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2025年4月2日水曜日

米海軍のトマホーク・ミサイル不足は深刻(19fortyfive) ― 月産5発?日本は400発を発注しているのですが。一方で日本が新型の導入より既存型を優先した理由がわかりますね。

 


Ohio-Class SSGN Submarine

オハイオ級SSGN潜水艦。 画像クレジット:クリエイティブ・コモンズ


ぜ米軍でトマホーク陸上攻撃ミサイルが不足しせているのか?

常識なら、トマホークは長年にわたり人気のある兵器であるため、在庫は十分にあるはずなのだが。

 トマホークは海軍の最も効果的な攻撃兵器のひとつで、イラク、アフガニスタン、シリアでの紛争で指揮官が選択した攻撃兵器である。

 しかし2年以上前から、米海軍は防衛産業がミサイルを補充するよりも多くミサイルを発射していた。 海軍によれば、イエメン紛争が激化した2024年の開戦攻撃では、30カ所の標的を攻撃するため80発以上のトマホークが使われたという。

 筆者は、米国の大手ミサイルメーカーに勤める長年の同僚に、トマホーク不足の疑問をぶつけてみた。なぜ米海軍でトマホーク巡航ミサイルが不足しているのか?


米海軍のジレンマ:トマホークは何発あれば足りるのか

 本人は、海軍が必要とする数のミサイルを確実に受け取れるようにし、また必要な時に必要な弾薬を生産できるようにするために、産業界がどんな立場なのかを説明してくれた。

 「米国の防衛産業は、米国政府から火傷を負わされてきた歴史がある。 「各軍がもっと早くミサイルが必要だと言えば、言われたとおり素朴に信じてしまう。

「だから、レンガ造りの建物を建てたり、従業員を増やしたり、能力を増強したりする。 そして、新しい組立工場やその他の能力拡張のテープカットの準備が整った頃、政府は我々にこう言うのだ。『あれは冗談だった。ごめんね』。

 「その結果、われわれは袋だたきにあうだけでなく、米国政府がわれわれのために作ってくれた多くの悪い知らせを配り、後始末をしなければならなくなる」と彼は締めくくった。 だから、ある軍が『生産ラインに追加生産能力が必要だ』と言うと、『狼少年』の古い寓話をすぐ思い浮かべるのは理解できるだろう」。

 「情けないほどお粗末な計画であり、米国の防衛産業がどのように運営されているかについての理解はさらに不十分なんだ」。


その結果、軍の兵器庫で最も重要な兵器の生産ラインは、ここしばらくの間、可能な限り低い生産テンポに止まっていた。

 数年前の評価では、トマホーク生産ラインを維持するため年間90発芽最低数と結論づけられた。陸軍と海兵隊は、実験的な陸上発射バージョンのミサイルを購入することで、かろうじてその生産を維持している。 一方、2023年には、55発のトマホークが、たった1日でフーシ派に発射されていた。

 海軍は生産水準を引き上げようと、同盟国への輸出販売を拡大することで、トマホークの年間生産量を増やそうとしている。 しかし、これが長期的にどれだけの追加生産能力を生み出すことができるかはまだわからない。

 しかし、上記同僚の悲惨な状況評価に戻ると、海軍がもっとミサイルを購入したくても、産業界が需要を満たすため急増することはおそらくできないという問題が残る。

 アメリカの国防生産は、もう何十年もこのような「ジャスト・イン・タイムでこれ以上は作らない」モデルから抜け出せないでいる。    本誌取材に応じたアメリカの大手防衛企業の幹部は、「誰かのせいにしたければ、日本のせいにすればいい」と語った。

 「彼らは、今この瞬間必要でない余剰在庫に5セントたりとも使うことはない、サプライチェーンが寸断されて生産計画がトランプの家のように崩壊することはないと、皆に信じ込ませた張本人だ。

