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2025年1月23日木曜日

B61-12核兵器のアップグレードが完了、B61-13核弾頭の製造準備に入った(The Aviationist)―高精度で命中するので小さな収量で十分とあり、低精度のため北朝鮮など超大型収量となり被害が拡大するのと対照的です

 B61-12 LPE Completed

2019年11月25日、カリフォーニア州エドワーズ空軍基地上空でF-35Aが不活性爆弾B61-12を試験投下した (Image credit: U.S. Department of Defense)


米国家核安全保障局は、新型核兵器B61-12のアップグレードプログラムの完了と、B61-13の製造開始が間近になったと発表した


米国国家核安全保障局(NNSA)は、設計開始から17年を経て、米国の最新戦術核兵器B61-12の製造が完了したことを発表した。B61-12延命計画(LEP)の最終生産ユニット(LPU)は2024年12月18日に完成したと、同局は発表した。生産開始から約3年、総費用は約90億ドルであった。

B61-12のLPUは2024年12月18日に完成したが、発表は2025年1月7日だった。NNSAはまた、2024年の早い時期に、実際の兵器システムの納入前に空軍の要員と基地を認証するために使用される訓練装備の生産が完了したことを明らかにした。

NNSAによれば、訓練装備は、飛行士が兵器運搬プラットフォームへの兵器の搭載や兵器のメンテナンスに慣れるために不可欠な能力を与える。このプログラムでは、3つの異なるタイプ3トレーナーバージョンを製造し、合計で100発以上の軍事訓練用武器を製造した。


サンディア国立研究所の作業員が安全性テストのためにB61-12を準備する。 (画像クレジット:国家核安全保障局)

B61-12の最初の製造ユニット(FPU)は2021年に納入され、その1年後にフルレート生産が開始される。 NNSAは以前の報告書で、LEPは2026年度に生産を完了し、閉鎖される見込みであるとも述べていた。

 「B61-12を予定通り完成させ NNSAは、国防総省のパートナーや抑止力要件が必要とするペースと規模で能力を提供している」とNNSAのジル・フルビー長官は発表で述べた。「B61-12LEPは、国家の空中核抑止力を維持するために不可欠であり、爆弾のすべての核および非核コンポーネントを改修、再利用、または交換することにより、耐用年数を少なくとも20年延長します」。

 B61-12は、厳密な意味での「新型」兵器ではない。NNSAによれば、この核兵器の軍事的特性には全体的な変化はなく、テールキット・アセンブリ改良による精度の向上と、収量の大幅減少とのバランスが保たれているという。

 B61-12のプログラム総費用は約90億ドルで、400個の核兵器を製造する当初の計画を考慮すると、各弾頭の価格は約2250万ドルとなる。


2022年6月13日、ミズーリ州ホワイトマン空軍基地で、第72試験評価飛行隊がB-2スピリット爆撃機用の新しい核兵器運搬システムを試験搭載する。 (米空軍撮影:デバン・ハルステッド1等空兵)


B61-13へ

B61-12 LEPの生産が完了し、NNSAは現在、B61-13爆弾の生産に移行している。同局の2024年10月の報告によると、B61-13の最初の製造ユニット(FPU)は2026年度に予定されており、完成は2028年度に計画されている。 新型の開発は2023年に初めて発表された。

 「B61-13は、大統領に困難で大規模な軍事目標に対する新たな選択肢を提供することで、敵対国に対する抑止力と同盟国やパートナーに対する保証を強化する」と当時のプレス声明は述べている。B61-12と同様に、B61-13は現在備蓄されているB61-7の一部を置き換えるものであり、B61-12の生産数はB61-13の生産数と同じだけ減少するため、核爆弾全体の在庫数は変わらない。

 B61-13は、B61-7に近い収量(340-360ktと言われている)を持ち、弾頭を再利用し、B61-12の近代的な安全、セキュリティ、精度の特徴を含む。NNSAは、近い将来、B61-13は、国防総省が硬く深く埋もれた標的を撃破する新戦略を実施する間、利用可能な核と非核の能力を活用する核態勢の見直し(Nuclear Posture Review)を実現すると述べた。

 B61-13は次期B-21レイダーに搭載されるが、F-35に搭載される予定はまだない。


2019年11月7日に実施されたB61-12の第6回分離試験中のF-35A AF-1。 (画像出典:国防総省)


B61-12について

0.3~340キロトンの収量が報告されている可変収量設計のB61は、米国が1962年12月から14回の反復で開発してきた空中運搬戦術核兵器ファミリーである。 最初のバージョンであるB61-0は1967年に製造が開始され、それ以来約3,155発のB61爆弾が製造され、2012年には推定540発が使用可能として、415発が予備として保管されている。

