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2018年2月26日月曜日

研究開発資金を増額された米空軍のめざす新規案件は中国との対戦を視野に入れている

Aerospace Daily & Defense Report

USAF Speeds Next-Gen Fighter Family, With Eye Toward China 次世代戦闘機ファミリー整備を加速化し、中国との対戦に備えるUSAF

Feb 21, 2018Lara Seligman | Aerospace Daily & Defense Report


U.S. Air Force
ORLANDO, Florida—米空軍長官ヘザー・ウィルソンはここ数年で最大の研究開発財源を手に入れ、中心を中東での対テロ作戦から中国との直接対戦に変えようとしている。
そのカギが航空宇宙での優越性確保への投資とウィルソン長官は空軍協会主催の航空戦シンポジウムで語った。


NGAD、極超音速兵器
空軍は今後5年間に27億ドルを追加投入しほぼ100億ドルで「次世代航空優越」(NGAD)と呼ぶ一連の装備で航空優越性を今世紀中通じた確保を狙う。ここにF-22、F-35に代わる新型機の開発が入る。
NGADでは電子戦を「改めて重視する」とウィルソン長官は述べたが詳細は語らなかった。
中国が空軍にとり「脅威を与えている」ことは疑う余地がないと長官は強調。ロシアも周辺国には脅威だが中国ほどの急激な変化は示していないと語った。
「空軍として何をすべきかを考えると、特に中国の技術革新が予想以上に早く、わが方に脅威になっている」
NGAD開発を急ぐことともに空軍は議会が認めた追加予算で極超音速兵器技術の実用化も目指し、極超音速通常弾頭攻撃手段と空中発射式迅速対応兵器の二種類の試作型完成をめざす。


F-35は減速、既存機種の性能向上へ
空軍はF-35増産のペースを落とす一方で既存機種の近代化改装を重視する。F-15C、-E、F-16、F-22の各型だ。

宇宙装備の残存性向上
宇宙分野での優越性確保にも予算を投じる。ロシア、中国が米国の宇宙機材を脅かす能力開発に急いでいるためだ。空軍は宇宙配備赤外線衛星7号8号の導入を決定し、ミサイル監視体制を強化するが、今後登場する敵側の新技術の前に安全とは言えなくなってくる。そこで空軍は小型かつ機動性の高い衛星多数の整備に方針を切り替える。


新型軽攻撃機の導入
中東では空軍は新型軽攻撃機導入を目指し地上部隊防御を費用対効果を高い形で実現する。これで第四世代第五世代戦闘機を任務から解き、高度能力を有する敵との訓練に回すとウィルソン長官は説明。

「国家防衛戦略により過激主義には低水準支出で対抗していきます。F-22でアフガニスタンの麻薬工場を攻撃するのでは割が合いません。もともとの想定では敵との対戦で中心となるべき装備ですから」■

2016年8月30日火曜日

★★★米空軍次期戦闘機はもう戦闘機の形状となることはない---第六戦闘機の用語は駆逐



米空軍は次期戦闘機材の姿を未来から考えていますね。目的は航空優勢の確立であり、ドッグファイトは目的ではないと分析し、宇宙やサイバーも含めた多様なシステム構造の一貫として次期機材を捉えております。また、アジア太平洋での作戦をにらみ足の長い機体となると現在の戦闘機と相当形状が異なってくるとし、現状の姿の延長線上に次期機材を想定する勢力の生み出す結果と全く異なる結果を生み出そうとしています。改めて空軍の構成、運用がシステムで成り立っていることを痛感させられる内容です。

Air Force Prepares to Hash Out Future Fighter Requirements

By: Valerie Insinna, August 28, 2016 (Photo Credit: Northrop Grumman)


WASHINGTON — 一年をかけて将来の制空任務に必要な戦術や技術を検討した米空軍が次期戦闘機を実現する第一歩を踏もうとしている。

  1. 2017年予定の代替策検討(AOA)に先立ち、空軍は予備作業を開始している。AOAはF-35に続く機体の要求条件、調達戦略に焦点をあてる。空軍は次期戦闘機をNGAD次世代航空優勢とかPCA侵攻制空用機材と呼んでいる。

  1. だがアレクサス・グリンケウィッチ准将はAir Superiority 2030による戦力連携チーム(ECCT)を率い、NGADは従来の戦闘ジェット機と大きな違いが2つあると強調する。ひとつめが調達期間を比較的短くすることだ。

