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2025年4月9日水曜日

MQ-25スティングレイの極めて長い航続距離は、タンカー以外の可能性をもたらす(The War Zone)

MQ-25 has a lot of potential beyond it's core tanker mission.  

Boeing


MQ-25の極めて長い航続距離は、空母搭載機として前例のないものであり、その影響は広範囲に及ぶ可能性がある

ーイングのMQ-25 スティングレイは予定より遅れ、予算も超過しているが、それでも空母航空団(CVW)の空中給油能力を飛躍的に向上させることに変わりはない。米海軍によると、同無人機は基本的に、亜音速ジェット速度で効率的に巡航し、長時間ホバリングするように最適化された空中給油機である。将来的に他の役割を担う可能性があるという断片的なヒントは出ているが、機首下のセンサーボールに二次的な偵察機能はすでに備わっており、空中給油機としての役割をはるかに超える潜在能力があるにもかかわらず、その可能性は過小評価されているようだ。これは少なくとも現時点では意図的なものと思われる。端的に言えば、MQ-25が空母航空団に与える航続距離と飛行持続時間は、まったく前例のないものであり、燃料の移送という範囲をはるかに超えた大きな影響をもたらす可能性がある。

 このあまり話題に上らないが明白な付加価値は、スティングレイの巨額コストを正当化する助けとなるはずだ。現在、MQ-25は1機あたり約1億3000万ドルで、76機が発注されている。一方で、MQ-25は、空母からあらゆる種類の将来の高機能無人機を運用するための重要な手順、支援技術、戦術、および機上インフラを確立する「先駆者」プラットフォームであることも、海軍は強調している。海軍は、量産型MQ-25が今年ついに飛行し、2026年に試験運用として空母から運用を開始することを約束している。

MQ-25のデモンストレーター機が試験中にF/A-18Fと接続。(米海軍)

 MQ-25の潜在能力を活かすことは、海軍が2010年代半ばに、非常に有望視されていた多用途無人戦闘航空機(UCAV)プログラム、UCLASS(Unmanned Carrier-Launched Airborne Surveillance and Strike)から撤退し、「単なる空中給油機」と思われるものを調達したことに対する不満を鎮める上でも、大きな助けとなる。

 海軍は、MQ-25の設計要件の中心となる「空母から500マイル飛行し、15,000ポンドの燃料を空中給油し、再び空母に戻る」という要件は依然有効であると認めている。これにより、現在、不本意ながら空母の空中給油機任務に就いているF/A-18E/Fスーパーホーネットよりもはるかに柔軟性が高まる。

 F/A-18E/Fの戦闘半径は、MQ-25が設計上、スーパーホーネットの全搭載燃料を戦闘機に給油するまでに飛行する距離と同じ500マイル(約805キロ)だ。そのため、スティングレイは、これまで以上に必要とされている時に、航空戦力の戦術ジェット機の有機的到達距離を推定300~400マイル延長する効果を生む。太平洋地域は広大であるため、海軍の現行のCVWの航続距離は明らかに不足している。また、MQ-25は、戦闘機が艦船から離れた場所でより長い時間哨戒任務を遂行し、より多くの兵器を搭載することを可能にする。これは、艦隊防衛任務を遂行する上で特に重要な要素だ。

A U.S. Navy F/A-18F and F-35, both assigned to Air Test and Evaluation Squadron (VX) 9, fly over the Point Mugu Sea Range in Southern California with a U.S. Air Force F-15 during Gray Flag 2024 on Sept. 24, 2024. Gray Flag is an annual large-force test event that brings the joint force together to test and evaluate multi-domain systems in a maritime environment, ensuring our nation’s warfighters are equipped with effective, interoperable systems that will help them deter aggression, protect our nation’s prosperity and security, and return home safely to their families. (U.S. Navy photo by Lt. Cmdr. Kory Hughs)

スーパーホーネットには、AIM-174、AIM-120、AIM-9X、ATFLIR、IRST 21ポッドが搭載される。(米海軍提供:コリー・ヒューズ中佐)コリー・ヒューズ中佐

MQ-25の日常的な任務は、空母の周回軌道上でタンカーとして活動することであり、これは今日、スーパーホーネットが果たしている任務で。この任務は彼らの日常的な「糧」であり、攻撃戦闘機が本来の任務を遂行できるようになり、高性能航空機の機体を保護することになる。空母におけるスーパーホーネットの現在の使用状況のおよそ3分の1は空中給油だ。そのため、空母に配備されている4個の攻撃機中隊は、ジェット機を追加することなく、その中核任務の遂行能力を拡大するになる。

F/A-18FがF/A-18Eに空中給油する。(米海軍)

 MQ-25は、少なくとも3回の発艦着艦サイクで空中にとどまり、給油後、サイクルの合間に上空で待機することが可能になる。そのため、この役割においてもはるかに柔軟に対応できる。また、MQ-25は、スーパーホーネットが通常行っているように、サイクルのたびに他の航空機とともに定期的に着艦する必要もない。

 MQ-25のすべての特性と2つある燃料庫が、大きな追加の可能性を提供します。同機は大量の燃料を搭載でき、効率的で実績のあるロールスロイスAE 3007ターボファンエンジンを搭載し空中給油機としての任務以外では、長時間、長時間、空中にとどまることができる。これは、艦船から離れた特定地点や上空で、最大限の持久力を維持しながらゆっくり旋回飛行することなどが含まれる。また、ジェット機の速度と高度で広大な距離を移動することも含まれる。

AE 3007 エンジンのカットモデル。(ロールスロイス)

MQ-25にスタンドオフ巡航ミサイルを装備することがすでに示唆されており、翼下ポッドに追加のセンサーやネットワークシステムを装備することも将来的には可能だが、大きな問題は、MQ-25がどれくらいの距離をどれくらいの時間飛行できるかということだ。

