ラベル RVS の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル RVS の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025年5月15日木曜日

KC-46の給油ビジョンシステム修正は2027年に先送り(Breaking Defense) —オペレーターが距離感を失い嘔吐したりということらしいのですが、航空自衛隊はどうしているのでしょう

 KC-46 F-15 certification testing

2018年10月29日、フロリダ州エグリン空軍基地からF-15ストライクイーグルの試験機に接続するKC-46Aペガサス空中給油機。(U.S. Air Force photo by Master Sgt Michael Jackson)



新スケジュールは、2月以来納入停止中のタンカーにとって後退となる


空軍によると、ボーイングKC-46ペガサスで問題となっている視力システムの問題を修正することを目的としたアップグレードは再び延期され、2027年の夏まで実戦投入されない見込みだ。

 「空軍とボーイングは、スケジュールの遅れを防止または緩和する機会を探っている」と空軍の広報担当は声明で付け加えた。

 空軍関係者は当初、2023年に実戦配備することを望んでいたとされるが、RVS 2.0と呼ばれるKC-46の視覚システムのアップグレードは何度も延期されてきた。それ以前には、このシステムは2026年に完成すると予測だったが、FAAの認証プロセスがさらなる遅れの原因となっている。

 ブームオペレーターが窓の外を見ながら伸縮式の給油ロッドをレシーバーに誘導しなければならないレガシー・タンカーとは対照的に、ペガサスのオペレーターは、カメラとセンサーによって構築されたデジタル画像を頼りに、機内で遠隔操作で給油を行う。

 現在のRVSは、2.0仕様に置き換える必要がある。RVSは、夜間の給油が見えにくかったり、昼間は太陽光の影響を受け苦労している。また、奥行き知覚にも問題があり、ブーム操作のリスクを高めている。これらの問題に対処するため、RVS2.0では、航空機の長波長赤外線カメラ2台と可視スペクトルカメラ2台をアップグレードし、可視スペクトルカメラを1セット追加し合計6台とする。

 このタンカーには、オペレーターが給油のため接近する飛行機を確認するのに役立つパノラマカメラも搭載されているが、空軍が本誌に以前に語ったところでは、RVSとは別にアップグレードが行われるとのことであった。このアップグレードでは、既存の赤外線パノラマカメラ3台がそれぞれアップグレードされたものと交換され、新しい電気光学センサー(平たく言えば、高解像度の可視光カメラ)が追加される。

 火曜日に下院歳出防衛小委員会が開催した公聴会で、空軍参謀総長のデビッド・オールヴィン大将は、KC-46にはまだ5つのカテゴリー1の欠陥が残っていると述べ、航空機は "最適に"機能していないと述べた。 同機は、A-10とまだ実戦配備されていないE-7を除く、すべての空軍機への給油が許可されている。

 空軍はまた、空軍への引き渡しを待っていた2機で「機外固定式トレーリングエッジ支持構造」に亀裂が発見されたため、2月以来KC-46の納入を停止している。

 固定価格契約に伴いKC-46で数十億ドルの損失を出しているボーイングは、RVS2.0の新たな納期を空軍に尋ねられ、先送りにした。広報担当者は、"当社は納品を再開するために米空軍と協力している "と付け加えた。■


KC-46 refueling vision system fix delayed to 2027

The new timeline is a setback for the beleaguered tanker, whose deliveries have been halted since February.

By   Michael Marrow

on May 07, 2025 at 11:27 AM


https://breakingdefense.com/2025/05/kc-46-refueling-vision-system-fix-delayed-to-2027/


2025年1月8日水曜日

今まで極秘だったイスラエルの707タンカーの内部が明らかになった(The War Zone)―KC-46でいまだに実用化できていないRVSをイスラエルが先に運用しているとは。


イスラエル空軍は、めったに見ることのできない707タンカーの給油補助装置リモート・ビジョン・システムの姿を公表した

The Israel Defense Forces (IDF) have provided an even better look at the previously highly secretive remote vision system that is central to the operation of the Israeli Air Force’s critical Boeing 707 tanker fleet. TWZ has previously looked at this system — used by the boom operator to see what is happening at the rear of the aircraft while connecting the boom with the receiving aircraft — but the actual operator interface has, as far as we know, never been seen in such detail.  

