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2018年9月16日日曜日

E-2Dは日本へ、P-8、ペイトリオットを韓国へ、軍事装備販売を強化する米国の動き

米国から見れば貿易赤字解消に即効効果があるのは軍事装備品の販売です。しかし日本にとって米製装備依存が高まると国内の防衛産業の基盤がそれだけ弱まってしまいます。ただでさえ日本の防衛産業はやる気を失いかねないので長い目で見て痛い効果を生みそうです。韓国軍には「国民感情」に流されず北朝鮮の監視警戒を続けてもらいたいものです。


U.S. Sending Billions Worth of P-8s, E-2Ds To Asian Allies 

米国はP-8,E-2D数十億ドル相当をアジア同盟諸国へ提供

Japan and South Korea are getting new generations of sub-hunting and intelligence-gathering aircraft as China, North Korea, and Russia continue to push more assets into the waters of the Pacific. 

日本、韓国が新世代対潜哨戒機、情報収集機を導入し、中国・北朝鮮・ロシアが引き続き太平洋で軍事力増強を続ける状況に対応

By PAUL MCLEARYon September 13, 2018 at 6:15 PM

US Navy P-8 Poseidon
国務省が総額26億ドルでP-8Aポセイドン対潜哨戒偵察機6機、ペイトリオット弾道ミサイル迎撃兵器64本の韓国向け販売を承認した。米同盟国側が米製軍事装備の強化で中国に対抗する姿勢の一環であり、同時に北朝鮮へも警戒を怠らない動きにもなる。
このうちボーイング製ポセイドンは対潜哨戒をしながら偵察任務を広範囲な海洋上で行なえ、韓国軍には北朝鮮潜水艦追跡能力で新次元を提供sルウ。2010年に北朝鮮小型潜水艇が韓国海軍コルベット艦天安を沈め、46名の生命を奪った事案が発生している
Navy E-2D Advanced Hawkeye
中国はこれまでより高性能潜水艦の展開をすすめており、一部はインド洋まで遠征している。「中国潜水艦部隊の近代化は依然として高優先順位事業」とペンタゴンが直近で公表した中国軍事力評価で指摘している。
ロシアも新世代潜水艦を送り込んでおり、ロシア国営通信TASSによれば「ステルス」潜水艦二隻が太平洋艦隊に今後二年のうちに編入され、6隻あるヴァルシャヴャンカ級ディーゼル電気推進式潜水艦(改キロ級)の初号艦が太平洋に配備される。
日本も海外装備の調達に大金を支払おうとしている。今週月曜日、ペンタゴンから31億ドルでノースロップ・グラマンE-2Dアドバンストホークアイ位空中早期警戒統制機合計9機の日本向け販売が発表された。
安倍晋三首相のもとで日本は大幅な軍事力増強に乗り出しており、中国が急速に通常兵力を近代化していること、北朝鮮の弾道核ミサイル脅威を真剣に受け止めている。
日本は旧型E-2Cホークアイを運用中だが新型機は大幅な性能向上で、F-35共用打撃戦闘機との併用で日本周囲での水中、空中の情報収集力が増強される。
安倍政権は先月に記録的な480億ドル軍事予算を要求したところで米製軍事装備品に数十億ドルを手当している。

今週初めには海上自衛隊艦船がハワイ沖合で模擬弾道ミサイル迎撃に成功しており、日米両国の関係者から日本の能力向上は確実に進んでいるとの評価を得た。日本艦がイージス弾道ミサイル防衛システムで弾道ミサイル迎撃に成功したのはこれが二回目で初回は2017年2月のことだった。6月の二回目テストは失敗したが、海軍は飛翔中の爆発は人的ミスが原因としていた。■

2018年5月3日木曜日

P-8のテコ入れで対潜哨戒機市場の優位性を狙うボーイングにP-1は対抗できるのか

実績がないから日本製の防衛装備は海外販売できないといわれます。でもP-8も新型機ですよね。要は性能と比べたコスト優位性が決め手なのでしょう。何千機も製造している旅客機を原型にしたポセイドンに勝負するのはなかなか大変ですね。採用国が生まれ、実際に稼働するまでP-1は孤高の存在ですが、あきらめず頑張ってもらいたいものです。