 上記の2024年の評価にあるように、その結果、「トマホークの買い付け量が変動し、生産率が不安定になり、業界とサプライヤーの事業計画がうまくいかなくなった。不均等な需要は、ロケットモーターのような主要部品の生産ボトルネックとなって現れ、増産を困難にしている。

 新型トマホークは、生産ペースが遅いため、製造に2年のリードタイムがかかる。報道機関が入手した海軍文書によれば、2023年からの発注分は2025年1月まで納入が開始されない見込みだ。

 生産テンポは?同文書によれば、月産わずか5発である。

 懲りない政府機関もあれば、変わらないものもあるということか。■


The U.S. Navy’s Tomahawk Missile Shortage Won’t Be Easy to Fix

By

Reuben Johnson

https://www.19fortyfive.com/2025/03/the-u-s-navys-tomahawk-missile-shortage-wont-be-easy-to-fix/?_gl=1*1x5lfow*_ga*NTY5MDczOTM1LjE3NDMzNzM0NjQ.*_up*MQ.

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著者について

ルーベン・F・ジョンソンは2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻の生存者であり、現在はFundacja im.の対外軍事問題専門家である。 現在はワルシャワのFundacja im. Kazimierza Pułaskiegoの対外軍事問題専門家。 国防技術や兵器システム設計の分野で、国防総省、複数のNATO政府、オーストラリア政府のコンサルタントを務める。 過去30年にわたり、ロシア、ウクライナ、ポーランド、ブラジル、中華人民共和国、オーストラリアに滞在し、そこで取材を行ってきた


2024年12月11日水曜日

オーストラリア海軍が巡航ミサイル「トマホーク」を初めて発射(The War Zone)―オーストラリアが「トマホーク」クラブに入ったのは中国をにらんでのことだろう



トマホークにより、オーストラリアは中国の接近禁止バブルの奥深くまで到達し、艦船や陸地の標的への攻撃能力を得る

HMAS Brisbane fires a Tomahawk Weapon System off of the cost of San Diego, United States of America.

(オーストラリア海軍)

ーストラリア海軍(RAN)のホバート級駆逐艦HMASブリスベン(DDG-41)が、サンディエゴ沖で長距離兵器の試射に初めて成功した。 オーストラリアはこれで、アメリカ、イギリスと並んでこの能力を保有することになる。

 今回の試射は、ブリスベンがアメリカ西海岸でのいわゆる「互換配備」の真っ最中に行われたもので、XアカウントのWarshipCamはこの1週間、サンディエゴ海軍基地に出入りする同駆逐艦を目撃してきた。サンディエゴにブリスベンがいることは、ワシントンとキャンベラの軍事的結びつきが深まっていることを反映している。

 TLAMの1,000マイル射程は、海上でのRANの火力を瞬時に強化し、中国との戦争が勃発した場合に歓迎される能力である。TLAMは艦船や陸上の標的を攻撃することができ、北京が対接近防衛によって米国とその同盟国を遠ざけようとする戦いでは、スタンドオフ兵器として実績がある。また、トマホークは目標上空で待機したり、衛星データリンクを通じて飛行中に別の目標を攻撃するよう指示することもできる。

 中国の周辺国でトマホーク・ミサイルを追求しているのはオーストラリアだけではない。 日本は、2024年1月に400発のミサイルとその支援設備を獲得するため、アメリカと23億5000万ドルの契約を結んだと、USNIニュースは当時報じた。

 オーストラリアのリチャード・マールズ副首相兼国防相は声明で、「トマホーク・ミサイルの試射成功は、平和で安定した豊かな地域を支える米国との同盟と防衛協力の強さを示すものだ。自国の防衛力を強化し、パートナーと協力することで、潜在的な侵略者の計算を変え、いかなる国も紛争による利益がリスクを上回ると結論づけることがないようにする」と述べた。


HMAS Brisbane fires a Tomahawk Weapon System off the coast of San Diego, USA.