主翼下にステルス長距離対艦ミサイル(LRASM)を装備したMQ-25のボーイング社モデル。ジェイミー・ハンター

MQ-25は、空母から数千マイルも離れた場所で任務を遂行できる可能性があるため、これは非常に重要だ。 一方で、MQ-25は、空母の攻撃部隊の上空を長時間旋回し、重要なセンサーやネットワークプラットフォームとして機能することも可能となる。 空中給油が可能なE-2Dホークアイとその乗組員が、現在、作戦飛行を行えるのが最大7時間であることを考えると、MQ-25の飛行持続時間はそれを大幅に上回る。

 MQ-25は適切なセンサーとネットワークパッケージを搭載しており、ホークアイの役割の一部を担う可能性があり、より効率的かつ持続的に実行できる。収集された「見下ろし」レーダーデータは、下にある海軍艦船の防空クルーに送られて活用される。また、データ共有ゲートウェイを提供することで、視程外衛星通信を使用せず、空母攻撃群やその他の資産を長距離にわたって接続したままにできる。MQ-25はE-2の代替機ではないが、E-2が利用できない場合の代替機として、あるいはE-2のセンサーやネットワークの到達範囲を拡大する機体として利用できる。

MQ-25には、デフォルトでISR任務に使用できるセンサー砲塔が搭載される。ある程度の電子情報収集も可能である。(Boeing/Screenshot)

 MQ-25の実際の航続距離、耐久性、燃料搭載量について、ボーイング、ロールスロイス、米海軍にそれぞれ問い合わせた。しかし、いずれもその情報を提供する意思も権限もないとのことだった。これは基本的な仕様であるだけに奇妙に思えるかもしれないが、前述の通り、MQ-25を有人の海軍航空機部隊が維持したい他の任務セットを脅かさない、不可欠な空中給油機としてブランド化することに、当局はレーザー光線のように焦点を絞っているようだ。しかし、その潜在能力は明白であり、需要もある。海軍は今後10年間で、空母航空団を無人機を中心に構成したいと考えている。

 いずれにせよ、MQ-25が航続距離の面で何を提供できるかについて、単純で非常に大まかな推定を行うことは可能だ。

 500マイルで15,000ポンドの燃料を運搬するという数値を基にすると、MQ-25の内部燃料搭載量は、RQ-4グローバルホークとほぼ同等の17,300ポンド、おそらくそれ以上と思われる。ここでは18,500ポンドと仮定しよう。RQ-4は高高度での効率的な飛行に最適化されており、ほぼ1日半の滞空が可能である。MQ-25は、耐久性や高高度での運用にはそれほど最適化されていないが、細長い直線翼と流線型の胴体は、この分野でも決して見劣りしないはずである。

 巡航時の燃料消費量を1,200ポンド/時と仮定すると、MQ-25のエンジンは、サイテーションXやエンブラエル145などに搭載されているロールスロイスAE3007の商業用派生型と一致し、時速375マイルで飛行した場合、無給油での航続距離は約6,000マイルとなる。予備燃料とターミナルオペレーションを考慮すると、5,500マイルと見なすことができる。低出力設定が使用できる高度で待機する場合、航続距離は大幅に長くなる。

 繰り返すが、これはすべて概算であり、推測の域を出ない数字だが、明らかなのは、MQ-25は適応性のある中高度・長時間滞空(MALE)ジェット推進無人機であり、海軍が劇的に活用できるということだ。

 また、MQ-25の低可視性(ステルス性)の特徴はどこから来たのかという疑問も残る。なぜなら、これらの要素はMQ-25を生み出した前述の空母艦載空中給油機(CBARS)構想では想定されていなかったからだ。それらは、その前に中止された無人空母発着監視・攻撃機(UCLASS)プログラムの一部であった。ボーイングMQ-25は、少なくともそのプログラムで実施された作業から多大な影響を受けていることは明らかだ。同社のT-1 MQ-25デモンストレーターがUCLASSの構成からCBARS用に改良されたのかどうかは依然として不明なままだ。

A Boeing unmanned MQ-25 aircraft is given operating directions on the flight deck aboard the aircraft carrier USS George H.W. Bush (CVN 77). The MQ-25 will be the world’s first operational, carrier-based unmanned aircraft and is integral to the Air Wing of the Future Family of Systems (AWotF FoS). Its initial operating capability (IOC) as an aerial refueling tanker will extend the range, operational capability and power projection of the carrier air wing (CVW) and carrier strike group (CSG). GHWB is operating in the Atlantic Ocean in support of naval operations to maintain maritime stability and security in order to ensure access, deter aggression and defend U.S., allied and partner interests. (U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Brandon Roberson)

ボーイングの無人MQ-25航空機は、航空母艦USSジョージ・H・W・ブッシュ(CVN 77)の飛行甲板上で操縦指示を受けている。(米海軍撮影:ブランドン・ロバソン3等兵曹)


 MQ-25とUCLASS、または同様の空母搭載UCAV構想との関連についてボーイングに問い合わせたところ、次のような回答を得た。

「MQ-25スティングレイは、無人空母発着偵察攻撃機(UCLASS)プログラムの影響を受けています。MQ-25の開発中、UCLASSプログラムから得られた設計要素や教訓を基に、空中給油と情報、監視、偵察(ISR)能力を備えた空母搭載無人航空機(UAV)という米海軍の要件に適合するよう設計しました」。

 少なくとも大まかな部分では、1990年代後半に実現されなかった多用途長距離(MRE)構想にも、いくつかの共通要件があるようだ。MQ-25のエキゾチックな混合吸気口設計を除けば、ロッキード・マーチンの下のコンセプトアートは、今日私たちが知っているMQ-25と非常に似ている。何らかの関連があるかどうかは不明で、そうである可能性は低い。結局、ロッキード・マーチンは、CBARSとして全翼機のデザインを提案した。

 しかし、これらの低視認性機能は、給油機に最適化された構成では現在あまり活用されていないが、将来的な役割、特に、敵対勢力がますます高度な接近阻止能力を備え、特に極めて長距離の防空能力を持つ場合、非常に役立つ可能性がある。

 では、このことは何を意味するのだろうか?海軍はMQ-25を空母戦闘群に統合することで、将来的に空母発の無人作戦の道筋を切り開くことができることになる。また、その過程で、他の多くの極めて重要な任務にも容易に採用できるプラットフォームを得ることにもなる。パイロットを危険にさらさず広大な距離を飛行できる任務もここに含まれる。


