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2016年5月23日月曜日

★ステルス駆逐艦ズムワルトが米海軍へ引き渡されました



US Navy Takes Ownership of Stealth Destroyer Zumwalt

Christopher P. Cavas, Defense News 2:27 p.m. EDT May 20, 2016
Zumwalt destroyer sea trials(Photo: US Navy)
WASHINGTON — ジェネラルダイナミックス社バスアイアンワークスが正式に新型ステルス駆逐艦ズムワルト(DDG-1000)を米海軍に5月20日に引き渡し、政府所有の軍艦となった。
  1. 海軍海上システムズ本部は「本日はDDG-1000建造事業に携わる当方のみならず米海軍全体にとって大きな前進となった。同艦は最新の設計とともに高度な内容の技術を盛り込み、米海軍に次世代の威力の幕を開くものだ」との声明をジム・ダウニー大佐(ズムワルト級紙事業主幹)名で発表している。
  2. 同艦は1990年代後半に海軍艦艇へステルス性能導入の先駆けとして構想され開発が始まった。当初海軍は32隻建造の構想だったが、28隻にされ、さらに7隻に削減され、2隻にまでなったが、予備艦含め3隻となった経緯がある。
  3. 構想当初は対地攻撃駆逐艦として水上戦闘艦21(SC21)の一種類の扱いだった。2002年にはDD(X)となり、ノースロップ・グラマンとレイセオンが主契約企業に選定され、その後2006年にDDG-1000に名称が変わった。
  4. その後、主契約企業の役割を海軍が担うことになり、ジェネラルダイナミクスのバスアイアンワークスが船体・機械系・技術面(HM&E)を担当し、レイセオンは戦闘装備を担当することになった。
  5. 建造契約の交付は2008年2月でズムワルトの引き渡しは2014年7月予定だった。2011年11月に船体が起工され、2013年10月に進水した。
  6. ズムワルトは初回海上公試に2015年12月に引き出さされ、その後造船所がHM&E関連の公試をし、二回目の海軍による公試が3月に行われ、海軍検査部が二日にわたる受領前の公試を4月21日に完了した。
  7. 引き渡しが終わり、海軍乗組員が同艦に移動してきた。今秋にバスを出港し、まずノーフォーク(ヴァージニア州)に移動し、その後ボルティモア(メリーランド州)にて10月15日に就役式典を行う。その後、正式な母港となるサンディエゴへ移動する。
  8. ズムワルトでは未完成作業が残っている。2017年にレイセオンは海軍とともに戦闘装備を完成させる。レーダー、センサー、兵装が完成する。2017年末あるいは2018年初頭に戦闘装備運用テスト(CSQT)の準備が整い、兵装とセンサーの完全テストが始まる。CSQTが完了次第、ズムワルトは作戦投入が可能となる。
  9. 続く二隻マイケル・マンスール(DDG-1001)とリンドン・B・ジョンソン(DDG-1002)がともにバスで建造中。■


2016年3月7日月曜日

★ これはもったいない、財政事情でせっかくのステルス形状を犠牲にするDDG-1000ズムワルト級の改装



背に腹は代えられないとはいえ、せっかく狙った効果が中途半端になれば安物買いの銭失いになりかねません。水上艦でどこまでステルスが実現するかという問いに同艦は画期的な歴史の一ページとなるはずだったのですが。米海軍はまだステルス性ありと突っぱねているようですが、忸怩たる思いがあるのでしょうね。