 その後、従来のB61-4(1979年に生産開始)を改造し、古い弾頭の部品を使用した約400発のB61-12が計画され、約50発のB61-11バンカーバスター核兵器とともに準備された。この兵器は、少なくともB61-13が発表されるまでは、唯一残る重力弾道弾となる予定だった。

 もともと無誘導兵器であった基本的なB61は、超音速飛行に耐えられる長さ11フィート8インチ(3.56メートル)、直径13インチ(33センチ)の流線型のケーシングを持っていた。重量は約700ポンド(300キロ強)で、B61はNATO核兵器共有プログラムにより、アメリカ空軍やNATOのパートナー国の戦術機で運搬可能な形に設計された。


防護シェルター内でB61核爆弾を保管する兵器保管・セキュリティシステム(WS3)保管庫のファイル写真。 (写真:米空軍)

このアップグレードされた兵器は、4つの収量オプションを持つ低収量核弾頭を搭載し、慣性航法システム(INS)精密誘導パッケージと2つのスピンロケットモーターを含むボーイング製の新しい尾部アセンブリにより、弾道または誘導重力落下モードのいずれかで運搬される。

 誘導尾翼キット・アセンブリは、精度向上とB61のスタンドオフ射程距離を確保する。報告によれば、B61-11の精度は110~170メートルだが、誘導型のB61-12ではわずか30メートルに短縮し、より低収量の弾頭の使用が可能になる。

 米空軍は、B-1ランサー、B-2スピリット、B-52ストラトフォートレス、F-16ファイティングファルコン、F-15Eストライクイーグル、海軍のF/A-18ホーネット、退役したA-6イントルーダー、A-4スカイホーク、F-111とともに、オリジナルのB61の搭載を認証した。F-16、そしてドイツとイタリアのパナビア・トルネードも、さまざまなNATOパートナー国のためにB61の搭載が認定されている。

 2020年にF-15Eストライク・イーグルがB61-12搭載を認証された最初の航空機となり、その後、F-35AライトニングII、B-2スピリット、F-16ファイティング・ファルコン、ドイツ空軍のパナビア・トルネードが続いた。NNSAによれば、B61-12をイタリア空軍のパナビア・トルネードと米空軍のB-21ステルス爆撃機に搭載する作業が進行中だ。■


U.S. Completes Upgrade of B61-12 Nuclear Weapons and Prepares Production of B61-13 Warheads

Published on: January 9, 2025 at 11:12 AMFollow Us On Google News

 Andrea Daolio

 Stefano D'Urso

https://theaviationist.com/2025/01/09/b61-12-lep-completed/


2019年3月15日金曜日

ブロック4でのF-35の作戦能力予想....核爆弾運用も可能になる



The F-35 Stealth 'Atomic' Fighter?: Now Able to Strike with a Nuclear Weapon?   F-35は「原子」戦闘機になるのか。核攻撃が可能となるのか。

New upgrades are coming.最新の性能改修が始まる
March 11, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: MilitaryTechnologyWeaponsWarJetsF-35

