ラベル 成都J-20 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 成都J-20 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2018年9月19日水曜日

J-20がF-22/F-35に勝てない理由とは


J-20が本当にすごい性能があるのかもわかりません。中華ステルスが機体だけの可能性もあり、米側の目指すネットワーク機能がない可能性もないわけではありませんが、遅れを取っていることは確かでしょう。問題はスパイ活動も含め中国が遅かれ早かれ同程度の技術を入手することで、だからこそ米側は技術漏洩がないように(F-35図面が大量に流出しています)守りを固めながら「第六世代」機開発を急いでいるのでしょう。

Why China's Stealth Fighter Can't Touch an F-22 or F-35 in Battle. We explain.

中国ステルス機がF-22、F-35に手も足も出ない理由をご説明しよう


September 13, 2018
空軍は「一方的な」優位性を西太平洋で維持しており、これは中国人民解放軍空軍が成都J-20ステルス戦闘機を実戦配備しても変わらない。というのが空軍トップ制服組の言い分で、新型中国軍用機の登場で地政学的な影響を問われてこう答えたのだ。
「第5世代戦闘機技術を使う際に重要なのは機体ではなくシステムのファミリー構成だ」と空軍参謀総長デイヴィッド・ゴールドフェイン大将がペンタゴン報道陣に8月10日話していた。「ネットワークが一方的な優越性を与えてくれるのであり、よくF-35対J-20の戦闘結果の想定を聞かれるが意味のない質問なのだ」
確かにゴールドフェインが言うように米空軍は今後もシステムのファミリーに中心を置き、ネットワーク化とデータ共有こそ鍵を握るとし、個別機材の性能はその次とする。ロッキード・マーティンF-35とJ-20をそのまま比較するとゴールドフェインの見解では自身がロッキード・マーティンF-117ナイトホークを飛ばしていた時代に戻るかの感覚にアンルという。当時は敵空域に侵入する際も外部と完全に切り離されていたという。「今はシステムのファミリー構成が中心で個別機材には重きを置いていません」(ゴールドフェイン)
ゴールドフェインがナイトホークを比較対象にしたのはJ-20の装備が1980年代製のF-117のように単純だというつもりではない。J-20の情報は乏しいが、同機にフェイズドアレイレーダーや電子戦装備が相当なまで搭載されている兆候はり、電子光学式赤外線センサーはコンセプト上はF-35が搭載する装備と似ている。ただし、中国機には「センサー融合」機能やネットワークがかけており、F-22ないしF-35とは異なると見る空軍関係者がある。

関連記事:

China Fears the F-35 So Much Its Rushing Its Own Stealth Fighter into the Sky 中国はF-35を恐れるあまり自国製ステルス機の運用を急いでいるのか

China Has a Plan to Turn Old Planes into Stealth Fighters 旧型機をステルス戦闘機に改修する中国の構想

中国側に決定的に欠けている分野として航空戦闘軍団司令官ハーバート・「ホーク」・カーライル大将が記者に語ってくれたのが「スパイク・マネジメント」で、F-22やF-35のコックピットでは現在自機が敵レーダーに探知されている様子を各種方面から表示している。パイロットはその情報で敵から逃れるため探知されている地帯を回避しながら交戦することができる。この技術をマスターするのに米国でも数十年かかっている。また試行錯誤も数多くあったのも事実だ。
おすすめ記事:
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.

2017年9月30日土曜日

★中国ステルス機J-20の正式配備を発表



J-20が本当に威力のある機体なのか色々疑問が出ていますが、大きければいいというのが中国の価値感なのでエンジンの性能不足を補うための巨大化も正当化できるのでしょう。CSBAあたりが提唱している戦闘機の大型機材化の先陣を切る機体なのかもしれません。あるいは言われるような米軍支援機材の攻撃にくわえ、ミサイルで第一撃を加えた後に侵入して巡航ミサイルを発射して離脱するプラットフォームなのかもしれません。西側と用兵思想が違うので類推は危険だと思います。

China’s J-20 stealth fighter jet is in service

By: Mike Yeo    1 day ago

中国人民解放軍空軍のKJ-2000早期警戒機が成都J-10多用途戦闘機と天安門上空を軍事パレードの一環で飛行した。2015年9月3日。中国国防省はJ-20ステルス戦闘機の配備を正式発表した。(Greg Baker/AFP/Getty Images)

