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2025年12月3日水曜日

日本のF-15J「スーパーインターセプター」戦闘機が中国に伝えるメッセージ(19fortyfive)

 日本のF-15J「スーパーインターセプター」戦闘機が中国に伝えるメッセージ(19fortyfive)

アイザック・サイツ

https://www.19fortyfive.com/2025/11/japans-f-15j-super-interceptor-fighter-has-a-message-for-chinas-big-air-force/

要点と概要 

 日本のF-15Jイーグルは、米国F-15Cのライセンス生産機で、1980年代初頭から航空自衛隊で防空の中核を担い、中国やロシアの航空機に数千回の緊急発進を行ってきた。

 三菱重工がライセンス生産したF-15Jは、イーグルの速度・航続距離・搭載能力を継承し、J-MSIP(日本型戦闘機近代化計画)を経て、現在はF-15JSI「日本スーパーインターセプター」計画で近代化されている。

新しい AESA レーダー、EPAWSS 電子戦システム、アップグレードされたミッションコンピュータ、JASSM-ER 巡航ミサイルにより、一部の F-15J は長距離攻撃および制空権確保のプラットフォームへと変貌し、2040 年代まで日本の F-35 および将来の第六世代戦闘機を補完する存在となる。

F-15J は日本の空軍で伝説的な存在になっている

F-15J は、日本がライセンス供与を受けたマクドネル・ダグラス F-15 イーグルの派生型である。

機体は基本型のF-15と同一であったが、米国は安全保障上の懸念から、ライセンス契約でエンジンと一部の航空電子機器を供与せず、日本が自国の特定のニーズに合わせて航空機をカスタマイズすることを許した。

その結果、基本特性を維持しつつ、日本特有の戦略的要件も満たす、改良型のF-15 が誕生した。

設計と開発

1970年代、日本は主にF-104スターファイターとF-4WJファントムIIで構成される空軍を維持していた。これらの航空機は十分にその役割を果たしていたが、老朽化が進み、日本空軍には新しい戦闘機が必要であることが明らかになった。

数多くの候補機を評価した結果、防衛庁はF-15C/Dイーグルを、その卓越した制空任務性能を理由に選定した。

1978年、三菱重工業が主要契約業者に選ばれ、1981年に最初のF-15Jが就役した。当初、生産は米国製と日本組立の機体が混在し、三菱が本格的なライセンス生産を引き継ぐ前に、マクドネル・ダグラスがセントルイスで数機を製造した。プログラム終了までに、日本は 203 機の単座型 F-15J と 20 機の複座型 F-15DJ を導入し、米国以外では最大のイーグル運用国となった。

F-15Jは、双発エンジン、後退翼、サイドマウントの吸気口など、F-15C の空力特性と構造的特性を継承している。全長は19.4メートル、翼幅は13.1メートル、全高は5.6メートルである。

空虚重量は約12,700キログラムで、最大離陸重量は30,800キログラムに迫る。動力は2基のプラット・アンド・ホイットニー社製F100-PW-220Eターボファンエンジンで、IHIがライセンス生産している。各エンジンは通常推力で17,450ポンド、アフターバーナー使用時は25,000ポンドの推力を発生する。

これにより最大速度マッハ2.5、実用上昇限度19,000メートル、航続距離約4,600キロメートルを実現している。武装はM61A1 20mmバルカン機関砲1門と、AIM-7スパロー、AIM-9サイドワインダー、後期型ではAIM-120 AMRAAMなどの空対空ミサイル用ハードポイント最大10基を備える。アビオニクスは当初米国F-15Cと同様だったが、高度な電子戦装備や核兵器搭載能力といった機密システムは省略された。

日本専用の制空戦闘機

1981年の配備以来、F-15Jは航空自衛隊の主力制空戦闘機である。主な任務は領空防衛で、日本の領空に接近または侵犯する外国機の迅速な迎撃を含む。2016年だけでも、F-15Jは1,100回以上出動しており、主に中国とロシアの領空侵犯への対応であった。同機は那覇、小松、千歳などの主要基地を拠点とし、日本の広大な防空識別圏をカバーしている。

また、米国軍や同盟国との合同演習にも参加し、日本の安全保障上の連携を強化している。2025年には「アトランティック・イーグルス」作戦でF-15Jが欧州へ史上初の展開を果たし、日本の遠征能力の向上とNATOとの戦略的連携を示した。