  1. 「2020年代末までに何らかの形が必要です」と准将はDefense News取材で発言している。「現実的な日程として2028年頃に中心的な技術分野で大幅な投資があれば侵攻制空性能で初期作戦能力が実現します

  1. 第二の相違点に関係するのがこのたびまとめられたAir Superiority 2030研究で将来の米空軍の航空優勢で決め手になるのは単一機種としての第六世代戦闘機のような機体ではなく、統合ネットワーク化された一連のシステムの集合だとする。この組み合わせの中に侵攻能力やスタンドオフ能力の手段としての戦闘機もあるが、同時に宇宙、サイバー、電子戦の各分野の装備も入ってくる。

  1. 将来の戦闘機はドッグファイター機というよりもセンサー母体の様相を示すとグリンケウィッチ准将は語る。空軍はAOA前作業としてライト・パターソン空軍基地(オハイオ)で今後登場する技術内容を睨みつつNGADの要求性能を定義づけようとしている。

  1. 「検討作業では各分野を全側面で比較検討しています」と准将は戦力、残存性、航続距離、ペイロードがそ上に上がっていると述べた。

  1. 検討チームは要求内容の迅速な実現方法も検討している。Air Superiority 2030のECCTは空軍が通常の調達手続きを取れば第六世代戦闘機の配備は2040年以降になると認識している。迅速調達方法とあわせ並列開発を採用して初期作戦能力獲得をそれより10年以上前倒しできるとグリンケウィッチ准将は期待している。

  1. 並行開発とは高性能エンジン、センサーや兵装の進歩を別個進めながらその後ジェット戦闘機に統合搭載していくことを意味し、中核的な要素だと准将は指摘する。技術が初期段階で成熟化を示せば、モデリング技術シミュレーション技術を駆使しシステムとして期待する効果が生まれるのかを吟味する。


  1. 各種システムを大型機材に統合するのが最も困難かつリスクが高い要素とはいえ、リスクは試作機の制作で最小化できるとグリンケウィッチ准将は考える。

  1. 「試作機とはいえ運用上は限りなく現実的で意味のある機体にします。そのまま運用可能なほどの水準の試作機という表現がいいでしょう。そこまでの内容にできるかは検討次第です」と准将は語り、「極力成熟化を目指し、試作機を飛ばし、試験も十分行います」

  1. 「これができれば途中での要求内容変更は必要ありませんし、応用をめざす技術の成熟化が時間通りに進むはずです」

侵攻制空戦闘機とは

  1. 空軍は「第六世代戦闘機」を用語集から消そうとしているとグリンケウィッチ准将は述べている。F-35後継機には当初次世代航空優勢機材の名称がついたが現在は「侵攻制空」機の名称の前で影が薄くなっている。

  1. 「『第六世代』の意味するでは議論があるでしょう。レーザー光線を搭載するのか。どんな形になるのか等々ですが、為になる話題にはなりません。もっと実のある会話は2030年に航空優勢を確立、維持するために必要な要素を考えることでしょう」

  1. 空軍は最先端技術要素として指向性エネルギー初期装備を侵攻制空機(PCA)またはその先の改修時に装備する検討に入った。だが最終的には求めるセンサーや兵装の成熟化が遅れるからといって機材を諦めるわけにはいかない。

  1. その結果で姿を表す機体は従来のジェット戦闘機とは似ても似つかぬ物になるかもしれないとグリンケウィッチ准将は言う。

  1. 「戦闘機パイロットとこの話になると大変なことになりますよ、なんといってもこちらが『戦闘機らしい形状にはならないかも』と言うものですから」とし、それでも戦闘機を意味するF呼称がつきそうだという。「典型的な戦闘機パイロットは制空任務には9G、双尾翼、機銃が必要で短距離でいいという。それが戦闘機というものだということです。ですが、いま頭の中にあるのはこれとは違う形で違う属性の機体です」
  2. 要求性能はまだ固まっておらずAOA過程で変更もありうるが、グリンケウィッチ准将はペイロードと航続距離が最重要な二大要素とする。NGADもその他ジェット戦闘機同様に敵空域に侵入し、防空網に飛び込む必要があるが、現行機材より長い距離で作戦行動を取る能力が必要になると准将は述べる。

  1. 「では操縦性はどうなるのか。加速は、最高速度はと聞かれるだろうが、確保したい機体容積の前に諦める要素も出てくる。どこまでどれを犠牲にするべきなのか、また古典的なドッグファイトができる機体がほんとうに必要なのか。個人としてはこの取捨選択で方向性が見えてくると思う」