MELBOURNE, Australia — 成都J-20を正式に空軍に就役させたと中国国防省が発表した。
国防省報道官Wu Qianが9月28日発表したものでフライトテストも計画通り実施中という。低率生産段階中で、人民解放軍空軍(PLAAF)に6機が引き渡し済みで2016年末から甘粛省定西空軍基地Dingxin Airbaseの第176航空旅団で運用テストを行っている。
J-20はPLAAF内では第四世代機(西側の第五世代にほぼ相当)とされ、中長距離戦闘機としてステルス性能を備えるが、ステルスは前面に限定される。
J-20のレーダー断面積(RCS)を台湾の中山科学研究院の電子システム研究部が行っており、上記評価と同じ結果が出ている。だが評価はJ-20の基本形状についてのみが対象で、レーダー波吸収材などその他のRCS削減策の考察は含まれていない。
PLAAFのJ-20パイロットから同機のセンサー融合機能に触れる発言が出ているが詳細は不明だ。ステルス性の確保のため装備は機内に格納されるが、PL-12長距離空対空ミサイルを最大6発の他、機体左右の小型兵装庫にも短距離空対空ミサイル各1発を搭載する。■


2017年1月29日日曜日

★★J-20の狙いは何か---米国の思考とは異なる中国のアプローチは要注意



たしかにJ-20は全く違う設計思想の機体で、長距離性能で大型兵装を搭載する意図が見えてきますが、高機動の目標を攻撃するよりも固定目標の攻撃に特化しているようにも見えます。H-6では速度が足りないのでおそらく切り込み隊として先生ク攻撃を加える意図があるのでしょう。その目標に日本の基地が入っているのは確実ですね。
The real purpose behind China’s mysterious J-20 combat jet
By Alex Lockie, Business Insider
Jan 24, 2017 12:20:58 pm
米海兵隊はF-35の日本配備で「F-35Bの到着は日本ならびに太平洋地域の安全保障へのコミットメントの現れ」と堂々と発表している。
  1. 米国、米同盟国と中国の間の緊張はこの数年間で着実に増しており、原因の一つに中国が人工島を建設し、レーダー、ミサイル発射装置を南シナ海に持ち込んだことがある。総額5兆ドルの貿易が毎年行き来する通商路にである。
  2. その米中が間接的にしのぎを削るのが戦闘機の分野だ。
China’s Chengdu J-20. | CDD
  1. 中国は成都J-20をF-22に匹敵すると評しているが、専門家にはJ-20はそもそも戦闘機でもドッグファイト用機材でもなくステルス性もなく、F-22やF-35と全く異なる機種と解説する向きがある。
  2. オーストラリア戦略政策研究所のマルコム・ディビス博士はBusiness Insider誌に「J-20はF-35と根本的に違う機体」と述べている。ディビスがいうのはJ-20は「高速、長距離でもなく中国がステルスを重視していないのは明らか」とし、米軍機との空対空戦は想定していないと断言する。
  3. 反対に「AWACSや給油機を標的にすることを中国は狙い、米軍の機能を奪おうとしているのです。給油機が前方に配置できなければ、F-35他の機材は目標に到達できなくなります」
給油機がなければF-35のような機材は飛行距離が大幅に制限されてしまう。 | US Marine Corps photo by Cpl. Brian Burdett
  1. 退役米空軍中将デイヴィッド・デプチュラも同様にDefense & Aerospace Report誌上で評価を昨年11月にしている。
  2. 「J-20はF-22とは成り立ちが違う機体だ。前面は低視認性になっているが機体全体は異なる。ドッグファイトも想定していない。一番気になるのは長距離兵器を搭載していることだ」
  3. J-20ではステルスとドッグファイト性能を放棄したかわりに防御の弱い標的の攻撃に照準をあわせている。米国が高度ステルス機に注力する一方で中国は全方位ステルス機の知見を確立していない。
  4. デプチュラはJ-20コンセプトを「これまでの延長線で設計するというよりも全く新しい次元に一気に入ろうとしている」と評している。
  5. F-35とF-22双方を操縦した経験があるディヴィッド・バーク中佐も中国の技術開発について疑問を隠そうとしない。Business Insider誌に「第五世代機で本当に有効な性能を持つ機体を開発するのは至難の業」と評している。
  6. バーク中佐はJ-20の脅威を感じるよりも米国の潜在敵国がF-35に代表される米国の新型機に懸命に対抗しようとしているのが現状と見る。
  7. 「もしこちらのF-35やF-22の効果がないのなら、あちらが対抗すべく懸命になっていなかったはずだ」というのだ。■