Sailors and Boeing employees look for discrepencies in the positioning of the Boeing unmanned MQ-25 aircraft on the flight deck aboard the aircraft carrier USS George H.W. Bush (CVN 77). The MQ-25 will be the world’s first operational, carrier-based unmanned aircraft and is integral to the Air Wing of the Future Family of Systems (AWotF FoS). Its initial operating capability (IOC) as an aerial refueling tanker will extend the range, operational capability and power projection of the carrier air wing (CVW) and carrier strike group (CSG). GHWB provides the national command authority flexible, tailorable war fighting capability through the carrier strike group that maintains maritime stability and security in order to ensure access, deter aggression and defend U.S., allied and partner interests. (U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Brandon Roberson)

飛行甲板での非飛行試験のため、空母の甲板にT-1を配置。(ボーイング社)(米海軍撮影、撮影:ブランドン・ロバソン3等通信兵


 先進的な連携無人戦闘機(CCA)の戦闘半径は1,000~1,500マイル(約1,600~2,400キロ)であるのに対し、MQ-25は空母航空団の「長い腕」として機能する可能性がある。ボルトオン式の貯蔵庫を使用するだけで、広大な地域の監視に使用できる。空母打撃群から数千マイル離れた場所から、巡航ミサイルや空中発射無人機などの離隔兵器を投下することも可能だ。JASSM/LRASMと組み合わせれば、MQ-25は遠距離攻撃兵器を投下する前に大陸横断飛行が可能となり、攻撃範囲がさらに広がる。また、防空戦闘圏外から海軍部隊に甚大な被害を与える小型無人機群を展開することも可能だ。さらに、遠隔センサーや空中早期警戒およびネットワーク構築任務の中継プラットフォームとして、あるいは持続的な電子監視や戦時支援の提供も可能だ。ネットワーク化の部分は、特に今後の沿岸域戦闘作戦において重要な役割を果たす可能性がある。 MQ-25は、無抵抗の領空において、監視および近接航空支援を提供する直接攻撃機としても機能する可能性がある。対潜水艦/対水上戦/制海戦の役割を担う可能性もある。

 後者の、広範囲の空母搭載機に空中対潜任務を分散し、任務の処理と意思決定の部分を集中させるというコンセプトは、冷戦時代にまで遡るもので、現在、MALE無人機にソノブイポッドが搭載可能であり、また、このような活動を可能にするネットワーク化スキームの構築に向けた取り組みもすでに始まっているため、MQ-25は将来的に対潜任務を担う可能性もあります。このような能力を提供することは、潜水艦の脅威が増大する時代において退役したS-3バイキングの残した大きな穴を埋めるのに役立つでだろう。現在、空母打撃群の対潜任務は、MH-60R シーホークヘリコプターが遂行している。

 さらに、スティングレイは、緊急時に数千マイル離れた場所から空母に迅速に小型部品やその他貨物を輸送する貨物輸送能力も備えている。これは、問題を抱えるCMV-22オスプレイが達成できる距離よりもはるかに長い距離だ。これは、太平洋での紛争時には極めて重要な要素となる可能性がある。極限状況下で航空戦力や攻撃部隊の艦船を稼働させ続けることは、時が経つにつれ困難になるからだ。


A Boeing unmanned MQ-25 aircraft is given operating directions on the flight deck aboard the aircraft carrier USS George H.W. Bush (CVN 77). The MQ-25 will be the world’s first operational, carrier-based unmanned aircraft and is integral to the Air Wing of the Future Family of Systems (AWotF FoS). Its initial operating capability (IOC) as an aerial refueling tanker will extend the range, operational capability and power projection of the carrier air wing (CVW) and carrier strike group (CSG). GHWB is operating in the Atlantic Ocean in support of naval operations to maintain maritime stability and security in order to ensure access, deter aggression and defend U.S., allied and partner interests. (U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Brandon Roberson)

空母ジョージ・H・W・ブッシュ(USS George H.W. Bush、CVN 77)の飛行甲板で、運用指示を受けるボーイングの無人機MQ-25。(米海軍撮影、ブランドン・ロバートソン3等兵曹


MQ-25は、機能を追加することで明らかに適応性がある。燃料用の大きな内部容積がある。燃料の一部を犠牲にすれば、センサーを埋め込むことができる。コンフォーマル・レーダー・アレイは、ポッド式システムが提供できるものよりもさらに強力なセンサー能力を実現し、外部システムによる空気抵抗のペナルティなしに実現できる。これらのアレイは、レーダー機能だけでなく、電子攻撃や長距離通信も提供できる。

 MQ-25の派生型で重要な運動エネルギーの役割を担うように設計された場合、兵器格納庫も非常に有用活用されそうだ。現時点で同機に兵器格納庫があるかどうかは不明である。おそらくUCLASSから移植された潜在的な能力であるか、少なくともその設計により簡単に追加できる可能性がある。少なくとも格納容量は十分にある。

 結局のところ、MQ-25の航続距離は、給油任務の起源から派生した副産物であり、太平洋での戦闘において極めて重要な価値をもたらす可能性があり、またそうすべきである。空母に、本当に遠くまで到達し、さまざまな任務を遂行できる独自のプラットフォームを与えることになる。この潜在能力、そして、他の無人機が後に続く無人空母作戦の道を切り開くという前述の役割は、同機を最も重要な海軍航空機にするだろう。それは、単なる給油機以上に重要なものとなる。■


MQ-25 Stingray’s Extreme Range Gives It Massive Potential Far Beyond A Tanker

Tyler Rogoway

Updated Apr 7, 2025 2:19 PM EDT

https://www.twz.com/air/mq-25-stingrays-range-gives-is-massive-potential-far-beyond-a-tanker


2025年2月3日月曜日

MQ-25Aを2026年に空母打撃群に統合させると関係者が語る(USNI News)―遅れているスティングレイが今年中に準備でき、来年に空母航空団に投入されるか見ものですが、給油任務ならMQび制式名称がおかしいのですね。

 

