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2025年4月11日金曜日

米国とカナダの緊張からNORADの北米共同防空体制はどのような打撃を受けるか?(Defense One)

 Gen. Gregory Guillot, who leads NORAD and U.S. Northern Command, speaks at the Colorado National Guard’s 168th Regional Training Site, Fort Carson, Colorado, Oct. 29, 2024.

2024年10月29日、コロラド州フォート・カーソンにあるコロラド州兵の第168地域訓練場で演説するNORADと米北方軍司令部を率いるグレゴリー・ギロット将軍。 米陸軍州兵/Sgt. 1st class Zach Sheely



カナダが撤退すれば国防総省は敵ミサイルから部分的に目をそらすことになる。少なくとも、新たな防衛手段が構築されるまでは。


ランプ大統領の関税と脅しにより米加防衛パートナーシップが崩れれば、国防総省は敵の脅威を追跡する能力を失うことになる。

 カナダのレーダーサイトがなければ、「北方アプローチは深刻なリソース不足となり、敵対者にとって北米への最速かつ最も容易なアプローチである北方アプローチにおける領域認識と対応のかなりの部分を失うことになる」と北米航空宇宙防衛司令部と米北部司令部のトップであるグレゴリー・ギロット大将Gen. Gregory Guillot,は述べた。

 世界で唯一の二国間司令部であるNORADの将来は、トランプ大統領が重関税を課し、アメリカの北の隣国を51番目の州にすると脅す中で疑問視されている。これに対し、カナダのマーク・カーニー首相は最近、何世紀にもわたる米加関係は「終わった」と宣言した。

 NORADが行うことはすべてカナダと「織り込み済み」であり、NORADは防空と海上警戒の方法を「根本的に」変えなければならない、とギロット大将は火曜日の下院軍事委員会の公聴会で議員たちを前に語った。

 ギロット大将は、米国はレーダー、航空機、軍艦に多額の予算を投じ、迫り来る脅威を発見する能力を再構築する必要に迫られると述べた。

 しかし、ギロット大将は、アメリカとカナダの軍事的対軍事的関係は「これまでと同様に強い」ままであり、ホワイトハウスの姿勢がNORADで摩擦を起こすようなことはないと述べた。

 「数百人のカナダ人が我々と一緒に働いていますし、施設でも働いています。軍同士のレベルでは、問題や懸念はありません。誰もが我々の大陸を守ることに集中しています」と語った。

 公聴会では、民主党議員から、トランプ大統領の貿易戦争が同盟国を米国から遠ざけているとの懸念の声が上がり、日本、韓国、中国の最近の合意を指摘した。

 トランプ大統領は水曜日に新たな関税を発表する予定であり、その目的は米国の外国製品への依存度を下げることである。

 「この関税の次のレベルがどの程度になるかは、明日明らかになるだろうが、同盟国の政府がこのような緊張と圧力にさらされているときに、同盟国との交流に影響がないと合理的に主張することは不可能だ」(コートニー下院議員、民・コネチカット)。

国境作戦

ラファエル・レオナルド国防次官補(国土防衛・半球問題担当)が国防総省の国境作戦の強化について証言した。この費用は、国境への増派、軍用機による強制送還、グアンタナモ湾での収容活動の拡大などに使われている。

 レオナルドによれば、同省はこのレベルの支出は今後も続くと見込んでおり、総額はトランプ政権の初年度中に20億ドルに達する可能性がある。

 ギロット大将は、この作戦はおそらく数年続くと見ている。

 「国境封鎖の最初の成果は、統計的に見れば素晴らしいものです。しかし、私たちが目にする不法移民のすべてのサイクルを経て、(それが)永続するものであることを確認する必要があります。季節的な影響は大きい。そして、私たちはそれを確実に封印し、封印し続ける必要がある。それにはおそらく2、3年はかかるでしょう」(ギロット大将)。

 現時点で国境には約6,700人の部隊がおり、合計で10,000人が配備される予定だ。ギロット大将によると、部隊の90%は国境で監視任務を遂行しており、部隊は移民を拘束していないと強調した。

 しかし当局は、NORTHCOMに国境沿いの土地の指揮権を取らせ、軍事施設に指定する計画を検討中とCNNは報じている。■


How NORAD could be hurt by US-Canada tensions

US commander says a Canadian exit would partially blind the Pentagon to enemy missiles—at least until new defenses could be built.