2016年9月24日土曜日

もし戦わば⑤ J-20対F-16(台湾)、F-15(日本)


日台両国とも主力戦闘機の性能改修を着実に行わないと、中国新型機に対応が難しくなるね、という主張です。中国のエンジン技術が遅れていることが救いですが、長距離誘導ミサイルの登場で空戦の様相が相当変わってきているようです。J-20はむしろ支援機としてのAWACSや空中給油機を緒戦で撃ち落とすのが目的と思っていましたが、日本の防空体制に穴が開けば各地の自衛隊基地へのミサイル攻撃も視野に入ってくるでしょう。

The National Interest


China's J-20 Stealth Fighter vs. America's F-35, Taiwan's F-16 and Japan's F-15: Who Wins?

September 22, 2016


中国軍がわずか四分の一世紀で劇的に進歩している。
中国は米国を標的とした機材に多額の投資をし、アジアの覇権を賭け米軍と対抗する動きを示している。その例が台湾であり東シナ海、さらに緊張が高まる南シナ海だ。装備には議論の種となるDF-21D(「空母キラー」ミサイル)、巡航ミサイル、高性能機雷、潜水艦、無人機等接近阻止領域拒否を狙う装備が目白押しだ。
空の上でも進展がある。特にJ-20新型第五世代戦闘機が注目される。米第四世代、第五世代機並びに日本、台湾他の機材を相手に設計された同機には米国のみならず各国防衛関係が大きな関心を寄せている。
だが戦闘になれば同機はどんな活躍を示すだろうか。台湾のF-16や日本のF-15との対決はどうなるか。そこでカイル・モチズキの以前の記事をお届けする。アジアの空を制するのは誰か。