Boeing plans affordability changes for new wave of P-8 orders

販売増を見越してP-8の価格競争力強化を狙うボーイング

03 MAY, 2018
SOURCE: FLIGHTGLOBAL.COM
BY: STEPHEN TRIMBLE
SEATTLE

ボーイングはP-8ポセイドンの通算100号機をワシントン州レントンで組み立て中で、さらに数十機の新規受注を見込み、機体設計と製造工程の見直しで製造費を狙う。
「あと100機製造となるのでは」と対潜哨戒機P-8の原型737-800A事業の副主幹カール・ラングは言う。
これまでの引渡し実績はテスト用8機と作戦仕様84機のP-8Aが米海軍に、インド海軍向け8機、オーストラリア空軍仕様が7機となっている。
ノルウェー、英国もそれぞれ導入を決めている。米海軍は最低でも111機分の調達予算を確保しているが、すでに117機導入が認められている。
ボーイングは各国の追加受注を期待しており、P-8A納入が200機を超えれば75機以上が米国外の発注となるとラングは見ている。
国外の対潜哨戒機には各種機材が混在している。ロッキードP-3C、ブレゲー・アトランティーク、イリューシンIl-38が稼働中だ。
ボーイングがP-8ポセイドン開発を開始したのは14年前でその後競合機種が姿を現している。川崎重工は四発P-1を新規開発し納入を開始。同機にはP-3Cの影響が強い。Saabはボンバルディア・グローバル6000を原型にソードフィッシュをUAE向けに開発中だ。エアバスはA321neoをフランス・ドイツ両国向けに開発すると先月発表した。
レントン工場でのボーイングの課題はP-8の競争力維持だがハードルは高くなってきた。現時点で旅客型737NGの最終号機は2019年の引渡し予定で、その後レントン工場では新型エンジンに換装し大幅に改修した737 Maxへ生産切り替えが終わるまで米海軍向けだけとなる。同社はP-8生産に全力を注入するという。
ただし最盛期に月産40機納入した同工場の費用効率で低下が避けられない。P-8は月産わずか1.5機なのだ。
そこでP-8Aの競争力維持のためボーイングは同機の生産コスト見直しを進めている。レントンでは同機の「将来型生産システム」開発が進んでいる。
その狙いは機体設計と生産システムの見直しでP-8生産コストを引き下げつつ737NG生産の縮小でコスト上昇を防止することとラングは言う。■

2017年5月3日水曜日

★★ニュージーランドがP-8ポセイドン導入へ




P-1がまたも採用のチャンスを逃しましたが、やはり隣国のオーストラリアがP-8を採用したことが大きいのでしょうね。軍用機としてP-1が完成度が高いとしても、運用側は安全策を好むようで、実績のないP-1は不利なままです。まるでオセロゲームのようですね。しかし40年もオライオンを使い、さらにあと数年使い続けるニュージーランドはすごいですね。
A P-8A Poseidon assigned to Air Test and Evaluation Squadron (VX) 20 flies over the Chesapeake Bay. US Navy Photo

Congress Notified on $1.46B P-8A Poseidon Deal with New Zealand ニュージーランド向けP-8A売却を14.6億ドルで米議会へ通告

May 2, 2017 1:55 PM


  1. 米国務省はボーイングP-8Aポセイドン哨戒機計4機のニュージーランド向け売却を総額14.6億ドルで承認したと国防安全保障協力庁が発表。売却には議会承認が必要だ。
  2. 「ニュージーランド政府から該当装備を海上監視航空機(MSA)として現行P-3Kの用途廃止後に使用したい意向が示された」と先週の公表資料で述べている。「売却により集団防衛体制が強化され、ニュージーランドの域内・世界規模の貢献が高まる効果が生まれる。ニュージーランドはP-3を40年超に渡り運用しNATOや連合軍による海上作戦に多大な貢献をしてきた」
  3. 売却では電子光学(EO)・赤外線(IR)方式のMX-20HD、AN/AAQ-2(V)1音響装備、AN/APY-10レーダー、ALQ-240機体防御用電子支援装備に加え運用支援、保守管理、訓練用の機器も含まれる。
  4. 「P-8Aポセイドンに加えニュージーランド空軍(RNZAF)は川崎P-1およびSaabのソードフィッシュも検討中といわれていた」とJane’s Defence Weeklyは伝えていた。
  5. 正式要請は来年発出され、2020年代初頭の引き渡しになる。
  6. P-8を運用中なのは米国、インド、オーストラリアの各国で、英国とノルウェーが導入契約を締結している。■

2016年12月14日水曜日

ヘッドラインニュース 12月14日(水)


