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2025年9月23日火曜日

いずも級空母の艦種記号がDDHからCVMとなった意味(The National Interest) ― ただし、ここまで来ても防衛当局は空母であると認めたくないようです



海上自衛隊

同艦が航空母艦である事実を東京は軽視しようとしてきた。おそらく政治的な配慮によるものだろう

上自衛隊(JMSDF)は、2隻の「いずも」級ヘリコプター駆逐艦を、事実上の空母へと改造を進めてきた。これにより、海上自衛隊の「いずも」および「かが」は、ロッキード・マーティンF-35B ライトニング II(ジョイントストライクファイターの短距離離陸・垂直着陸型)の運用が可能となった。この2隻の平甲板艦は、第二次世界大戦以来、固定翼機の運航を行う初の日本艦艇となる。

この2隻の転換は、東京が日本の戦後の平和主義憲法である第9条の再解釈を行う必要があったこともあり、メディアの注目を集めている。同条は、日本による宣戦布告を名目上禁止しているが、同盟国に代わって「集団的自衛」の名の下での軍事行動への参加は認めている。中国との将来的な対立や北朝鮮の潜在的な侵略を懸念する日本政府は、第5世代多用途戦闘機F-35Bの共同運用能力を含む海上自衛隊の能力強化を進めてきた。

日本向けF-35Bの初の機体は先月日本に到着し、宮崎県の新田原飛行場で垂直離着陸訓練が進行中だ。この訓練は騒音問題をめぐり地元当局者から批判や抗議行動を受けている。特に航空自衛隊が月間最大100回の垂直着陸(夜間40回以上含む)を実施すると発表したことが問題視されている

当初は無人島・馬毛島での訓練が計画されていたが、滑走路などの航空インフラ整備が未完了である。工事完了時期は未定だが、2029年または2030年初頭までは見込まれておらず、宮崎県民は当面の間、騒音に直面せざるを得ない状況だ。

新たな艦種記号

「いずも」と「かが」の構造変更が未完了であるにもかかわらず、両艦には新たな艦種記号が与えられた。この変更はほとんど注目されていなかったが、今月になって初めて『Naval News』が報じたところによると、防衛省は昨年10月付けで艦種分類を改定していた。

従来DDH-183、DDH-184とされていた艦艇は、新たに艦番号CVM-183、CVM-184を付与された。DDHは「ヘリコプター駆逐艦」の艦体分類記号だったが、昨年防衛省は「CVM」という新分類を追加した。

「一見すると[CVM]は米海軍の命名法に類似しており、『多目的航空母艦』と解釈される可能性がある」とNaval Newsは報じた——CVMと米海軍の空母記号CVNの類似性を指摘しつつ。「しかし海上自衛隊広報部によれば、この略称は『多目的巡洋艦(Cruiser Voler Multipurpose)』を意味する」という。

いずも級艦は海上自衛隊で就役中の最大級水上戦闘艦であるため、両艦を巡洋艦に再分類することが決定された。ただし米海軍と同様に、「V」はフランス語の「voler(飛ぶ)」に由来し、1世紀以上にわたり空母艦体の分類に用いられている。

日本政府は明らかに、自国の空母が航空母艦である事実を控えめに表現しようとしている。第二次世界大戦以降、日本が空母を運用してこなかったという政治的配慮が背景にある可能性がある。防衛省はまた、今世紀後半に就役予定の海上自衛隊の将来の「イージスシステム搭載艦」に適用される「巡洋艦(ミサイル)」(CG)という艦種記号を初めて導入した。米海軍の巡洋艦も同様の呼称を使用している。

空母であれ巡洋艦であれ、呼称は重要ではない。80年ぶりに、日本は固定翼戦闘機を運用可能な空母を保有したのだ——呼称などどうでもいい!■


Japan’s Izumo-Class Flattops Have Received a New Designation

September 22, 2025

By: Peter Suciu

https://nationalinterest.org/blog/buzz/japans-izumo-class-flattops-received-new-designation-ps-092225

著者について:ピーター・スシウ

ピーター・スシウ寄稿した記事は3,200本以上に上り、30年にわたるジャーナリストとしてのキャリアの中で40以上の雑誌やウェブサイトに掲載されてきた。軍事装備、銃器の歴史、サイバーセキュリティ、政治、国際情勢について定期的に執筆している。ピーターはまた、寄稿ライターとしてフォーブス クリアランス・ジョブズにも記事を寄せている。ミシガン州在住。Twitterでは @PeterSuciuをフォローできる。著者へのメールは Editor@nationalinterest.org まで。

2017年11月1日水曜日

★★日本の「空母」の次に続く艦は?



