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2025年9月6日土曜日

日本の新型FFMフリゲート向け受注に成功したパルフィンガーとはどんな企業なのか(Naval News)

 


Picture of a Mogami-class Frigate

もがみ級フリゲート艦の写真 © 防衛省


もがみ級多目的フリゲート艦12隻へのスリップウェイシステムSlipway System技術の納入実績からパルフィンガーPALFINGERは次世代FFM級多目的フリゲート艦向けに先進的で世界唯一無二のスリップウェイシステムを供給する企業として再度選定された。

パルフィンガーの船尾発進・回収システムは、海軍作戦における無人水上艇(USV)やボートの展開・回収を最適化するように設計されており、政府機関、海軍、沿岸警備隊の艦艇のニーズに合わせた効率的で信頼性の高いソリューションを提供する。

以下パルフィンガー・マリン社プレスリリースより

もがみ級と外観上の類似性を保ちつつ、次世代FFM級フリゲートは船体を全長10メートル延長、全幅1メートル拡大するなど、艦艇設計を進化しています。三菱重工業(MHI)が主契約者に選定され、当社パルフィンガー・マリンは、2027年から2036年にかけて建造予定の新型フリゲート艦5隻向けに、船尾発射回収システム(Stern-LARS)を供給する契約を獲得しました。契約範囲には、新型FFM設計の要求を満たすよう改良された、実績ある当社独自のパルフィンガー・スリップウェイ・システム技術(現行もがみ級フリゲート向けに納入済み)が含まれます。

「パルフィンガーは、海上自衛隊の将来多目的フリゲート艦向けに、再びスリップウェイシステムの供給業者として選定されたことを誇りに思います」「本艦艇向け船尾LARSソリューションに選定されたことは、パルフィンガーが最も要求の厳しいプロジェクトにも対応可能な高品質製品、エンジニアリング能力、プロジェクト遂行力を有している証左です」(パルフィンガー・マリンの政府・海軍・沿岸警備隊向けグローバルキーアカウント&セグメントマネージャー、トルステイン・スヴァネ)。

もがみ級に搭載されたスリップウェイシステム(パルフィンガー提供写真)

USVおよび船舶運搬の未来を形作る

有人・無人いずれの船舶においても、パルフィンガーのスリップウェイシステムは、無人水上艇(USV)や船舶の海上での進水・回収に伴う典型的な課題やリスクの大半を解消します。

パルフィンガー・スリップウェイシステム技術を採用することで、運用上の様々な利点が得られる。吊り上げ、フック、ペインターライン、アレスターワイヤー、その他の機械的接続が不要となり安全性を大幅に向上させ、発進・回収作業中の危険な状況のリスクを効果的に低減します。同時に、操作を簡素化し単独オペレーターでの使用を可能にすることで効率と速度を向上させ、発進・回収時の手動サポートが不要になります。

これにより、悪天候下でも滑走路への出入りを円滑かつシームレスに実現し乗組員の快適性を向上させるだけでなく、卓越した汎用性と柔軟性を提供します。自己調整式車輪駆動技術により、再構成を必要とせず多様な水上艇に対応可能となります。

当社パルフィンガーは、船舶技術産業における重要な開発分野である艦載用スリップウェイおよび船尾進入システムの革新の最前線に立っています。業界のパイオニアとして、パルフィンガーはこの特定分野で主導的役割を果たすことを誇りにしています

無人水上艇(USV)用スリップウェイシステム。パルフィンガー提供画像。


PALFINGER Secures Order for Japan’s New FFM Frigates

2025年1月24日金曜日

日本が海上配備型V-BAT無人機に関する契約をシールドAIと締結(Breaking Defense)―無人機では遅れていた自衛隊もウクライナ戦を横目に無人機の導入の流れに加わります。遅れた分、猛スピードで運用経験を積んでもらいたいものです

 




