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2019年2月1日金曜日

ヴァージニア級最新艦の特徴とは、着実な技術進歩が戦略思考の先見性を実現する



Meet the Navy's Deadliest 'Stealth' Submarine to Ever Sail 最高レベルの戦力となった「ステルス」潜水艦が就航



USSサウスダコタの命名式が2018年10月14日にジェネラル・ダイナミクスのエレクトリックボート事業部のあるコネチカット州グロートンで行われた。
米海軍で「静粛化」装備、新兵装、次世代ソナー、高性能海中戦技術を搭載して新型潜水艦部隊が導入されつつある。今後は大規模対地攻撃、特殊部隊の「極秘投入」、偵察監視活動を探知されずに実施できる。
USSサウスダコタは最新のヴァージニア級攻撃潜水艦で2019年に公試を行い就航する。
「ヴァージニア級第5ブロック艦では設計変更が最初から盛り込まれています」と海軍海洋システムズ本部報道官ウィリアム・カウチがWarrior Mavenに説明してくれた。
改良点の多くは試作段階でテスト中だがUSSサウスダコタが就役するまでに制式化される。
同艦に盛り込む技術は関係者が「建造史上最も静か」と呼び2020年代初め稼働を目指す。
保安上の理由で技術内容は不明だが、関係者の話を総合する機関室の静粛化、新型大型垂直アレイ、追加「静粛化」塗料を船体に施したこと等のようだ。
米潜水艦部隊は「音響超越性」で敵の支配海域で探知されずに攻撃ミッションあるいは探知できる。しかも敵能力を超えた距離からこれができる。現在の海中戦闘戦略構想は技術進歩に助けられ攻撃型潜水艦で偵察行動を極秘に行う装備が実現している。
攻撃型潜水艦に海中偵察任務を攻撃任務より重視する傾向の源が1997年に国家研究評議会が発表した「2035年の潜水艦像」に見られるのは興味深い。
「情報収集:戦術情報や国家情報収集を長期間継続する事で秘密裏の監視活動が戦闘開始前、開始後に必要だ」とあり、すでに戦略思考が生まれており、裏付けとなる技術の実現を待っていたことがわかる。
「極秘投入」も同論文が提唱しており、探知性が大幅に減るのを前提としていた。潜水艦で敵沿岸に近づき監視活動、偵察あるいは攻撃をしたり、『秘密裏に」部隊を投入できる。
「陸上部隊を各種編成、規模、戦力の組み合わせでこっそり投入する有利なタイミングを決定し、必要に応じ現地で監視偵察が可能となる」と同論文は指摘していた。
USSサウスダコタに採用された新型塗装の技術情報は当然ながらお伝えできない。これまでゴムタイヤでソナー音を吸収すると言われてきた。またプロペラは低速でも十分な推力を実現しながらカビテーション発生を最小限にし、特徴のある音響効果を水中で産まない工夫がされている。
音響センサー技術で海底地形を把握し、敵艦の速力距離を測定し、接近する敵兵器を探知する。レーダーで返ってくる電磁信号を使い状況を把握するのと似ている。海中音響技術は「パッシブ」が大半であり、入ってくる音を聞くことで把握を目指しながら自分の居場所をわざわざ教える信号は送らない。
海中での高速の高周波双方向通信は困難だが潜水艦では極低周波で海中の各深度でも交信可能と海軍技術開発部門の経験者がWarrior Mavenに数年前に語ってくれた。
戦闘力の大幅向上
ブロックVのヴァージニア級攻撃潜水艦では84フィートを挿入し攻撃力の大幅増加をめざす。
ヴァージニア・ペイロードモジュール(VPM)は2020年代までに実用化し、トマホークミサイルをこれまでの12発から40発に増加させる。
VPM搭載艦は84フィートの追加部分を挿入しヴァージニアペイロードチューブ四門(VPTs)で各7発のトマホークを運用し、合計で40発発射できる。
VPMではトマホーク以外に新型ペイロード、新型ミサイル、あるいは大型無人水中機を運用できると海軍は説明。
VPMを搭載する理由は明白だ。2020年代に入ると四隻残るオハイオ級誘導ミサイル潜水艦が退役をはじめ各154発のトマホーク発射能力が姿を消すからだ。
2002年から2008年にかけ米海軍はオハイオ級ミサイル原潜の初期建造艦を通常型ミサイル運用専用とした。USSオハイオ、ミシガン、フロリダ、ジョージアの各艦だ。SSGNとしてG(誘導ミサイル)を加えた呼称とした。
新造艦で新技術が導入されるが就役済み艦でも応用されそうだ。
「新装備は今後建造する艦に導入されますが、既存艦にも後付装備されるでしょう」(カウチ)■