空母USSジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)の飛行甲板で、ボーイングの無人航空機MQ-25の位置を変更する乗組員。 米海軍写真


海軍航空部隊司令官によると、海軍初の無人タンカーは2026年に空母に配備される。

 ボーイングのMQ-25Aスティングレイの最初の低率生産仕様機は、2026年に空母で最初の飛行テストを行う予定と、海軍航空部隊司令のダニエル・チーバー中将Vice Adm. Daniel Cheeveは今週、USNIとAFCEAが共催したWEST 2025会議で述べた。

 同中将は、このプラットフォームが空中給油に重点を置きながら、他の仕事もできる可能性があることを認めたが、詳細については明言を避けた。

 MQ-25Aを有人機と統合することについて、同中将は「それが我々の未来を切り開くことになる。「25年にMQ-25を飛ばす。そう言って構わない、26年に空母に搭載して統合を開始する」と述べた。

 2026年の空母テストは、ノースロップ・グラマンX-47Bが初めて空母着陸を行ったテストを中止してから13年後に行われる。

 2018年に8億500万ドルの初期契約を獲得して以来、ボーイングは、空母から500海里を飛行し、最大15,000ポンドの燃料を運べる無人航空機の最初の生産モデルで品質管理の問題を克服してきた。

 ボーイングのスティングレイの初期設計は、給油用に最適化されておらず、海軍の頓挫した無人空母発射空中偵察・攻撃(UCLASS)の一部として、軽攻撃能力を備えた長距離偵察機用に最適化されていた。

 ボーイングは、イリノイ州のミッドアメリカ空港から離陸し、初期の飛行範囲と給油テストに使用されたプロトタイプのUCLASS、T-1を製造した。飛行試験の後、海軍はT-1をUSSジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)に搭載し追加の甲板試験を行い、2021年後半に初期試験を完了した。

 MQ-25A初号機の生産の遅れは、海軍が2023年に発表した、無人タンカーを空母の飛行甲板に統合する計画を妨げている。それ以来、海軍は同機を空母に統合する計画についてほとんど語っていない。海軍は推定13億ドルで76機のスティングレイを購入する予定だ。

 今週、海軍首脳は、空母に無人航空機を導入するための大きなハードルとして、MQ-25の空母への統合を強調した。

 機体はともかくとして、海軍はF/A-18Fスーパーホーネットの全長とE-2Dホークアイの翼幅を持つ同機を運用する空母の整備を始めた。

 海軍航空戦センターの兵器部門司令官キース・ハッシュ少将Rear Adm. Keith HashはWESTで「MQ-25は、無人プラットフォームを空母に搭載できることを実証する海軍の後押しとなる」と語った。

 今後どのようなシステムが同機に搭載されるのか、同機が航空団の一部となることで、どのような新しい役割を果たすことができるか期待している、とハッシュ少将は語った。

 航空指導者たちは今週、MQ-25Aの統合作業が連携戦闘機のような他のタイプの無人空母機のロックを解除すると述べている。

 「MQ-25Aは)有人と無人のチーム編成の未来を解き放つ」とチーバー少将は語った。■


MQ-25A Stingray 2026 Debut Will Unlock Unmanned Aviation for Carrier Strike Group, Say Officials

Sam LaGrone

January 29, 2025 8:20 PM


https://news.usni.org/2025/01/29/mq-25a-stingray-2026-debut-will-unlock-unmanned-aviation-for-carrier-strike-group-say-officials


2024年11月19日火曜日

MQ-25無人給油機が米中央軍管轄区域に投入される(Breaking Defense)

 


Navy photo

MQ-25スティングレイ試作機T1が F/A-18F Super Hornetに初の空中給油を実施した


海軍は2025年にMQ-25無人給油機の納入を受ける予定であり、これは「海軍航空の未来を垣間見せてくれる」ものだと、米中央海軍軍司令部の司令官は述べた。

「MQ-25プラットフォームは、海上からの無人作戦の新基準となるだろう」と、ジョージ・ウィコフ海軍中将(米中央海軍軍司令官および第5艦隊副司令官)は今週、マナマ航空パワーシンポジウムで述べた

National Defense Magazineおよび中東軍高官によると、同中将は、開発中のMQ-25は、F-18を燃料補給任務から解放し、攻撃作戦により集中させることができるはずだと述べた。4月時点で、海軍はMQ-25が運用可能になるのは2026年と予想していた。

「MQ-25は、海軍航空の未来を垣間見せてくれる。高度な無人システムが空母航空団で果たす潜在的な戦力増強の役割を示してくれる」と、ウィコフ中将はマナマで述べた。

8月には、MQ-25をに運用させるための初の空母搭載型コントロールルームが空母ジョージ・H・W・ブッシュで完成したと海軍が発表し、翌月にはMQ-25の製造元であるボーイングが、P-8偵察機の乗組員がMQ-25を空中で制御できる能力を実証したと発表した。

ウィコフ中将は、そのスピーチの中で、昨年初期運用能力に達したばかりの大型長距離無人機MQ-4Cトライトンが中東で運用開始したことに言及した。海軍は10月、グアムとイタリアへの展開に続き、第5艦隊の作戦区域(AOR)内でトライトン運用の3つ目の「軌道」を確立したことを発表した

米中央軍のAORは北東アフリカ、中東、中央および南アジアをカバーしており、第5艦隊はアラビア湾、紅海、オマーン湾、インド洋の一部を管轄しており、ホルムズ海峡、バブ・エル・マンデブ海峡、スエズ運河などの重要な海峡も含まれている広大な海域である。■


‘Glimpse into the future’: US Central Command plans to fly MQ-25 unmanned refueler

“The [MQ-25] platform will set a new standard for future unmanned operations from the sea,” said commander of the NAVCENT and Fifth Fleet Vice Adm. George Wikoff

By   Agnes Helou

on November 14, 2024 at 2:09 PM

https://breakingdefense.com/2024/11/glimpse-into-the-future-us-central-command-plans-to-fly-mq-25-unmanned-refueler/


2024年10月26日土曜日

米海軍はF/A-18スーパーホーネットの航続距離拡大に向け新たな方法を模索中(The War Zone)