BY AUDREY DECKER

STAFF WRITER

APRIL 1, 2025 03:00 PM ET

https://www.defenseone.com/threats/2025/04/how-norad-could-be-hurt-us-canada-tensions/404210/


2023年2月17日金曜日

北米大陸で気球などの未確認飛行物体の探知が急増した理由とは

 




国の監視気球1機とその他未確認物体3機が北米上空で撃墜され、北米大陸の空域に未確認物体が突然流入した原因は何だろうと考える向きが増えている。

 各物体の意図や起源ではまだ多くの疑問が残っているが、こうした物体が北米上空で活動していた可能性を示唆する証拠が次々と出てきた。



気球の探知は実は簡単ではない

2月4日に撃墜された中国偵察用気球を回収する米海軍の隊員。(米海軍写真)


 2月4日にサウスカロライナ州沖で撃墜された中国の監視用気球は、高さ200フィート(約15メートル)以上だったが、発見・追跡は容易ではなかった。その巨大さにもかかわらず、レーダー波はこの種の気球を通過する傾向がある。その結果、レーダー画面上では鳥やステルス機と同じくらい小さく映ることが多い。最近、アメリカの戦闘機に撃墜された未確認物体は、2月4日に撃墜された監視用気球よりもはるかに小さく、その発見はさらに困難だったはずだ。

 NORADと米軍北部司令部を統括するグレン・ヴァンハーク大将は今週初め、「見ているのは、レーダー断面積が非常に小さい、非常に小さな物体だ」と述べた。

 しかし、これらの物体が長い間レーダーの下を飛んでいたのには、別の理由もあるようだ。


北米大陸全域の飛行物体の追尾は大変な仕事だ

unidentified objects

(FAA)


 アメリカ・カナダの北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)とアメリカ北部司令部(NORTHCOM)は、ともに北米の領空を防衛する任務を担う。各司令部は、各種レーダーアレイを使用して、954万平方マイルの北米の上空はもちろん、全方向の海上に広がる数百マイル空域も監視する。連邦航空局によると、海上の航空機の追跡を考慮すると、アメリカの空域は合計で2900万平方マイルに及ぶという。

 この空域では、小型の自家用機から大型の民間機まで、1日平均約45,000機が飛行している。この広大な領空と1日の飛行回数を考えれば、防空任務がいかに大変なものかがわかる。

 そのため、NORADをはじめとする防衛機関は、中古車を探すときのように、追跡対象を「フィルタリング」している。レーダーで発見されたものすべてにフラグを立てるのではなく、脅威となる物体だけにフラグを立てるフィルターとした。


NORADはフィルター方法を変更して未確認飛行物体を多数探知できるようになっ

アメリカ北方軍本部(NORAD撮影)

 

 最近、NORADは手法を調整し、事実上、追跡対象のフィルターをすべて取り除いた。これにより、司令部は膨大な量の情報を得ることが可能となり、また、小型で特異な形状の物体をより多く識別できるようになった。例えば、日曜日にヒューロン湖上空で撃墜された物体は、形が八角形で、大きさはATV程度、車よりさらに小さいと言われています。

 国土防衛・半球問題担当のメリッサ・ダルトン国防次官補は日曜日に、「我々はレーダーを強化するなど、高度空域をより綿密に調査しており、この1週間で検知した物体の増加の理由の一部はこれが原因かもしれない」と述べている。


WHY ARE WE SUDDENLY DETECTING ALL THESE STRANGE OBJECTS IN THE SKY?