Kris Osborn of Warrior Maven previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army - Acquisition, Logistics& Technology. Osborn has also worked as an anchor and an-air military specialist at national TV networks. He has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University.

ブロック建造方式で基本設計をの艦を長期間建造しながら技術の進歩を取り入れ戦力を順次拡大する米国のアプローチは調達数がそもそも多いから可能なのですが、初期建造艦と後期艦で能力が大幅に異なるのが特徴です。逆に言えば最初の設計から拡張性を前提にしているのでしょう。アーレイ・バーク級は70隻以上、ヴァージニア級は40隻あまりの建造ですからね。日本ではそうりゅう級12隻というのが最多でしょうか。米海軍ではそれだけにスタート時の設計が重要で今後出てくるFFG-X等の姿が注目されます。

2017年12月15日金曜日

米海軍ヴァージニア級の建造数増加か、今後の戦力内容は


 


The Virginia Class Submarine: The Undersea Killer Russia and China Hate

ロシア、中国が忌み嫌うヴァージニア級潜水艦
December 13, 2017


  • 米海軍は新しい分析でヴァージニア級攻撃潜水艦を現在より短期間で建造するのは「達成可能」であり、米海軍の優位性を維持するためにも必要だと見ている。
  • 分析は2017年から2030年にかけての潜水艦産業基盤と攻撃型潜水艦追加建造の可能性を検討し、2017年7月に議会提出済みだと海軍がScout Warriorに伝えてきた。
  • ヴァージニア級は年間2隻建造中だが2020年代に新型コロンビア級原子力ミサイル潜水艦の建造がはじまると年一隻になると見られている。
  • だが今回の報告書では海軍が産業界と協力すればヴァージニア級2隻、コロンビア級1隻の年間建造が可能であるとする。
  • 分析によりヴァージニア級年間二隻建造体制の維持をしながらコロンビア級SSBNの建造開始は実現可能でありSSN(攻撃型潜水艦)部隊と海軍に大きな利点が生まれることがわかったと海軍関係者がScout Worrierに語る。
  • 海軍上層部は2020年代の潜水艦不足を憂慮しており、ロシアや中国に対抗するため潜水艦の強化が必要とするが、ヴァージニア級年間二隻建造を維持すれば海軍が目標とするSSN66隻体制が実現する。また増産で潜水艦建造企業の生産能力も上方修正され年間3隻建造に道が開ける。
  • ヴァージニア級潜水艦は海軍とエレクトリックボートおよびニューポートニューズ造船の協力合意内容で建造中だ。前者はジェネラルダイナミクス、後者はハンティン・トンインガルス工業のそれぞれ関連会社、事業部だ。各社が潜水艦の「モジュール」部分を製造し一つにまとめ完成させている。
  • ヴァージニア級潜水艦は高速攻撃型でトマホークミサイル、魚雷他を搭載し各種任務にあたる。対潜戦、攻撃任務、機雷敷設、ISR(情報収集監視偵察)、対水上艦戦、特殊作戦と多様だ。