 




海軍は数年前にスーパーホーネットのコンフォーマル燃料タンクの作業を中止したが、現在では航続距離の延長がさらに重要になっている


米海軍は、F/A-18E/Fスーパーホーネット戦闘機とEA-18Gグラウラー電子戦機の無給油飛行距離を伸ばす新しいアイデアを求めている。技術的な問題などを理由に、米海軍は4年前にスーパーホーネットに搭載する航続距離延長用コンフォーマル燃料タンク(CFT)の計画を中止している。また、海軍のMQ-25スティングレイ空中給油無人機プログラムも、大幅な遅延とコスト増に見舞われている。


海軍航空システム司令部(NAVAIR)は本日、スーパーホーネットおよびグラウラーの航続距離延長に関する「革新的なコンセプト」の情報を求める契約通知を発表した。


上から下に向かって、F/A-18E、F/A-18F、EA-18G。 ボーイング


 「このRFI(情報提供依頼)の目的は、そのようなコンセプトの存在、プラットフォームの航続距離を拡大する潜在的な能力、コンセプトを海軍のTACAIR(戦術航空機)に統合する方法、および信頼性と空母での飛行運用への適合性に関するあらゆる考慮事項について、初期の洞察を提供することです」と通知には記載されている。「回答者には、航続距離を拡大する能力を提供する可能性のある、複数の工学分野にわたるコンセプトを提出する幅広い自由度が提供されることを意図しています。

 「これらの概念が対象とする可能性のある分野の例として、揚力を増大させる方法、抗力を低減させる方法、利用可能な燃料を増やす方法、甲板上の燃料消費量を減らす方法、エンジン性能を高める方法、および/またはサブシステムの統合、および/またはアーキテクチャ、および/または先進飛行制御の調整などが挙げられますが、これらに限定されるものではありません」と、通知にはさらに記載されている。

 NAVAIRのウェブサイトでは、F/A-18E/Fの最大戦闘航続距離は1,275海里(2,346キロメートル)とされているが、これはAIM-9サイドワインダー空対空ミサイルを2発搭載した場合だ。スーパーホーネットの製造元ボーイングは、過去に、AIM-9X サイドワインダー2発、AIM 120 Advanced Medium Range Air-to-Air Missiles(AMRAAM)、2,000ポンド級精密誘導爆弾2発、480ガロンのドロップタンクを中央線上に搭載した場合、航続距離は約1,188海里(2,200キロメートル)と述べている。

 EA-18Gが、AN/ALQ-99妨害ポッド3基、AIM-120ミサイル2基、レーダー妨害AGM-88シリーズミサイル2基、480ガロン(約1,724リットル)の空中投下タンク2基を搭載した場合の戦闘行動半径はNAVAIRの発表によると、850海里(1,574キロメートル)以上だ。

AN/ALQ-99ポッド3基とドロップタンク2基、さらに右翼下に空中戦闘操縦装置(ACMI)ポッドを搭載したEA-18G。米海軍


すでに述べたように、ボーイングはF/A-18E/F用のCFTを開発し、従来のドラッグ式ドロップタンクを使用した場合よりも航続距離と性能を向上させている。2つのコンフォーマルタンクは、スーパーホーネットの背骨の両側に、ジェット機の中央「バレル」セクションの上に取り付けられるように設計されており、合計で515ガロンの燃料を貯蔵でる。同社は以前、このタンクにより、AIM-9Xを2発、AIM-120を2発、2,000ポンドの精密誘導爆弾を2発、そして中央のドロップタンクを搭載したスーパーホーネットの航続距離を1,428海里(約2,645キロ)にまで伸ばすことができると発表していた。CFTは、従来は投下タンクが占めていたステーションを他の備品のために空けることも可能にした。


ボーイング


 海軍は当初、CFTを他の改良とともに、新型のブロックIIIスーパーホーネットと、その規格に引き上げられた旧式ジェット機に搭載する計画を立てていた。このアップグレード作業は現在も進行中である。また、将来的にはEA-18GにもCFTを追加する可能性もあった。


試験的にコンフォーマル燃料タンク(CFT)を搭載した海軍のF/A-18F。米海軍



しかし、2021年1月、海軍は、空母運用に関連する技術的な課題が依然としてほとんど説明されていないことを理由に、スーパーホーネットのCFT作業を中止した。 コストの増加と遅延も要因だった。

 海軍がCFTを再検討する可能性は確かにある。少なくとも、新規生産されるブロックIII型スーパーホーネットには、ボーイングがすでに設計したものの装備がすべて残されている。新しい低抵抗ドロップタンクも選択肢のひとつとなるかもしれない。

 NAVAIRがF/A-18E/FおよびEA-18Gの航続距離を伸ばすための別の可能性として「エンジン性能の向上」に言及していることは、ジェットエンジンの再装備に関する以前の議論を思い出させる。スーパーホーネットやグラウラーが搭載するジェネラル・エレクトリック社製F414エンジンの強化型エンジン(EPE)構成が過去に提案されていた。 F414-EPEは推力を20パーセント増加(航続距離の増加につながる)させ、燃料消費率を1パーセント削減できると予測されていた。


以前提案されたF414-EPEエンジンの仕様。ジェネラル・エレクトリック


 サブシステムの配置など、ジェット機の物理的構造のその他の変更がどれほど費用対効果に優れ、実現可能であるかについては不明だ。海軍の既存のスーパーホーネットは、近年、費用と時間を要する寿命延長およびアップグレードプログラムをすでに実施している。ボーイング社が2027年に完全に閉鎖する予定のラインで同機を製造している。

 同時に、渦発生装置や抗力低減技術などのより控えめな変更による個々の効率の比較的小さな向上と、改良されたコンピューター制御の飛行システム、そして新戦術、技術、手順を組み合わせることで、燃費と航続距離を向上させることができる。

