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2022年8月23日火曜日

戦場を一変させる滞空兵器「徘徊弾」はここまで進歩している。

  

ND photo-illustration with Elbit Systems, iStock images

 

 

6月にパリで開催された国際武器見本市ユーロサトリ(Eurosatory)で、軍が必要とする滞空兵器がワンストップで購入できる場所はホール6のアイルFのブースだ。

 

 

Uvisionブースでは、カミカゼドローンと呼ばれる6種類のサイズの無人機と、コントローラーやトレーニングシステムなどのアクセサリーが勢ぞろいしていた。

 

また、ブースの天井にはクアッドコプター無人機が吊り下げられていた。

 

弾頭を搭載した垂直離着陸型無人機を見たことがない記者は「あれも徘徊弾ですか」と同社担当者に質問した。

 

 「いや、監視用です」と担当者は言った。

 

 「でも、武装は可能なんですよね?」

 

 「何でも可能です」。

 

ウクライナで同様の兵器が、まさにこの展示会の週に、ロシアからの侵略者に対抗するため配備されたようだ。

 

ドローンは、第二次世界大戦の戦術に根ざしている。基本技術は趣味用に開発されたもので、その進化はイラクでテロリストが即席爆弾を使用して拍車がかかった。

 

ナショナル・ディフェンスは2009年のIDEXで、東欧業者が作った最初の「非改造型」飛行弾を発見した。

 

それから十数年、この技術は防衛関連の展示会、戦場双方で拡散している。ユーロサトリには世界中の業者が集まり、最新の「徘徊弾」技術を展示していた。「徘徊弾」は、その名の通り、潜在的な標的を見つけるまで偵察用プラットフォームとして飛行する。ただし、爆発物は必ずしも必要ではない。

 

Elbit Systemsのマーケティング・ビジネス開発ディレクターYaniv Ben-Itzhakは、同社の中型ドローンスカイすtライカーSkyStrikerが時速200kmで戦術車両に激突し、爆発物を使用せず真っ二つにするビデオを見せてくれた。

 

「単なるデモンストレーション」として「弾頭は安全上の理由から取り外された」という。

 

イスラエルに本拠を置く同社は、モバイル・ロケット・ランチャーとスカイストライカーの相乗効果を狙い、オペレーターがどちらかを選択し、同じ筒から発射できるようにすることを目指している。

 

スカイストライカーの射程は約400km。高解像度のターゲットシーカーカメラと5キログラムの弾頭を誇る。

 

また、他の偵察用弾薬と同様に、偵察用プラットフォームとしての役割もある。ロケット弾を使いたい場合は、標的情報をモバイル・プラットフォームに送り返す。ターゲットが決まらない場合は、自律的に基地に戻り、パラシュートで地上に降り、再使用する。

 

このような戦術はウクライナでロシアの戦闘車両に対して使われているが、軍事アナリストがこのハイブリッド兵器に本当に注目したのは、2021年9月のアルメニアとアゼルバイジャンのナゴルノ・カラバフ紛争時だと、スペインでUvision無人機を販売するマドリッドの防衛契約企業SDLEのロボット・自律システム部部長ホルヘ・デ・レオン・リヴァスは言う。

 

スペイン軍予備役中佐でもあるリヴァスは、「戦場が変化した」と語る。

 

アゼルバイジャンは、アルメニアの戦車数百台を破壊する徘徊弾を効果的に配備した。「戦争の分かれ目になった」(リヴァス)。紛争中のニュースによると、無人偵察機はイスラエル製とトルコ製だという。

 

リヴァスにとって、弾薬がうろつくことの利点は明白だ。ミサイルは発射された瞬間に「捨てられる」。標的に当たるかもしれないし、不必要な死者を出す巻き添え被害が出るかもしれない。

 

その点、徘徊弾を使うオペレーターは、選択的に攻撃でき、最後の瞬間に民間人を発見すれば、攻撃を中止することさえできる。

 

「本当に必要なものだけ攻撃し、無駄に人を殺すことはない」(リヴァス)。

 

また、小型のものは音が静かで、防空施設に発見されにくいとも言われる。

 

リヴァスによると、米海兵隊は徘徊弾の戦術、技術、手順の開発でさらに先を行っているという。

 