12月14日のヘッドライン

筆者が注目する記事の要約を掲載しています。時差・掲載時間の関係でその後進展した内容と食い違うことがあります。


トランプのF-35発言でロッキード株価が急落
12月12日の取引開始前にロッキード・マーティン株価は一日で3%と大きな下げ幅を示した。トランプは前週のボーイング次期大統領専用機に続き、F-35事業への疑問を公言している。
(トランプ発言によるF-35事業への影響の分析は別途記事を参照してください。)

上院が大統領選へのロシア関与を調査
ロシアがトランプ当選を狙い選挙を操作下との嫌疑で上院は超党派対応で調査を開始するが、トランプには共和党議員との初の対立になる可能性がある。これはその疑いを報告したCIAを受けての調査となる。トランプ側は強く反発しており、議会共和党議員と対立すれば閣僚人事承認にも影響が出る可能性が出てきた。


ノルウェーがP-8導入へ 5機調達
総額11.5億ドルでP-8Aを5機導入し、P-3Cの後継機とする。オライオンを運用中の国は17カ国あり、今後P-8への切り替えを米海軍、ロッキードは期待している。

インドネシアがSu-35導入を検討中
インドネシア空軍はF-5E後継機としてフランカーEを候補としている。ロシアとは価格面が交渉の難題になっているとの現地報道がある。インドネシアはロシア製機材運用の経験が豊か。完成機導入後に部員の現地生産も視野に入るだろう。


2016年6月7日火曜日

★米海軍がP-8をシンガポールから運用する意味



P-8の機内の様子など初めてわかる内容もありますが、そうですかP-3Cは乗員には優しくない機体だったのですね。ゼロから作ったP-8Aですが、わがP-1はどうなのでしょうか。そのうちに機内の様子などわかってくるとは思いますが、海外へのアピールをもう少ししたほうがいいのではないでしょうかね。それにしても中国は大変ですね。周囲に味方が皆無でこんな高性能機に見張られていては。