HMASブリスベンが初のTLAMを発射。 (オーストラリア海軍)

 ブリスベンに加え、艦名の由来となったHMASホバート(DDG-40)、駆逐艦HMASシドニー(DDG-42)を含む3隻のホバート級は、トマホークにとって健全な本拠地となる。 この7,700トン級の各艦は、2017年から2020年にかけて就役し、オーストラリアで最も近代的で高性能な水上戦闘艦と考えられている。

 オーストラリアは、ホバート級駆逐艦と将来のプラットフォーム用に、200発以上のトマホークの購入を検討していると国防省は述べている。米国防安全保障協力局は昨年、オーストラリアがトマホーク・ブロックV・オールアップ・ラウンドを最大200発、トマホーク・ブロックIV・オールアップ・ラウンドを最大20発、およびそれらの実戦配備に必要な関連装備を8億9500万ドルで購入するよう要請したと発表した。

 トマホークを除けば、ここ数年、ホバート級は変化と新能力の時代だった。シドニーは2024年8月、多国籍軍による環太平洋合同演習(RIMPAC)で対艦ミサイル(NSM)の発射に成功した、とNaval Technologyのリチャード・トーマスは報告している。 

 NSMは、ステルス設計で二次的な陸上攻撃能力を持ち、アメリカを含む世界中の海軍で人気を集めており、オーストラリア軍艦に搭載されているハープーン対艦ミサイルに取って代わるものだ。同級駆逐艦とアンザック級フリゲート艦に搭載される予定で、2023年に締結された契約に基づいている、とUSNIニュースは報じている。


HMAS Sydney fires Royal Australian Navy’s first Naval Strike Missile during a SINKEX off the coast of Oahu, Hawaii as a part of Exercise Rim of the Pacific (RIMPAC) 2024.

環太平洋合同演習(リムパック)2024の一環として、海軍打撃ミサイルを発射するHMASシドニー(DDG-42)。 (オーストラリア海軍)LSIS Daniel Goodman

 オーストラリア政府によると、ホバートは2019年にSM-2標準ミサイルの初の発射に成功した。 2024年8月には、シドニーもオーストラリア初のSM-6ミサイルを発射した。政府によると、このミサイルは同級と将来のハンター級フリゲート艦に「順次配備」される。過去の本誌の報道と製造元のレイセオンによれば、SM-6は対空、対地、打撃、弾道ミサイル防衛の要素を担う唯一のミサイルである。また、米海軍の駆逐艦がフーシの対艦弾道ミサイル(ASBM)を破壊するため使用したとも伝えられている。

 そして、ホバート級に最新鋭の弾薬が搭載されると同時に、ロッキード・マーティンはすでに3隻に強化された戦闘システムを搭載する準備を進めている。同社は2023年11月、イージス戦闘システム・ベースライン9の機能をサポートするために、このクラスの設計アーキテクチャをアップグレードしたと発表した。ベースライン9によって、ホバート級は弾道ミサイル、巡航ミサイル、敵機を同時に防御できるようになる、と本誌は以前報じた。USNIニュースは2024年5月、ベースライン9のアップグレード作業は2026年に開始されると報じた。公的記録では、ホバート級は現在イージス艦ベースライン7.1を搭載している。

A Tomahawk Weapon System fired from HMAS Brisbane off the coast of San Diego, USA, in flight toward it's target. Screenshot from video capture.

オーストラリアのHMASブリスベン(DDG041)から発射されたトマホークミサイルが目標に向かう。 (オーストラリア海軍) 米海軍

 同駆逐艦は48基のマーク41垂直発射システム(VLS)セルを搭載しており、SM-2およびSM-6ミサイルとともに、中距離地対空ミサイルRIM-162進化型シースパロー・ミサイル(ESSM)も搭載する。  また、マーク45 5インチ主砲、MU90魚雷、25mm M242 ブッシュマスター連装砲2基、ファランクス近接武器システム(CIWS)も装備されている。

 ホバート級がすべての新型イージス艦と兵器システムを導入する時期はまだ不明だが、トマホークを発射したブリスベンの配備は歴史的なものとなった。オーストラリア国防省の発表によると、ブリスベンは5ヶ月間のいわゆる "互換配備"を経て、クリスマス後に帰港する予定だという。


A Tomahawk Weapon System fired from HMAS Brisbane off the coast of San Diego, USA, moments before impacting it's target. Screenshot from video capture.