IDF screencap


スラエル国防軍(IDF)が、イスラエル空軍のボーイング707タンカーでこれまで極秘だったリモートビジョンシステムをさらに詳しく紹介している。本誌は以前にも、ブームオペレーターがブームと受信機を接続する際に、航空機の後方で何が起こっているかを確認するために使用するこのシステムを紹介したことがあるが、実際のオペレーター・インターフェースをこれほど詳細に見られることはなかった。

新しい画像は、707タンカー(現地ではオリックスを意味するヘブライ語のRe'emという名で知られている)をフィーチャーしたIDFの公式ビデオの一部で、60周年に合わせて公開された。映像には、貨物倉の燃料タンクやブームなどの詳細が映し出されている。内部タンクは取り外すこともでき、旅客機スタイルの客席を含む輸送機として再構成できる。 しかし、最も興味深いのは、リモート・ビジョン・システム(RVS)インターフェースを備えたブーム・オペレーターの位置だ。

イスラエルの707タンカーの貨物室の燃料タンク。. IDF screencap


これには左右のコントロールスティックと足で操作する通信システムが含まれ、ブーマーの両手はコンソールの操作に自由に使える。ブーマーのスクリーンは比較的大きく、周囲にアナログ計器が配置されている。

イスラエルの707タンカーの機内にあるRVSコンソール。.IDF screencap IDF screencap


本誌は2024年9月、イエメンのフーシ派の標的への長距離攻撃ミッションの一部を映したビデオで、リモートビジョンシステムの画面を見たことがある。 

2024年9月に公開されたビデオでIDFが提供したレエムのRVSの様子。. IDF screencap


同年7月、707がイスラエル空軍のイエメン長距離空襲を支援した後、イスラエル空軍はRVSのカメラ映像そのものを公開していた。 

 全体として、イスラエルの707に使用されたコンソールは、現在アメリカ空軍のKC-46ペガサスに使用されている技術と魅力的な比較をすることができる。KC-46での技術は、複雑なリモート・ビジョン・システム(RVS)が同機プログラムの問題の原因であることが証明されているため、悪評に近くなっている。



707タンカーの尾翼についたイスラエルのRVS用カメラ。IDF screencap

IDFのビデオで見ることができるように、KC-46と同様に、イスラエルの707のブームオペレーターはメインキャビンのステーションから作業を行い、機体後部のカメラの映像がRVSにフィードされる。KC-46との主な違いは、KC-46では2D/3Dのハイブリッド・システムを採用して、オペレーターは特殊なメガネをかける必要があるが、707のRVSにはモニターが1つしかない。

KC-46Aのメインキャビンでブームオペレーターが専用メガネをかけてワークステーションに座っている。 U.S. Air Force


イスラエルのRVSに関する以前の報道で述べたように、この初期のコンセプトが何十年もの間、非常に重要な役割を果たし続けている一方で、米空軍はいまだにKC-46に搭載されるシステムの改訂を待っているというのは、驚き以外の何物でもない:

「KC-46に採用された米国版がいまだに遅延に陥っているのに対して、イスラエルは困難もなく機能すると思われるリモートビジョンシステムを開発し、何年も前に実戦配備している。 何年も前に導入されたこの古いイスラエル製システムの歯がゆさがどの程度だったのか、いまだに正確には分かっていない。一方、最新のリモートビジョンシステムも開発されており、エアバスA330マルチロールタンカー輸送機(MRTT)に導入されている」。



2023年3月20日、ネバダ州ネリス空軍基地で行われたレッドフラッグ-ネリス23-2のミッションのために離陸するイスラエル、ネバティム空軍基地の120飛行隊所属のイスラエル空軍707。 U.S. Air Force

皮肉なことに、707はKC-46に取って代わられることになる。イスラエルはKC-46を当初8機発注しており、次世代RVSの搭載はほぼ確実視されている。イスラエルはKC-46を補完するために、しばらくの間707の運用を継続することを決定するかもしれないが、これらは現在では老朽化したプラットフォームで、すでに退役している機体もある。



F-15戦闘機に給油するイスラエルのKC-46のレンダリング。. Boeing


IAFの707レエム・フリートに関しては、1979年に運用が開始され、それまでの707-100に代わって当時の新型機707-300が導入された。これらの機体は民間航空会社から購入された後、現地で空中給油用に改造された。改造はイスラエル航空宇宙産業(IAI)が行った。2010年代には、追加機体も購入され、タンカーにアップグレードされた。

イスラエル空軍が長距離攻撃を行うために不可欠な空中給油に加え、707は指揮統制局や通信ノードとしても重要な役割を担っている。 F-15やF-16のよう戦術機や、遠く離れた司令部と、重要で安全な見通し外通信を行うために、この航空機は衛星通信スイートを搭載している。これは長距離攻撃作戦においても非常に重要である。

ハツェリム基地上空でF15戦闘機への給油を実演するイスラエル空軍のボーイング707タンカー。 JACK GUEZ/AFP via Getty Images

現在、イスラエルで就航中の707タンカーは7隻に満たないと言われており、各機はこれまで以上に貴重なものとなっている。イスラエルがこの不朽の航空機を段階的に廃止する方向に向かうにつれ、その運用や、1980年代初頭以来イスラエル空軍の長距離攻撃能力を支えてきたRVSの繊細な技術について、より多くが明らかになるかもしれない。■

Our Best Look So Far Inside Israel’s Once Secretive 707 Tankers

The Israeli Air Force provided unprecedented access to the rarely seen Remote Vision System refueling aid used in its 707 tankers.

Thomas Newdick

https://www.twz.com/air/our-best-look-so-far-inside-israelis-once-secretive-707-tankers