F-15Jには複数の派生型が存在する。標準型F-15Jは単座の制空戦闘機であり、F-15DJは複座の戦闘訓練機でありながら戦闘能力も有する。近代化改修によりF-15J改やF-15J MSIP(多段階改良計画)といった改良型が誕生し、航空電子機器やレーダーシステムの性能向上を実現した。

最新の改良基準であるF-15JSI(日本スーパーインターセプター)は、先進的なレーダー、電子戦システム、長距離攻撃能力を統合している。

アップグレードと将来展望

長年にわたり、F-15Jは現代戦に対応するため数回にわたり近代化改修を受けてきた。1980年代後半に開始されたJ-MSIP計画では、進化する脅威に対応すべくエイビオニクス、レーダー、電子戦システムが更新された。さらに近年では、2020年にF-15JSI計画が開始され、68機のF-15Jを改修するため約45億ドルが投入された。

これらの強化には、優れた探知・追跡能力を持つAN/APG-82(V)1 AESAレーダー、高度な電子戦能力を備えたEPAWSS(イーグル受動警報生存性システム)、そして高速データ処理を実現する先進ミッションコンピュータ(ADCP II)が含まれる。

AGM-158B JASSM-ER巡航ミサイルの統合により、F-15Jは日本の防空戦略でこれまで欠けていた長距離攻撃能力を獲得した。これらの改修によりF-15JSIは米空軍のF-15EXイーグルIIと同等の能力を備え、相互運用性を確保するとともに、少なくとも2040年まで運用寿命を延長する。

F-35A/BライトニングIIのような第5世代戦闘機が配備される中でも、F-15Jは日本の防衛戦略において依然として不可欠な存在である。

ステルス機が敵防空網の突破に優れる一方、F-15Jは比類のない搭載量と航続距離を有し、ステルス機と連携した制空権確保やミサイル運搬任務に最適である。

F-15Jを退役させず近代化する日本の決断は、財政的慎重さと戦略的必要性の両方を反映している。改良型F-15JはF-35や現在開発中の次世代戦闘機と相互補完し、中国・北朝鮮・ロシアの脅威に対抗可能な多層防衛網を形成する。

日本はF-15JSIの改修を2030年までに完了し、強力な多用途プラットフォームへ変貌させる。

先進センサー、電子戦装備、スタンドオフ兵器との統合により、日本は自国周辺を越えた領域への軍事力投射が可能となり、インド太平洋地域における抑止力を強化する。

さらに多国籍演習や展開への参加は、積極的な安全保障姿勢への転換を示している。■

著者について:アイザック・サイツ

アイザック・サイツは防衛コラムニストであり、パトリック・ヘンリー大学の戦略情報・国家安全保障プログラムを卒業した。ミドルベリー語学学校でロシア語を学び、民間企業で情報分析官として勤務した経験を持つ。


Japan’s F-15J ‘Super Interceptor’ Fighter Has a Message for China’s Big Air Force

By

Isaac Seitz

https://www.19fortyfive.com/2025/11/japans-f-15j-super-interceptor-fighter-has-a-message-for-chinas-big-air-force/


2025年5月23日金曜日

ボーイングはKC-46Aの5号機6号機を今年中に日本に納入へ、その他自衛隊向けプロジェクトの現況について(Breaking Defnese)

 Exercise Cope North 25

グアムのアンダーセン空軍基地で行われたコープノース25演習で、給油任務に出発する航空自衛隊のKC-46A空中給油機。 (オーストラリア連邦撮影:Mikaela Fernlund)



ボーイング幹部は日本向けに進行中のF-15イーグルのアップグレードについても触れ、スセントルイスにあるボーイングの施設でシステム統合作業が進行中だと述べた


DSEI JAPAN - 今年後半に5機目と6機目のKC-46Aペガサス・タンカーを日本へ引き渡す予定であると、ボーイング幹部が語った。数ヶ月前の演習中に、供用中の同型機が同盟国機材に給油したことも明らかにした。

 ボーイングのジョン・スディング東アジア防衛・政府サービス担当エグゼクティブ・ディレクターによると、2月にグアムで開催されたオーストラリア、日本、米国が参加する多国間演習「コープ・ノース」に参加した際、航空自衛隊(JASDF)のKC-46Aは連合軍と日本の航空機に給油したという。

 同氏は対象機の所属国名は挙げなかったが、3月にNATO統合空軍能力センターにアップロードされた日本の空対空給油基準リリース文書によると、日本のKC-46は豪空軍と米空軍のF-35A、および後者のF-15、F-16、F-22への給油を許可されているという。