 明らかなのは、海軍は依然として、F/A-18E/FおよびEA-18Gの航続距離を延長する航空機搭載方法を模索することに大きな関心を抱いているということだ。これは、拡大する防空および対艦脅威の生態系の中で、空母搭載機や空母攻撃グループの艦船に大きな課題をもたらしている。 中国がますます増強している空対空、地対空、対艦ミサイル、およびその他の接近阻止・領域拒否能力は、米軍の大きな懸念事項である。この現実が、空母が脆弱性を低減するために航空機を発進させなければならない場所と、それらの航空機が作戦行動を行うことが期待される場所との距離をさらに延ばすことにつながるだけだ。

 すでに、海軍における航空関連の重要な開発、特に多目的スタンダードミサイル6(SM-6)の空対空発射派生型であるAIM-174Bの開発と、現在少なくとも限定的なレベルで実戦配備されていることにつながっていることが確認されている。F/A-18E/Fは、大型で重量があり、空気抵抗の大きいAIM-174Bを運用できる唯一のプラットフォームであり、特に従来のドロップタンクの代替品として、新しい航続距離延長オプションの価値を強調している。また、スーパーホーネットは海軍の極超音速空対艦巡航ミサイル(HALO)の初期の打ち上げプラットフォームとなる予定だ。このミサイルも比較的大型になると予想されている。搭載重量が増えると燃料消費が増え、母艦に帰還させる余裕が少なくなることを意味する。


 また、燃料容量を削減した改良型センターライン・ドロップタンクに新しい赤外線捜索追跡(IRST)センサーを導入するという海軍の取り組みもある。IRSTは、米軍の戦術ジェット機群にとってますます重要な能力となっている。

 海軍はEA-18G用の次世代電子戦ポッドの新シリーズの配備を進めているところだ。GAOは過去に、レイセオンのALQ-249(V)1次世代ジャマー中間バンド(NGJ-MB)ポッドは既存のAN/ALQ-99よりも抵抗が大きく、その結果航続距離が短くなると報告していた。重量と抵抗の問題も、レイセオンによるNGJ-MB派生案ではなく、L3ハリスとノースロップ・グラマンによるNGJ-ローバンド(NGJ-LB)ポッドの全く別の設計案を採用するという海軍の決定に影響を与えた可能性がある。


 空母航空団の行動範囲を拡大するにあたり、また、空母搭載戦術ジェット機の航続距離を伸ばすため、ボーイングの無人給油機 MQ-25 スティングレイの整備も引き続き追求している。MQ-25の主な要件には、空母から最大500海里(926キロメートル)離れた地点で、少なくとも14,000ポンド(最大16,000ポンドまで可能)の燃料を空中給油する能力が含まれている。MQ-25は、二次的な情報・監視・偵察(ISR)能力も備え、将来的には、離れた場所からの攻撃など、他の任務も担う可能性がある。

 ただし一連の遅延により、MQ-25が運用を開始する時期は、少なくとも2026年まで後ろ倒しになる見通しだ。MQ-25プログラムのコスト増も引き続き大きな懸念事項となっている。2023年8月時点で、議会監視機関である政府説明責任局(GAO)は、76機の無人機購入計画を含め、スティングレイ・プログラムの総費用は150億ドル近くに上ると推定している。また、さまざまな基地での関連建設工事も含めた過去のGAOの推定では、プログラムの予想費用は165億ドル前後となっている。

 ボーイングは2024年第3四半期に、MQ-25を含む防衛ポートフォリオのさまざまなプログラム全体で20億ドルの損失を計上したと発表した。これは、第3四半期の同社全体の62億ドル近い損失の一部であり、今年すでに報告されている数十億ドルの財務損失に追加される。

 前述の脅威の生態系は、燃料消費量が多い米国の戦術ジェット機が、進化する戦場で従来の空中給油支援へのアクセスが制限される課題に対処しなければならないことを意味します。この支援能力は、運用上の要求によってすでに逼迫することが予想されている。これにより、C-130をベースとしたタイプなど、より小型の空中給油機、有人または無人機が再び注目されるようになった。

 海軍の空母航空団は、より広範な意味で重要な転換期にある。海軍は今後数年のうちに、空母艦隊に新たな第6世代有人ステルス戦闘機F/A-XXと、CCA(Collaborative Combat Aircraft)と呼ばれる忠実なウィングマンタイプの無人機を追加する計画だ。海軍は長年にわたり、将来的に空母航空団の60%を無人機で構成するという目標を掲げてきた。無人機は通常、有人の戦術ジェット機より航続距離が長く、無人機の割合を増やすことで、空母航空団の活動範囲を数百マイルに拡大することも可能になる。

 同時に、スーパーホーネットとグラウラーは、当面の間、海軍の空母航空団の主力機であり続けると予想されている。そのため、航続距離を伸ばし運用上の柔軟性を拡大し、脆弱性を低減する方法を見つけることは、依然として大きな関心事である。■



New Ways To Stretch F/A-18 Super Hornet’s Range Sought By Navy

The Navy halted work on conformal fuel tanks for its Super Hornets years ago, but now adding more range is becoming even more important.

Joseph Trevithick

Posted on Oct 23, 2024 3:04 PM EDT

https://www.twz.com/air/new-ways-to-stretch-f-a-18-super-hornets-range-sought-by-navy


2024年8月25日日曜日

MQ-25運用開始を想定し、空母ジョージ・H・W・ブッシュに専用完成設備が完成。MQ-25は初の無人空中給油任務に加え限定的な攻撃ISR任務も担う。(Breaking Defense/The War Zone)

 

米海軍がMQ-25運用を想定した初の空母管制室を完成し、MQ-25の運用開始に向け重要なマイルストーンとなった

GHWB Operates the MQ-25 Aircraft

USSジョージ・H・W・ブッシュ(CVN77)艦上で休むボーイングの無人航空機MQ-25。(米海軍撮影:Mass Communication Specialist 3rd Class Brandon Roberson)


海軍は次世代無人タンカーMQ-25Aスティングレイを運用・監視する乗組員用に新しい管制室の最初の空母設置を終えたと発表した。

海軍航空システム司令部によると、この新しいセクションは「無人航空戦センター」と名付けられ、USSジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)艦上への設置を完了した。