米軍、そして今回のウクライナでは、AeroVironmentの「Switchblade」徘徊弾が使用されている。ユーロサトリで同社が営業したのは、射程10キロ、耐久時間15分の2.5キログラムのドローン「スイッチブレード300」と、射程40キロメートル以上、耐久時間40分以上の54キログラムの「600」モデルだ。いずれも地上に置かれた迫撃砲のような筒から発射される。

 

トルコのRocketsanも同展示会で、「スマート・マイクロ弾」のMAMシリーズの一部として、新しい武装ドローンを紹介したと、同社の特別エンジニア、Furkan Zeki Ayhanは述べている。

 

MAM-Tは95キログラムの固定翼機で、の射程距離は30数キロメートル。2016年登場したMAM-CとMAM-Lは、各8キロメートルと15キロメートルの射程を有する。

 

Rocketsanの3機種は中型ドローンや軽攻撃機から発射する設計だ。

 

ユーロサトリに来場したある潜在顧客は、同社製品の有用性を高く評価していると話している。

 

フランス軍司令部の計画責任者であるアモー・グジョンArnaud Goujon大佐は、同軍が徘徊弾を今年後半に調達する検討中と述べた。

 

「迫撃砲や砲弾と違うものが必要だ」とグジョン大佐は言う。「約3キロ先まで15分間飛ぶ迫撃砲の弾と同じ値段なら面白い」。同じ射程距離の迫撃砲や砲弾の10倍の値段なら、興味はない。30キロや50キロを飛んで、2〜4時間耐えられるなら、「それこそ別物だ」という。

 

グジョン大佐は、フランス軍はスイッチブレード小型版の調達から始めると示唆した。

 

シンクタンクNew America主任研究員で、ロボット工学と戦争に関する著者ピーター・W・シンガーPeter W. Singerは、近い将来、戦場の上空そして海上に、うろつく軍需品を含め、これまで以上に多くのドローンが登場すると述べている。

 

「未来の戦場は、文字通り弾薬で埋め尽くされた空域となる」と付け加えた。

 

Uvisionのブースでは、同社会長ヤイル・ラマティYair Ramatiが、同社技術を「戦場のゲームチェンジャー」と称し、恥ずかしげもなく語っていた。

 

同社は、キャニスター発射装置付きで重量7.8キロ、航続距離15キロのHERO-30から、重量155キロ、レール発射式の航続距離200キロ以上のHERO-1250まで、6機種のシリーズを展開している。

 

イスラエルのティラに本社を構える同社は、ほぼすべての大陸、NATO諸国、海兵隊など米国の顧客にそのモデルを販売しているとし、ウクライナで、この技術が日々その価値を証明しているという。

 

ロシアの輸送船団への攻撃はその一例だ。ジャベリンなど対戦車ミサイルは、スイッチブレードなどの徘徊弾と同じぐらい宣伝されているが、こうしたミサイルは兵士が3〜5キロ離れた視線内に近づく必要があるとラマティは述べた。

 

「長さ20~30キロの輸送隊がどこにいるのか正確に分かっていても、(もしかしたら50キロかもしれない)それを攻撃するには、その近くにいなければならないのです」。

 

迫撃砲や間接砲を受けたときなど、攻撃したい目標があることは分かっていても、正確な位置が分からない場合に、徘徊弾は有効な武器になる。シーカー能力で、ターゲットを見つけることができる。

 

典型的なシナリオは、50〜100kmに及ぶ道路のどこかに車列があると情報部が知った場合だ。このような場合、安全距離を保ちつつ、標的を探すせる。

 

さらに正確さがある。「先頭の補給車両を狙うべきか?橋に着く前か、橋の上か、橋を渡った後か?」とラマティは尋ねた。

 

「だから、この種の兵器には今、ものすごい需要があるのです」とラマティは付け加えた。

 

訓練も問題だ。プレデターのような中高度・長時間飛行無人航空機の操縦を学ぶ際の6〜9カ月もかける必要がない。

 

Uvisionでは、数時間で飛行の習得を目指している、とラマティは言う。HEROシミュレーターを提供し、受講者の入門を促す。

 