 日本政府は2025年度防衛予算で、2024年12月にKC-46を4機取得するために2068億円(14.4億ドル)をすでに計上している。

 ボーイングのランディ・ロッテ・インド・アジア太平洋地域担当リージョナル・ディレクターもブリーフィングで、日本が2月に発注した17機のCH-47FブロックIIチヌーク大型輸送ヘリコプターが航空自衛隊と陸上自衛隊に分割されることを確認した。

 両軍は現在、旧バージョンのチヌークを運用している。 日本は米国以外ではこのヘリコプターの最大の運用国であり、70機弱が運用されている。ボーイングは、日本がチヌークの最新モデルで機体を順次更新していく中で、日本からのさらなる発注の可能性を見ている。

 最新のヘリコプター・バッチは、1980年代から日本のチヌークを組み立てきた川崎重工業(KHI)によって日本で最終組み立てが行われる。 ボーイングと川崎重工は、過去40年で100機以上のチヌークを自衛隊に納入してきた。

 ボーイング幹部はまた、日本が現在進めているF-15イーグルのアップグレードについても触れ、スディングは記者団に対し、セントルイスにあるボーイングの施設でシステム統合作業が進行中であると語った。

国防総省は2024年12月、レーダー、自己防護システム、ミッション・コンピューター・ユニットの購入でボーイングに4億5000万ドルの契約を結んだ。

 1980年代に導入された日本のF-15Jのうち68機をアップグレードするプログラムでは、新しいミッション・コンピューター、レイセオンAN/APG-82(v)1マルチモード・アクティブ電子スキャン・アレイ・レーダー、米空軍の新造F-15EXイーグルIIと同様のBAEシステムズAN/ALQ-239デジタル電子戦システムが装備される。

 アップグレードされたF-15はまた、AGM-158統合空対地スタンドオフ・ミサイルの統合によるアップグレードの後、スタンドオフ攻撃能力を得ることになる。

 三菱重工業(MHI)が日本での実際の改修作業を実施するが、ボーイングとMHIの両社は、このプログラムの納期について質問されたが、口を閉ざした。■


Boeing on track to deliver fifth, sixth KC-46As to Japan this year: Exec

The Boeing executives also touched on Japan’s ongoing effort to upgrade its fleet of F-15 Eagle interceptors, with Suding telling reporters that systems integration work is ongoing at Boeing’s facilities in St. Louis.

By   Mike Yeo

on May 21, 2025 at 11:56 AM


https://breakingdefense.com/2025/05/boeing-on-track-to-deliver-fifth-sixth-kc-46as-to-japan-this-year-exec/


2022年9月3日土曜日

空自F-15にトップガン塗装機が期間限定で登場。小松基地航空祭は9月19日開催。

 

@monimoni1002


トップガンに登場した機体塗装が、航空自衛隊のF-15イーグルに適用された


ート・ミッチェルの名前と「トップガン」の称号を掲げたカスタムペイントのF/A-18E/Fスーパーホーネットは、「トップガン」の主役だ。パラマウント・ピクチャーズで史上最大のヒット映画となった「トップガン:マーベリック」で特徴的なスーパーホーネット(少なくとも3機が映画用に用意された)に加え、もう1機、今度はF-15イーグルのそっくりさんが日本に登場した。海軍が主役の映画での塗装が空軍機体に描かれること自体が珍しい。

航空自衛隊のF-15J(製造番号52-8951)は、本日、航空自衛隊のTwitterアカウントで公式公開された。本州の小松基地でのF-15Jの非公式画像が公開された直後のことだ。

このF-15Jは、トム・クルーズがトップガン教官ミッチェル役で搭乗したF/A-18Eスーパーホーネットを参考に、胴体上部と尾翼に沿う黒と薄い青の縁取りが特徴的だ。

トップガンに登場した特別塗装のF/A-18E。

 Paramount Pictures

ミッチェルの名前、マーベリックのコールサイン、コックピットの下に3つの「MiG-28」キリングマークまで忠実に塗装されている。また、黒く塗られた外部燃料タンクにTOPGUNの称号がついているかは不明。尾翼には本機を運用する306飛行隊のイヌワシマークが残る。

この機体は、9月19日に開催される小松航空祭に向け準備されたもの。同航空ショーでは、航空自衛隊機が展示され、ブルーインパルスが曲技飛行を披露する予定だ。COVID-19の流行をうけ航空ショー開催は2019年以来となる。