台湾空軍が相手の場合
  1. 台湾をめぐる軍事優位性のバランスはゆっくりと変動中だ。中華民国空軍の戦闘機部隊が確保してきた優位性は台湾国防予算の減少とともにゆっくりと中国の側に向かっている。
  2. 内戦に敗れた中華民国政府は台湾に逃れた。大陸とは二百マイルと離れないままで台湾が強力な海軍空軍を維持し、中国が貧しいままなら月の裏側に等しかった。
  3. だが現在の中国は貧しさを脱却し富に見合った軍事力を構築中だ。中国は台湾が対応できないほどの機数の軍用機を整備しており、第五世代戦闘機も同時に二型式を開発中だ。
  4. 成都J-20は昇竜の名前で開発はまだ終わっていないが、台湾の安全保障上で最大の脅威といってよい。大型双発でステルス性を兼ね備え長距離飛行が可能なJ-20(各種型式がある)は長距離航空優勢戦闘機となるだろう。
  5. これまでの中国戦闘機は短距離性能のため台湾上空で滞空時間に成約があったが、J-20は大型で機内に大量の燃料搭載が可能だ。そのためJ-20は中国本土の基地から出撃し、台湾上空の戦闘機を排除し台湾空軍を標的にすることが可能だ。J-20のステルス性能が設計通りなら台湾の防空レーダーは同機の追尾に苦労するはずだ。
  6. J-20が搭載するセンサー類一式は新型アクティブ電子スキャンアレイ方式AESAレーダー(現在開発中と推定)や赤外線捜索追尾(IRST)があり、後者でパッシブ方式で追尾撃墜ができるようになるはずだ。
  7. 台湾上空へ飛来すればJ-20は相当の火力性能を発揮するはずだ。昇竜には三箇所の機内兵装庫があり、ふたつが短距離用ミサイル、のこりに中長距離ミサイルを搭載する。航空優勢確立ミッションに投入する際の標準ペイロードでPL-15レーダー誘導長距離ミサイル4発を搭載するはずだ。推進方式にラムジェットも採用しているPL-15の有効射程は95マイルから125マイルだろう。
  8. このJ-20に立ち向かうのが台湾空軍のF-16ファイティングファルコンで獰猛な機種だ。もともと軽量の昼間限定戦闘機としてF-15を補完する存在だったF-16は全天候多用途戦闘機に進化している。機体価格が比較的安くて多彩な任務をこなすF-16は台湾にはいい買い物だった。
  9. 台湾空軍のF-16Aブロック20の150機は1992年発注、1997年から2001年にかけて納入されており、20年近く経過している。ブロック20はAN/APG-66(V)3レーダーでAIM-7スパローおよびAIM-120C7AMRAAM中距離レーダー誘導方式ミサイルを運用する。レイセオン製の電子対抗手段ポッドとプラット&ホイットニーF-100-PW220ターボファンエンジンを搭載する。
  10. 2011年になり、新型F-16を66機の発注が不成約になり米国は台湾とともに導入済み機材の改修に注力し、センサー、航法、武装を改良した。APG-83拡張可能機動ビームレーダーScalable Agile Beam Radar (SABR)が搭載された。これはF-22やF-35のレーダーから生まれた新しいハードウェア、ソフトウェアである。
  11. 台湾はSNIPER ポッドの搭載も検討している。これは空対地精密目標捕捉機能のあるポッドで空対空赤外線相殺追尾にも応用できる。またAIM-9Xサイドワインダーも導入する予定だ。これは最先端のドッグファイト用ミサイルで米軍ではすでに導入済みだ。
  12. 航空優勢ミッションでは台湾F-16はAIM-9Xサイドワインダー4発ととAIM-120AMRAAMを2発搭載するだろう。
  13. では空中戦で勝つのはどちらか。交戦を視程内、視程外で区別してみてみよう。
  14. 視程外交戦ではJ-20がF-16を一方的に撃墜するはずだ。J-20の設計が正しければステルス、高性能レーダー、長距離ミサイルの組み合わせが功を奏するはずだ。F-16搭載のSABRがJ-20を相当の距離で探知する可能性もあるが台湾機で足かせになるのはAMRAAMミサイルがジャミングに弱いことだ。PL-15を搭載し、ステルスに守られたJ-20は理論上はF-16パイロットが気づく前に同機を撃墜しているだろう。
  15. 短距離戦となるとJ-20の操縦性の悪さが浮上するはずだ。F-16は逆に高い操縦性を発揮し、AIM-9Xサイドワインダーミサイルが本領を発揮する。だが長距離高性能視程外ミサイルの登場で有視界内の交戦は相打ちとなる可能性が増えてきた。
  16. このため中華民国空軍はJ-20に手こずる可能性が高い。探知が困難であり、台湾機に先制攻撃を仕掛けてくる公算が高い。そこで考えられる戦術として台湾の山岳部を利用して低高度に機体を待機させることがある。これでJ-20の長距離交戦能力を無意味にできる。また中国のルックダウン、シュートダウン能力はまだ西側水準に達していない。台湾が低周波地上配備レーダーやE-2Tが搭載するUHFレーダーでJ-20探知に成功すれば、F-16で有利な待ち伏せ攻撃をしかけることができ短距離戦に持ち込めば成功の可能性は高い。