ターゲットや弾頭の種類によって、高角度、中角度、低角度のどれで攻撃するかなど、時間をかけて学ぶべき細かいポイントがある、のだという。

 

また、同社はクアッドコプターの垂直離着陸徘徊弾は提供していないが、ユーロサトリのカンファレンスではブルガリアのソフィアに拠点を置くハデス・ディフェンスシステムズHades Defense Systemsが展示した「Spark vertical attack programable kamikaze quadcopter」は、秒速5メートルで上昇し、時速47キロで飛行し、航続距離7キロを有する。

 

同社は、静かなプロペラ、レーダーを回避する低反射面、アンチジャム機能をアピールしていた。また、フラグメンテーション弾頭を搭載している。

 

「正確な高度で目標上空に位置し、プロペラの向きを反転させ、速度を上げ(下降しながら)上空から攻撃する」と同社文書には書かれている。

 

ハデスのコマーシャル・ディレクター、マヤ・パンガロヴァは、同社は手打ち式徘徊弾以外にも大きな野心を持っていると語った。ジェット推進式カミカゼドローンも開発中だ。

 

「Nemesis Kamikaze Attack Jet Drone」は、社内の研究開発資金で開発中で、会社のファクトシートでしか見ることができない。

 

同社は、時速600キロで飛行し、地形マッピングと様々なアンチジャミング装置、レーダースポッティングシステムを使用し、発見されない想定としていると、同社文書にある。カタパルトで打ち上げ、航続距離は190km、最大高度4,500m、遠隔操作または自動操縦で飛行する予定だ。

 

同社は、2023年初めにアブダビで開催されるIDEX会議で展示できるよう実物を用意したい、とパンガロヴァは語った。

 

シンガーは、ハデスなどの企業が、民生用の無人機を初歩的な徘徊兵器に変えることができると信じて疑わない、と語った。

 

シンガーは、自らを爆弾に変えるジェットエンジン式のドローンについて、「浮遊弾薬と巡航ミサイルの間のあいまいな定義に入り込む」と述べた。

 

その軍事的有用性とともに、大量破壊兵器を運搬する可能性のあるミサイルの売買を防止する国際法についての疑問もある。

 

一方、徘徊弾の拡散に伴い、軍事戦略家が考えなければならない課題は多い。米軍が過去10年間に実施してきた主要な軍事計画とドローン戦の間に断絶がある、とシンガーは言う。

 

「米軍の目玉である主要な軍事プラットフォームにとって、大量の徘徊弾が存在する未来は何を意味するのだろうか。それは、陸、空、海にも言えることです。そういうつながりがまだ十分にできていないのです」。■

 

 

Loitering Munitions Proliferate As Tech Changes Battlefield

8/9/2022

By Stew Magnuson


2022年3月22日火曜日

米国がついにウクライナに無人機装備の供与を決定。ISR機能の拡充となれば地上部隊に有利な状況が生まれそう。

 


Pentagon Sends Drones to Ukraine


 

中高度を飛ぶグローバルホークや高高度のU-2など、ウクライナ軍に大きな効果をもたらす可能性のある作戦システムが多数ある。

 

イデン大統領は、国民向けテレビ演説の後で、ウクライナ向け8億ドル支援パッケージに署名し、あらたに無人機装備も含まれている。

 

 

無人機をここに来て供与する意味

 

今回は無人機が含まれたが、これまで国防総省や国家安全保障の指導層が言及したり強調してこなかったので、非常に重要だと思われる。

 米国製無人機の技術的洗練度を考えれば、ロシアの地上の動向を追跡し、地上にいるウクライナの防衛隊に重要なデータをネットワーク送信する能力に極めて重要な意味がありそうだ。

 大統領発表を受けて、ロイド・オースティン国防長官は声明を発表し、ウクライナへの米国の全体的な支援との関連で、新展開を発表した。

 「大統領が署名した2022年度ウクライナ補正予算を根拠とする追加権限により、米国防総省は第5回大統領令による安全保障支援を迅速に進めている」と述べた。オースティンは国防総省声明で、「本日の最大8億ドル相当の支援で、政権発足以来の米国の安全保障支援の総額は20億ドル以上となる」と述べた。