The P-8, Singapore & South China Sea Strategy

By SYDNEY J. FREEDBERG JR.on June 06, 2016 at 4:01 AM

Sydney J. Freedberg Jr. photo
Singaporean Defense Minister Ng Eng Hen and US Defense Secretary Ash Carter pose in front of a US Navy P-8 Poseidon operating from Singapore.
OVER THE MALACCA STRAIT: アシュ・カーター国防長官はシンガポール国防相ン・エン・ヘンともにシャングリラ対話開会前に中国へ鋭く明瞭な声明を出した後、米軍が誇る対潜哨戒監視機P-8ポセイドンに乗り込んだ。
「この機はどんな感じなの」と長官がP-8搭乗員に尋ねるとトリー・プラム中尉は「大好きです」と答えた。
Sydney J. Freedberg Jr.
米海軍トリー・プラット中尉がアシュトン・カーター国防長官、ン・エン・ヘンシンガポール国防相を自らが機長をつとめるP-8に迎え入れた。
ボーイング製の同機に夢中なのはプラム中尉だけではない。米、オーストラリア、英国、インドの各軍に共通した受け止め方で各国が同機を配備しようとしている。
米海軍の最新鋭機P-8が真っ先に太平洋に配備されたのはとかく疑念を持たれる「アジア再バランス」が本物だとの証拠だと国防関係者や海軍上層部はいう。
国防戦略の担当者にとってはP-8がシンガポールを基地にしていることは興奮を呼ぶ事実だ。同国は昨年9月に同機の常駐を受け入れた。シンガポールに恒久的な米軍基地はないが、この事例はアジアにおける米国の新しい同盟関係のモデルになっている。世界有数の海洋ハブから最新鋭海上哨戒機が展開するのは中国にはうれしい話ではないだろう。
シンガポールから運用することの意味
まず地理だ。この地域は「スーパータンカーのスーパーハイウェイだ」とカーター長官はシンガポールへ向かう機内で報道陣に語った。
P-8体験飛行を終えてから「マラッカ海峡上空を飛行しましたがいつ見ても奇跡のような場所です。国際海上通行の混雑度、あらゆる国の船籍、すべての主発港、仕向け地と、まさしくグローバルコモンズの生きた証明であり、これこそ軍が守ろうとしていることです」
「シンガポールと比較できる国も立地条件も世界に存在しません」と長官はフライトの後でパヤ・レバ空軍基地で記者団に語った。
シンガポールはマレー半島先端で戦略的な位置にあり、マラッカ海峡につながり、同海峡を通り原油その他経済活動に不可欠な物資が韓国、日本、中国に輸送されている。逆に製品が今後は西方へ運ばれる交通の要所だ。
P-8配備は「この海域の重要性への共通認識のあらわれ」とン国防相がカーター長官の隣で発言している。「13百万バレルの原油が輸送されているのはホルムズ海峡に次ぐ規模。不安定要因が発生すればASEAN各国のみならず世界規模で経済活動が影響を受けます」
ロイドが海賊活動を理由に同海峡通過の保険料を数年前に引き上げが域内各国は2005年シャングリラ対話で海賊撲滅で合意し、米国など外部関連国が支援を約束した結果、共同パトロールが海空で始まり、保険料の高止まりは解消したとン国防相は説明している。
各国協力で海上通商の安全を守ればすべての国の利益につながるのであり、中国も例外ではない。「特定国だけが対象ではなく、むしろ中国も含めすべての国が対象なのです」とカーター長官は述べた。
だが作戦運用で問題がないわけではない。通過するのはタンカー、貨物船、漁船以外に中国の軍艦、潜水艦もある。海南島の軍事施設が出発地で、同時に中国の南シナ海進出の本拠地であり、人工島は海南の外縁部となる。そこで海南島の諸施設は中国が何としても秘密を守りたい対象で米軍が接近するたびに迎撃含め何らかの反対行動をとってくる。特にP-8のような長距離監視偵察機に敏感に反応する。
Navy photo
2014年8月に海南島沖合でP-8ポセイドン偵察機に嫌がらせをする中国海軍のJ-11戦闘機。
P-8の機内様子他
「高性能偵察機が海南島付近に来るのは中国には気に障ることです」と解説するのはブライアン・クラーク(退役海軍中佐、海軍作戦部長の上級補佐官を務めたあと戦略予算評価センターで主任研究員)だ。シンガポールのような戦略地点から運用するP-8は「水上活動を監視記録でき、フィリピンやヴィエトナムといった中国の南シナ海進出に反対する勢力に対する行動の記録も例外ではありません。またP-8が海南島から展開する中国潜水艦を監視していることにも懸念しているはずです」
P-8には対潜戦(ASW)能力もあり、浮上式ソナー(ソノブイ)を投では1960年代のP-3Cオライオンと比較すると二倍以上を投下できる。誘導式魚雷も運用する。現時点でソナー信号のプロセッサはP-3と同型式だが今後アップグレードし性能を引き上げ潜水艦探知能力は向上する。また水上艦探知能力も向上しており、ハープーンミサイルで攻撃も可能だ。
さらにP-8は高性能電子センサー類が搭載できるとクラークは指摘する。レーダー基地の位置を突き止め、無線交信を傍受すると、従来のEP-3の性能をしのぐ。中国がEP-3を海南島沖合で迎撃して戦闘機と空中衝突したことがあったが、EP-8としてシンガポールから飛来するのを中国が気持ちよく思うはずがない。
P-3やEP-3がシンガポールから飛来しても中国はここまで憂慮しないだろう。プロペラ推進の両機は空中給油を受けられないが、P-8は可能だ。速度と飛行距離からP-8は広い地域をカバーでき迅速に行動できる。高性能センサー類がすべてを探知できる。また新型機のため整備時間は短くその分飛行時間を多く確保できるのだ。
Sydney J. Freedberg Jr.
カーター長官とン国防相がP-8機内のセンサー操作員の仕事ぶりを視察した。
乗員の受け止め方
プラム中尉は記者に「P-3と比べてずっと新しい機材です」と離陸前に手短に取材に答えてくれた。パイロットとして中尉は「完全グラスコックピット」のデジタル表示の利点を挙げ、「飛行計器が全面的に新しくなり、今までなかった状況認識手段がつき、航空路の状況や気象状況がよくわかります」
「オートパイロット機能もあるね」とマーク・バーデン中尉(戦術調整士官(TACCO))が口を開いた。TACCOは機内のセンサー操作員を取りまとめる。
「そうね、オートパイロットはP-3でもあったけどうまく機能していなかった」とプラム中尉も述べた。
「機内で後ろから見ているとソフトウェアのインターフェイスがセンサーすべてで改良されていますね。無線装置がたくさん搭載されており、各システムの作動で正確度が上がっていると思います」(バーデン中尉)
「P-3も高性能でした」とバーデンは急いで付け加えた。「でもインターフェイスはここまでよくなかったですね。なんといってもP-3は1960年代のアナログ機で40年間にわたりアップグレードを重ねましたが、P-8は思い切って新しくスタートした全面デジタル機です」
「搭載機材の多くが前と同じで性能でもよく似ています」とバーデン中尉は述べるが、P-3の旧式装備は機内スペースをたくさん必要とし、操作員はかがみこむように対応していた。対照的にデジタル技術の恩恵でP-8機内はすっきりしており、乱雑ではない。センサー操作員とTACCOは一列に座り、高解像度の画像を共有したりメモの交換が簡単になった。
「替わってくれるかな」と操作員の一人が隣の同僚に気軽に頼み、センサー操作を任せてカーター長官、ン国防相への説明に専念した。P-3では機内配置の関係でここまで簡単にはいかなかっただろう。
P-3では乗り心地が悪く乗員がよく嘔吐する悪評があった。P-8はこれがない。「滑らかな飛行をしてくれます」とプラム中尉。確かに民間で多用される737が原型だ。「乗り心地が良くてずっと静かです」
結語
滑らかで静か。これこそシンガポールがP-8配備で望むことで、中国を怒らせることは避けたいのだ。「米国のプレゼンスは過去70年間にわたり安定の条件となってきた」とン国防相は述べている。「同時に状況の変化も認識している。中国が国力を伸ばし、われわれはこれがゼロサムゲームではないと理解している。封じ込めるかどうかの問題ではないのだ」
とはいえ南シナ海で緊張が高まる中でP-8は状況が円滑さを欠けば本領を発揮する機材だ。■
Sydney J. Freedberg Jr.
飛行後にクルーに感謝するアシュトン・カーター国防長官。左端はペンタゴン報道官ピーター・クック。