「UAWCとして知られるCVN上の管制室には、完全運用可能で統合された最初の無人空母航空ミッション・コントロール・システム(UACS)MD-5E地上管制ステーション(GCS)を構成するソフトウェアとハードウェア・システムが含まれる。

リリースによると、「UAWCとして知られるCVNベースの管制室には、完全運用可能で統合された最初の無人空母航空ミッション管制システム(UMCS)MD-5E地上管制ステーション(GCS)を構成するソフトウェアとハードウェアシステムが含まれている」。UMCSはシステム・オブ・システム」であり、MD-5Eは「海軍によって開発され、ロッキード・マーチンのスカンクワークスのマルチドメイン・コンバット・システム(MDCX)、GCSの背後にあるパワー、および追加のサポート機器とハードウェアを含む」とリリースは続く。

無人空母航空プログラム・マネージャーであるダニエル・フチート少佐は、UAWCは、海軍がMQ-25や将来の共同戦闘機など無人航空機の運用で「基礎」を構成すると述べた。海軍は最終的に、ニミッツ級とフォード級のすべての空母にUAWCを追加する。

USSジョージ・H・W・ブッシュの新しいUAWC内部からの眺め。米海軍

以前に公開されたMD-5シリーズGCSの要素を示す写真。DODIG経由USN


ゼネラル・アトミクスのMQ-9用CGCS(Certifiable Ground Control Station)の写真。GA-ASI MD-5シリーズのGCSは、海軍の頓挫した無人空母発射空中偵察・攻撃(UCLASS)プログラムに隣接して、少なくとも2010年代初頭から開発されている。UCLASSは、MQ-25につながる空母搭載空中給油システム(CBARS)プログラムに取って代わられた。

MQ-25は、攻撃戦闘機に空中で燃料補給しながら、限定的な情報、監視、偵察能力を提供するもので、ボーイングが製造する。

海軍は数年前から、陸上施設を利用したMQ-25オペレーターの訓練パイプラインの確立に取り組んできた。スティングレイ自体の陸上および海上でのテストも進行中だ。2018年にボーイングがCBARS競作に勝利して以来、MQ-25プログラム全体は大幅な遅れとコスト増に苦しんできた。当初の目標は今年中にスティングレイの初期運用能力を達成することだったが、2026年に延期された。海軍は最終的に76機のタンカー無人偵察機をフル装備する計画だ。

ジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)は来年早々、新しいコントロール・センターのテストに参加する。 

無人空母発射マルチロール飛行隊(VUQ)10の(パイロットが)空母から(コントロール・ステーションを)操作するのはこれが初めてだ」と、この取り組みを指揮する民間人ジョー・ネドーは言う。「彼らはCVN-77に搭載された実際の[地上管制ステーション]のハードウェアとソフトウェアを使用し、パックス・リバーの研究室から模擬飛行体と通信する」。■


Navy finishes first control room on aircraft carrier designed to operate MQ-25

By   Justin Katz

on August 16, 2024 at 12:22 PM

https://breakingdefense.com/2024/08/navy-finishes-new-section-on-cvn-77-designed-to-operate-mq-25-future-unmanned-aircraft/

Supercarrier USS George H.W. Bush Now Has First Of its Kind Drone Control Center

Joseph Trevithick

Posted on Aug 15, 2024 9:16 PM EDT


https://www.twz.com/air/supercarrier-uss-george-h-w-bush-now-has-first-of-its-kind-drone-control-center


2023年11月22日水曜日

MQ-25スティングレイ無人タンカーの開発で遅延、リスクに懸念の声が国防総省内で起こっている

 

確かに最近の航空装備は複雑になっており、開発も大変なのですが、ボーイングが手掛けるプロジェクトがことごとく遅延、コスト超過を招いているのはどうしてなのでしょうか。ボーイングだけに限ったことではないので同社を責めるのはフェアではないとしても、あまりにも目立つ話が同社では目立つと思うのですが...The War Zone記事からのご紹介です。


A top Pentagon watchdog has raises concerns about the Navy's aggressive schedule for the MQ-25 tanker drone and the potential risks thereof.

USN


MQ-25スティングレイ・タンカーの遅延とリスクが明らかに


ボーイングがMQ-25開発に新たな資金を得る中、新たな報告書がMQ-25に対するリスクについて警告


海軍がMQ-25スティングレイ・タンカー・ドローンの開発を急ぎすぎ、新たなリスクを招いていると米国防総省のトップ監視団が新たな報告書で懸念を示している。これと別に米軍は、ボーイングのMQ-25開発継続を支援するため、予備設計見直しの一環として6つのサブシステムにおける「部品の陳腐化を軽減」策として3600万ドルを追加供与する。


国防総省の監察総監室(DODIG)はMQ-25プログラムに関する海軍の管理について、部分修正した監査内容を昨日公表した。


「海軍当局は、プログラムオフィスと連携し、プログラムが運用能力要件を満たしていることを検証する試験と評価をプログラムオフィスが実施する前に、MQ-25プログラムの生産決定を行おうとしている。「DT&E(開発試験・評価)およびIOT&E(初期運用試験・評価)を実施せず重要な生産決定を行うことは、MQ-25プログラムが運用能力要件を満たさないリスクを高め、CVNへのMQ-25Aの配備を遅らせ、プログラムコストを増加させる」。


海軍は2018年に空母搭載空中給油システム(CBARS)コンペの勝者としてボーイングの設計を選択し、現在の計画では76機のMQ-25Aを取得することになっている。DODIGによると、この総計は7機の生産前機材、12機の低率初期生産(LRIP)モデル、そして多くのフルレート生産ロットの57機で構成されている。


ニミッツ級空母とフォード級空母には、人間のオペレーターがMQ-25の飛行を監督できる地上管制ステーションも設置される。試験、訓練、その他の目的のために、追加の地上管制ステーションが設置される予定だ。


DODIGのレビューによると、MQ-25プログラムは、研究、開発、試験、評価に31億ドル、調達に126億ドル、軍事建設に7億4750万ドルを含む、推定費用165億ドルの取得カテゴリ1Bの主要国防取得プログラムだ。海軍の予算書では、MQ-25の平均単価は1億5000万ドル弱と見積もられている。