 総合支援パッケージは、弾薬、武器システム、肩撃ち防空迎撃ミサイルのほか、無人機も含む。

 無人機は、ウクライナ人がロシア軍の動きに関する重要な情報を得るまでの時間を短くすることで、実質的に貢献できる。例えば、キーウに迫るロシア攻撃部隊の動きをリアルタイムで伝えるデータがあれば、防衛拠点に分散するほぼ機動部隊が大きな恩恵を受ける可能性が高くなる。

 中高度を飛ぶRQ-4グローバルホーク、高高度のU-2、あるいはレイヴンのような近接市街戦に適した地上ユニット統合型手投げ式無人機など、ウクライナ地上軍に大きな価値をもたらす作戦システムが数多く存在する。

 小型無人機が地上部隊に組織的に配備され、ロシア防空網のレーダー圏内で活動すれば、ロシア軍を待ち伏せで殲滅を狙うウクライナ軍に重要な戦術的情報を提供するだろう。

 もちろん、ロシアの防空網がどこまで整備されているかという問題はあるが、地上の動きや熱源など、敵活動を検知できる超長距離センサーはますます充実している。

 また、無人機オペレーターは、機体が予測可能な経路をたどらないように、また防空レーダーや迎撃ミサイルの影響を受けにくい経路を進むように、戦術を調整できる。また、探知を回避する設計の中・高高度の無人機や、防空レーダーの開口部下で活動できる小型無人機も存在するようだ。

 合わせて、地上の指揮統制技術をウクライナに供与することも考えられる。戦闘の変化の速さを考えると、重要情報が地上の戦闘部隊に早く届けば届くほど、侵攻してくるロシア軍に対して成功を収める可能性が高くなる。■

 

Pentagon Sends Drones to Ukraine - Warrior Maven: Center for Military Modernization


KRIS OSBORN, WARRIOR MAVEN

MAR 17, 2022

 

 

Kris Osborn is the defense editor for the National Interest and President of Warrior Maven - the Center for Military Modernization. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University.


2018年1月12日金曜日

ボーイングCAVは短距離自律貨物機の新しい方向への第一歩

電動、自律運航がみそで、試作段階ですが技術がここまで来ているということでしょう。ボーイングの説明では概念設計から三か月で完成したということで、特注バッテリーの耐久時間等は公表されていませんが、将来は10-20マイルで500ポンド程度の貨物を運ぶ狙いがあるようです。小口運輸の需要があると見ている証拠ですね。各種技術を統合するところにボーイングの強みがあるのでしょう。

 

Unmanned cargo lifter deepens Boeing's push on autonomy

無人貨物VTOL機に見るボーイングの目指す自律飛行技術

Asset Image
Boeing
10 JANUARY, 2018 SOURCE: FLIGHTGLOBAL.COM
BY: STEPHEN TRIMBLE
WASHINGTON DC
CAV
ーイングが無人貨物輸送機 unmanned cargo air vehicle(CAV)の試作機を1月10日公開した。500ポンド(227キログラム)までのペイロードを搭載する同機はボーイングが自律運送需要への対応を目指す戦略の表れだ。
CAVは電動で初飛行をボーイング技術研究部門内の協調自律システムズ研究室のあるミズーリ州で行ったと同社が発表。
CAVは電動垂直離着陸(eVTOL) 試作機としてボーイングがこの度買収したオーロラフライトサイエンシズが進める技術の一部となる。また同社のヴェンチャー部門ボーイング・ホライゾンXによる投資から生まれた自律ソフトウェアも利用しており、テキサスのSparkCognitionによる人工知能、ペンシルヴァニアのNear Earth Autonomyによる自律航法技術、シアトルのZunum Aeroの電動推進方式があり、オーララ技術も使う。
「この貨物無人機はボーイングのめざすeVTOL戦略の第一歩です」とボーイングの最高技術責任者グレッグ・ハイスロップ Greg Hyslopが語る。「空の旅、運輸の在り方を一変する機会となり後世はその一歩を踏み出した日として今日のことを記憶するでしょう」
自律型VTOL機は滑走路を使う無人機より難易度が高い。安全に飛行することに加え無人VTOL機は着陸地点に障害物がないことを確認する必要がある。
「無人機システムに安全性を組み込むのが肝要でこれではじめて可能性を発揮できます。ボーイングには他社の追随を許さない実績があり、規制の知見があり、システム対応でソリューションを提供し未来の自立飛行の実現に向かいます」(ボーイング・ホライゾンX副社長スティーヴ・ノードランド Steve Nordlund)
ボーイングとオーロラは自律貨物機開発に取り組み、最初はAH-6リトルバードヘリコプターの無人版から始めた。オーロラフライトサイエンシズも米海軍研究本部とともに自律空中貨物多用途システム(AACUS)開発に参加していた。■
今後が期待できますね。軍用に投入したら戦術輸送で空飛ぶジープのようになるのではないでしょうか。