小松基地の公式ツイートによると、マーベリックF-15はパラマウント映画社との公式コラボレーションで用意された。同基地はまた、航空ショーに合わせ別のF-15特別塗装機を展開するとしており、これは小松の別飛行隊である303隊の記念日を記念したものだという。

航空自衛隊は、8月30日にマーベリックF-15のティーザーを発表し、ツイッターに簡単な動画を投稿し、質問を投げかけました。「マーベリックの愛機、日本へ!?小松航空祭で真相を確かめよう!」。

小松基地は、航空自衛隊のアグレッサー部隊を受け入れているため、ユニーク塗装のF-15が数多く配備されている。同部隊は戦術航空訓練司令部隷下で、複座型F-15DJとT-4ジェット練習機が混在している。

 

アグレッサー部隊のF-15DJ。百里基地。. Cp9asngf/Wikimedia Commons

アグレッサー部隊のF-15DJが小松基地で飛行展示を行った。 Hunini/Wikimedia Commons

航空自衛隊アグレッサー部隊の機材は、非常に派手な塗装で知られ、F-15などで訓練するパイロットに、あるレベルの異質さを提供する意図がある。こうした機体が常時6機程度活躍し、航空自衛隊の訓練を支えている。

マーベリックF-15が加わったことで、少なくとも4機の戦闘機に映画と同じ塗装を施された。最初に登場したのは2人乗りのF/A-18Fで、トム・クルーズがコックピットに乗るシーンを撮影するため、カメラ機材を特別に装備し使用された。この機体は現在もマーベリックカラーを身にまとい、ネバダ州ファロン海軍航空基地でTOPGUNフラッグシップ機として運用されている。

映画の飛行シーンで見られる主要なジェット機は、同じくペイントアップされた単座のF/A-18Eだったが、その後スーパーホーネットへの移行の一環でブルーエンジェルス飛行デモンストレーション飛行隊に移管された。さらに少なくとも1機の単座スーパーホーネットもマーベリックのスキームで塗装された。

F-15がピート・ミッチェルのTOPGUNジェットで登場したことは間違いなく驚きだが、日本軍の特別塗装機(時には派手な塗装機)やポップカルチャーの言及の伝統に沿ったものだ。

特別塗装機、特にトップガンがテーマのジェット機には、入隊勧誘の役割も期待されているようだ。トップガン映画は、軍人のキャリアに興味を持たせる点で大きな成功を収めた。アメリカ空軍でも、最新作の上映開始前に採用コマーシャルを流しており、効果は絶大だ。航空自衛隊も近年は十分に人員が確保できない状況だ。

航空自衛隊のF-15は、「日本のトップガン」と呼ばれ、防空戦力の中核を担っている。レーダー、電子戦システム、武器などを追加し、F-15JSI「日本版スーパーインターセプター」規格にする予定だ。

新兵器については、AGM-158統合空対地ミサイル(JASSM)を筆頭に、日本が開発中の極超音速兵器など、将来追加される可能性のある兵器が含まれるようだ。また、長距離対艦ミサイル(LRASM)も検討されていたが、現在ではアップグレード計画から外れている。

AGM-158 Joint Air-to-Surface Standoff Missile (JASSM)をセンターラインに搭載した日本軍のF-15J改良型の想像図。 BOEING

アップグレード総額は56億2,000万ドルと見積もられている。

以前は、現在のF-15Jの約半数に相当する最大98機のイーグルを改修し、残りは中期防衛計画で示された105機のF-35Aに置き換えると発表されていた。現在の計画では、アップグレード対象は単座型F-15J68機で、複座型F-15DJ34機のアップグレードは未定だ。

アラスカ州エイエルソン空軍基地で開催されたレッドフラッグ・アラスカで、306飛行隊のイヌワシマークF-15Jが発進した。U.S. Air Force photo by/Staff Sgt. Miguel Lara

しかし、F-15JSIプログラムは、少なくとも2040年まで日本のF-15戦闘機を維持する設定で、より多くの特別な塗装スキームが今後出てくる余地がある。■

 