年に渡り多額の開発費用をかけたブロックIIIF仕様F-35が2019年に供用を開始する。ペンタゴンは次のブロック4でさらに性能向上を検討を始めており、この改修になんと160億ドルの予算を確保している。
F-35のセンサー、通信装置、推進関係でのソフトウェア、ハードウェア双方の改良点については他の記事が解説しており、ブロック4開発の難航も伝えている。今回はブロック4で運用可能となる兵装に焦点をあててどこまでF-35の性能が伸びるかを見てみよう。
今後搭載可能となる主要兵装にGBU-54/Bストームブレイカー別名小口径爆弾 SDB II がある。GPS誘導方式のGBU-39 SDBI がすでにF-35で運用されているが、これも同様にF-35機内に8発まで搭載できる。ステルスを捨てれば一度に16発搭載可能だ。
SDB IIは最大45マイル射程で移動目標を全天候下で飛翔コースを調整して捕捉出来る。これは非冷却式赤外線シーカー、ミリ波アクティブレーダー、レーザー誘導の三方式を採用した誘導装置の恩恵だ。またデータリンクをF-35と双方向通信し微調整のみならず投下後の攻撃中止もできる。ストームブレイカーの弾頭は105ポンド火薬で平均誤差1メートルで目標に命中する。人員殺傷力のみならず、小舟艇、地上車両に有効で戦車でも上部装甲が薄く撃破可能だ。
ペンタゴンはストームブレイカーをF-35の高性能電子光学式目標補足能力と合成開口レーダーで運用すれば友軍地上車両が進入できない地区でも制圧効果が生まれると期待する。
だがストームブレイカーは単価$115,000と低価格兵装ではない。ブロック4では短距離用GBU-54レーザーJDAMも運用する。500ポンドのレーザー・GPS併用誘導爆弾は一発わずか $20,000だが移動目標に十分対応できる。
さらに期待されるのがAGM-154 JSOW-C1 千ポンド飛翔式爆弾の搭載でこれもデータリンクを備え赤外線シーカーで最終誘導し航行中の水上目標を貫通し破壊する。高高度から発射すれば射程は70マイルに達する。海軍のF-35Cで有益な対艦攻撃能力となるだろう。
もと高額で長距離対応となるとJASSM-ERと長距離対艦ミサイルがあるがブロック5ないし6までF-35で運用はできない。ライトニングなら重防御目標に接近できるので長距離兵器の搭載には高優先順位はついていない。逆に非ステルスの第四世代機や爆撃機への搭載が効果をあげるだろ
空対空戦能力ではF-35BでAIM-9X短距離ミサイル運用ができるブロックIIと互換性が生まれ、パイロットはヘルメットで見ればミサイル発射できるようになる。ブロックIIでは発射後ロック機能によりロックせずに機内兵装庫からミサイル発射しF-35のデータリンクで誘導し180度方向転換し標的に向かう。これをヘルメット画像でレーダーあるいは光学的に誘導し、最終段階は熱シーカーでホーミングする。
ヘルメット搭載画像システムのカメラ複数でパイロットは自機を「見通し」ながら振り向かずに後方の敵機を「見る」ことができる。
兵装庫にミサイル用レール二本があり射程が長いAIM-120空対空ミサイルを6本まで搭載できる。数の上で優勢な敵勢力の脅威を緩和できる。
ブロック4では海外運用国の独自装備の運用も可能となり、英国のSPEAR巡航ミサイルやメテオ対空ミサイル(供用中としては最強の長距離対空ミサイルとされる)、トルコのSOM巡航ミサイル、ノルウェイではコンブスバーグ共用打撃ミサイル(対地対艦用500ポンド弾頭を装備し、射程170マイル)が運用可能となる。ノルウェイ機材には特殊ドラッグシュートもつきスカンジナビアの氷結滑走路に対応する。
ブロック4機材ではエンジン改良で発電容量が増える。これで機内搭載レーザー兵器を運用し敵の空対空ミサイルからの防御、飛翔段階の弾道ミサイル攻撃、さらに敵戦闘機攻撃に使う。米空軍は戦闘機や爆撃機で機内レーザーの運用テストを2020年代はじめ開始の予定、つまりあと三年後なのでF-35ではブロック4以降でレーザー兵器搭載が実現することになる。
だがブロック4で一番恐ろしい兵器はB61 Mod 12落下式核爆弾で、テールフィンで飛翔を調整しGPSで標的の30メートル以内に落下する。B61は出力を3キロトンから50キロトンに調整可能で地下施設貫通能力もある。精密で貫通力が組み合わさり敵指導層、指揮命令所、強化型ミサイル発射施設を攻撃できる。NATOとの協定で米国のB61はNATOのF-35機にも搭載される。
敵防空網を突破し戦術核兵器を運用する能力がF-35で今後実現すれば敵としても考慮せざるを得なくなる。
戦術核の使用決定が下れば、小規模といえども核兵器を前線の敵に投下することとなり、当然ながら核武装F-35へ反動も覚悟せねばならない。最悪の場合、F-35基地が核先制攻撃を受けないとも言えない。また敵の低帯域レーダーではF-35はゴーストにしか見えず、通常兵器、核兵器のどちらを搭載しているか不明で本格的な核戦争を早めてしまうかもしれない。
このようにブロック4性能改修はF-35の性能を各種標的に対応させる狙いがあり、海外のF-35パートナー各国にも自国開発兵器の運用が可能となる。だが国防総省が必要資金を入手できるかどうか、無理のある大日程が予定どおりに進むかでブロック4が遅延なく予算内におさまるはずだが、まだわからない。■

Sébastien Roblin holds a master’s degree in conflict resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring

2018年1月25日木曜日

米軍は北朝鮮には戦術核兵器投入で対処するのか

US stealth bombers in Guam appear to be readying for a tactical nuclear strike on North Korea