Alex Hollings | February 16, 2023

https://www.sandboxx.us/blog/why-are-we-suddenly-detecting-all-these-strange-objects-in-the-sky/


Alex Hollings

Alex Hollings is a writer, dad, and Marine veteran who specializes in foreign policy and defense technology analysis. He holds a master’s degree in Communications from Southern New Hampshire University, as well as a bachelor’s degree in Corporate and Organizational Communications from Framingham State University.


2021年1月19日火曜日

1月20日大統領就任式典を前に展開された首都上空の防空訓練ファイティングヴァーゴとは

 


資料写真 D.C.州軍航空隊のF-16Cがセスナ182をエスコートしている。アーマゲドン20-4の実機飛行演習が行われたテネシー州で2019年11月21日に撮影。(Air National Guard photo by Senior Master Sgt. Craig Clapper)

 

「ファルコンヴァーゴ」演習はワシントンD.Cの空域管制・制御を目的に繰り返し実施されている。


「ファルコンヴァーゴ」演習が米首都上空で1月14-15日展開され、1月25-26日にも実施される。北米防空司令部NORAD発表では「通常の防空演習」とあるが、この演習は「制限空域進入、ハイジャック、未確認航空機対応など各種シナリオを展開する。他のNORAD演習同様に慎重に立案され、緊密な統制のもと実施する」とある。

演習には米陸軍のセスナUC-35A双発機、米海軍のキングエア300、沿岸警備隊MH-65Dドルフィンヘリコプター、民間航空パトロール隊のセスナ182小型機の他、空軍のF-16ファイティングファルコン戦闘機を動員する。関係者によれば戦闘機が高度2,500フィートまで降下し、地上からも視認できる場合もあるという。

ファルコンヴァーゴ演習は繰り返し実施し、ノーブルイーグル演習を支援する形となる。ノーブルイーグル演習では「カナダ、米国上空の空域の監視統制を重視する」とある。NORAD広報資料では「同演習はNORADの通常訓練の一環」とある。

NORADの防空演習ファルコンヴァーゴに参加したDC州軍航空隊のF-16機

 

今回の演習が関心を呼ぶ理由がある。各種航空機が本土の安全を支援するべく動員されることもそのひとつだ。2001年9月11日以前に米国東部を舞台とした統合防空演習が関心を集めることは皆無といってもよかたった。沿岸警備隊機材も本土防衛ほか国境警備の支援にあたることも興味深い。

民間航空パトロール隊のセスナ182T軽飛行機が加わることから空域警備の実施訓練に加えSMI(低速移動機への対応)訓練も想定しているのだろう。

2019年11月18日-22日に実施された先回の演習「アーマゲドン20-4」はテネシー州ノックスビル近郊のマギータイソン空港を舞台に民間航空パトロール隊の軽飛行機を応答なく制限空域へ侵入する機体に見立てた。この際はF-16ファイティングファルコンが首都地区州軍の113航空団から発進し、警戒確認・エスコート飛行を民間航空パトロールのセスナ182Tを対象に実施した。■


この記事は以下を再構成したものです。


NORAD Conducts Planned “Falcon Virgo” Air Defense Exercise Over Washington D.C. Area.

January 14, 2021 Military Aviation

TOM DEMERLY


2020年12月24日木曜日

クリスマスイブ記事 今年もNORAD北米防空司令部がサンタさんを追跡。でもこの伝統はいつ、どう始まったのでしょうか。

 


During last year's Christmas Eve, Canadian Brig. Gen. Guy Hamel of NORAD joins other volunteers taking phone calls from children around the world. (AP Photo/Brennan Linsley)

昨年のクリスマスイブの風景。カナダ軍のガイ・ハメル准将もボランティアとして世界各地の子どもたちからの電話対応にあたった。(AP Photo/Brennan Linsley)



米が恒例の北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)によるサンタさん追跡が気になる時期が来た。NORADは実際にサンタの飛行経路をオンラインで公開しており、アプリでも昔ながらの電話でもその時点でサンタがどこを移動中か教えてくれる。


だがこれはNORADの超天才がはじめたわけではない。新聞記事の誤植が原因だった。

ボランティアの空軍曹長ロデリック・シュワルドがコロラド州ピーターソン基地内のNORADサンタ追跡オペレーションセンターで各地からの電話問い合わせに対応している。Dec. 24, 2013. (Photo: Master Sgt. Charles Marsh)