KAMANDAG 6 V-BAT

2022年10月4日、フィリピン・タルラックのエルネスト・ラビナ空軍基地で、第31海兵遠征部隊の民間業者がV-BATドローンの飛行を実施。 (米海兵隊撮影:Lance Cpl. Manuel Alvarado)


シールドAIは日本海軍にとって初の艦載情報・監視・偵察プラットフォームとなり、最初の納入は今年後半の予定


本の海軍は、米シールドAI社 Shield AIから非公開の機数のV-BAT無人偵察機を購入することに合意し、日本で初の海上ベースの情報・監視・偵察(ISR)プラットフォームとなり、海軍による海上での認識能力を強化する。

 シールドAIが本日発表した契約には、数量や金額などの詳細は含まれていない。同社は、海上自衛隊(JMSDF)のための「計画された複数年の購入」の一部として、垂直離着陸V-BATの最初の機体を「今年後半」に引き渡すことを期待していると、同社の広報担当者は本誌に語った。

 「日本はインド太平洋における重要な同盟国であり、地域の抑止力強化に不可欠である。このパートナーシップは、日本が有事に効果的に対応する能力を強化し、海上ISR任務のための信頼性と実績のあるプラットフォームを装備することを保証する」とシールドAIのブランドン・ツェン社長は同社のプレスリリースで述べている。

 シールドAIは、海上自衛隊にとって初の艦載型ISRプラットフォームが誕生すると主張しているが、このドローン購入は、中国との緊張が高まる中、日本が海を重視する姿勢を強めていることを強調している。  同社の広報担当者によれば、V-BATは「グループ3の艦船搭載型ISRプラットフォームとしては初めて、調達競争(つまり、企業所有/企業運用(COCO)配備ではない)を経て受注したもの」だという。

 シールドAIは、2021年にマーティンUAVという会社を買収してドローンの権利を取得した後、V-BATを販売している。 V-BATドローンは米国沿岸警備隊に海上監視用として採用され、ウクライナの戦場で繰り広げられた密集電磁波戦に対して有効であることが証明されたと報告されている。シールドAIは最近、インド企業JSWグループと合弁でインドでV-BATを製造すると発表した。

 シールドAIは現在、テキサス州ダラスにある製造施設でV-BATを製造している。本日発表された海上自衛隊との契約には、未公表の「現地法人」との提携も含まれると同社広報は述べているが、ドローンはアメリカ国内で製造される。■



Japan inks deal with Shield AI for sea-based V-BAT drones

The first deliveries are expected later this year as part of a multi-year deal for what Shield AI says is the first ship-launched intelligence, surveillance and reconnaissance platform for the Japanese navy.

By   Michael Marrow

on January 22, 2025 at 4:18 PM


https://breakingdefense.com/2025/01/japan-inks-deal-with-shield-ai-for-sea-based-v-bat-drones/


2024年7月13日土曜日

令和6年防衛白書でわかったASEVの最新動向について(Naval News)

新しい防衛白書でASEVについて新しい画像が公表され、Naval Newsが伝えてくれましたのでご紹介します。将来の拡張性も考慮して艦体が大型化していますが、電力容量も考えるとこの大きさで間に合うのでしょうか。また2隻建造するとありますが、3隻ないと常時パトロールができなくなるのではないでしょうか。もともとは地域住民のエゴで断念したイージス・アショアの代替なのですが、配備が完了するまでとんでもないコストになっていますね。

令和6年度防衛白書


防衛省がASEVの最新イメージを公開


日本の防衛省は最新の防衛白書で、イージスシステム搭載艦(ASEV)の最新画像を公開し、説明を加えた。



陸上イージス・アショアに代わる弾道ミサイル防衛(BMD)システムとして海上自衛隊はASEV2隻の調達を計画している。ASEV1号艦は2028年3月末までに、2号艦は2029年3月末までに就役する予定である。