2016年5月11日水曜日

★P-8Aの性能がさらに発展中...空中給油に新型センサー、高高度ASW作戦構想



写真を見ると737-800が大きな機体であるのがよくわかりますね。あるいはKC-135≒B707が小さな機体だったのでしょうか。哨戒機に空中給油というのもにくいですね。高高度攻撃構想というのは従来の哨戒機=低空飛行という概念を変える作戦構想なのでしょうか。詳しい方ご説明お願いできませんか。

P-8A Tests Aerial Refueling, Readies For ASW Shakeouts

May 9, 2016 Michael Fabey | Aerospace Daily & Defense Report
U.S. Navy
JACKSONVILLE, Florida – P-8Aポセイドンの空中給油テストが始まっており、マルティスタティックアクティブコーヒアレント(MAC)潜水艦探知システムおよび高高度ASW兵装コンセプトに基づくMk.54魚雷と高高度センサー改修のテストを控えている。
  1. 「エドワーズ空軍基地に一機を配置しています」とトニー・ロッシ米海軍大佐が4月に述べていた。「現地で空軍のKC-135を使い空中給油をテストしています。これまで9フライトをこなしています。テストは順調で一回で1万ガロンを給油しています」
  2. 米海軍は得られたデータでP-8Aの飛行特性を正確に再現した空中給油練習装置を用意する。
  3. MACでは初回の技術変更提案内容が本日発表されており、技術開発テスト結果を反映している。MACは2015年の夏から冬にかけて各機に搭載されていた。「現在は訓練用途で飛行時に使っています」とロッシ大佐は述べた。
  4. MACのECP2が現在開発テスト中だが「今年夏に実用化の見込み」と大佐は述べた。
  5. ここまでMACテストは予定通り進行している。複雑な問題だとロッシ大佐は表現している。「操作員の作業量を信号処理能力で軽減したいのです。相当のエネルギーを海中に放射して返ってくる数千通りの反応から魚や岩礁と潜水艦を区別します。そこで操作員の負担を減らすのが主眼です」
  6. もうひとつテストで困難な点に潜水艦の確保があるとロッシ大佐は言う。作戦を意識したテストは六か月の予定だ。「これには『目標』の捕捉能力に左右されます。つまり想定する海の状況で正しく潜水艦を見つけねばなりません。日程はすべて潜水艦をうまく調達できるか次第です。潜水艦はあちこちで需要が高い存在です」
  7. マーク54魚雷については「高高度でのASWテストを一部実施中です」とし、別部門で開発中の兵装があり、ポセイドン各機への搭載前の統合テスト中という。その一環でまず安全に機体から投下できるかのテストを今年夏の終わりごろに行うと大佐は述べた。■