  • ロサンジェルス級はじめとする旧型攻撃型潜水艦と比べるとヴァージニア級は浅海域戦闘能力、偵察能力、大洋での作戦能力が拡大していると海軍は述べる。
  • ソフトウェアコードと電子装置の多用で、乗員による手動制御や微調整が不要となった。ヴァージニア級潜水艦は「フライバイワイヤ」機能で深度を維持できるため浅海域で浮上や深度の手動調整が不要になっており、乗員が深度速度を指定すればソフトウェアが制御操舵して深度速度を維持できるようになった。
  • また以前の艦と違い、ヴァージニア級は「ロックアウトトランク」と呼ぶ区画があり特殊部隊隊員は潜航中に発進できるようになった。
  • ヴァージニア級は「ブロック」単位で調達されている。このうちブロックIとIIの引き渡しが完了している。
  • 建造中の艦はブロックIII仕様でヴァージニアペイロードチューブ(VPM)を搭載し建造単価を下げつつ戦力を増やしている。
  • 既存艦の垂直発射管は直径21インチの12本構成でトマホークが発射可能だが、ブロックIIIは大型87インチ発射管二本で各6本のトマホークを運用する。
  • 新型発射管のねらいは低価格化だが同時に今後登場する新装備の運用も視野に入れ、トマホーク改良型や他の兵器を想定する。
  • ブロックIII艦は大型開口艦首と呼ぶ一体型アレイソナーを搭載し、音響信号を発信し戻ってくる反響で敵の位置や形状を把握する。
  • 今後建造されるヴァージニア級潜水艦(VCS)は沿海域性能、特殊部隊投入、攻撃能力が改良され21世紀の安全保障環境にふさわしい艦になると海軍は述べている。さらにブロックVは84フィートを艦体に挿入しミサイル搭載量を増加させる。これを「ヴァージニアペイロードモジュール」(VPM)と呼ぶ。
  • VPM搭載艦はヴァージニアペイロードチューブ(VPTs)を4本追加し、それぞれトマホーク7発を搭載して40本搭載にする。
  • VPMの試作がはじまっており、海軍上層部から同技術の開発導入を急ぎたいとの意向が表明されたのは攻撃能力の拡大が求められているためだ。VPMミサイル発射菅で大型無人水中機の搭載も可能となる。
  • VPMの目的は明白だ。2020年代になると大型オハイオ級誘導ミサイル潜水艦の退役が始まり、154発のトマホーク運用が可能な艦が消える。このため水中からの大量火力運用能力を喪失するからだ。
  • トマホーク搭載数の増加は2026年までに実現させ、「SSGN」オハイオ級誘導ミサイル潜水艦の退役に対応させる。
  • 2002年から2008年にかけて米海軍はオハイオ級で最古参の四隻を回想し通常型弾頭ミサイル運用に転用した。それがUSSオハイオ、USSミシガン、USSフロリダ、USSジョージアの各艦だ。これをSSGNと呼称している。■



2017年1月7日土曜日

ヴァージニア級は最強の潜水艦だ



なるほどこれだけの威力のある潜水艦が安々と沿岸近くに進出するのでは中国は枕を高くして眠れませんね。トマホークミサイル、魚雷、機雷、シールズ、さらに無人水中機(この前中国が強奪したような観測用のものではありません)を運用するとなるとやはり艦体が大きくなりますね。ロサンジェルス級がすっかり性能不足に見えてしまいます。

The National Interest

The Virginia-Class Submarine Is Arguably the Best in the World (And the U.S. Navy Wants More)