 7月12日に発表された2024年防衛白書で公開された最新の画像は、ASEVの詳細設計の進展を示している。

 防衛省によると、ASEVの大きさは全長190メートル、全幅25メートル、基準排水量1万2000トン。これに対し、海上自衛隊の最新型イージス艦「まや」級は全長170メートル、全幅21メートル、基準排水量8,200トン。また、ASEVはトン数で米海軍の最新イージス艦アーレイ・バーク・フライトIIIの1.7倍である。

 艦橋構造のデザインは「まや」級イージス駆逐艦を踏襲しているらしいが、窓の形状は「もがみ」級フリゲート(通称FFM)のように横長になっており、視認性を向上させつつ、人員削減による艦橋スタッフの少人数化にも対応している。

 主兵装の構成も、Mk-45(Mod.4)5インチ/62口径(127mm)主砲を含むまや級に似ているようだ。

 ASEVが、全方位監視と警戒を向上させるために、FFMに搭載されているOAX-3電気光学・赤外(EO/IR)センサーシステムと同様の機器を搭載するかは、まだ不明だ。

 各国軍艦の設計に詳しい日本の海軍専門家は、匿名を条件に本誌の取材に対し、空中線やその他の装備は第一ファンネルの外周の突起部に集中しているようだと語った。

 「主エンジンの排気煙による熱問題や、その部分での電波干渉の影響はないのだろうか」と専門家は指摘し、「このような艤装を見るのは初めてなので興味深い 」と付け加えた。

 専門家はまた、第1ファンネルと第2ファンネルの構造についても注目した。

 「通常の艦船では、SSMはそこに設置される。甲板の作業通路になる部分に何らかの構造物が配置されているのは、将来的に長距離ミサイルなどを増設するためのスペースを確保するためかもしれない」と専門家は指摘している。

 海上自衛隊の元幹部も、匿名を条件に本誌取材に対し、ASEVはまだ設計段階であり、設計次第で細部の変更が続くと予想している。

 「将来的には、もがみ級フリゲート艦のように、船体側面にハッチを増やし、装備を隠しステルス性を向上させることになるだろう」と元幹部は語った。


ASEVの兵装とセンサーシステム

 2隻のASEVには、もともとイージス・アショア用に調達されたロッキード・マーチン社のSPY-7が搭載されることになっており、イージスシステムのバージョンは、SPY-7をベースライン9(BL9)に統合するために改良されたJ7.Bとなる。

 2024年4月4日、ロッキード・マーティンは、ASEV用の初の実写トラックAN/SPY-7(V)1レーダー(SPY-7)のデモンストレーションに成功したと発表した。

 防衛省は最新の白書で、SPY-7はSPY-1の5倍の追跡能力を持ち、ロフテッド軌道で発射されたミサイルや同時に発射された複数の弾道ミサイルに対処できると述べている。

 ASEV艦は、垂直発射システム(VLS)セル128個を搭載する。これは、まや級護衛艦のMk41 VLS 96セル(前方64セル、後方32セル)を上回る。

 また防衛省は、ASEVのVLSは、滑空段階で極超音速滑空体(HGV)に対処する将来装備に対応できる拡張性が与えられると説明している。


ASEVのその他兵装には以下が含まれる:

  • SM-6、別名RIM-174標準長距離アクティブミサイル(ERAM)

  • SM-3ブロックIIIA地対空ミサイル

  • 他の艦船が追尾した対空目標を遠隔射撃することを可能にする協同交戦能力(CEC)など。

2032年以降に搭載が想定された装備(拡張性/将来の増加):

  • 水上戦における脅威範囲外からの敵艦隊に対処するため12式SSMの改修

  • 敵の脅威範囲外で地上部隊に対処するトマホーク・ミサイル

  • ドローンによる飽和攻撃に対処する高出力レーザーなど


 防衛省は、今年度から2隻のASEVの建造を開始した。建設費を含む取得費用として、今年度予算に3731億円を計上している。さらに、各種試験準備や試験場などの運用支援施設などの関連費用として815億円(5億400万ドル)を確保している。つまり、2024年度だけでASEVの費用として4546億円が計上されている。■


Japan’s MoD Unveils Latest Image Of ASEV

Kosuke Takahashi  12 Jul 2024


https://www.navalnews.com/naval-news/2024/07/japans-mod-unveils-latest-image-of-asev/


2024年6月26日水曜日

もがみ級フリゲート6番艦「あがの」が就役!