2013年5月25日土曜日

順調に進んでいるP-8開発は本格生産体制へ

P-8 Entering Production Phase

By Guy Norris

Source: Aviation Week & Space Technology
 
aviationweek.com May 20, 2013
Credit: U.S. Navy
Guy Norris Los Angeles

P-8I初号機のインド引渡しが5月15日にあり、初期作戦能力テスト評価が完了したばかりだが、米海軍向けのP-8Aはまもなく開発段階から量産段階に移る。
  1. 「シ ステム開発実証計画は98%完了して、残るは疲労試験だけです」とボーイングP-8事業開発部長イーガン・グリーンスタインEgan Greensteinは説明している。「低率初期生産(LRIP)第二段階で米海軍向け8機とインド海軍向け3機を今年中に生産します」
  2. 5 月はじめには6機がボーイングフィールドの同社装着点検施設Installation and Check Out (ICO) に合流した際は生産の好調さを如実に示していた。「月産1機という大規模に聞こえないかもしれませんが実際には相当の部品点数が動くんです」(グリーンス タイン) 今年後半にもフル生産の認可が下りると今後2年間は生産活動は多忙を極めるだろう。
  3. 海 軍は合計117機調達で現在の契約は24機の生産分で、今月後半に通産9号機を納入する。LRIP-2契約は2011年に交付されており、11機製作の三 番目の契約が2012年9月にボーイングに与えられている。2014年度は13機、15年度は16機を生産する。ボーイングフィールドのICO施設は年間 24機を取り扱うことが可能で海外向け機体や将来の派生型もここで扱うとグリーンスタインは言う。ただし、米海軍、インド海より導入規模が増えるとして も、同施設で作業を受ける機体数は上限より相当低い水準だ。
  4. イ ンドは今月に続き第3第4四半期に2機を受領する。インドの確定注文は8機でボーイングはオプションの4機も2013年末か2014年に受注できると楽観 視している。またオーストラリアが最低8機を2014年に発注すると期待している。全体では「最低でも60機」の海外向け販売予測を立てている。「現時点 で各国で15件の営業を展開中」(グリーンスタイン)
  5. こ のうちオーストラリアは米海軍と覚書を交わしP-8Aの性能向上-2型の共同開発を2009年に決めており、2012年9月に同様に-3型でも合意してい る。-2型の内容には音響データ処理能力を上げてマルチスタティック・アクティブ・コヒレントmulti-static active coherent (MAC)対潜戦闘(ASW) システムの導入を含む。
  6. こ のMACは技術変更提案engineering change proposals (ECPs)として二つに分けて導入される予定で、一回目のECP 1でP-3おラインオンをサポートしているTacMobile地上局とのインターフェースを改良する。ECP 2では深深度での性能を実現する。第二段階ではP-8Aに改良型ソノブイを搭載して高高度型ASWを実現する。同時に高高度ASW兵器能力high- altitude ASW weapon capability (Haawc) も搭載する。これはマーク54魚雷にGPS誘導飛行翼と尾翼をつけて高度30,000 ft.からの投下を可能とするもの。ボーイングは19.2百万ドルでHaawc上空投下型キットを開発する契約を今年4月に海軍から受けている。
  7. -2 型は初期作戦能力の獲得が2016年度初めの予定でその後三番目の改修で「常時ネット接続」のシステム構成でより柔軟なソフトウェア能力向上およびネット 利用による対水上戦兵装の整備を行う。-3型のIOC獲得は2020年度予定。2017年までに138百万ドルをかけてボーイングは技術解析を長距離探 知、高解像度監視レーダーのレイセオン製高性能空中センサーAdvanced Aerial Sensor (AAS)を対象に実施する。このAASは電子スキャン方式のアクティブレーダーでアンテナ長40フィートで機体下部のポッドに搭載する。
  8. P-8Aの第一線配備開始は予定通り2013年12月で第16哨戒飛行隊がフロリダ州ジャクソンビルから沖縄の嘉手納空軍基地に機材を派遣する。■