こうしてみると技術実用化に段階を追って対応する日本の特徴が見えますね。中国はこの観点が欠落しており、技術は買えばよい、というもので例がスクラップとして購入してきたロシア空母を堂々と就役させたことであす。どちらがいいのかは実戦にならずとも今後の供用で明らかになるでしょう。では日本が空母を建造する動きに出るのかが各国の注目でしょうが当面はなさそうですが、現在の四隻も次に備えた動きととらえればその先はわかりますね。

Japan's Non-Aircraft Carrier Is Also a Secret Weapon

日本の「空母」は秘密兵器だ
October 31, 2017

  1. 日本が運用中の艦船は注目に値する。日本は再び全通型飛行甲板付き航空母艦を運用するに至った。ただし海軍や航空母艦の名称は使っていない。
  2. 「ヘリコプター護衛艦」四隻が就航中で各艦は空母と外観こそ似ているが、政治面及び技術的な観点で空母に分類されず今後もその予定はない。だが日本は必要があれば本格空母運用に走れる。
  3. 第二位大戦後の日本は戦争を国家政策手段として放棄した。政府は自衛隊を発足させ厳しく防衛任務に限定してきた。名前こそ海上自衛隊(MSDF)だが実質は海軍とはいえ制約条件が付く。政府は攻撃的な装備の保有を禁じ空母もここに含まれる。
  4. にもかかわらずMSDFは航空戦力の復活を長年目指してきた。MSDFの主任務は海上交通路防衛でこのために英海軍インヴィンシブル級軽空母含む空母型艦が望ましいとされた。この実現にむけ海上自衛隊は長期間戦略を立てた。
  5. 1960年代末に二隻のヘリコプター護衛艦がはるな級として建造された。はるな、ひえいの二隻は後部をすべてヘリコプター甲板と格納庫にあてた。対潜戦の海上基地とするのが目的とされた。その後同様仕様のしらね級二隻が続いた。
  6. はるな・しらね級各艦は空母とかけ離れた存在だったが海軍航空力の「海上試験台」となり、その後おおすみ級戦車揚陸艦が生まれた。日本国内島しょ部への部隊輸送の想定だったが、全通型飛行甲板をそなえていた。ただし格納庫はないが、外観は空母に酷似していた。
  7. 2009年は大きな一歩となり、JSひゅうがが誕生した。ひゅうが、いせの二艦は全長676フィート満排水量19,500トンでHMSインビンシブルより大きい。対潜ヘリ4機を通常搭載し、最大11機まで運用可能だ。2013年にはさらに大型のJSいずもが進水。全長は816フィート、排水量27千トンのいずもとかがは通常9機のヘリコプターを搭載し、最大14機を運用できる。各艦を護衛艦隊の中枢とし船団護衛をする構想だ。
  8. 各艦は全通型甲板、航空機用昇降機、アイランド型艦橋による航空運用、たっぷりとした格納庫があるが、固定翼機運用はできない。理論的にはF-35BV/STOL機が運用できるが、スキージャンプ式発艦装備はなく、後付けすれば工期一年以上の大改装になる。昇降機は二個ずつ装備するが、F-35BやMV-22オスプレイに使える大型はうち一基のみだ。
  9. 両級とも航空燃料や弾薬を搭載するが固定翼機を収納すればこれだけでは足りない。その場合格納庫の一部を犠牲にすることになる。各艦を空母に転用するのは難易度高く、時間を要する作業で費用もかさむ。
  10. だがこの先に何が来るのか。日本の航空運用艦は大型化高性能化を続けており、いずもは対潜艦としては大きすぎる。日本は知見を得ながら大型艦を建造してきたのでこの先に本格的空母建造に向かうのか。
  11. 日本が固定翼機運用空母を建造するとしたら用途はなんだろうか。一番可能性があるのが琉球、尖閣諸島への航空力追加投入だ。現在は沖縄本島の自衛隊基地・民間空港兼用の一か所が航空兵力の唯一の本拠地だ。ただし中国本土に近いことから空母投入するのであれば数隻の航空力がないと人民解放軍空軍等の圧倒的な航空兵力に対抗できない。.
  12. だが日本が真の空母保有に耐えられるだろうか。日本の政府部門負債は経済規模全体の二倍にまで膨れ上がっている。防衛予算はGDP1パーセント上限としているがGDP自体の成長が低く予算規模も増えにくい。それでも安全保障上の深刻な危機が発生すれば空母の必要が痛感されるはずだ。対中関係が悪化し続ければ日本政府は赤字でも空母建造に踏み切るだろう。
  13. 日本は曲がり角に来ていると言える。空母建造の技術力はあるし、米国のおかげで世界最高性能の空母技術も手に入る。また米海軍の知見を得て空母部隊の再編も可能だ。一方で整備に必要な戦略的な推進要因がない。すべては中国次第だろう。■
Kyle Mizokami is a defense and national security writer based in San Francisco who has appeared in the Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and the Daily Beast. In 2009 he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch. You can follow him on Twitter: @KyleMizokami.
This first appeared last September.
Image Credit: Wikipedia