オーストラリアのHMASブリスベンから発射されたトマホーク・ミサイルが目標に着弾する瞬間。 米海軍

オーストラリアが2021年、ホバート級に搭載するトマホークを米国から購入すると発表したのは、米英豪3カ国がAUKUS3カ国協定に基づき、オーストラリア海軍に原子力攻撃型潜水艦を供与する計画を発表した翌日のことだった。

 米国は、垂直発射管システム(VLS)にトマホークを搭載したヴァージニア級潜水艦を、オーストラリアに3隻から5隻売却する計画だ。 しかし、最初の1隻が引き渡されるのは、議会の承認を待って2030年代初頭となる。

 新クラスのSSN AUKUSもトマホークを発射できるVLS発射管を搭載するが、RANに引き渡されるのは現在のところ2040年代初頭の予定だ。

 オーストラリアの潜水艦が完成するのはまだ先のことだが、AUKUSではすでにアメリカ艦艇がメンテナンスのためにオーストラリアに寄港するなど、結びつきを強めている。ヴァージニア級潜水艦USSハワイ(SSN776)が2024年8月に最初の米艦艇となった。 オーストラリア西部のHMSスターリング海軍基地を原子力潜水艦のハブにすることに加え、米英の艦艇のローテーション配備も計画されている。

HMAS STIRLING, Western Australia, Australia (Sep. 10, 2024) — USS Hawaii (SSN 776) departs HMAS Stirling Sept. 10, marking the conclusion of a historic submarine maintenance period in Western Australia. As part of the Australia, United Kingdom, United States (AUKUS) Pillar 1 effort, Royal Australian Navy personnel assigned to submarine tender USS Emory S. Land (AS 39) worked alongside their U.S. Navy counterparts to make repairs on the U.S. Virginia-class SSN in Australia during a multi-week Submarine Tendered Maintenance Period, or STMP. (U.S. Navy photo by Rory O'Connor)

整備を終えてオーストラリアのHMASスターリング基地を出発するヴァージニア級攻撃型潜水艦USSハワイ(SSN-776)。(米海軍)リック・ムーア中佐

 自国の原子力艦隊に備えるため、豪州の士官第一期生が米海軍の原子力教育パイプラインを通り、2024年10月には豪州の下士官水兵7名が米海軍原子力学校を卒業した。

 一方、オーストラリアのトマホークへの参加は、今のところホバート級駆逐艦のみに限定されるようだ。同国政府は2024年6月、6隻のコリンズ級ディーゼル電気攻撃潜水艦がTLAM能力を獲得しないことを発表した。

 ブリスベンによるトマホーク発射は、北京の急速な軍事力向上が、従来の西側同盟国をさらに接近させたことを改めて示している。AUKUS諸国の指導者たちのコメントから判断すると、その可能性はそう遠くない地平線上にある。

 「我々は、政府の指示に従い、オーストラリア海軍の水上戦闘艦艇を可能な限り迅速に最適化するため、人的にも法的にも可能な限りのことを行っている」と、オーストラリア国防省はハモンド豪海軍大将の発言を引用した。■


Australian Navy Fires Tomahawk Cruise Missile For The First Time

Tomahawks will give Australia the ability to reach deep into China's anti-access bubble, striking ships and land targets.

