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2017年8月11日金曜日

フィリピン向けヘリ部品供与<日本は東南アジア防衛協力関係強化を目指す



Exclusive: Japan seeks Southeast Asia clout with chopper parts for Philippines military - sources

フィリピン軍向けヘリコプター部品提供は東南アジア各国向け安全保障協力の第一歩


TOKYO (Reuters) - 陸上自衛隊がヘリコプター部品多数をフィリピンに譲渡し同国軍ヘリコプター機材の稼働を支援することで中国への対抗を後追ししながら戦略的に重要な南シナ海への影響力を確保するねらいがあることが複数筋から判明した。
  1. 今回のフィリピン向け部品はUH-1多用途ヘリコプター用で陸上自衛隊はH型ヒューイを2012年に用途廃止したが予備部品を保管している。
  2. 軍事外交による中国の南シナ海進出対抗は日本にとって新しい手段で、安倍晋三首相は従来の日本の姿勢をあらため域内でしかるべき役目を追求している。
  3. 東南アジアに対する軍事外交の強化を目指す日本にとり今回のフィリピン協定は第一歩で、各国が求める哨戒機、艦船他防衛装備の提供が続くはずだ。
  4. 「二国間の強固な戦略提携協力関係の象徴」とフィリピン空軍上層部はロイターに語り、日本はおよそ4万点の部品を提供すると述べている。
  5. 供与合意は日本として初の軍事援助となるが、6月に国会で余剰防衛装備の他国向け無償贈与が可能となっていた。
  6. 「予備部品の取り扱いを検討しているが具体的なことは決まっていない」と防衛装備庁関係者は語っている。「安全保障強化につながる防衛装備協力は今後も進めていきたい」
  7. マレイシア、フィリピン、ヴィエトナムの三国がP-3C哨戒機導入で日本と協議をはじめている。川崎重工製P-1の導入で余剰機材になっているためだ。
  8. これに先立ち日本は使用済みビーチクラフトTC-90キングエア3機をフィリピンにリース契約で供与している。
  9. 防衛上のつながりを構築するその他の動きとして南シナ海を航行したヘリコプター空母いずもにASEAN東南アジア連合の軍関係者が四日間体験航海している。
  10. インドネシア、マレイシア、フィリピン、シンガポール、タイランド、ヴィエトナムの軍関係者は日本で行われた災害救助演習を視察している。
  11. 安倍政権は東南アジアを中国の影響から守るには日本の方が米国より有利と認識している。米国では非民主政権下のタイランドやヴィエトナムには完全関与できない制限があるためだ。
  12. また米国内の条件によりフィリピンは中国やロシアに武器供給を頼らざるを得なくなっっているいうのが同国国防相の見解だ。
  13. 中国はすでにフィリピンに対し総額14百万ドル相当の軍事ハードウェアを寄贈しており、そのほかにも5億ドルのソフトローン枠を中国製武器購入用に設定している。■
Reporting by Tim Kelly and Nobuhiro Kubo in TOKYO; Additional reporting by Manuel Mogato in MANILA; Editing by Clarence Fernandez

2016年6月27日月曜日

★★ヴィエトナムが海自P-3C余剰機材の導入に前向きになっています



さすがヴィエトナムの目の付け所は鋭いですね。フィリピン向け練習機の案件ではリース方式にしましたが、今回ヴィエトナム案件が成立したらどう処理するのでしょうか。 それはさておき、日本が国境線から利益線に世界観を拡大するのはよいことでしょう。もちろん、それを歓迎しない勢力もあるわけで、とりわけ国内では次回参院選挙で政党の世界観・安全保障観が問われていると思います。



Nikkei Asian ReviewVietnam eyes secondhand Japanese defense gear

June 26, 2016 1:00 pm JSATSUSHI TOMIYAMA, Nikkei staff writer

HANOI--米国が武器禁輸措置を解除してヴィエトナムが国防力増強に取り組んでいる。
  1. 中国を意識し海上哨戒能力の向上を狙う同国だが問題は米国製装備の高価格だ。代替策でヴィエトナムは安価な使用済み機材を海上自衛隊から導入したいようだ。
  2. ロイター報道によれば同国はロッキード・マーティンに使用済み米海軍P-3オライオン4機ないし6機の価格および納期を照会する予定だ。P-3の新品価格は最低でも80百万ドルでヴィエトナムは一機しか調達できない。
  3. 対潜能力整備は同国の目標で、武器禁輸措置解除により米製装備の調達に向かうと見られたが、ここにきて日本が浮上しており、日本側関係者によればヴィエトナム海軍から非公式に海自の退役済みP-3C対潜哨戒機購入の打診が今年春にあったという。
  4. ヴィエトナムの悩みの種は中国潜水艦部隊だ。中国の約70隻に対しヴィエトナムもキロ級潜水艦をロシアから6隻購入たがそれだけでは対抗しきれない。そこで対潜哨戒航空機材の整備をめざす。
  5. ただし日本への期待は価格だけではない。まず日本には十分な機数のP-3Cがある。海自が新型P-1の導入し機種更新中のためだ。またヴィエトナムは訓練も期待している。P-3C乗員は音紋から潜水艦を識別する必要があり、海自は同機運用で世界トップクラスと言われ、ヴィエトナムは日本から学ぶのが近道と考えているようだ。また日本とは政治経済上のつながりも強い。
  6. さらに海自との共同演習で自国部隊の技量を磨く期待もヴィエトナムにあるようだ。日本のP-3Cはダナンまで飛んでおり、今年も共同で捜索救難演習を実施する。ヴィエトナムはP-3C運用の事前訓練の機会にしたいようだ。
  7. ヴィエトナム国防相ゴー・スアン・リックは6月のシャングリラ対話を欠席し、次官を代理で送り中国を配慮した可能性がある。今のところヴィエトナム政府は中国を挑発することを避けようと、軍事力示威やあからさまに米側に寄り添うところは見せていない。■