January 4, 2017


米海軍は新型ヴァージニア級攻撃潜水艦の建造を加速しロシアや中国の水中戦力の増強に呼応していく。
  1. Scout Warriorの特別取材に対し海軍は産業界とともにオハイオ級後継艦建造事業によるミサイル原潜の建造が2020年代に始まる段階でヴァージニア級潜水艦を年間2隻建造できる能力を実現したいと述べた。
  2. 年間2隻のヴァージニア級建造能力は現状を打破しないとオハイオ後継艦の建造が始まる2020年代初頭には一隻に減るとみられるのだ。
  3. 前水中戦部長チャールズ・リチャード少将はScout Warriorの取材で戦略需要と産業構造の特別考察研究の課題は議会に提起したと述べている。
  4. 「産業基盤としてオハイオ後継艦が始まってもヴァージニア級二隻建造できるということです。この実現に向けて懸命に努力しているところです」
  5. リチャード少将は構想の実現には議会による予算配慮と追加的な開発が必要だとし、実現させるだけの能力があると初めて公言したのだ。ヴァージニア級の調達が成功していることも潜水艦建造隻数を増やせるとの見込みに後押ししている。
  6. 「各艦が予定工期より早く完成しており予算以下でおさまっている。このことから2021年でもヴァージニア機2隻体制が実現する可能性が見えてきた。2025年になると任務内容を実現できる隻数が確保できなくなるので今が最後のチャンスというわけです。
  7. かねてから潜水艦建造能力について疑問があっただけに少々の発言は特別に価値があり重要だ。
  8. かねてから海軍上層部は2020年代中頃に潜水艦が不足すると主張し、もっと攻撃型潜水艦が必要でロシアや中国からリードを保てないとしてきた。
  9. 米海軍で潜水艦が不足する事態は中国が米本土を潜水艦ミサイルで攻撃する能力を向上させている中で重要度をましている。当然ながら海軍は技術優位性を水中でも維持したいとするが、今後は各国からの追い上げが見られるだろう。
  10. 「中国は米本土を直撃する能力を有しています。その能力を有する二番目の国になりました。二国が能力を整備したため戦略抑止力の意義が一層次重要になっています」(リチャード少将)
  11. ヴァージニア級で採用の技術には静粛化技術、大開口艦首ソナーならびにトマホークをヴァージ二ア・ペイロードモジュールに搭載して威力を増したことがあり、米海軍潜水艦に接近阻止領域拒否体制を整備する敵性国家による挑戦への対抗能力を与えている。
  12. ヴァージニア級潜水艦は海軍とエレクトリック・ボート(ジェネラル・ダイナミクス子会社)とニューポート・ニューズ造船(ハンティントン・インガルス工業)の協力協定により建造が進んでいる。それぞれが艦の一部を「モジュール」として建造し、一体化して完成させている。
  13. 造船関係各社の幹部はこの方法を十分可能と評価し、海軍が求める建艦計画には協力していきたいと意向を述べている。