  1. 空軍は幸先良い出発をしようとしているが性能内容で何を優先するかでまだ多くの作業が残っていると語るのがマーク・ガンジンガー(戦略予算評価センター主任研究員)だ。グリンケウィッチ准将同様にガンジンガーもペイロードと航続距離が二大重要性能だと述べる。

  1. 「将来の戦闘航空機材が運用される地理条件を考えると西太平洋のように距離が制約となるので機体の飛行距離は今より長くする必要がある」(ガンジンガー) ペイロードの大きさも同じシナリオで重要な要素となる。なぜなら機体は交戦地域で長時間滞空し十分な兵装を敵地へ投下する必要があるからだ。

  1. この2つの要素は機体価格と迅速な調達に対してはかりにかけられることになるだろう。

  1. 「完璧な解決方法でないと役に立たないでしょうが、機体は高価格となり多数調達できないはず」とガンジンガーは語る。「空軍は迅速に新型機を導入する必要があり、将来の侵攻制空機と言うか次期戦闘機は2030年代中頃にならないと運用が始まらないはずなので当面役に立たないわけです。だから2030年代までに納入できる、経済的な価格の機体にできるかが重要な要素になります」

試作による効果

  1. 今年5月にAir Superiority 2030の一貫で性能要求検討チームが公開・非公開の形で未来図を示し、求められる技術の詳細、必要な資金手当ての予測、考えられる作戦概念を明らかにした。ECCTは全空軍参謀総長マーク・ウェルシュ大将が5月に予算をうちきり解散したが、未来行動案の実施部門は引き続き空軍長官他上層部に進捗状況を説明しているとグリンケウィッチ准将は述べる。

  1. 研究内容から将来の実現に繋がりそうな実験的な試みが生まれている。その中に意思決定データData to Decisionがあり、今春スタートしこれから三年から五年結果次第で続くという。各種センサーや通信機器から取り入れるデータをどう評価して、どう処理し、分析し、共有しリアルタイムで作戦にどう役立てるかを希求する。

  1. 「データをクラウドのような機器構成に放り込みます。このアプリケーションレイヤーを最上層にもってきて、そこにアプリをつけます。これはiPhoneと同じですが、F-22では『標的情報が欲しい』といえばアプリがクラウドから関連情報を抜き出してきてくれます」

  1. 第一段階でモデリングとシミュレーションを実施するという。「実際にセンサーを空で動かし、データリンクを見て、通信リンクも見て、ネットワークが各機で共有できるかを確認することになるでしょう」

  1. 二番目の実験事業にディフィートアジャイルとインテリジェント標的Defeat Agile and Intelligent targetsがあり、数ヶ月以内に始まる見込みだ。この一環で空軍は高度な操縦特性があり威力の高い標的をどう撃破するかを追求する。

  1. 「難易度の高い標的を統合防空網の中で識別するため、モデリングとシムをするでしょう」とし、予算がつけば実機実験も可能だという。

  1. 仮に性能ギャップが実験事業で把握されれば、将来機の要求内容に反映され、Air Superiority 2030の将来像で掲げた技術内容にも反映されるとグリンケウィッチ准将は説明した。■


2016年6月9日木曜日

★米海軍の考える2030年代以降の航空優勢確保の手段としてのNGAD構想



米海軍の方が空軍より複雑思考なのでしょうか。この記事は何度見ても理解が大変です。機体に依存しないとは機体開発あり機の開発を脱却して攻撃等の目標が達成できれば機種を問わないという発想? でもスーパーホーネットは早晩設計寿命の時間数に達するはず。であれば高速大型の機種は必要ですよね。これに比べれば先日お伝えした空軍の構想の方がはるかにわかりやすいのですが。

 The U.S. Navy's Plan to Dominate the Sky in the 2030s (And Beyond)