  17. J-20の高性能と機体構成は台湾にとって現実の脅威だ。中国空軍の規模と成長する威力の前に台湾は自国上空の航空優勢の確保が一層困難になるだろう。そうなると城塞型の姿勢を採用し、両国がA2AD戦術を採用することになるかもしれない。
航空自衛隊が相手の場合
  1. 日中両国の緊張が高まっており、両国の軍用機が空中で遭遇する事案が増えている。人民解放軍空軍(PLAAF)のSu-27が東シナ海上空で日本機により目撃される機会が多くなっており、日本のF-15が沖縄から緊急発進している。
  2. 空での対峙はもう普通のことになっているようだ。では近い将来にJ-20が作戦投入されたらどうなるだろうか。J-20の供用開始は2010年代末と言われる。
  3. その時点で日本はF-15Jイーグルをまだ運用しているだろう。確かに優秀な機材ではあるが、防衛省は本来ならいまごろF-22ラプターに交替させているはずだった。不幸にも米議会がラプター輸出を禁止してしまい、F-15は後継機種がないままだ。
  4. 日本がF-15導入を開始したのは1981年で、ライセンス生産で三菱重工業が製造し、大方は米国が運用中の機体と同じだが例外が電子対抗装置およびレーダー探知警告装置で米政府がこの2つの販売を拒否した。当初はAIM-9サイドワインダーとセミアクティブ方式のAIM-7スパローを搭載していたが、後者はAIM-120AMRAAMに換装された。M61機関砲(20ミリ)も搭載する。
  5. F-15Jは223機が納入され、8機を事故喪失した。
  6. 日本は2000年代早々から性能改修を開始し、新型赤外線誘導ミサイル(AAM-3およびAAM-5)を搭載し、エンジンを改良し、AN/APG-63 (V)1機械式スキャンパルスドップラー・レーダーやAAM-4Bレーダー誘導ミサイルが運用可能となった。改良型の電子対抗措置や機首に赤外線探知追尾センサーもついて近代化が実現した。しかし、改修は非常に高価で年間10機未満しか作業できない。このため改修が完了したF-15Jはまだ半数未満だ。
  7. 成都J-20は謎の機体だ。中国初の第五世代戦闘機としてまず2011年にその存在が確認された。双発、単座機で前方カナード翼とステルス性能を有するJ-20はF-15Jより僅かに全長が長い。機体は長く幅広で内部兵装庫と燃料タンクに活用している。短距離、長距離双方の空対空戦および空対地ミサイルを搭載する。
  8. J-20のノーズコーンは大きく高性能の電子スキャンアレイレーダーを搭載できるはずだ。長距離で敵目標の捕捉に有効でレーダー誘導ミサイルで攻撃できる。最近完成した試作型では赤外線探知追尾システムと電子光学式目標捕捉装置で空対地攻撃に対応できるようだ。
  9. 正確な任務は不詳のままだ。長距離ミッションを念頭に製造されているようだ。「昇竜」はロシアのMiG-31同様に高速かつステルスの迎撃機として敵の空中給油機やAWACS、偵察情報収集機を撃墜する想定なのかもしれない。あるいは中型爆撃機なのかもしれない。米F-111同様に沖縄や日本国内の各基地を攻撃するための機体かもしれない。
  10. ここで検討したいのはJ-20を長距離対応可能な航空優勢戦闘機と想定した場合で、F-15Jと空戦に入れば勝つのはどちらか。
  11. J-20の機体設計が正しくレーダー断面積が小さいとすれば、F-15Jでは長距離からの探知は困難だろう。またF-15Jにはステルス性がなく-20は容易に日本機を探知できるはずだ。このため視程外戦ではF-15Jに幸先が悪い。ことにJ-20が搭載するPL-15ミサイルがあり、アクティブレーダーシーカーおよびおそらくパルスロケット推進あるいはラムジェット推進となっているはずだ。
  12. 接近戦になればF-15Jが優位に立つ。J-20は推力不足と言われ、F-15の推力重量比が際立つ。またF-15のドッグファイト実績は他に例がなく高推力と操縦性で有利な位置につけるはずだ。
  13. もうひとつ検討してみよう。J-20はまだ試作機の段階で銃はまだ搭載されていない。銃の効用を巡っては今も専門家の意見は分かれるが、接近ドッグファイトではF-15JのM61ガトリング砲が効果をあげるはずだ。
  14. 成都J-10と三菱F-2の比較では接近戦ではJ-10が、長距離戦ではF-2がそれぞれ優位と判定された。航空優勢戦闘機同士の戦いとなると逆転する。中国の歴史上のライバル国を一気に追い抜いて第五世代戦闘機を完成させた事実には主要国が一様に驚いているはずだ。■
Image: Creative Commons/Flickr.