 

だがNORADはなぜサンタを追跡するのか。


1955年12月24日、当時の米大陸防空例支部作戦センターのあるコロラドは通常通勤務体制だったが、当直のハリー・シャウプ大佐におかしな電話が入ってきた。


「電話をかけてきたのはコロラドスプリングの幼児で地元デパートの広告に番号があったのです。幼児はサンタクロースの居場所を聞いてきたんです」(NORAD広報官プレストン・シュラクター)

新聞広告ではこの番号でサンタさんにお話できるよとあったが、番号が間違っており、防空司令部にかかってしまうのだった。


シャウプは最初の通話に対応した。意地悪な対応もできたのだが、実際は違っていた。


「大佐はご両親にかわってもらい幼児には大陸防空司令部はサンタの安全を守っていると伝えたのです」(NORAD広報官プレストン・シュラクター)


その晩シャウプは部下と一緒にサンタの居場所を幼児一人ひとりに答えた。こうして伝統がはじまったのであり、1958年NORADに改組されても維持された。その後のテクノロジーの進歩でさらに人気を博すようになっている。今日の幼児は電子メール、スカイプ、ツイッター、フェイスブックやアプリ更にオンスターでサンタの行方を把握している。


サンタ追跡は大掛かりな事業で毎年11月にNORADSanta.orgが各家庭からの問い合わせに対応を開始してスタートする。政府、非政府あわせ70もの団体が寄付しサイト、アプリ、電話回線を準備する。制服組、国防総省文民、家族ボランティアが1,500人もクリスマスイブに子どもたちのサンタはどことの問いに答える。


シュラクターによれば200もの国と地域からウェブサイトへの訪問があり、ページビューは18百万、フェイスブックの特設ページには175万人のフォロワーがあるという。NORADサンタ追跡プログラムには126千もの通話が入り、電子メール2,030通に対応し、オンスターでも7,477もリクエストがあったという。


シュラクターはたまたま誤植だったとはいえ、いまや重要な伝統の一部となっており、各家庭の楽しい場面づくりに役立てて嬉しいと語る。


コールセンターは12月24日東部標準時の午前6時にオープンする。小児は 1-877-Hi-NORAD(446-6723) へ電話、あるいはnoradtrackssanta@outlook.comに電子メールを送ればその時点でサンタがどこにいるか教えてもらえる。ただし、関係者はサンタは子どもたちが寝ている時間にならないとあらわれないので当日は早くベッドに入らいないとお家にやってこないよと注意喚起している。


サンタクロースの居場所追跡を楽しんでください。トナカイには人参を、さんさんにはミルクとクッキーを忘れないで。■


この記事は以下を再構成したものです。


Does NORAD Really Track Santa?

Department Of Defense | By Katie Lange


2020年10月31日土曜日

当選近づく?トランプ集会の上空を万全の態勢で守るNORAD

 US Air Force F-16

US Air Force F-16. US Air Force

  •  

  • アリゾナで選挙集会中のドナルド・トランプ大統領に不審な機体が接近したため米空軍F-16がインターセプトした。10月28日のこと。


米防空司令部(NORAD)は10月28日、アリゾナ州ブルヘッドでのトランプ大統領選挙運動集会付近の飛行制限区域を飛行する無許可機を米空軍F-16でインターセプトしたと発表。


「NORAD指令を受けたF-16は航空管制と連絡を取らない一般航空機を調査した。同機はアリゾナ州ブルヘッドシティ周辺に設定した臨時飛行制限区域に許可なく侵入した」


NORADによると同機は当初はインターセプト手順に応答しなかったが、F-16がフレアを放出したところ交信回線を開いた。同機はF-16編隊がエスコートし空域を離れた。ただし、同機が制限空域内で何をしていたか説明はない。