New External DDG-1000 Mast Reduces Ship’s Stealth From Original Design

By: Sam LaGrone
March 3, 2016 12:10 PMUpdated: March 3, 2016 1:42 PM

ddg_1000_mast

The starboard view Zumwalt DDG-1000 from a Dec. 7, 2016 underway. US Navy Image

センサー装備の追加装備で次世代駆逐艦ズムワルト (DDG-1000) のステルス性能が当初想定より劣化すると判明した。

  1. 海軍発表の予想図ではズムワルト級三隻は当初デッキハウスに組み込む予定だったセンサー各種をデックハウス前方のマストに装着するほか、デックハウス側面左右にその他センサーを付ける。
  2. この変更でデックハウスが狙った効果が一部犠牲になる。当初は複合材デックハウスは敵レーダーによる探知を防止するねらいがあった。当初センサー用アンテナ類はステルス機と同様に表面から突出しないよう整形されていた。
An artists rendering of Zumwalt's original design prior to the Nunn-McCurdy restructure showing the original sensor configuration on the deckhouse.
当初の完成予想図ではセンサー類はデッキハウスに統合されている。
  1. 今回外部にアンテナが突出する形になったのは重量軽減と費用節約のためと海軍海上システムズ司令部NAVSEAがUSNI Newsに述べている。
  2. NAVSEAによる説明ではズムワルト級は変更後も海軍の求めるステルス性を発揮できるという。
  3. 「変更後のDDG-1000上部構造物は性能および重量面で改善され費用増かを抑える効果がある。変更によりマスト一本がデッキハウス前方に加わり、UHF、VHF、データリンクの通信系と風速センサーをマストに集約する」という。
  4. 「変更により各艦は三隻とも性能面の向上をしつつ、費用高騰を抑え、重量軽減も実現するが、中核性能要求(KPP)たるレーダー断面積(RCS)の水準は満足できる範囲になる」

DDG-1000ズムワルトの右舷、2015年12月7日撮影。US Navy Image
  1. RCSはステルス性能の指標で、低いほどレーダーに映りにくい。ロッキード・マーティンF-22ラプターのRCSは角度によるが「ビー玉」程度といわれる。
  2. 当初の設計案ではRCSはもっと小さかったが、費用面を考慮して海軍はRCSを犠牲にして費用を抑える判断をした、とブライアン・クラーク(戦略予算評価センター(CSBA)の海軍アナリスト)は見ている。
  3. ただし変更後の形状でも海軍がDDG-1000に求めた水準は最低限で実現するとクラークは解説している。
  4. 複数筋からマスト採用への変更は性能水準を切り下げた結果であり、この背景に2010年のナン-マカーディ立法による見直し、つまり当初想定より単価が25パーセント以上増加した場合に国防総省が事業を見直す必要が課せられたことであるとの指摘がある。DoDが当初の7隻建造を3隻に削減したのも単価上昇を生んだ。
  5. ナン-マカーディ立法により海軍は性能水準を下げており、Sバンド大型探査レーダーは装備を断念している。また57mm砲は30mmに変更されている。
  6. 一番艦ズムワルトはジェネラルダイナミクスのバスアイアンワークス造船所による公試のあと今年後半に海軍へ引き渡し、サンディエゴで戦闘装備の搭載を完成させる。■


2012年12月31日月曜日

革新的な次世代ミサイル駆逐艦ズムワルトの建造が順調に進んでいます

First DDG-1000 Has Deckhouse And Hull Integrated



aviationweek.com December 20, 2012
建造中の米海軍の次世代駆逐艦DDG-1000USSズムワルトUSS Zumwaltが大きな進展を示した。艦橋部が船体に結合されたのだ。
  1. 海軍は同艦を未来の技術を実現するものとして広く宣伝している。従来型の艦船と大きく異なるのは艦橋にとどまらず全体設計と推進機関にも及んでいる。
  2. 沿海部での作戦や内陸部への攻撃を想定した他任務用途のズムワルト級駆逐艦により前進配備や抑止力の効果が期待されるとともに特殊部隊支援や多国籍派遣部隊で不可欠な存在となることが期待されると海軍は発言している。
  3. 1,000トンの重量がある艦橋の建造場所はミシシッピ州ガルフポートのハンティントン・インガルス産業で、メイン州バスのジェネラルダイナミクスに移送され、船体と一体となった。
  4. .艦橋は鋼鉄と複合材で作られており、長さ155 ft、高さ60 ft.以上あり、ブリッジ、レーダー類、アンテナ類および吸排気システムを統合している。
  5. DDG-1000の建造は2009年2月の開始以来、80%の完成度となっており、2013年にはいよいよ進水式を迎える。海軍への引渡しは2014年で初期作戦能力は2016年に実現する。
  6. ズムワルトの排水量は15,000トンで乗組員は130名に加え航空部隊要員が加わる。
  7. 海 軍によるとDDG-1000ズムワルト(元海軍作戦部長)級誘導ミサイル駆逐艦の整備計画は順調に進展しており、現在三隻が建造中だ。二番艦DDG- 1001マイケル・モンスールMichael Monsoor(イラクで戦死したSEAL隊員)は2010年に建造を開始し2016年引渡し予定。三番艦となるDDG-1002はリンドン・B・ジョン ソン(元大統領)と命名の予定で2018年に艦隊に加わる。