 


日本のメディアがさぼっているため、自分の国の新鋭艦の就役の様子を海外から知らなければならないのはおかしいですね。それとも日本のメディアは意図的に報道管制しているのでしょうか?Naval Newsの記事を見てみましょう



三菱重工海洋システムズ株式会社は本日、「あがの」の竣工式および「自衛艦旗掲揚式」を執り行った。これは、「もがみ」級FFMの6番艦が、海上自衛隊に正式に就役したことを意味する。

「あがの」(ペナント番号:FFM-6)と命名された本艦は、海上自衛隊の次世代フリゲート「もがみ」級フリゲート(通称:FFM)6番艦で海上自衛隊舞鶴基地に配備される。

艦名は、本州の北陸地方にある阿賀野川(あがのがわ)にちなみ命名された。この級の各艦は日本の河川にちなんで命名されている。あがのは2022年12月に三菱重工が長崎で進水した。



FFM(別名30FFM、旧称30DX)は、海上自衛隊向けに設計された次世代型マルチミッションフリゲートで合計22隻のフリゲートが調達される予定。

もがみ級FFMとは

Mogami-class Frigate Kumano. MHI picture.

三菱重工によると、FFM型フリゲート艦は全備重量約5,500トン、全長132.5メートル、全幅16.3メートル。最大速力は30ノットを超える。乗組員は約90名とかなり少なく、自動化が進んでいることがわかる。

FFMには、以下のような多種多様な武器やシステムが装備される。

  • BAEシステムズ Mk.45 mod.4 5インチ海軍砲システム ×1

  • 日本製鋼所製12.7mm遠隔兵器システム×2

  • Mk.41 VLS

  • レイセオン・シーラム ×1

  • 三菱重工17式対艦ミサイル8基

  • 三菱電機OPY-2多機能レーダー

  • 三菱電機OAX-3EO/IRセンサー

  • 日立OQQ-11対機雷ソナー

  • NEC OQQ-25 対潜ソナー(VDS/TASS)

  • 機雷対策用UUV(三菱重工製OZZ-5)およびUSV(型式不明

  • 攻撃型機雷戦用海自機雷

新型FFM計画

海上自衛隊は当初、海軍力強化の取り組みを強化として、合計22隻の「もがみ」級フリゲート艦を建造する計画だった。しかし、2023年度までに合計12隻のフリゲート艦を調達し、2024年から2028年までは12隻の新型FFMを調達する。新型フリゲート艦は基本的に、三菱重工が提案した設計で建造される「もがみ」級改良型となる。

本誌が以前報じたように、新クラスのFFMは、長距離ミサイルを搭載し、対潜能力を強化し、さまざまな海上作戦の能力を向上させる。

具体的には、12式SSMの艦上発射型改良型と新型艦対空誘導弾(あるいは単にA-SAM)が新FFMに装備される、と防衛当局は述べている。より優れた対空能力と索敵能力を持つ新型FFMは、FFG(ミサイル・フリゲート)に近くなるかもしれない。


オーストラリアが次期フリゲート候補に「もがみ」級をリストアップ

オーストラリア海軍は、水上戦闘艦隊の能力強化の一環として、海上自衛隊の「もがみ」級フリゲート艦を、同海軍の次期フリゲート艦候補 4 隻のうちの 1 隻に挙げた。

海上自衛隊の坂井良海上幕僚長は、この動きを称賛した。

「オーストラリアは独自の情報に基づいて、これらの国からフリゲート艦を選定したと考えている。もがみ級が候補に選ばれたことは、日本の装備に対する信頼と評価の高さの表れだ」と酒井は3月6日の記者会見で述べ、「海上自衛隊は豪海軍と積極的に意見交換をしていきたい」と付け加えた。■


