ラベル CNO の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル CNO の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025年8月30日土曜日

新海軍作戦部長コードル大将が初演説で新たな艦隊設計を提唱(USNI News)


新海軍作戦部長コードル大将が初演説で新たな艦隊設計を提唱(USNI News)


ダリル・コードル大将は第34代海軍作戦部長としての職務を2025年8月25日、開始した。米海軍写真

ワシントンD.C. — 米海軍は、新興軍事技術を戦闘方式に統合する新たな艦隊設計を導入すると、新たに就任したダリル・コードル海軍作戦部長 Adm. Daryl Caudleが、同職としての初演説で発表した。

コードル大将は25日、ワシントンD.C.海軍工廠で行われた就任式典で演説し、今後数年間の作戦計画に沿って艦隊設計を開発中だと述べた。

「今日の戦い方は明日の戦い方と異なる。絶え間なく革新を続け、適応し、最先端技術、人工知能、ロボティクス・自律システム、強靭な指揮統制ネットワーク、極超音速兵器、先進製造技術、量子技術を活用したセンシングの統合を加速させる」と述べた。「明日の戦い方は、将来の艦隊設計によって現実となる。この設計は、海軍の戦闘概念、新たに開発された海軍抑止概念と緊密に連動し、国防総省の投資優先事項に沿ったものとなる」。

米艦隊司令官を歴任したコードル大将は、海軍の優先課題として即応態勢の重要性と、整備遅延の解消に向けた取り組み強化を訴えてきた。一方で、ヴァージニア級・コロンビア級潜水艦コンステレーション級フリゲートといった新造艦は、数年単位の遅延に直面している。海軍は新型無人水上・航空システムの開発が遅れており、次世代艦艇・航空機の開発もほとんど進展していない。

過去数年間、海軍はリサ・フランケッティ海軍作戦部長の計画に基づき、早ければ2027年にも太平洋で発生する可能性のある中国との紛争を見据え、現行戦力の即応態勢を最優先課題としてきた。月曜日の式典は、フランチェッティが職を解かれ6か月後に行われた。184日間の空白期間は、1915年創設された同職の歴史上、最も長い空席期間となった。

コードル提督が新たな艦隊設計と抑止手法を提唱する背景には、ホワイトハウスが国内の海軍・民間造船拡大を呼びかけていることがある。海軍の2024年戦闘部隊計画では、有人艦艇381隻と無人艦艇(数未定)を要求している。月曜日現在、海軍の艦艇数は293隻である。

就任宣誓式に先立つ冒頭挨拶で、ジョン・フェラン海軍長官は、自身が職務に就いて最初の週にP-8Aポセイドン飛行中にコードルと会ったと述べた。フェラン長官は、海軍が改善すべき分野についてコードルと意見が一致したと語った。

「「コードル提督と私は、我々の前にある課題を明確に認識している——老朽化する造船所、不十分な整備、膨大なコスト超過、納入・修理遅延、そして規律を欠き調達プロセスから乖離した要求仕様策定プロセス……海軍は、革新を阻害する伝統的側面から迅速に脱却し、世界最高の海軍戦闘力であり続けるために必要な文化変革を、より強い緊急性をもって実行しなければならない」と述べた。「我々は再構築し、改革し、真に重要なもの——即応態勢、説明責任、成果——に焦点を再設定し、トランプ大統領の『力による平和』という指令を実行しなければならない」。

コードルはまた、海軍全般における水兵の生活の質向上を約束した。

「私のCNO(海軍作戦部長)としての任期中、水兵は間違いなく私のビジョンの中心に据えられる」と彼は述べた。「サービス品質の確保が最優先課題だ。住宅、育児支援、医療から世界水準の訓練・資格基準への投資まで、乗組員が成功に必要な全てを確実に提供します。危険な海域へ出航する彼らには、最高水準の待遇が当然だからです」

ノースカロライナ州出身のコードルは1985年にノースカロライナ州立大学を卒業。キャリア潜水艦乗組員として、米艦隊司令官就任前には大西洋潜水艦部隊を指揮していた。潜水艦「ジェファーソンシティ」(SSN-759)、「ヘレナ」(SSN-725)、「トピカ」(SSN-754)の艦長、ならびに第3潜水艦戦隊司令官を歴任した。

New CNO Caudle Calls for New Fleet Design in First Speech

Sam LaGrone

August 25, 2025 5:32 PM

https://news.usni.org/2025/08/25/new-cno-caudle-calls-for-new-fleet-design-in-first-speech