2014年11月6日木曜日

★J-20戦闘機は手ごわい相手になる予想 スピード、機動性をバランスしたステルス機

h中国の大型ステルス機J-20の最新状況です。ソ連と今の中国を比較する論調でJ-20をTu-22バックファイヤーに比較して厄介な存在だとしていますね。米軍機を本土に近づけないための「長い槍」の役割を中国は期待しているのでしょう。開発ペースが急加速することもあり、今から対策を練っておく必要がありますね。

J-20 Stealth Fighter Design Balances Speed And Agility

Unique J-20 could fit anti-access role
Nov 3, 2014Bill Sweetman | Aviation Week & Space Technology


J-20の外観上の特長のひとつが大型カナード翼だ  Photo via Internet

成都航空機のJ-20ステルス戦闘機は中国の航空宇宙工学の頂点ともいうべき存在だが、その開発の実態は謎に包まれており、試作一号機が突如2010年末に登場したが、その後2012年5月に二号機がデビューしている。二機には2011と2012と言う番号がついており、一緒に飛行しているのが目撃されている。
【試作2号機】 2号機で大きく目立つ違いは機体後部の着陸装置が細くなり、両エンジンの間の機体下部トンネルが深くなっていること。全可動式垂直尾翼の後ろに伸びるブームが長くなり、機体下部の固定式安定板が後部に移された。垂直尾翼の後縁とカナード翼が短縮され、前縁の基部はこれまでの曲線から直線形状になっている。
超音速空気取り入れ口の外壁の上部ラインは曲げられ、着陸装置の格納扉の形状が変わっている。扉が閉まるのは着陸装置が伸びきってからで機首の着陸装置扉も形状を変えている。F-22と同様の一体型フレームなしキャノピーは分割式風防とキャノピーの分割構造に変更され、キャノピーは緊急脱出時に破砕される。赤外線探査追尾装置を収めるとみられる部分が機首下部に追加され、ミサイル接近警告用のセンサーをいれたフェアリングが胴体下についている。
二号機は一号機初飛行の3年後に登場しており、フライトテストで判明した不具合を解消がされているのだろう。現時点でJ-20の実戦化時期は明らかではない。ペンタゴンの最新版議会向け報告では2018年以前には実現しそうもないとしている。.
しかし二号機から当初の基本設計に問題がないことがわかる。試作型全4機は西安のYanliang空軍基地(中国空軍の主要テスト施設)に配備されているらしい。J-20は中国初のステルス戦闘機だが同時に中国最大の戦術機でもあり、その役割が問題だ。
【機体構造】 J-20を観察すると西側、ロシア双方の機体と類似点がないことがわかる。機体の大きさは公開情報の衛星画像から正確に推測されるが、機体の性能特徴は誤って推測されていることがある。さらに搭載するエイビオニクスや素材の情報は不明だ。

J-202号機と初号機の違いとして機体後部で下部の経常が変わり、テイルブームが長くなっている、腹部のひれがやや後方に移っていることがある。二号機の前縁基部が直線になっており、カナード翼と垂直尾翼の端が短くなっている。電子光学センサーの格納部が機首下と機体右側側面に追加されている。Credit: Photo via Internet


J-20の操縦翼面のレイアウトはロッキード・マーティンF-22と大きく異なっているが、胴体のレイアウトはよく似ており、兵装庫が二つ腹部にあり、さらに側面にレール発射式空対空ミサイル(AAMs)をすべて空気取り入れ口の下および外側に取り付けている。両機種とも主着陸装置を兵装庫の後ろに持ち、エンジンは二基が近接している。違うのはJ-20がF-22より全長で 9.5 ft.大きく、兵装庫の大きさはほぼ同じだが、燃料搭載量が違う。