Japan Commissions Sixth Mogami-Class Frigate 'Agano' 「あがの」 - Naval News

Naval News Staff  21 Jun 2024


2024年2月13日火曜日

建造中の「たいげい」級潜水艦の抑止力に着目。日本メディアは防衛装備品の果たす役割を正確に納税者に伝えるべき。


日本の「ビッグホエール」潜水艦、中国海軍を締め上げる新たな武器に

Business Insiderがまとめていますが、日本のメディアでは潜水艦の特異性には注目するものの、対中抑止力としての意義に触れるものがすくないのはなぜなんでしょう。さらに、新型艦への北京の警戒感は素早く伝えるのに、肝心の納税者には潜水艦戦力の意味を正しく伝えることができていない気がするのは自分だけでしょうか。

Japan has built one Taigei-class attack submarine every year since 2020. The lead ship seen here was commissioned in 2022.日本は2020年以降、毎年1隻の「たいげい」級攻撃型潜水艦を建造している。この艦は2022年に就役した。海上自衛隊

  • 日本はたいげい級潜水艦を2020年から進水させている。同級の潜水艦は、戦争が勃発した場合に中国軍艦を狩ることが期待されている

  • その高度な能力とステルス性は、中国の軍艦を待ち伏せるための格好の候補だ

年10月、川崎重工業は神戸造船所で日本最新鋭の潜水艦の進水式を行った。JSらいげいと命名されたディーゼル電気攻撃型潜水艦は、「大きなクジラ」の意味の「たいげい」級4番艦である。

同艦の進水は、たいげい級潜水艦3号艦「JSじんげい」の進水からほぼ1年後となった。建造期間は約2年で、日本は2020年以降、毎年たいげい級を進水させている。

この迅速なスケジュールは、日本の造船会社の優れた納期実績以上のものを示している。また、世界最高のものの1つとみなされる新クラスのディーゼル電気潜水艦で潜水艦艦隊を近代化する日本の決意を示している。

多くの新技術を特徴とする「たいげい」級潜水艦は、中国海軍がもたらす非常に現実的で増大中の脅威から守るために設計され、戦争が勃発した場合には中国軍艦の狩りで不可欠な役割を果たすことが期待されている。

新たな脅威、進化した潜水艦

日本の潜水艦は、大規模な産業基盤と、1世紀以上にわたって潜水艦を建造・運用してきた豊富な経験の賜物だ。

そうりゅう級は、その有効性と先進的な能力で称賛されてきた。その中には、ディーゼル電気艦が長時間水中で活動することを可能にする空気非依存推進(AIP)技術を装備した最初の第一線潜水艦であることも含まれる。

技術的に洗練された潜水艦は、同盟国である米海軍の原子力攻撃型潜水艦の威力と相まって、海上自衛隊(JMSDF)として正式に知られる日本の海軍が、近隣諸国に比べ小規模な潜水艦艦隊を保有することを可能にした。

冷戦直後の数年間で、ソ連の脅威は事実上一夜にして消え去り、ロシアからの脅威はその前身と比較して著しく劣化しているように見えたが、中国の潜水艦艦隊は数こそ大規模であったとはいえ、能力では何世代も遅れていると見なされることがほとんどであり、その結果、技術的なギャップが生じていた。しかし近年、その差は劇的に縮まっている。

中国の現在の潜水艦艦隊は約59隻で、約10隻の改良型キロ級、12隻の039型、21隻の039A型ディーゼル電気攻撃型潜水艦が含まれている。また、093/093A型原子力推進攻撃型潜水艦6隻、094型原子力弾道ミサイル潜水艦6隻も含まれている。

これらの艦種は近代的なシステムと兵器を搭載し、近代的な能力を備えている。例えば、元級の艦艇はAIP技術を装備し、ステルス性を高めるアップグレードが行われているようだ。

さらに、中国は、北京が領有権を主張するが日本が主権を維持している尖閣諸島周辺を含め、海軍力をますます主張するようになっている。

その結果、日本は潜水艦部隊の規模を拡大し、各潜水艦に先進技術を装備して質的優位を達成する必要に迫られている。

Japan is building a larger submarine fleet but it is still only about a third the size of China's. This image shows the Soryu-class submarine Kokuryu.