Japan Unveils Top Gun 2 Themed F-15 Eagle | The Drive

BYTHOMAS NEWDICKSEP 2, 2022 1:09 PM

THE WAR ZONE


2019年11月2日土曜日

JSI仕様のF-15Jはこんな機体になる。影を落とす10年前の政権の考え方とは

Japan gets US nod for $4.5 billion F-15 upgrade package

日本向けF-15改修45億ドルパッケージの内容とは

By: Mike Yeo  

F-15イーグル迎撃機約100機の改修事業に関する日本政府の要請を米国務省が承諾した。老朽化が進む日本の戦闘機部隊の性能向上に道が開かれた。
国防安全保障庁が10月29日発表したもので、海外軍事販売制度で実施し、試算45億ドル規模の事業になる。
今回承認されたのは98機までのF-15Jを「日本向けスーパー迎撃機(JSI)仕様」に改修する内容で高性能電子スキャンアレイ(AESA)レーダー、新型ミッションコンピュータ、電子戦装備のほか新型兵装の運用能力授与が内容だ。
このうち、新型レーダーはレイセオン製AN/APG-82(v)1 複合モードAESAで米空軍がF-15Eストライクイーグルで運用中のものだ。日本の要請は同レーダーに加え、ハネウェルの高性能ディスプレイコアプロセッサーII(ミッションコンピュータ)116基、BAEシステムズ製AN/ALQ-239デジタル電子戦装備101基の搭載の他、妨害に強いGPS装備もあり、より精密な航法、無線交信を実現する。
安全保障協力庁発表にある「機材と兵装の統合化および試験支援」は内容が不明だが、2018年発表の中期防衛整備計画はロッキード・マーティン製AGM-158共用空対地スタンドオフミサイル(JASSM)の導入を明記しており、長距離対地攻撃ミッションをF-15で実施する想定だ。
主契約企業はボーイングだが今回のF15JSI改修では直接民生販売(DCS)の要素も見られる。DCS部分では三菱重工業が主契約企業、ボーイングが二次契約企業となりFMSおよびDCS部分のサポートを行う。
航空自衛隊は単座F-15J及び複座F-15DJ合計200機程度を運用中。すべて防空任務仕様で対地攻撃はできない。訓練飛行隊、アグレッサー教導飛行隊以外に航空隊7個編成としている。
各機は1980年代製造で三菱重工業が大部分をライセンス生産し国産電子戦装備や双方向データリンクを搭載した。うち、90機が数回に渡る改修を受けており、エンジンの改良や対抗装置を搭載している。
これ以外にも改修の試みもあったが、予算や政治上の制約で日本は全機改修を行っていない。そのため仕様が異なる機材が存在している。
直近ではLink 16および共用ヘルメット搭載目標捕捉システム(JHMCS)の導入が2007年に始まったが、2009年に著しく平和志向の新政府に交代すると、この事業は終了されており、赤外線捜索追尾装備(IRST)や一部機材をスタンドオフ偵察任務に転用する案も途中で唐突に中止となった。
そのため今回のF-15改修は機材構成を整備しつつ日本の防衛ニーズに見合う機材にする好機となる。今回の要請ではLink 16およびデジタルコックピット仕様への切り替えが見当たらないが、可能性としてDCSでこの部分を実現するのではないか。三菱重工業はF-2事業でこの分野の知見を有している。
またIRSTでも日本が開発を続けていることがわかる。日本で投稿された写真ではF-4EJファントムIIテスト機が岐阜の実験航空隊で稼働していることが判明しており、主翼下のボッド先端にレンズらしきものが確認され、ロッキード・マーティンのIRST21(ボーイングF/A-18E/Fスーパーホーネット用に開発)に類似している。

Photo thread of an F-4EJ Phantom II assigned to the JASDF's Air Development and Test Wing at Gifu carrying what looks to be a possible IRST pod on its starboard inner pylon #Japan


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IRST開発が成功すれば戦闘機は長距離からレーダーを使わずに敵機を捕捉交戦できるようになり自機の位置を知られるリスクが減る。また日本が進めるF-2後継機の開発にも役立つ。
日本はロッキード・マーティンF-35ライトニングII共用打撃戦闘機の導入では米国以外では最大規模となっており、F-35A105機、F-35B42機を導入する計画で最初の飛行隊がすでに稼働開始している。F-35はF-4EJファントムIIおよび初期型F-15の更新用の位置づけで、短距離離陸垂直着陸型のF-35Bはいずも級ヘリコプター駆逐艦での運用用に確保するものだ。■

コメント:今年の豪雨で露呈した旧民主党の影の影響ですが、F-15でも発生していたのですね。航空自衛隊にとっては「悪夢」の時代だったのでは。もちろん、現役自衛隊員は政治的発言はできないのですが、腹の底では苦々しい思いをされていたのでしょう。日本で意味のある政権交代ができるようになるのはいつのことなのでしょうか。