Geoff Ziezulewicz

https://www.twz.com/sea/australian-navy-fires-tomahawk-cruise-missile-for-the-first-time


2024年3月29日金曜日

トマホークミサイル導入に向け、海上自衛隊向け運用訓練が始まった

 

USNI News記事からのご紹介です。

米海軍が海上自衛隊へのトマホーク・ミサイル訓練を開始


木原稔防衛相による木曜日発表によると、米海軍は巡航ミサイル「トマホーク」の海上自衛隊員への訓練を今週開始した。

 木原防衛大臣は声明の中で、防衛省と自衛隊は、日本を早期に、そして遠くから侵略してくる勢力を混乱させ、打ち負かすため、スタンドオフ防衛能力を強化すると述べた。「その一環として、トマホークに関して、アメリカ海軍は3月25日より海上自衛隊隊員への訓練コースを実施している」。

 声明では、米国の協力を得て、防衛省は2025会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)のトマホーク・ミサイル取得までに人材訓練を完了させたいと述べている。

 「引き続き、各種スタンドオフ・ミサイルの調達を推進し、防衛力整備計画に基づくスタンドオフ防衛能力の早期構築に取り組む」と声明は結んだ。

 木曜日、ラーム・エマニュエル駐日米国大使は、海上自衛隊が訓練を受けている横須賀に停泊中の駆逐艦USSマッキャンベル(DDG-85)を訪問している写真をソーシャルメディア・チャンネルXに投稿した。NHKニュースによると、この初回訓練には海上自衛隊員20名が参加し、金曜日に終了する。米海軍発表によると、マッキャンベルは3月2日に横須賀に戻り、近代化改修を終えて駆逐艦戦隊(DESRON)15に復帰したばかりである。

 日本は1月18日、ブロックIV仕様トマホーク200発、ブロックVトマホーク200発、戦術トマホーク・ウェポン・コントロール・システム14基、サポート、訓練、メンテナンス、予備品、その他の付帯サービスや物品を契約したと発表した。11月のDSCA発表によると、推定取得費用は23億5,000万ドルとある。日本の防衛省は、取得は日本の会計年度2025年から2027年の間に行われると述べている。

 日本は当初、ブロックVトマホーク400発の購入を予定しており、2026年度より納入を開始する予定だった。しかし昨年10月、国防総省を訪問した木原大臣は、安全保障環境が厳しさを増しているため、スケジュールを1年前倒しし、ブロックIVとVの混合調達に変更すると発表していた。

 日本が挙げた「厳しい安全保障環境」とは、国連決議に反し核兵器や弾道ミサイルの開発と実験を続ける北朝鮮、軍事力と自己主張を強める中国、ウクライナと戦争を続けるロシア、日本周辺でのロシアと中国の協力と共同軍事活動の増加などを指している。

 日本はトマホークを、こんごう級4隻、あたご級2隻、まや級2隻の計8隻のイージス駆逐艦と、2027年と2028年に就役する2隻の新型イージスシステム搭載駆逐艦に搭載する。

 また木曜日、統合幕僚監部(JSO)は、ブラウン統合参謀本部議長、吉田統幕長、金明洙・韓国統合参謀本部議長がビデオ会議を行い、日中韓の協力イニシアティブ、グローバルな安全保障問題、最近の北朝鮮の「挑発」について協議したと発表した。「各国首脳は、核・ミサイル開発を含む北朝鮮の挑発的な行動は、米国、日本、韓国による3カ国協力の深さ、規模、範囲を拡大することの重要性を反映しているとの認識で一致した」。

 同リリースはまた、リアルタイム・ミサイル警報データ共有メカニズムの始動や、2023年のキャンプ・デービッド首脳会議と日中韓防衛大臣会合に基づく複数年の日中韓演習計画の策定など、日中韓のイニシアティブの実現に向けた相互の努力を称賛した、と述べている。ブラウン大将はまた、日韓防衛に対する米国の強いコミットメントを再確認した。「各国首脳は、今夏に開催する次回の日米韓3カ国国防相会談を楽しみにしている」と、リリースは締めくくられている。■


U.S. Navy Begins Tomahawk Missile Training for Japanese Forces - USNI New


DZIRHAN MAHADZIR

MARCH 28, 2024 4:47 PM



2017年12月15日金曜日

米海軍ヴァージニア級の建造数増加か、今後の戦力内容は


 