日本は大規模な潜水艦隊を建造中だが、中国の3分の1程度の規模に過ぎない

大きなクジラ

そうりゅう級潜水艦1番艦の就役から1年後の2010年、日本は潜水艦を16隻から22隻に増やす計画を発表した。また、2000年代の最初の10年間に研究を始めた新技術の追求も続けていた。

そのひとつがリチウムイオン(Li-ion)電池だ。標準的な鉛バッテリーよりも効率的なリチウムイオンバッテリーは、エネルギーを放電する際に大きな電位を維持する。また、一般的にエネルギー密度が高く、鉛蓄電池の2倍のエナジーを蓄えることができる。

潜水艦にとって、これは加速と最高速度の向上、潜航時間の延長、より少ないメンテナンス、より速い再充電時間、より低い騒音レベル、より良い全体的な性能を意味する。リチウムイオンバッテリーはまた、効率的で多くのエナジーを蓄えるため、AIPの必要性を否定する。潜水艦では、敵の爆雷やホーミング魚雷攻撃を回避するためにバーストスピードを必要とする。

他国の海軍は、リチウムイオン電池の誤作動や火災リスクを理由に、潜水艦へのリチウムイオン電池の採用に消極的であったが、日本は、そうりゅう型潜水艦の最後の2隻、JS「おうりゅう」とJS「とうりゅう」の就役により、潜水艦にこの技術を統合した最初の(そして今のところ唯一の)国となった。

2020年、日本はJS「たいげい」を就役させた。これは新しい主力艦であり、当初からリチウムイオン電池を搭載する設計の初の潜水艦である。2022年に就役した同艦は、外観はそうりゅう型に似ているが、全長275フィート、全幅30フィート、表面排水量約3,000トンと、やや大型である。比較すると、アメリカ海軍のロサンゼルス級攻撃型潜水艦のほうが約90フィート長い。

そうりゅう型と同じく、推進性能を高めるためX字型の潜航舵を持ち、同じ対策システムを運用している。また、同じZPS-6F地表・低空捜索レーダーを装備し、同じ曳航式アレイソナーを搭載し、オプトロニックマストを備えている。

しかし、「たいげい」級では、リチウムイオン電池に加え、新しいシュノーケルシステム、光ファイバーアレイ技術に基づく新しいソナーシステム、すべてのセンサーからデータを収集する新しい戦闘管理システム、ポンプジェット推進器などの新しいシステムも搭載している。この潜水艦には、89式魚雷と18式魚雷用の魚雷発射管が6基あり、UGM-84ハープーン対艦ミサイルを発射することができる。

70人の乗組員で運用する「たいげい」級は、日本の潜水艦で初となる6人の女性乗組員の女性専用区画を備えている。

中心的な役割とは

潜水艦は、中国との潜在的な将来の紛争において支配的な役割を果たすと長い間期待されており、なかでも日本の潜水艦は特に重要視されている。戦略国際問題研究所が昨年実施した、中国による台湾侵攻を想定したウォーゲームで、日本の潜水艦は「最も価値がある」と言われた。

高度な能力とステルス性から、東シナ海や南シナ海、そして日本海の戦略的な海上交通の要所において、中国の軍艦を待ち伏せる格好の手段となるだろう。特に重要なのは、日本と台湾、台湾とフィリピンの間にある宮古海峡とバシー海峡だ。

日本の潜水艦や、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどの同盟国やパートナー国の潜水艦は、これらの水域をキルゾーンに変え、中国海軍の行動の自由や、第二列島線さらにその先に艦船や潜水艦を派遣する能力を制限することができる。     