NORAD報道官は臨時飛行制限区域に設定したのはドナルド・トランプ大統領の選挙集会が開かれたためと認めた。


臨時飛行制限区域は連邦航空局が設定し、NORADが部分的に執行するもので、本土防空にあたるNORADはF-16ファイティングファルコン、F-15イーグル、F-22ラプターで危機対応する。


9/11テロ攻撃以後は国内防空体制が強化され、NORADは数々の防御手段の一部にすぎない。


今回の事件は集会を取材中のC-SPANがとらえ、トランプ大統領はスピーチを止め、空中での事態展開に関心を寄せた。



「あれを見て。見て。見て。見て」とトランプは空を指さした。「大統領に見せ場を作ってくれました」聴衆は「USA」を連呼した。APによればトランプ大統領は聴衆に機体はF-35と説明し、「民主党ならこんなことはできない」と述べたという。■


この記事は以下を再構成したものです。


US Air Force F-16s intercepted an unauthorized aircraft flying in a restricted area over a Trump rally

Ryan Pickrell Oct 29, 2020, 6:31 AM


2018年8月12日日曜日

シアトルの盗難旅客機にF-15C編隊がアフターバナー全開で迎撃していた

F-15Cs break sound barrier to intercept stolen airliner out of Seattle airport in bizarre incidentF-15C編隊が盗難旅客機を超音速で迎撃したシアトルの奇妙な事件

Tom Demerly,


F-15CF-15C US Air Force
  • シアトル-タコマ空港を離陸した盗難旅客機をF-15C二機で迎撃する事件が8月10日に発生。
  • フェイスブック利用者の報告によるとソニックブームがイートンヴィル上空で聞こえたという。
  • 空港整備員がダッシュ8双発ターボプロップ機を盗み出したが機体墜落で死亡。


妙な事件がシアトル-タコマ国際空港(ワシントン州)で発生し、アラスカエアラインズ/ホライゾンエアボンバルディアダッシュ8双発ターボプロップコミューター機が男性一名により離陸したあとタコマ南西のケトロン島に墜落した。機内に乗客は乗っていなかった。男は墜落で死亡し報道では唯一の犠牲者とされる。
同機への対応としてオレゴン州軍航空隊のF-15Cイーグル二機がポートランド国際空港から緊急出動した。同編隊は旅客機に向かう途中で「音の壁」を破ったとの報告がツイッターや現地報道で多数見られる。フェイスブックではソニックブームがイートンヴィル上空で聞かれたとある。
View image on TwitterView image on Twitter
Rock 41 and Rock 42 scrambling out of PDX this evening
航空写真家ラッセル・ヒルがスクランブル発進するイーグル二機を撮影しており、アフターバーナー全開だったのがわかる。同編隊には対抗手段としてフレア発射の許可が出ており、ダッシュ8の飛行進路を変えさせ着陸させようとしていた。赤外線フレアを発射するのは通常は熱追尾ミサイルへの囮となる熱源をつくるためだ。
ツイッターで投稿された映像や報道記事を見るとダッシュ8は曲技飛行を行い海上に突っ込んだようだ。
別の映像ではF-15C編隊がダッシュ8のそばを飛行している。現地放送局WMURチャンネル9の記者は「F-15が盗難機を人口集中地上空から郊外に移動させようとした」と述べている。
Some dude stole a plane from #Seatac (Allegedly), did a loop-the-loop, ALMOST crashed into #ChambersBay, then crossed in front of our party, chased by fighter jets and subsequently crashed. Weird times.
今回の事件は「ハイジャック」扱いとされていない。乗客が一人も乗っていなかったためだ。代わりに遭難機事件の扱いだ。
無線交信記録を見るとダッシュ8を盗んだのはパイロットではなくシミュレーター訓練しかしていないようだ。犯人は航空管制官と交信し、管制官は着陸させようとしていた。

この事件で付近の空域は一時的に閉鎖されたがその後飛行を再開している。シアトル-タコマ空港では大幅なフライト遅延が続いた。■

2018年5月13日日曜日

アラスカ付近までベア編隊を飛ばすロシアの狙い

US F-22s intercept Russian strategic bombers flying in international airspace near Alaska アラスカ近くの国際空域を飛行中のロシア戦略爆撃機を米軍F-22が迎撃