2012年3月24日土曜日

P-8A導入訓練の開始が近づく


Navy Readies For Training With First P-8A

aviationweek.com Mar 23, 2012

防衛装備調達で暗いニュースが続く中、米海軍のボーイングP-8Aポセイドン海洋哨戒機は開発日程、費用双方で概ね予定通り進展しているまれな例になっている。
  1. 同機は着実に飛行時間を稼いでおり、量産型の第一号機も3月5日にジャクソンビル海軍航空基地(フロリダ州)に引き渡され、部隊訓練の開始が迫っている。
  2. ペ ンタゴンの運用試験評価部長は2011年度報告書で同機の運用テストの遅延を危惧していたが、関係者は予定通りの進展だと自信を深めている。報告書ではソ フトウェア問題、飛行性能限界の確認の問題で初期運用テスト評価 (IOT&E)の6月予定が実行不能となる可能性を指摘していた。
  3. 「SDD(シ ステム開発実証)は95%完了したとボーイングは説明する。SDD契約では飛行試験用6機、地上試験用2機の生産をすることになっていた。そのうち飛行試 験用の最初の3機と量産型に近い形で運用試験に投入する2機がパタクセントリバー海軍航空基地(メリーランド州)に配備されている。このまま推移すれば IOT&Eは「6月から8月の間に」完了するという。
  4. 西海岸北部では着氷試験に一機が使用される。アラスカからネブラスカ州まで広範囲の気象条件での試験が進められており、主翼の兵装パイロンの強度が確認されている。.
  5. P-8A1号機T-1は耐空性能試験に使用されており、限界性能が引き上げられ、従来のバック角上限48度が見直される。対潜水艦作戦では53度が必要となる場合があるので、同機の性能限界もそれに呼応して確認される予定ですでに作業が進展している。
  6. テ スト部隊は同時にシステムソフトウェアの問題を解決しつつある。各問題は優先度1ないし2に分類されており、1はミッション上不可欠な能力の実施に支障を 与えるもの、2はミッション実施に支障となり、かつ機内では解決不可能なもの、という定義だ。ソフトウェアに起因してミッションシステムに音響システムな ど不可欠な機能で要求水準をまだ満たしていないものがある、という。ただし、ソフトウェア問題の9割以上が解決済みだとしている。
  7. 一 方、静止試験用機のS-1は2011年早期に評価完了し、S-2疲労試験用機材は今年第四4半期に試験開始する。S-1は火災試験に使用されたあと、高性 能機載センサー (AAS) 開発にも使用される予定。これはレイセオン製のレーダーでP-8A用にAPS-149沿海部監視レーダーシステムの後継機種として開発が進んでいるもの。
  8. た だし先のペンタゴン報告書では海軍がAASのS-1問題の解決を優先する判断に懸念を表明しており、量産段階前に実弾発射試験を完了できなくなるリスクが あるとする。これに対し、ボーイングは懸念はあたらないとし、S-1を分解中で今年後半の実弾発射試験に備えているという。
  9. 初 期低率生産13機のP-8Aの第二号機がミッションシステムの搭載をボーイングフィールドで実施中で、今年中頃に縮小渡される。P-8A用統合訓練セン ターがジャクソンビル海軍航空基地に開設されるのにあわせ実戦想定の飛行・ウェポン戦術訓練機が納入される。予算規模縮小の中、海軍は依然として合計 117機のP-8Aを取得し、P-3オライオンと交代させる意向で、IOT&Eを今年中頃に開始し、部隊配備を2013年に開始する予定だ。

2010年8月9日月曜日

P-8Aポセイドンの飛行テストは順調に進んでいます

Third P-8A Poseidon Enters Flight Testing

aviationweek.com Aug 3, 2010    
ボーイングP-8Aポセイドンの三号機T3が7月29日シアトルで初飛行を完了し、現在パタクセントリバー海軍基地(メアリーランド州)への移送準備中だ。
  1. T3はミッションシステムと兵装認定用の機体で同基地でテストに従事している先行2機に合流する。初飛行ではボーイングと海軍のテストパイロットが同乗し、エンジン加速減速、自動操縦、補助動力、エンジン停止・再始動等の飛行チェックを行った。
  2. T3 は海軍システム開発実証契約(SDD)でボーイングが2004年受注したフライトテスト用機材6機のひとつ。一号機T1は滞空性証明用で2009年10月 からフライトテストを開始している。T2は主にミッションシステムのテスト用ですでに50時間のフライトテスト時間を計上している。SDDによりさらに3 機が製作中。
  3. T4が生産型と同じ内容でレントン工場で最終組み立てに入っている。
  4. 完成すると、ボーイング商用機からボーイング防衛システムズに引き渡される。T5とT6はスピリットエアロシステムズで胴体部分が製作中でこのうちT5は今月末にレントン工場に納品される。
  5. T4、T5、T6はパックスで初期運行テストと評価に使用される。静止テスト用のS1ではボーイングは110通りの試験条件で実施しており、S2を使ってライフサイクルのシミュレーションテストを2011年はじめに開始する予定。
  6. 米 海軍が予定するP-8Aの調達合計は117機で、対潜任務、対水上艦任務、情報収集、監視偵察でP-3と交代する。初期作戦能力獲得は2013年となる見 込み。ボーイングはP-8Iの初号機組み立ての準備に入っており、合計8機をインド海軍向けに生産する。これを機会にP-3を運行している各国、とくに オーストラリアへの売り込みを図る。■