2017年6月18日日曜日

THAAD陣地を撮影していた北朝鮮のUAVのカメラは....


韓国では毎度毎度のことなのかもしれませんが気になるのでお伝えします。まずJane's Defense Weeklyが簡潔に伝えています。

  
韓国で見つかった北朝鮮UAVにはカメラが付いていた。発見場所は韓国東部で軍事境界線近く。韓国国防部が6月12日に発表した。Source: South Korean MND

 

South Korea finds suspected North Korean UAV near border 

北朝鮮付近の地点で韓国が北朝鮮所属と疑われるUAVを発見

 Gabriel Dominguez, London - IHS Jane's Defence Weekly
13 June 2017


  1. 韓国内で北朝鮮のものと思われるカメラを搭載した無人機(UAV)が北朝鮮国境に近い東海岸で見つかったと韓国国防省が6月12日発表した。
  2. 韓国統合参謀本部(JCS)によればUAVの大きさは全長1.8メートル、翼幅2.4メートルで江原道インジェ山中で発見された。2014年に韓国が占拠する黄海白ニョン島で見つかったUAVと類似している。
  3. 「白ニョン島で見つかったUAVにもカメラがついていた。今回の機体のカメラと同種類か分析中だ」とJCSは説明し、解析に約10日かかるという。
  4. 聯合通信はインジェ地元住民から「小型飛行物体」を発見したと連絡があり、軍関係者が現地入りしていたと6月9日に報じていた
  5. 今回のUAVをレーダー探知できていたかは不明。■

ちょっと淡泊な伝え方ですね。今度はDefense Newsを見てみましょう。

Suspected North Korean drone photographed US missile defense site

北朝鮮無人機は米ミサイル防衛陣地を撮影していた

 By: Hyung-jin Kim, The Associated Press, June 13, 2017 (Photo Credit: South Korean Defense Ministry via AP)

SEOUL, South Korea — 北朝鮮所属と疑われる無人機が韓国国内で見つかったが、墜落前に米ミサイル防衛装備を撮影していたと韓国国防部が発表した。
  1. 今回の発見は北朝鮮が対艦ミサイル4発を発射してから4日後のことで新大統領文在寅の北朝鮮対策を一層複雑化している。
  2. 無人機がみつかったのは軍事境界線近くの地点で調査チームは機体ないでソニー製カメラに数百枚の写真を見つけた。
  3. うち10枚が南東部星州に展開中の米THAADミサイル発射装置とレーダー装備だった。残りは住宅地や農耕地と機微情報と言えない対象だった。
  4. 無人機は北朝鮮に戻る前に燃料切れで墜落したようだ。解析をさらに進め、THAAD陣地を撮影した10枚が送信されたかも調べる。
  5. 北朝鮮は無人機に力を入れていると韓国は注目し、北朝鮮軍には無人機300機近くがあるという。2014年には北朝鮮無人機数機が韓国内で見つかっている。専門家によれば機体はローテクだが安全保障上の脅威になる可能性は排除できないという。
  6. これに対し今回見つかった無人機は双発エンジンで前回見つかった単発エンジン機より航続距離も長いと韓国国防省は指摘。北朝鮮が無人機部隊の戦力向上を図っていることが分かる。
  7. 2014年に見つかった無人機にも日本製カメラが搭載されており、韓国大統領官邸青瓦台他を撮影していたと韓国は説明。ただし調査の結果、画像はリアルタイムで送信していないと判明した。
  8. 一方で韓国軍によれば北朝鮮兵士一名が地雷原を徒歩で縦断し亡命してきた。韓国統合参謀本部の発表では亡命の動機を尋問中。■
気を抜くことができない韓国内の緊張状態は大変ですね。それだけに韓国内にとりたてて緊張感がないと伝わると日本では理解しにくいのです。一方で韓国の学校で朝鮮戦争は日本を相手に戦って韓国が勝利したとの誤った教育を本当にしているのなら将来が心配ですね。SONYのカメラなど生々しい内容は日本では報道していないのでは。