June 6, 2016

米海軍がボーイングF/A-18E/FスーパーホーネットおよびEA-18Gグラウラー電子攻撃機に替わる将来の機材で正式にAoA代替策検討を開始した。
  1. 次世代航空制圧機(NGAD)構想は最近までF/A-XXと呼ばれ、超大国同士の対決の時代が復活し脅威が増大する中で対応できる機材開発を目指す。だがこれまでのペンタゴンのやり方と異なりNGADは単一機材でなく各種システムのファミリー構成になる可能性がある。
  2. 「AOAは2016年5月16日に正式に開始されて約18か月が期間です」と海軍N98航空戦部門の広報官カーラ・インリン大尉が本誌に語った。「海軍は考えられる選択肢をすべて検討し、性能、威力、価格、残存性のバランスを求めます。解決策はシステムのファミリー構成で多方面の機能を追い求めるものとなり、これまでの単一機材と異なるはずです」
  3. NGADは最終的に各種の機材になり、兵装や投入技術も多様となるだろうが、中心はF/A-18 各型の退役後に生まれる性能ギャップを埋めることにある。
  4. 「 F/A-18E/Fや EA-18Gが耐用年数の終わりに到達した際の必要な性能内容をAoAチームが検討しています」(インリン大尉)
  5. 「F/A-18E/FとEA-18Gは空母打撃群(CSG)や統合作戦を支援しており、艦隊防空、航空優勢確保、攻撃まで幅広い任務についています。検討では脅威が変化してもCSGの威力効果を維持できる性能を定義づけます」
  6. 今後の脅威では新型機として中国の成都J-20、J-31、新型防空装備ではロシアのS-400やS-500がある。
  7. 問題は敵の個別機材やミサイルだけではない。ロシアと中国はそれぞれネットワークで自軍を結び、全体最適化を目指しているとマイク・ダラー少将(海軍の無人機システム、攻撃兵器システム開発の責任者)は海軍連盟主催の5月シンポジウムで語っている。さらに海軍機だけが脅威を受けるわけではない。ロシア、中国には超距離対艦巡航ミサイル、弾道ミサイルがあり、特に中国のDF-26が空母に脅威となっている。
  8. そこで米海軍はNGADをシステムファミリー構想で実現し、各種の脅威に打ち勝ち、空母の兵力投射能力を維持することを目指している。
  9. ただし現時点で海軍はNGADファミリーがどんな新技術を採用するかは断言しておらず広く検討して最も有効なイノベーションの採用を目指すとだけ述べている。
  10. 「AoAチームは既存技術に加えこれから出現する技術でも産業界や開発技術の専門家と検討しています。ONR(海軍研究機構)、DARPA(国防高等研究プロジェクト庁)、その他軍の研究施設などが加わり最適案を見つけ2030年代にF/A-18E/FやEA-18Gが退役した後のギャップをどう埋めるかを考えています。焦点を当てるのは次世代の推進方式、高性能データリンク、通信装置、兵装、有人機と無人機の協調運航等です」(インリン大尉)
  11. 空軍や海兵隊と異なり海軍はステルス機を熱心に推進してこなかった。前海軍作戦部長のジョナサン・グリナート大将は「ステルスは過大評価されている」とまで公言していほどだ。だがNGADではステルス技術も検討する。「ステルスも考慮しますが、必須条件ではないでしょう。AoAでステルスをどこまで重視するかはまだ見えていません」(インリン大尉)
  12. 海軍と共同してペンタゴンの次世代制空戦闘機案件にかかかわる空軍関係者によるとNGADでは防御性と安全性が中心の狙いのようで、空軍の侵攻制空機構想(PCA)と異なるとのコメントが出ている。PCAの前にこれも混乱を招きやすい次世代制空戦闘機という表現があったが海軍、空軍で別個に推進している。空軍の狙いは強力な防空体制に侵入し、敵防空装備を破壊し、航空優勢を確保することにある。
  13. 米海軍も空軍同様にNGADの仕様を有人機、無人機あるいはその両方とするのか決めかねている。
  14. 「AoAチームがそれぞれのコンセプトの内容を吟味しますが、コンセプトからどんな形が生まれるのかはまだわかりません」とインリン大尉は述べ、海軍はそもそもNGADが新型機になるのかも決めていないという。「AoAチームが検討で答えを出してくれるでしょう。何らかの機体が必要になるとしてもまだ未定です」
  15. 初期作戦能力の樹立を2030年代中頃と海軍は想定するが、NGAD開発は比較的早くスタートしたいという。
  16. 「分析が終わり次第、最終報告書が生まれ検討内容を列挙し、提言を述べるはずです。検討が十分と判断されれば提言に基づいて海軍は開発を始めるはずです。この流れは分析開始から六か月以内に始まります」(インリン大尉)
  17. 海軍と空軍はロッキード・マーティンF-35共用打撃戦闘機の苦痛に満ちた経験から次の機体を共同開発することに辟易となりながら、実際には協力しあっている。
  18. 「海軍は今後もAoAで空軍と協力していきます。海軍のAoAチームは検討内容を公開し将来の共同作戦の実現を目指し、両軍の知識ベースをうまく活用してきます。モデリングとシミュレーションの共同実施もその一つで同じ脅威対象を想定し、共同作戦態勢を強調していきます」(インリン大尉)
  19. だがNGADの予算を海軍はどこから捻出するのだろうか。答えは出ていない。■