2016年1月25日月曜日

米中海軍制服組トップ同士で続く直接対話はどんな結果を生み出すのか


信頼醸成が重要であることは言うまでもないのですが、結果が生まれないと困りますね。中国人もアメリカ人も原則だけを主張していても平行線のままだとわかっているはずですが。今年も中国はリムパックに招待されるようですね。(前回は演習参加とは別にスパイ船も派遣していました)

Top US, Chinese Admirals Confer

Christopher P. Cavas 4:25 p.m. EST January 20, 2016

US and Chinese naval leaders hold video teleconference


Chinese CNO Wu(Photo: MCC Sam Shavers, US Navy)

WASHINGTON — 米中の海軍制服組トップが二時間にわたるビデオ会議を1月19日に行っていたことが判明した。両国海軍間の定期的意見交換の一環だという。
  1. 海軍作戦部長(CNO)ジョン・リチャードソン大将と中国人民解放軍海軍トップの呉勝利Wu Shengli大将は「2015年を振り返り両国海軍の関係で多彩な出来事があった」と認識を共有し、2016年はさらなる進展を誓い合ったという。
  2. 関係者によればその他として艦船の寄港や人員の交流も話し合った。双方が海上偶発事故防止規定 Code for Unplanned Encounters at Sea (CUES)の適用場面が増えている中で「満足といっそうの振興」で合意したという。この規定は軍事対立の発生を予防するため米中が各国と取り決めたものだ。
  3. ビデオ会議の詳細は不明だが、両トップが今年夏に予定されているリムパック演習を取り上げたのではないかと見られる。中国は再度同演習に招聘を受ける予定だ。
  4. リチャードソンが呉とビデオ会議に臨むのはこれが三回目だ。初回は2015年晩夏でその時点でリチャードソンはCNO就任予定のため前任のジョナサン・グリナート大将に加わる形で参加した。二回目は昨年10月でUSSラッセンに南シナ海で中国が占拠する島嶼付近を航行させた直後のことだった。
  5. リチャードソンは声明文を発表しており、「話し合いは有意義だった。顔を突き合わせて相手の反応を見ながら率直な意見交換をすることが個人的つながりを生み、両国海軍にとって有意義な結果を今後も生むだろう」
  6. 先の米海軍関係者によれば両国海軍トップは今年後半にも初めて実際に会見することを検討したという。
  7. 「それまでに緊急事態が発生しなければ」次のビデオ会議は春遅くに予定されているという。■


2015年5月15日金曜日

次期海軍作戦部長のリチャードソン大将はこんな人



次期海軍作戦部長(海軍トップ)にリチャードソン大将が内定しました。潜水艦勤務の経歴を中心に直近は原子炉部門長のため今回の人事はやや驚きをもって受け止められているようです。まずUSNI Newsは以下のように伝えています。これは国防長官の発表後の配信です。

Naval Reactors Director Adm. Richardson Named Next CNO

May 13, 2015 10:02 AMUpdated: May 13, 2015 2:23 PM

Chief of Naval Operations Navy Adm. Jonathan Greenert and Navy Adm. John Richardson, director of the Naval Nuclear Propulsion Program. DoD Photo
海軍作戦部長ジョナサン・グリナート大将とジョン・リチャードソン大将(海軍核推進事業部長) DoD Photo

アシュ・カーター国防長官からジョン・リチャードソン大将 Adm. John Richardson(現海軍核推進事業統括責任者)が次の海軍作戦部長(CNO)に就任すると発表した。