Bill Gertz,

f22F-22 Raptors fly in formation over New York, August 21, 2012.US Air Force
  • ロシアTu-95「ベア」爆撃機二機がアラスカに接近しF-22が迎撃した
  • 核攻撃能力を有する同爆撃機は米加領空には侵入していないと軍当局が発表
  • 米国を狙ったロシアの恫喝の一部とみる専門家もいる



シア戦略爆撃機二機がアラスカの防空識別圏に侵入したため米F-22編隊がこれを迎撃した。5月11日金曜日のことで米北方軍司令部が発表した。
Tu-95ベア爆撃機二機はべーリング海上空に設定の防空識別圏に金曜日早朝に侵入してきたと北方軍および米加共同北米防空司令部(NORAD)広報官スコット・ミラー海軍大佐が発表。
「東部標準時10 a.m.ごろアラスカ配備のNORAD所属F-22戦闘機二機がロシアTu-95ベア長距離爆撃機機二機を目視で確認した。ロシア機は房区識別圏内でアラスカ西海岸沖合からアリューシャン列島北部を飛行していた」と大佐はワシントン・フリー・ビーコンに伝えてきた。
ロシア機は米加いずれの領空も侵犯していないと大佐は付け加えている。
また今回の迎撃で異常な動きは見られるz、F-22隊と爆撃機編隊で交信も発生していないという。
核運用可能な爆撃機は国際空域を飛行し「国際規範に従って飛行した」という。
「NORADは今後も空の上の動きを注視していく」(ミラー大佐)
ただし大佐はロシア爆撃機のミッションに関してこれ以上の詳細には触れていない。今回はロシアが米国を狙って行う力の誇示の最新事案となった。
「プーチンのロシアは核の恫喝を行い、爆撃機に無駄に燃料を消費させ、その他空中給油や整備作業を行わせてまで長距離飛行させこの一環としているのです」とペンタゴンで戦略兵器分野の専門家だったマーク・シュナイダーが解説する。「核兵器で脅しをかけるのロシアの得意分野です」
Tupolev_Tu 95 russian bear bomberA Tu-95 Bear bomber.Wikimedia Commons
一年以上前になるがやはりベア爆撃機二機がアラスカのADIZ内を飛行しており、この際はSu-35フランカー戦闘機編隊も随行していた。
アラスカにはペンタゴンも戦略ミサイル防衛拠点をフォート・グリーリーに置いている。
フォート・グリーリーには地上配備迎撃(GBI)ミサイル44発が配備されICBMに対応する。その他カリフォーニア州ヴァンデンバーグ空軍基地にも同じ装備が展開している。
ウラジミール・プーチン大統領の反米姿勢で米ミサイル防衛をやり玉に挙げているのは、ロシア軍ミサイルへの対抗手段と受け止めているからだ。
ペンタゴンの説明では米ミサイル防衛体制の対象はロシアではなく、北朝鮮のICBMや今後登場するイランの長距離ミサイルだ。
ベア爆撃機にはKH-55空中発射式巡航ミサイルや最新かつ最強のKH-101・102(通常弾頭・核弾頭)が搭載される。
2012年6月にロシアは大規模戦略核部隊の演習でアラスカの米ミサイル迎撃基地への模擬攻撃をしている。
前出のシュナイダーは近年のロシア爆撃機には戦闘機の護衛がつくときとつかないときがあると述べている。「それはともかく、プーチンが2007年から始めている『戦闘哨戒飛行』は訓練ではなく核の恫喝が目的でしょう」
「KH-55、KH-101,KH-102といった巡航ミサイルは射程距離数千キロで、何もわざわざ迎撃を受ける地点まで接近させる必要はないはずです」