国防総省が今年初めに発表した、2022会計年度末時点のMQ-25プログラムに関する別の選定取得報告書に詳細が含まれている。スティングレイは、少なくとも14,000ポンド、できれば16,000ポンドの燃料を、空母から500海里離れた場所まで運ぶことができなければならない。


海軍によれば、MQ-25Aの主な目的は、空母航空団の有効航続距離を伸ばし、既存の空母航空団のF/A-18E/Fスーパーホーネット一部をタンカー任務から開放することにある。この最初の要素は、空母の到達範囲を広げ、敵の防衛線から空母を遠ざけるのに役立つ。スーパーホーネットを給油任務から解放することで、スーパーホーネットにかかる負担を軽減し、スーパーホーネット部隊全体のコスト削減と即応性の向上につながることを海軍は期待している。


海軍は、MQ-25の二次的な任務として情報・監視・偵察(ISR)任務も特定している。


「MQ-25AはCVNベースの最初の無人航空機として、海軍が2040年までにCVN航空団の60%を無人化する目標を達成するための重要なステップである」とDODIG報告書は指摘している。「したがって、海軍作戦部長は、MQ-25Aをできるだけ早くCVNに配備することが決定的に重要である」と述べた。


DODIGが懸念している具体的な日程やスケジュールの多くは、昨日の報告書では編集されている。しかし、国防総省監視団が、海軍が取り組んでいるスケジュールが危険なほど切り詰められることを懸念していることは明らかである。


「海軍当局がMS-C(マイルストーンC生産)決定前にDT&Eを実施せず、IOC(初期運用能力)決定前にIOT&Eを実施しなかった結果、MQ-25プログラムが運用能力要件を満たさない可能性が高まっている」と報告書は露骨に述べている。「さらに、DT&EとIOT&Eがそれぞれ生産開始後と海軍がIOCを宣言した後に実施された場合、プログラムにコストのかかる問題が発見され、CVNへのMQ-25Aの配備が遅れるというリスクもある」。


明言はされていないが、この後者の点は、一般的に「コンカレンシー」と呼ばれるプロセスを指しており、多くの主要な米軍プログラムに深刻な問題を引き起こしている。海軍の沿海域戦闘艦(LCS)プログラムは、コンカレンシーに関連する問題に顕著に悩まされており、F-35統合打撃戦闘機プログラムの経験から、潜在的な落とし穴は十分承知しているはずだ。


DODIGの新しいレビューによると、海軍はこれらのリスクの多くを軽減するため措置を講じたと主張している。これには、T1と呼ばれる実際の飛行実証機を使った広範なテストや、広範なデジタル・モデリングとシミュレーションが含まれる。


デジタル・エンジニアリング・ツールは、近年、航空機を含む複雑なシステムの開発プロセスに革命をもたらす可能性があるとして、米軍内部や民間企業の間で注目されている。しかし、デジタル・エンジニアリングの有用性は証明されているものの、その恩恵の真偽については懐疑的な見方が強まっている。ボーイングが空軍のために開発しているT-7Aレッドホーク・ジェット練習機は、デジタル・エンジニアリングの申し子として紹介されるが、現在では、こうしたツールが誇大広告に見合うだけの性能を発揮できない重要な例として、批評家たちが挙げている。


DODIGによると、海軍は最新のリスクとスケジュールの評価を提供したが、海軍はさらに計画を見直す必要があると考えている。「我々は海軍に対し、MQ-25A受領のさらなる遅延に関連するすべてのリスクと、MQ-25プログラムが配備予定日に間に合わないリスクを特定することを含む、MQ-25Aの遅延に関する最新のリスク管理文書をプログラムオフィスが提供することを確認するよう要請する」と、昨日発表された報告書は述べている。


MQ-25プログラムは、COVID-19パンデミックによる影響などさまざまな理由ですでに大幅に遅れており、コストも膨らんでいる。2018年にボーイングがCBARS競合で勝利したとき、海軍は2024年にIOCに到達すると予想していた。そのスケジュールはまず2025年にずれ込み、今年は2026年に再び延期されたばかりだ。DODIG報告書によれば、この直近の遅延は、海軍が2023年初頭に懸念を解決しようと努力した結果の副産物である。


「我々は、海軍がより伝統的な調達戦略を採用し、MS-C決定とLRIP契約を延期し、プログラム上のリスクを継続的に評価し、伝達していることを奨励する」とDODIGの監査は述べている。


以前は、量産前スティングレイの初期ロットが2022年末に引き渡され始めることが期待されていた。ボーイングは今年9月、海軍向けの最初のMQ-25Aが生産ラインからロールオフし、静的地上試験に移ったと発表したばかりだ。


さらに昨日、国防総省は、海軍がボーイングにMQ-25契約で3600万ドルの追加修正を与えたと発表した。「この修正は、海軍のMQ-25スティングレイの低速初期生産をサポートするために、部品の陳腐化を緩和するための6つのサブシステムの予備設計レビューのための非経常的なエンジニアリングを提供する範囲を追加する」と、国防総省の契約通知は説明している。問題のサブシステムが何かはわからないし、部品の陳腐化は、特にコンピューターやその他の電子機器に関しては、新しい開発が起こる一般的なスピードなど、さまざまな理由で急速に起こる可能性がある。同時に、MQ-25プログラムのこれまでの遅れは、スティングレイの設計の要素が開発完了前に陳腐化するリスクを悪化させた。


全体として、海軍がMQ-25プログラムのさらなる遅延を回避できるかどうか、そしてその総コストがどの程度膨らむ可能性があるかは、非常に不明だ。同時に、海軍はスティングレイの実戦配備を希望していると公言している。スティングレイは、作戦上および予算上、即座に利益をもたらす期待があり、無人空母航空戦力実現への重要な足がかりとなることが期待されている。


MQ-25で現在理解されているリスクが報酬を上回るかもしれないとDODIGが明確な懸念を示した格好だ。■


MQ-25 Stingray Tanker Delays, Risks Come Into View | The Drive

BYJOSEPH TREVITHICK|PUBLISHED NOV 21, 2023 1:45 PM EST

THE WAR ZONE