J-20の内部燃料搭載量がF-22より4割多いと見るのは妥当な評価だろう。機体が長い分だけ縦横比がよくなり、遷音速時に抗力効果が出る。
機体は大きいがJ-20の空虚重量はF-22とほぼ同じかもしれない。これはF-22の搭載するF119エンジンより出力が小さいエンジンを積んでいるためで、さらに二次元的推力方向変更式ノズルを搭載していないことが大きい。J-20試作型はUnited Engine Corp. (UEC) 製 AL-31Fを搭載していると見られるが、F-22との推力の差は大きい。F-22では中間推力運転時でJ-20がアフターバーナー点火時とほぼ同じ推力がある。ただしUECのAL-31/117S/117を今後搭載すれば差は縮むと見られる。
ノズルが丸く、機体後部の形状もF-22に比べればステルス性が劣ると見られるが、これはスホイT-50でも同じだ。これは高速飛行可能な機体ではレーダー断面積を犠牲にしてもいいとの賢明な判断なのかもしれない。一方カナード翼はステルス性能に逆効果だという人もいる。
【空力特性】 成都航空機のJ-10設計者 Song Wencong が2001年に発表した論文でJ-20の空力特性を説明している。論文ではデルタ翼、カナード付きで前縁部の基部を延長したLerx構造で相互作用を論じている。J-20の機体はJ-10より幅が広く、カナードと主翼は位置が離れている。しかし同論文によればLerxとカナードを共に使うことで揚力係数が最大になり、カナードと主翼を近くに配置した場合では得られない効果だという。
論文ではステルス機で斜め配置の尾翼構造にも言及している。固定式で角度をつけた尾翼は高迎え角の場合強力な交差流にさらされる。その結果、尾翼には強いモーメントが生まれ、尾翼が斜めになっているため、ピッチアップの力も加わるという。この解決方法として同論文では小型の全可動面の採用を提言している。J-20はスホイT-50と一定の方向では安定性を欠く点で共通しているが、J-20では尾翼を全可動式にすることでアクティブ制御を可能としている。また論文ではカナード構造により失速しても推力方向変更を使わずに確実に回復できるとする。
【エンジン】 論文では次世代戦闘機には超音速巡航飛行が必要ととし、超音速時の抗力削減の必要を強調している。ただしJ-20の超音速巡航飛行のカギはエンジンで、中国はロシアがSu-35SやT-50で開発中の技術を模倣しようとするだろう。UECの117Sエンジン(Su-35S用)はAL-31Fの推力32,000 lbより強力なうえ、デジタル制御方式となっている。T-50ノ117エンジンは117Sと似るが、さらに33,000 lb. へ増加しているとUECはいい、高温限界点が引き上げられ最高出力をアフターバーナーなしで持続できるという。ただし、J-20に117エンジンを搭載してもF-22の推力重力比にはかなわない。
【武装】 J-20の武装搭載方法はF-22と似ているが、兵装庫が短く狭い点がことなり、SD-10AAMサイズだと4発しか入らない。しかし、翼折り畳み式ミサイルなら十分収まる大きさのようだし、中国はロシアから Kh-58UShKE マッハ4級の対レーダーミサイル購入を交渉中と言われている。同ミサイルはT-50も機体内部に搭載する。
側部ミサイル格納庫はF-22と違い、ミサイルレールを引き延ばしてから扉が閉まる設計で、目撃されたミサイルには低アスペクト比の翼と折りたたみ式尾翼がついていたという。機関銃の搭載は見られていないし、想定されていないようだ。
このためJ-20は空対空戦闘機として重点を前方ステルス性能におき、高速度で効率を発揮する空力特性をもたせ、航続距離が長く、中程度の機内ペイロードを持たせ、防御用に適度の機動性をもたせた設計だ。開発の余地が相当あり、現行エンジンはとくに改良が必要だが、中国はハイローミックスの戦闘機配備を考えていることがわかる。
【作戦構想】 機体の成り立ちは中国の地理的条件から生まれた接近阻止領域拒否戦略に合致しており、中国がシナ海と周辺の島しょ部分にの軍事、地理上の野望の焦点をあわせていることに符合する。合衆国がこれから配備する戦術戦闘機は戦闘半径600マイルと中国本土の目標に到達できないし、同盟各国も同じ装備の整備を進めているのが現状だ。
そのため作戦の実施にどうしても必要な二機種が空中給油機と情報収取監視偵察(ISR)機だ。米空軍司令官レベルが好む「分散統制」構想でISR機材は統制通信機能も有する。しかし、給油機もISR機も防御能力がなく、戦闘空中待機combat air patrol (CAP)戦闘機による援護は長距離では実施が困難だ。
J-20の主要任務はステルス性とスピードでCAPを突破し、重要な給油機とISR機を追い散らすことだろう。長い航続距離で「長い槍」の利点を発揮し、J-20の有効飛行半径内では空中でのレーダー支援が不可能となる。
また対レーダーミサイルの搭載でJ-20にはある程度までの対艦攻撃が可能となる。中国の新型対艦高速ミサイルCM-400AKGおよびYJ-12はJ-20の兵装庫に入らないが、主翼下に取り付け可能だろう。また兵装庫も拡大されるかもしれない。.
こうして見ると同機はソ連時代のTu-22M2/3バックファイヤー爆撃機に匹敵する存在かもしれない。対抗する側にとっては手ごわい敵となる。
J-20
F-22
全長 (ft.)
66.8
62
翼幅(ft.)
44.2
44.5
主翼面積(sq. ft.)
840
840
機体空虚重量(lb.)
42,750
43,340
機体内燃料(lb.)
25,000
18,000
離陸重量、通常時(lb.)
70,750
64,840
最大推力(lb.)
55,000
70,000
最大戦闘時推力重量比
0.94
1.25
戦闘時推力重量比
0.59
0.93
戦闘時主翼吊り下げ重量lb./sq. ft.
69
66.5
Sources: Lockheed Martin, AW&ST analysis