なぜ攻撃型潜水艦がもっと必要なのか:
  1. 建艦ペースを速めるとヴァージニア級が太平洋艦隊にもっと配備されることになる。
  2. 太平洋方面総司令官のハリー・ハリス大将は議会に対し潜水艦の増強を求めた。「太平洋こそ潜水艦がもっとも戦力を発揮できる場面だ。ヴァージニア級について言えば、今ある装備では最高の存在だ。潜水艦は不足している。要望水準に達していない」と議会で述べた。
  3. 技術優位性と次世代ソナーを備えた同級潜水艦は重要な情報収集監視偵察活動を水上艦なら接近も出来ない海域でも実施できる。このためヴァージニア級攻撃潜水艦は接近阻止領域拒否と呼ばれる動きへの対抗策としてはなくてはならない存在とされ、敵側がハイテク装備やセンサーで米軍の活動を戦略的に重要な地帯で封じ込めるのに対抗できる希望を与える。
ヴァージニア級攻撃型潜水艦の技術的特徴:
  1. ヴァージニア級潜水艦は高速攻撃潜水艦としてトマホークミサイル、魚雷の他にミッション装備各種を搭載している。対潜戦、攻撃任務、機雷敷設、ISR(情報収集監視偵察)、対水上艦攻撃、特殊作戦用に隊員を敵地に侵入させることが含まれるとの説明だ。
  2. ロサンジェルス級と比較するとヴァージニア級が沿海部での戦闘用に大幅に戦力を向上させていること、監視や公海での能力を増強していることを海軍は説明している。
  3. たとえばソフトウェアコードと電子装備で航行でき、細かい操作に人員の手を必要としないので大幅に時間と労力を節約できる。
  4. 「電子的に操艦できるので沿海部や潜望鏡深度で柔軟性が増えて従来より長期間に渡り探知されないまま活動できます」とヴァージニア級攻撃潜水艦開発に当たったデイヴィッド・ゴギンス大佐が以前発言している。(なおゴギンス大佐は現在オハイオ級後継艦建造事業の主管)その発言内容は数年前のものだが依然正確でヴァージニア級の建造を進める根拠にもなっている。
  5. 「フライバイワイヤ」機能で浅深度の海域でも静粛を保ったまま留まる事が可能で人力操艦の場合のようにつど浮上したり微調整が必要ないとゴギンスは付け加えている。
  6. また以前の級と異なるのはヴァージニア級には「ルックアウトトランク」と呼ぶ特殊作戦部隊用の区画が組み込まれており、潜航中に浮上せずに部隊を運用できる。
  7. 「シールズや特殊作戦部隊はルックアウトトランクに入り、海水を入れ潜航中に発進しても探知されないが、以前の潜水艦ではこれは無理だった」(ゴギンス大佐)
  8. ブロックIIIのヴァージニア級潜水艦には大開口ソナーの一体型アレイソナー装備が付く。音響音を発信して返ってくる信号から敵艦の位置や形状を把握する。
  9. これまでヴァージニア級は10隻以上が海軍で運用中で7隻が建造中だ。他の調達事業と同様にヴァージニア級でも「ブロック」型式になっている。
  10. ブロックIとIIで10隻を建造し、全艦が納入済みだ。またブロックIIIの最初の艦はUSSノースダコタとして引渡し済みである。
  11. ブロックIIIでヴァージニア・ペイロード・チューブと言われる装備が搭載され艦体価格を引下げながら戦略的意義を向上させている。
  12. 以前のヴァージニア級では直径21インチの垂直発射管12本でトマホークミサイルを発射できるが、ブロックIIIは87インチ発射管二本を搭載し、それぞれにトマホークを6発搭載する。
  13. 「発射管には油圧機構と電子装備があり、ブロックIIIでは発射管が12本から2本になりました。これで製造がずっと用意になりました」(ゴギンス大佐)
  14. 新型発射管は海軍が「価格に応じた設計」と呼ぶ戦略で費用圧縮を狙ったもので同時に戦略的な優位性を各艦で実現するものと海軍は説明。
  15. 「将来はトマホーク以外に別の兵器も搭載できるようになります」(ゴギンス)
  16. ブロックVになると海軍は新型97インチ長の部分で追加ミサイル搭載を実現すると期待している。この「ヴァージニア・ペイロードモジュール」(VPM)の技術性能開発要求はすでに文書化されている。VPMではモジュールとして潜水艦の艦体を追加してトマホーク・ミサイル搭載を12本から40本に増やす。
  17. トマホーク追加搭載の実現は2026年に実現する見込みで、SSGNに転換したオハイオ級誘導ミサイル潜水艦部隊が退役始めるまでに実現したいとゴギンスは述べる。
  18. 海軍技術部門が要求性能の実現に向け作業中で新型70フィートのモジュールでトマホーク換算28発を新たに搭載できるという。
  19. トマホーク搭載を想定しているが、VPMでは新型ミサイルやペイロード、さらに無人水中機も搭載できるようになると海軍は説明。
  20. VPMの狙いは明白だ。2020年代に入ると海軍はオハイオ級大型誘導ミサイル潜水艦四隻の退役を始める。各154発のトマホークミサイルを発射可能で、退役で水中発射能力が大幅に減少していく。
  21. 2002年から2008年にかけてオハイオ級の最古参四隻が通常兵器のみの運用に改装された。USSオハイオ、USSミシガン、USSフロリダ、USSジョージアの各艦でSSGNの呼称がついた。