2009年8月4日火曜日

順調に進むP-8Aポセイドンの開発


U.S. Navy To Buy More P-8A Test Aircraft
aviationweek.com 7月31日


米海軍はボーイングP-8Aポセイドン洋上パトロール機を三機追加購入し、運用テストと機体評価に使用する。追加機体は基本契約分5機(飛行テスト用3機と地上テスト用2機)に上乗せされる初の追加発注。P-8Aの初期作戦能力獲得は2013年末の予定で、海軍航空部隊への完全投入は2018年となる。「P-3からP-8への機種変換に6ヶ月を見込んでいますが、P-3の残存寿命は2018年までの完全変換の実施には十分なものです」(海軍のパトロール・偵察部門責任長ビル・モラン少将) 海軍は最大117機のP-8Aが必要と書面で表明しており、これは当初の108機から増加しているが、現用中のP-3の合計数は164機である。モラン少将はP-8Aのロールアウト式典がワシントン州レントン工場で行われた際に発言したもの。同工場で飛行テスト用機体三号機T-3もお披露目された。これに先立つT-1とT-2の二機はボーイングフィールドに移動ずみで、テスト機材および初期段階のミッション用機材の積載が進行中。初飛行は「来月ごろ」になると同機開発計画の主査マイク・モラン大佐は話す。テスト用機材には静止試験用のS-1と疲労試験用S-2があり、後者の胴体組立がカンザス州ウィチタのスプリント・エアロシステムで進行中である。

T-3はレントンからボーイングフィールド(シアトル)まで9月に「丘を越える飛行」をする予定で、2010年にパタクセントリバー海軍航空基地(メアリーランド州)に移動しさらにテストを続ける。T-2も2010年にパタクセントリバー基地に移動するがその前に西海岸で二ヶ月のテストを完了する。

P-8Aは737-800型の胴体構造を強化して、主翼は-900型の設計を基礎に補強され手いる。胴体後部には兵器庫があるのが特徴。また、主翼下部には兵器搭載部分がとりつけられ、ウィングレットにかわり主翼には角度がつけられている。

2009年5月7日木曜日

P-8Aポセイドンの開発状況



Australia To Help Upgrade P-8A Poseidon

Aviationweek.com 5月6日

【オーストラリア国防省の期待】 オーストラリアはボーイングP-8Aポセイドン海上哨戒機購入の第一歩としてアメリカとの協定に基づき同機の改修作業に参画する。先週発表のオーストラリアの国防白書では空軍所属のP-3Cオライオンの後継機として有人機合計8機(ポセイドンが想定)および最大7機の大型無人機(ノースロップ・グラマンRQ-4グローバルホークを想定)を導入する計画。P-8A改修の第一段階スパイラルワンに加わることで同機の情報を入手でき、オーストラリア産業界にも機会が生まれる。また、P-8A改修に同国の意見が反映される可能性が高まると期待。ただ、同国の負担金額は未発表。同国のP-3Cの退役は2018年の予定。

【2号機】 一方、米海軍向けP-8A二号機T-2はボーイングのレントン工場(ワシントン州)で完成に近づいており、隣接するボーイングフィールドへのフェリーフライトが予定されている。同機はミッションシステムの試験に供され、一号機T-1は4月25日に3時間31分の初飛行に成功しており、二号機とともに海軍のテストプログラムに2010年の第一四半期に加わる予定。T-1は現在ボーイングフィールドでシステム艤装中。

【海軍におけるテスト予定】 T-1がフライトテストを開始するのは9月ごろの予定で、その後三号機T-3も加わり、シアトルを数ヶ月間は拠点とする。これは海軍がボーイングのフライトテスト実施能力をより多く利用してからパタクセントリバー海軍航空基地(メリーランド州)で引渡しを受ける方針にしたため。T-3は兵装システムのテスト機材となり同機の胴体部分はスピリットエアロシステムズ(カンザス州ウィチタ)よりレントンに今月到着の予定。
【構造上の特色】 P-8Aは737-800の胴体部分・尾翼を補強したもの以外にストレッチ型-900の主翼を強化して使う。胴体下部に兵装庫がある。また主翼下部に兵装装着部分があり、主翼の先端はウィングレットではなく、熊手状に傾斜角がついている。

コメント:前段はオーストラリアのかかわり方についてですが、記事の後半の方が情報量が多くなっていますので、オリジナルの表題はふさわしくありません。Aviationweek電子版では記事がよく表題と中身がつりあっていないのでちょっと注意が必要ですね。それにしてもP-8Aは就役期間を通じて改良を重ねていくというのが基本設計思想のようです。わがP-1はどうなのでしょうか。