2014年3月20日木曜日

成都J-20の新試作機が初飛行に成功


China Unveils More Capable Stealth Fighter Prototype

By: Feng Cao
USNI News Published: March 19, 2014 1:11 PM
Updated: March 19, 2014 1:12 PMAn image of the Chinese People's Liberation Army Air Force J-20 new stealth fighter prototype.
An image of the Chinese People’s Liberation Army Air Force J-20 new stealth fighter prototype.


中国のステルス戦闘機開発がまた一歩進んだ。先月初めにJ-20試作機が初飛行に成功している。同機は成都飛機工業 Chengdu Aircraft Corporation (CAC) 製で各種のステルス対策が施され機体操作性が高くエイビオニクス搭載に適した機体構造になっているようだ。

  1. CACは以前の試作機二機(2001/2002号機)から今回の改良型を生産するまで十分な時間をかけている。試作機2機は技術実証用だったようだが、今回の第2011号機は量産前の試作型だろう。
  2. 中国から入手した写真を比較すると2001/2002号機と2011号機に微妙な差があることがわかる。
  3. まず機体の工作完成度が実証機段階から真の試作機に相応なものに変わっている。最大の相違点はF-22を思わせる薄い灰色塗装だ。Changes between prototypes of China's stealth fighter prototypes.
Changes between prototypes of China’s stealth fighter prototypes.

  1. 側面では空気取り入れ口を設計変更し、すっきりとさせつつ膨らみは増している。.空気取り入れ口の前部内側に角度をつけており、機体本体と一体化をはかっている。カナード翼後方は切り込んであり内側の縁は空気取り入れ口との隙間処理で切り取ってある。垂直尾翼の後方も切り込んであり、中国の文献によるとこれは側面からのレーダー断面積を減らすためだという。
  2. 前後の降着装置の格納扉も改良されている。.
  3. 底部を比較すると主兵装庫は拡大しており、空対空ミサイルだけでなく精密誘導弾も搭載できるようだ。前縁部は曲線から直線に変わっている。
  4. 尾部は延長され幅も拡大されて、排気口と並行になった。腹部のフィンは大きくなったようで、排気を側面から隠す機能があるようだ。同機は同じJ-20とはいっても排気からのレーダー探知性は大幅に下がっているだろう。
  5. またエイビオニクスも一式搭載しているようで、2002号機にはテスト用AESAレーダーを積んでいると思われる。前面から見ると2011号機の機首は傾斜しているが、角度は小さくレーダー搭載には支障がないだろう。Differences between China's stealth fighter prototypes.
Differences between China’s stealth fighter prototypes.

  1. 電子光学式捜索装置はF-35の電子光学式目標捕捉システムと類似したものでJ-20の顎部分に装着。また、防御用エイビオニクスが両側面、機種、尾部についている。
  2. コックピット内部は不明だが、新型ホログラム式ヘッドアップディスプレーを装備しているはずで、キャノピーは二重構造。
  3. 新世代の統合電子装備はJ-10Bで実証済みでJ-20にも取り入れられているはずだ。
  4. J-10Bが搭載したのは第一世代のAESAレーダーで瀋陽J-16は1.5世代AESAレーダーを採用する。J-20の実戦化までには第二世代にAESAレーダーになるだろう。中国のレーダー技術は成都J-10Bで見る限り、より近代化された統合電子装置システムに近づいているようだ。An image of China's newest stealth fighter prototype.
An image of China’s newest stealth fighter prototype.

  1. 今回登場した新型試作型では以前の2001/2002号機よりステルス性、機体操縦性とエイビオニクスで大きく改良されている。人民解放軍空軍の他案件の時系列進展から判断するとJ-20の量産は2019年ごろ開始で同時に実戦化とみる専門家もいる。
  2. ただしJ-20で大きな疑問はWS-15エンジンがいまだに開発中ということで、このエンジンが量産化までに実用化されるかははっきりしない。