  22. 「2020年代にSSGNの引退が始まるとそのまま何もしなければ海軍は水中攻撃発射能力の60%を失うことになる。そこでVPMの設計が始まったのであり、2019年に建造が始まれば60パーセントの喪失は2028年時点で40パーセント減少に変ることになる。VPMを手に入れることで火力の喪失を抑えることになるというわけだ。そのためVPM実現を急ぐ必要があり、なんとかその40パーセント喪失を緩和したい」(ゴギンス大佐)
  23. ブロックVでは円筒状構造を艦体中央に差し込み全長が増え、ペイロード性能が追加される。ブロックVの一号艦の建造は2019会計年度に始まると海軍は説明。
  24. VPM試作品の製作はすでに始まっており、製造を加速化したいというのが海軍上層部の希望だ。実現すれば潜水艦の火力は相当向上する。
ヴァージニア級調達の成功の要因:
  1. ヴァージニア級潜水艦の基本計画では30隻を建造することになっている。ただしこの規模が増える可能性を海軍関係者の多くが口にしており、海軍の公式な30年計画の建艦事業案でも迅速な建造ペースを求めている。
  2. 現在建造中の各艦は2008年12月22日付け契約で8隻建造する内容にもとづいて進行中だ。ヴァージニア級建造の契約三号がブロックIIIで艦体番号784から791で140億ドルの複数年度調達事業になっている。
  3. 複数年度契約にすることで費用圧縮と建造期間短縮を狙い業者には付属品を潜航調達し、生産活動を安定化させる効果を複数年に渡り期待できる効果がある。
  4. ブロックIVの最初の艦も建造中だ。USSヴァーモントとUSSオレゴン。海軍はジェネラル・ダイナミクスのエレクトリック・ボート部門とハンティントン・インガルス工業のニューポート・ニューズ造船に176億ドル契約でブロックIV艦10隻を建造させ、最終艦は2023年に納入との条件をつけた。
  5. 設計変更には推進器の素材変更があり、ブロックIV各艦では定期補修まで96ヶ月までの航行が可能となる。
  6. これにより運用コストとともに保守維持コストはブロックIVでずっと低くなるとともに追加配備期間を務めあげることが可能となる。これで同時に配備可能なヴァージニア級の隻数が14から15になると海軍は説明している。
  7. さらに建造期間の短縮が可能となり、費用を引き下げながら引き渡しを予定より前倒しで実現しているとゴギンス大佐は述べる。これまで予定の工期以前に引き渡しとなったヴァージニア級は少なくとも六隻あると海軍は説明している。
  8. 現在の年間二隻建造体制は遡れば2005年に当時の海軍作戦部長マイク・マレン大将が提起した課題を実現したものだ。前述したように日程をさらに加速化する検討が進んでいる。
  9. マレン大将は同級の建造事業に対して20パーセントの費用圧縮を求め、その分でVCSを年間二組製造できるとしたのだ。これにより単艦費用は400百万ドル程度引き下げられた。
  10. この実現の裏には多数の努力があり、海軍が業界と手を組んで建艦方法の改革に予算を回したこと、生産費用圧縮に効果のある技術に投資をしたことが中でも大きい。その他の費用圧縮要因には複数年度契約があり、生産を合理化し、作業工程を圧縮しながら事業経費を引き下げることに成功した。
  11. 米海軍はヴァージニア旧潜水艦の全体規模を説明する文書作成に取り組んでおり、最終的には51隻にまで引き上げたいと関係者は述べている。
Kris Osborn became the Managing Editor of Scout Warrior in August of 2015. His role with Scout.com includes managing content on the Scout Warrior site and generating independently sourced original material. Scout Warrior is aimed at providing engaging, substantial military-specific content covering a range of key areas such as weapons, emerging or next-generation technologies and issues of relevance to the military. Just prior to coming to Scout Warrior, Osborn served as an Associate Editor at the Military.com. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army - Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at CNN and CNN Headline News. This story originally appeared in Scout Warrior.