The Virginia Class Submarine: The Undersea Killer Russia and China Hate

ロシア、中国が忌み嫌うヴァージニア級潜水艦
December 13, 2017


  • 米海軍は新しい分析でヴァージニア級攻撃潜水艦を現在より短期間で建造するのは「達成可能」であり、米海軍の優位性を維持するためにも必要だと見ている。
  • 分析は2017年から2030年にかけての潜水艦産業基盤と攻撃型潜水艦追加建造の可能性を検討し、2017年7月に議会提出済みだと海軍がScout Warriorに伝えてきた。
  • ヴァージニア級は年間2隻建造中だが2020年代に新型コロンビア級原子力ミサイル潜水艦の建造がはじまると年一隻になると見られている。
  • だが今回の報告書では海軍が産業界と協力すればヴァージニア級2隻、コロンビア級1隻の年間建造が可能であるとする。
  • 分析によりヴァージニア級年間二隻建造体制の維持をしながらコロンビア級SSBNの建造開始は実現可能でありSSN(攻撃型潜水艦)部隊と海軍に大きな利点が生まれることがわかったと海軍関係者がScout Worrierに語る。
  • 海軍上層部は2020年代の潜水艦不足を憂慮しており、ロシアや中国に対抗するため潜水艦の強化が必要とするが、ヴァージニア級年間二隻建造を維持すれば海軍が目標とするSSN66隻体制が実現する。また増産で潜水艦建造企業の生産能力も上方修正され年間3隻建造に道が開ける。
  • ヴァージニア級潜水艦は海軍とエレクトリックボートおよびニューポートニューズ造船の協力合意内容で建造中だ。前者はジェネラルダイナミクス、後者はハンティン・トンインガルス工業のそれぞれ関連会社、事業部だ。各社が潜水艦の「モジュール」部分を製造し一つにまとめ完成させている。
  • ヴァージニア級潜水艦は高速攻撃型でトマホークミサイル、魚雷他を搭載し各種任務にあたる。対潜戦、攻撃任務、機雷敷設、ISR(情報収集監視偵察)、対水上艦戦、特殊作戦と多様だ。
  • ロサンジェルス級はじめとする旧型攻撃型潜水艦と比べるとヴァージニア級は浅海域戦闘能力、偵察能力、大洋での作戦能力が拡大していると海軍は述べる。
  • ソフトウェアコードと電子装置の多用で、乗員による手動制御や微調整が不要となった。ヴァージニア級潜水艦は「フライバイワイヤ」機能で深度を維持できるため浅海域で浮上や深度の手動調整が不要になっており、乗員が深度速度を指定すればソフトウェアが制御操舵して深度速度を維持できるようになった。
  • また以前の艦と違い、ヴァージニア級は「ロックアウトトランク」と呼ぶ区画があり特殊部隊隊員は潜航中に発進できるようになった。
  • ヴァージニア級は「ブロック」単位で調達されている。このうちブロックIとIIの引き渡しが完了している。
  • 建造中の艦はブロックIII仕様でヴァージニアペイロードチューブ(VPM)を搭載し建造単価を下げつつ戦力を増やしている。
  • 既存艦の垂直発射管は直径21インチの12本構成でトマホークが発射可能だが、ブロックIIIは大型87インチ発射管二本で各6本のトマホークを運用する。
  • 新型発射管のねらいは低価格化だが同時に今後登場する新装備の運用も視野に入れ、トマホーク改良型や他の兵器を想定する。
  • ブロックIII艦は大型開口艦首と呼ぶ一体型アレイソナーを搭載し、音響信号を発信し戻ってくる反響で敵の位置や形状を把握する。
  • 今後建造されるヴァージニア級潜水艦(VCS)は沿海域性能、特殊部隊投入、攻撃能力が改良され21世紀の安全保障環境にふさわしい艦になると海軍は述べている。さらにブロックVは84フィートを艦体に挿入しミサイル搭載量を増加させる。これを「ヴァージニアペイロードモジュール」(VPM)と呼ぶ。
  • VPM搭載艦はヴァージニアペイロードチューブ(VPTs)を4本追加し、それぞれトマホーク7発を搭載して40本搭載にする。
  • VPMの試作がはじまっており、海軍上層部から同技術の開発導入を急ぎたいとの意向が表明されたのは攻撃能力の拡大が求められているためだ。VPMミサイル発射菅で大型無人水中機の搭載も可能となる。
  • VPMの目的は明白だ。2020年代になると大型オハイオ級誘導ミサイル潜水艦の退役が始まり、154発のトマホーク運用が可能な艦が消える。このため水中からの大量火力運用能力を喪失するからだ。
  • トマホーク搭載数の増加は2026年までに実現させ、「SSGN」オハイオ級誘導ミサイル潜水艦の退役に対応させる。
  • 2002年から2008年にかけて米海軍はオハイオ級で最古参の四隻を回想し通常型弾頭ミサイル運用に転用した。それがUSSオハイオ、USSミシガン、USSフロリダ、USSジョージアの各艦だ。これをSSGNと呼称している。■