2016年4月22日金曜日

★米海軍が目指す次期主力機材は「ファミリー構成」複数機種になる F/A-XX名称取り下げ



海軍が攻撃能力を重視し、かつ空母運用を前提で、要求性能を追求すれば空軍の戦闘機とは違う機体になるのは当然かもしれません。またファミリー構成となれば、単一機種で空母航空戦力を構成してきたこれまでの方法論を変更することになりますね。ここでいうNGAD機が攻撃部隊の主力、F-35Cがセンサー機、E-2DがAWACS兼NIFCAの中継機、RQ-XXスティングレーが給油機となっていくのでしょうか。2030年代の空母機材は賑やかになりそうです。
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Navy Seeking ‘Family of Systems’ to Replace Super Hornets, Growlers; Sheds F/A-XX Title

April 21, 2016 12:46 PM • Updated: April 21, 2016 3:44 PM

Two U.S. Navy F/A-18 Super Hornets from Strike Fighter Squadron 31 fly a combat patrol over Afghanistan on Dec. 15, 2008. US Air Force Photo
Two U.S. Navy F/A-18 Super Hornets from Strike Fighter Squadron 31 fly a combat patrol over Afghanistan on Dec. 15, 2008. US Air Force Photo


米海軍が目指すボーイングF/A-18E/Fスーパーホーネットの後継機は単一機種ではなく、各種任務をこなす空母運用機は複数機種になる可能性が出てきた。
  1. 今年一月に海軍はこれまではF/A-XXの名称だった次世代航空優勢事業NGADの要求性能検討を開始、スーパーホーネットとEA-18Gグラウラーの両機種の後継機として2030年代に各種システム投入を期待していると海軍関係者がUSNI Newsに語った。
  2. また海軍はスーパーホーネット後継機は空軍のF-Xとは別の機材として構想する。
  3. 海軍航空戦部長マイク・マナジール少将は空軍との共同でF-XおよびF/A-XXの代替策検討をすると昨年 USNI Newsに述べていた。
  4. これに対して4月21日、海軍は空軍と情報共有するものの、F-XとNGADの共同研究は行わないと述べている。
  5. その前日には海軍は上院軍事委員会宛に海軍省航空部門トップから書面で1月に開始したNGADでは有人機と合わせ無人機さらに任意で有人操縦可能な機体も検討すると述べている。
  6. 既存機種を「段階的に進化する」改良に加え全く新型の機体複数をスーパーホーネットおよびグラウラーの後継機とすることも考えているという。
  7. NGADのシステム開発で空軍と袂を断つのは両軍間で戦術航空作戦の考え方に差があるためだ。
  8. 空軍が目指すのは高速ステルス有人機でF-22がその例。一方、海軍はペイロードを敵地に投下し実戦に投入可能な戦術機を目指す。
  9. 2015年に当時の海軍作戦部長ジョナサン・グリナート大将はスーパーホーネット後継機はステルスやスピードは重視せず、兵装装備の発展に対応できる拡張性が望ましいと発言していた。「ステルスが不要というわけではないが、高速飛行すれば空中の分子構造に変化が生じ、熱も発生する。エンジン冷却効果があっても探知を逃れることはできないだろう」
  10. そこでスーパーホーネット後継機では「各種ペイロード搭載能力が第一だ。敵防空網を突破する能力も必要。今はレーダーだが将来は別の手段が登場するかもしれない」と述べていた
  11. また海軍は空軍より無人機システムの推進で積極的だ。
  12. 昨年開催された海軍連盟主催シンポジウムで海軍長官レイ・メイバスはロッキード・マーティンF-35CライトニングII共用打撃戦闘機が純粋な有人攻撃戦闘機として最後の機体になる可能性に触れた。「無人機特に自律運航型が今後の標準になるはずだ」
  13. 「F-35が最後の有人攻撃戦闘機として海軍省が導入運航する機種になるのはほぼ確実だし、そうあるべきだと思う」■