2017年6月10日土曜日

ISIS戦は新たな局面に入ったのか、無人機から攻撃を受けた米軍特殊部隊


イラク、シリアでは敵対勢力が空軍力を持たない前提で作戦を実施した来たため今回の無人機襲撃事例はショックでしょう。無人機を有効に活用すれば効果を上げるのも可能だと示しています。さらに無人機の製造元がイランであり、イランへの警戒をあらためて強める効果も生まれそうです。


U.S. F-15E Downs Iranian-Built Syrian Drone After Airstrike on U.S. Led Forces 米F-15Eがシリア無人機を撃墜したが、イラン製無人機は米軍主導の地上部隊を空爆していた

By Tom Demerly Jun 09 2017

 

  1. ストライクイーグルがシリアの無人機を撃墜したがその前に同無人機は反アサド地上部隊を攻撃していた。ストライクイーグルの撃墜例は湾岸戦争終結後二件目になった。
  2. 反アサド勢力のシリア軍を補佐中の米特殊部隊軍事顧問団がシリア政府に近い勢力が操作するイラン製シャヘド129型無人機の攻撃を受けた。6月8日に発生したと米陸軍が発表した。
  3. これに対し米空軍F-15Eストライクイーグルが同無人機を撃墜した。
  4. 現場はアル-タンフ、シリア南部でヨルダン国境に近い地点。アル-タンフには前線基地があり英米特殊部隊がISISに対抗するシリアゲリラ部隊マガウィル-アル-タウラ(「革命戦士部隊」)を援助している。同部隊はシリア地元の特殊作戦部隊で連合国勢力から訓練支援を受けながらアサド政権を相手に戦っている。
  5. 米軍はF-15Eストライクイーグル一機に無人機の探知撃破を命じた。米軍が敵対勢力による攻撃を空から受けるのはほぼ20年ではじめてで、ストライクイーグルが空対空戦で撃墜したのは1991年にイラクの武装ヘリコプターの撃墜事例以来二件目となった。
  6. 不朽の決意作戦の統合共同タスクフォース広報官ライアン・ディロン米陸軍大佐によればアサド政権所属の無人機が米顧問団とシリア革命戦隊を攻撃したが「連合軍部隊に被害は発生していない」
  7. 「政権側のUAVは米MQ-1プレデターに類似し、米空軍機が撃墜する前に搭載兵装の一部をISISに対抗する地上部隊の訓練支援にあたる連合軍人員の近くに投下した」との声明文を発表。「今回の撃墜の前に同日には連合軍が政権側テクニカル車両二台を破壊している。車両は武装衝突回避地帯内部に侵入し連合軍・提携勢力部隊の脅威となっていた」
  1. ペンタゴン担当記者タラ・コップは米軍機が無人機を撃墜したとツィッターで真っ先に報じた一人である。
  2. アル-タンフ周辺の34マイルにわたる地帯は「武装衝突回避地帯」として連合軍が設定している。緩衝地帯とし英米が支援する反アサド部隊の安全を図るのが目的だ。だが同地帯内部で事件数件が発生しており米軍による対応が必要とされてきた。6月6日火曜日には米海軍F/A-18ホーネットが爆弾四発を投下し推定10名の親アサド勢力戦闘員が死亡し、車両数台を破壊している。
  3. 親アサド勢力がイラン製シャヘド129無人機を近辺から操作した可能性がある。
  4. 注目されるのは、同地域での米陸上部隊がはじめて航空攻撃を受けたことだ。イラン製シャヘド129はヒズボラも2012年にイスラエル戦に投入している。イスラエルも無人機を撃墜していたが、テロ集団の運用能力が危険なエスカレーションをしたことが話題になっていた。■
イラン製シャヘド129武装無人機 (Iranian News Media)