  1. 人事はオバマ大統領が承認ずみで、つぎは上院の承認を求めることになる。
  2. リチャードソンはエネルギー省との協同事業である海軍原子炉部門 Naval Reactors(NR)に2012年11月異動となり、8年間の任期を全うすると見られれていた。通常の人事異動が2年から3年であるが、高度の技術内容である事業のため任期が長くなっている。
  3. 原子炉部門出身者が海軍トップに就任する初の事例となる。
  4. 「ジョン・リチャードソン大将は正しい選択だ。果敢に決断するずば抜けたリーダーであり、海軍の多くの厳しい課題で頼りになる人物となっており、オハイオ級後継弾道ミサイル潜水艦問題から内部統制・倫理問題まで幅広く扱ってきた」とカーター長官は評した。「重宝がられる人物でエネルギー省長官から引き抜くのに苦労した」
  5. 現CNOのジョナサン・グリーナート大将も潜水艦部隊出身でオハイオ後継艦事業こそ海軍の最優先事項だと強調していた。同時に最大の予算規模にもなる。リチャードソンは同事業に詳しく優先順位を高くしたまま予算も全額確保するだろう。
  6. リチャードソンは海軍兵学校を1982年卒業し、物理学学士号を取得。USSパーチ Parche (SSN-683)、USSジョージ・C・マーシャル George C. Marshall (SSBN-654)とUSS ソルトレイクシティSalt Lake City (SSN-716)の各潜水艦に勤務した後USSホノルルHonolulu (SSN-718) 艦長として James Bond Stockdale Leadership Awardを受賞している。
  7. また大統領付き海軍補佐官、太平洋艦隊潜水艦部隊で艦長候補の訓練、米合同司令部で戦略政策部長を歴任している。

これに対してBreaking Defenseはやや辛い見方を示しています。この記事は国防長官による発表前に配信されています。


Worries Surface As Carter Picks Submariner As CNO; It’s All About Nuclear Reactors

By COLIN CLARK on May 13, 2015 at 1:11 PM

WASHINGTON: 次期海軍作戦部長に海軍原子炉部門長が抜擢されたことに人事発表前から疑問の声が上がっている。問題は本人の業績ではなく現時点の職責だ。
.
  1. ハイマン・リコーヴァー提督が海軍原子炉部門(NR)の長の任期を8年と定めた時は議会と海軍の圧力を遮断する意味があった。
  2. 「リチャードソンについて良いことしか思い浮かばないし、すばらしいCNOになるのは疑いがない。だが先例から上院がすんなりと承認するとは思えない」とある議会スタッフは言う。
  3. 海軍原子炉部長のポストはこう理解されている。重要な職責に8年間も使える。任期中に異動や圧力を心配しなくても良い。裁量権が広く、退任までそのまま。
  4. もうひとりの議員スタッフは先例よりもリチャードソンが水上艦艇や航空部門で経験が乏しいのを気にしている。「CNOとは水中部隊のためだけではない」と本人の指揮経験が潜水艦関連であることに言及している。また海軍内部の各組織からも潜水艦を優遇していないか疑念がかけるはずである。ただ本人が大統領付き補佐官を務めた事実も注目すべきだ。
  5. 海軍にとって最重要議員と言って良いランディ・フォーブス下院議員は声明を発表し、同大将に海軍全般に目を配るよう求めている。
  6. 「リチャードソン大将はこれまで潜水艦部門で抜きんでたリーダーシップを発揮しており、就任は確実と見ているが、新ポストではより広い視野で海軍兵力全体を把握するよう、また水上艦艇の戦力強化に励むとともに海軍航空戦力の方向性を示してもらいたい」
  7. カーター長官はオハイオ級原子力潜水艦の後継艦選定は重要な課題であり、抜群の信用力で強力な推進役が必要だと決めたのかもしれない。SSBN-Xオハイオ後継艦事業(ORP)の単艦費用は49億ドルと最新結果は伝えているがコスト上昇は必至だろう。
  8. リチャードソンはオハイオ後継艦についてこう発言している。「6台のバスが編隊を組んで同じ間隔を明けて高速道路を走行するのと同じで走っている間に6台に同時にペンキを塗るようなものだ」
  9. For a glimpse at Richardson the commander, here’s what Sydney wrote when Richardson took the Nuclear Reactors job, which he was to hold until 2020:
  10. リチャードソンの指揮官の資質については原子炉業務に異動になった際にこう評されている。
  11. リチャードソンはリコーヴァーと同様にまた現NR責任者カークランド・ドナルド大将と同様に潜水艦で経歴を築いてきた人物だが、普通控えめな潜水艦乗りとは一線を画し、ブログを書き、兵学校のカンニング騒動、アブグレイブ刑務所での拷問スキャンダルやプラトンの国家論まで幅広い話題を取り上げている。
  12. 上院での任命承認手続きでは上院軍事委員会委員長ジョン・マケイン議員(海軍航空士官出身で長く続く海軍軍人の家系)が本人の人格及び職務上の資質を厳しく見ると予想する。マケインがリチャードソンを疑わしく思うだろうか、あるいは神聖なる海軍原子炉での職務またはその両方で疑義を上げるだろうか。まだ予測がつかない。■