訓練だ」とノーランは言う。「クルーが軽快に動けるよう訓練しているのです」。■

 

Air Force pits helicopter pilots against Russian-made Hinds in rare mock battle

BY DAVID ROZA | PUBLISHED JUL 19, 2022 4:29 PM

 

 

David Roza

David Roza

David covers the Air Force, Space Force and anything Star Wars-related. He joined Task & Purpose in 2019, after covering local news in Maine and FDA policy in Washington D.C. David loves hearing the stories of individual airmen and their families and sharing the human side of America’s most tech-heavy military branch. Contact the author here.


2020年11月6日金曜日

米国内演習にMi-24ハインドが投入されているのはなぜか。超大国間戦に備える姿がそこにあった。もっとすごいのは民間企業がハインドを保有していることでは。

 

 

 

 

空軍の救難ヘリコプター部隊が2019年11月に強力なソ連時代のミルMi-24ハインド攻撃ヘリコプターを前に模擬戦闘訓練を展開した。

 

演習はアリゾナのデイヴィス-モンタン空軍基地で展開され、同基地駐留の第55救難飛行隊にヘリコプター同士の戦闘に備える機会となった。

 

Mi-24の2機が同基地に飛来した。空軍公式写真では大型複座の同機が砂漠上空を低空飛行する様子やハンガー内で第55救難飛行隊のシコースキーHH-60Gぺイヴホーク救難ヘリコプターと肩を並べる姿が写っていた。

 

 

 

ソ連崩壊を受け、米軍は1990年代初め以来ハインドを実際に所有し、借り上げている。うち軍所有のMi-24の2機はネリス空軍基地に配備されている。

 

さらにVTSエイヴィエーション社が二機所有し、一機はブルガリアが運用していたMi-24Dで、アラバマ州ハンツビルに常駐する。VTS社のハインド各機は一時は博物館展示機だった。

 

The Aviationistのトム・デメリーによれば今回アリゾナに展開したMi-24はVTS所有機という。デイヴィス-モンタン基地での訓練は同基地部隊には難易度がきわめて高い内容だった。ハインドはじめソ連時代のヘリコプターは対地攻撃、空対空攻撃の双方をこなす。

 

空対空モードではハインドは機首の機関砲や無誘導、誘導式双方のロケット弾で敵ヘリコプターを排除する。ヘリコプターで敵ヘリコプターを攻撃するのは容易な仕事だ。

 

このため米空軍ではA-10攻撃機をヘリコプター援護に使い、敵ヘリコプターからの攻撃に備える。F-16よりもA-10の低速飛行性能が適している。しかし、ハインドは対ヘリコプター攻撃に性能を発揮する。

 

「ネリスのウェポンスクール以外の場所でこの訓練を展開するのは今回が始めて」と55救難隊のカート・ウォーリン大尉がいう。「HH-60G対HH-60Gの訓練しかしていないので今回は大変化だ」「この訓練で他機種が敵の場合にどんな状況になるかわかるので戦術や手順も対応できる」

 

55救難隊のぺイヴホークはUH-60ブラックホークの派生型だ。HH-60Gには追加センサー、空中給油用プローブがつき、大型機関銃も搭載する。

 

空軍にぺ一ヴホークが100機ほどあり、墜落機のパイロット救出のほか、地上部隊の救出、傷病兵搬送を危険地帯で実施している。G型が旧式化してきたので空軍はHH-60の新型の導入を始めている。

 

ぺイヴホークは中東やアフガニスタンの戦闘地帯に投入されてきた。搭乗員は地上の砲火や悪天候、険しい地理にも対応してきたが、敵部隊の武装ヘリコプターから攻撃を受けた事例はない。

 

ただしこの状況も米国が大国と戦えば一変する。2019年11月の演習は新状況に適応する意味もある。「55救難隊はこの訓練で今後の対応に備えられる」とウォーリン大尉も述べる。


「大国相手の戦闘に備えるべく実力を引き上げたい。ゴールドフェイン参謀総長がまさしくこれを指示している」

 

ペンタゴンが一層現実的なハイエンド演習を増やす中で、VTS社保有のハインド両機が各地の米軍基地上空にあらわれる機会も増えそうだ。

 

海兵隊は2018年にMi-24あるいはMi-17ヒップ輸送ヘリコプターを敵機として借り上げアリゾナ州ユマでの演習に投入する可能性を模索した。

 

「Mi-24はその大きさ、性能、火力、防御行動能力がこちら側にない戦力となり、今後も脅威になりうる」と海兵隊は当時説明していた。■

 

この記事は以下を再構成したものです。20年間戦闘員相手の戦いを展開してきた米軍がロシア、中国との対決に切り替えていくのは相当ハードルが高いでのしょうね。

 

Why the U.S. Air Force is Flying Russian Mi-24 Attack Helicopters


November 5, 2020  Topic: Security  Blog Brand: The Reboot  Tags: RussiaU.S. Air ForceMilitaryTechnologyHelicopterMi-24

by David Axe 

 

David Axe serves as Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels  War Fix, War Is Boring and Machete Squad. This article is being republished due to reader interest.


2020年1月27日月曜日

米空軍がMi-24ハインドを訓連に投入中

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アリゾナ州ライアン上空を飛行するロシア製Mi-24ハインド・ガンシップ。Mi-24は第55救難飛行隊で訓練に使われている。(U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Jacob T. Stephens)

空ショーにMi-24ハインドが登場することは米国ではよくあるが、米空軍が実機を訓練に投入するのは異例だ。
米空軍355航空団広報部が非公式に航空戦闘軍団隷下の第55救難飛行隊が訓練にロシア製Mi-24攻撃ヘリコプター2機をデイヴィス-モンタン基地(アリゾナ州ツーソン)で訓練に使用していると発表した。
同救難飛行隊で供用中のHH-60ペイブホークの敵役にMi-24が投入されている。「ハインド」攻撃ヘリは世界48カ国が使用中で、米軍が世界各地に展開すれば遭遇の可能性が高い機体だ。
航空救難飛行隊はいかなる脅威があっても各地に展開する必要があり、訓練を通じ各種事態に備えている。
ハインドはワシントン州タコマに本社を構えるVTS Aviation LLC (VTSA)、アラバマ州ハンツビルのSystem Studies & Simulation (S3) Inc.がそれぞれ所有する機体だ。ハインドはデイヴィス・モンタン基地でブルガリアを想定した脅威対応訓練に投入された。2機は冷戦時の航空戦力博物館に2017年まで展示されていた。その後米軍と契約し、脅威シミュレーションに使用されている。
Mi-24ハインド攻撃ヘリコプターはソ連のアフガニスタン侵攻で悪名を轟かせた。当時オサマ・ビン・ラディン含むタリバンゲリラ部隊を米CIAが支援していた。米国は携帯型防空装備(MANPADS)のFIM-92スティンガー等を秘密裏にタリバンに供給した。1987年から1988年にかけてのことで、重装備のMi-24は大きな脅威だった。ハインドの威力はその時点から高く評価されていた。■
この記事は以下を参考にしました。


U.S. Air Force Uses Russian Mi-24 Hind Gunships in Training at Davis-Monthan AFB.