海上自衛隊は昨年9月、南シナ海で潜水艦1隻を使った対潜水艦戦訓練を実施し、2021年に同海域で米海軍と初の共同ASW演習を行った。最も近代的な潜水艦である「たいげい」級は、こうした取り組みにおいて中心的な役割を果たすはずだ。

日本は2018年以降、4隻の「たいげい」級潜水艦(JSたいげい、JSはくげい、JSじんげい、JSらいげい)を進水させた。最初の2隻だけが就役しているが、「じんげい」は3月に就役予定だ。JS「らいげい」は2025年の就役予定である。

日本は少なくとも7隻の「たいげい」を取得する計画で、海上自衛隊の「おやしお」級潜水艦の後継となるもので、おやしお級では1隻が昨年退役している。■

Japan's 'Big Whale' Submarines Add Another Weapon to Bottle up China's Navy

Ben Brimelow Feb 10, 2024, 8:00 PM JST


2021年12月10日金曜日

もがみ級FFM四号艦「みくま」が進水!

 

もがみ級フリゲート艦みくまの進水式。JMSDF picture.



菱重工業で海上自衛隊向けFFMもがみ級フリゲート艦四号艦「みくま」が12月10日進水した。同級は海上自衛隊が調達を進める次世代フリゲート艦でFFMと呼ばれる。


一号艦もがみは2021年3月に三菱重工が進水させており、三井E&Sが岡山で二号艦くまのを2020年11月に先に進水させていた。三号艦のしろは三菱重工で2021年6月進水した。


同艦は大分県の三隈川にちなみ命名され、同級各艦は国内河川の名をつけている。同艦は同造船所で艤装工事に入り、2022年末から2023年初頭の引き渡しを予定する。


同級はFFM(30FFM)との名称で多任務フリゲート艦として海上自衛隊向けに建造される。計22隻が就航する予定だ。


各艦は三菱重工長崎造船所と三井E&Sのある岡山で建造される。


もがみ級FFMの諸元


「みくま」の進水式JMSDF picture.



FFM多任務フリゲート艦は満排水量5,500トン、全長132.5メートル、全幅16.3メートルで最高速度は30ノット超、乗組員は90名と極めて少ない。これは高度の自動化を採用したことで実現した。


FFMは以下の各種武装装備品を搭載する。

  • BAEシステムズ製Mk.45 mod.4 5-インチ砲 ×1

  • 日本製鋼所製J12.7mm遠隔操作兵器システム ×2

  • Mk.41 VLS

  • レイセオン製SeaRAM ×1

  • MHI 製 17式対艦ミサイル ×8

  • 三菱電機製OPY-2 多機能レーダー

  • 三菱電機製OAX-3EO/IR センサー

  • 日立製OQQ-11 機雷ソナー

  • NEC製OQQ-25対潜ソナー(VDS/TASS)

  • UUV (MHI製OZZ-5) ・USV (型式不明) を掃海任務に

  • 機雷敷設も可能


Mk.41VLS搭載の予算化について


当初、もがみ級FFMにはMk.41VLSの搭載は想定しながら調達していなかった。だが令和3年度補正予算によりFFM2隻分のVLS調達のめどがたった。VLSは16セルで、74百万ドルを調達にあてる。令和4年度予算ではFFM9番艦、10番艦用にVLS調達予算を要求している。このため補正予算で調達するVLSは1号艦から8号艦のいずれかに搭載される。■


Japan’s MHI Launches ‘Mikuma’ 「みくま」Fourth FFM Mogami-class Frigate for JMSDF

Xavier Vavasseur  10 Dec 2021

https://www.navalnews.com/naval-news/2021/12/japans-mhi-launches-mikuma-%e3%80%8c%e3%81%bf%e3%81%8f%e3%81%be%e3%80%8dfourth-ffm-mogami-class-frigate-for-jmsdf/