2017年10月23日月曜日

北朝鮮攻撃に待機する米潜水艦部隊の持つ意味とは...


これが抑止力の好例でしょう。北朝鮮も今春シリアが巡航ミサイルで攻撃されたのを恐ろしく見ていたはずです。潜水艦の場合はどこにいついるのかわからないため、今回ツーソンをあえてさらけ出した米海軍の意図は近海にもっと多くの潜水艦がいる(いない)かもしれないと北朝鮮をおびえさせることにあるのでしょうね。空と海で北朝鮮軍は米軍等にまとも戦える戦力ではないのでいったん作戦が始まれば北朝鮮は一度も主導権を握れずに壊滅する可能性があります。



The U.S. Navy Could Attack North Korea from Stealth Submarines (With Almost No Warning)

米海軍は無警告で北朝鮮をステルス潜水艦から攻撃可能だ

October 12, 2017


  1. 北朝鮮との対決に備え米国は兵力増強を続けている。.
  2. 米空軍のB-1Bランサー戦略爆撃機が航空自衛隊および韓国空軍と演習をする中、海中から発射できる巡航ミサイルを搭載した米海軍原子力潜水艦が遊弋している。潜水艦の存在は通常は秘匿情報だが、米海軍は今回ロサンジェルス(SSN-688)級攻撃潜水艦USSツーソン(SSN-770)をあえて10月7日に韓国鎮海Chinhae 基地に寄港させている。
  3. ツーソンの寄港は北朝鮮へのメッセージでもある。平壌は米軍動向を常時監視しているが、米軍が高精度長距離攻撃能力を拡充させていることを意味する。北朝鮮との緊張が高まる中、同艦は米国が韓国を見捨てることはないとのメッセージでもある。
  4. ツーソンはシーウルフ級(三隻で建造終了)や新鋭ヴァージニア級(15隻が就役中)とは同等ではないが、米海軍が就役中のSSN原子力潜水艦52隻の中で大きな存在だ。ツーソンは688級の通算59号艦であり、改ロサンジェルス級20番目の艦だ。今では最新鋭とはいいがたいが、ツーソン他688級各艦は艦体の働き馬だ。
  5. 改ロサンジェルス級はヴァージニア級と同様に垂直発射管12本にトマホークミサイルを搭載する。潜水艦はもっともステルス性が高い装備であり、接近してから巡航ミサイルをいきなり発射できる。そのため攻撃潜水艦は敵にミサイル発射地点を悟らせない。
  6. 北朝鮮に関して言えば、ツーソンが朝鮮半島沖合に展開することで平壌に対するけん制となり北朝鮮の行動を辞せさせる効果があるのだ。■
Dave Majumdar is the defense editor for the National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.