ロシア軍がADIZ内飛行に踏み切るのは接近しなければ『恫喝効果』が生まれないからでしょう」(シュナイダー)■

2016年2月15日月曜日

無人飛行船でミサイル防衛まで期待するJLENSは再稼働に向かっているとNORADが発表



After Blimp's Wild Ride, JLENS Program Will Fly Again, NORAD Says

By Jen Judson, Defense News 4:10 p.m. EST February 11, 2016

US Army's Joint Land Attack Cruise Defense Elevated Sensor System (JLENS) launch(Photo: Senior Airman Tiffany DeNault/US Air Force)
WASHINGTON — 共用陸上攻撃・巡航ミサイル防衛用空中ネットセンサーシステムJoint Land Attack Cruise Missile Defense Elevated Netted Sensor System (JLENS)はメリーランドで制御不能となり、係留用ケーブルをひきずったままペンシルバニア方向へ漂流する事件を昨年秋に発生させたが、運用試験は再開に向かうようだ。
  1. 事故調査の報告書がまとまり、関係機関の間でJLENSは再開の調整にはいった。火器管制用飛行船の新造追加、人員訓練、提言内容の実施の他予算の増額が必要と北米防空司令部(NORAD)および米北方軍の報道官べス・スミス少佐がDefense Newsに述べている。
  2. JLENSはメリーランド州アバディーンの実験施設で係留から外れ、ペンシルベニアへ漂流した。途中の送電線を係留ロープが切断し広範囲で停電が発生している。追跡にF-16が2機発進し、ペンシルバニア州内の移動を見守った。途中で内部の気体が漏れはじめ高度を下げ、最終的にゆっくりと着地した。州軍が発砲し、飛行船を完全にしぼませた。
  3. JLENSはレイセオンが製作し、火器管制用と測定用の飛行船二機で構成し、三年間の運用実験に入っていた。
  4. 同システムは多数の小舟艇や移動体を追跡するとともに巡航ミサイル探知も行う構想で、ヴァージニア州ノーフォークからボストンまで一度に「見る」能力がある。米陸軍は現在の二機以上を導入するのか、メリーランドでずっと係留したままにするのかを演習で決めるはずだった。
  5. 陸軍戦闘即応センターと巡航ミサイル防衛システムの共用防衛装備準備室が出した結論はJLENS漂流の原因は設計上の瑕疵ではなく、設計、運用上の人的ミス、手順上の問題が複合したためととスミス少佐は説明。
  6. 尾部フィン内の空気圧が低下し事故が発生したと分かったとスミス少佐は紹介。低下の原因は「パイロットチューブ、つまり気圧感知装置の作動不良」だという。気圧が低下した飛行船は空中で不安定になった。
  7. 「空力効率がなくなった反面抗力がふえたことで係留ケーブルに張力が増し切断に至った」(スミス)
  8. 調査結果は軍内部に伝わり、アシュ・カーター国防長官も説明を受けた。長官もJLENSの運用試験継続を認めている。
  9. NORADおよびNORTHCOM司令官ビル・ゴートニー海軍大将は声明文で「JLENSは他にはない巡航ミサイル防衛機能を我が国の統合防空システムのうち首都地区で実現するもの。同事業を継続することが国益上最善の選択である。事故調査で原因を詳しく調べたため、同飛行船の安全な運航再開にめどがついたと確信している」と発表。
  10. 次は議会がJLENSをどうするか決定する番だ。予算は2016年度に30百万ドル削減されている。その結果、使える資金は10.5百万ドルしかない。削減理由は「テスト日程の遅延」だった。
  11. オバマ大統領の2017年度予算要求ではJLENSに45.5百万ドルを求め実戦演習の実施を想定している。陸軍が2018年度にはわずか6.7百万ドルの予算を計上する予定になっているのが注目される。同年度は実験演習の最終年度だ。
  12. 2017年度予算要求では「新規装備の訓練、JLENS演習の実施によりNORAD/NORTHCOMのノーブルイーグル作戦を支援すること、および政府によるJLENS演習の実施支援」の想定がわかる。
  13. 前回の事故で破損した装備の補修や対策の実施に予算が必要だ。また保管中のJLENSの「再稼働」も予算に含まれると予算要求文書は述べる。■