グアム配備のステルス爆撃機は北朝鮮の戦術核攻撃に備えている

B 2
A US Air Force B-2 Spirit takes off at Andersen Air Force Base, in Guam, in August 2016.U.S. Air Force/Tech Sgt Richard P. Ebensberger
  • 金正恩抹殺に最適な戦術核兵器を投下できる爆撃機が配備されている
  • 迅速な戦術核攻撃なら被害最小限で北朝鮮の核戦力を無効化できるとの主張がある
  • トランプ大統領が北朝鮮攻撃を検討中と言われるが戦術核攻撃は悲惨な結果に終わるとの見方が専門家政界にある


 米国が太平洋で戦力を静かに増強中だ。配備中の装備から見て戦術核攻撃を実施する可能性がある。
 B-2ステルス爆撃機がグアムに派遣されB-1、B-52部隊に合流している。B-2、B-52は米軍の核三本柱の一角で空中発射核弾道付き巡航ミサイルや小型核兵器を運用可能で特に後者が改修を受けており、北朝鮮攻撃に投入されそうだ。

改修された戦術核で状況は一変するのか

B 61 nuclear bombs on rack
B61自由落下爆弾を前面から見る。United States Department of Defense SSGT Phil Schmitten
 B-2でB61戦術核爆弾16発を搭載できる。最近の改修で命中精度を上げており、地下施設にも有効だが、最新型は未配備だ。
 金正恩が隠れそうな地下壕の破壊に有効なだけでなく威力が調整調整可能で放射性降下物の散布を抑えられる。
 米軍は北朝鮮攻撃用に核兵器多数を保有するが、中国やロシアと言った大国攻撃用の大型が中心だ。
 MIT国際安全保障研究所が近年の誘導方式と核兵器の改良により米国は北朝鮮国内の核施設すべ手を破壊しながら死亡者は100名程度に抑えられるとの論文が出た。これは核兵器を使用しなかった場合の想定死亡2百万ないし3百万と大きな対照となる。
 ただしジェイムズ・マーティン非拡散センターの主任研究員メリッサ・ハンハムMelissa Hanhamは論文に誤りがあるという。
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This is a terrible map.
 ハンハムは論文の前提がわずか五か所を北朝鮮核施設全体とすることを疑問視する。
 北朝鮮は核・非核攻撃を受ける前提で核施設を分散させている。その所在は秘密で、米情報機関も誤った地点で把握していたと元国務省関係者が証言している。
トランプは戦術核攻撃案に前向き?

 戦術核兵器だけで北朝鮮問題の泥沼が解決できないのは明白だが、トランプ政権は小型核兵器に大きく期待している。
政権発表の核戦力整備案では小型核兵器増産を推奨し、小型化で戦場投入が容易になる。
 B61はヨーロッパで広く配備されているが、大型爆撃機での運用は少ない。The Aviationistは昨年10月にカンザス州で民間人が携帯無線スキャナーでB-2、B-52倍ロットの交信を傍受したが内容は北朝鮮VIP攻撃想定だったと伝えている。
 またトランプが「血まみれ」攻撃を北朝鮮対象に検討中との報道も出ており、金正恩がミサイル発射あるいは核実験に踏み切れば限定攻撃を実施するということだ。
 ただし専門家や政界には核攻撃は不安定を生むだけで単純に正気の沙汰ではないとの見方が多い。ジョン・ガラメンディ下院議員(民、カリフォーニア)は軍事委員会で疑問を語っている。「北朝鮮は米国が一筋縄でいかない相手と見ている。米国が血まみれ攻撃を実施すれば北朝鮮がどんな反応をするかを考えておく必要がある。その後どうなるだろうか」■

Update: This article has been updated to reflect that the modified B-61 is not yet deployed.

2016年10月7日金曜日

なぜこの時期に? 憶測を呼ぶ米空軍の模擬核爆弾投下演習

たしかにこの時期に模擬弾とは言え核運用の実験をおおっぴろに行うのは腑に落ちません。記事はロシアを意識とありますが、実は北朝鮮ではないでしょうか。まず北朝鮮の核開発能力を奪う【外科手術」攻撃を行うのではないでしょうか。

The US Air Force Just Dropped Two Fake Nukes

A B-2 stealth bomber drops an inert B61 nuclear bomb.
  • BY MARCUS WEISGERBER
OCTOBER 6, 2016

米空軍所属のB-2爆撃機二機編隊が700ポンドの模擬核爆弾をネヴァダの砂漠に投下し、このたびペンタゴンが情報を開示している。

ペンタゴンの10月6日付け報道資料では「今月始めに」B61核爆弾の模擬弾2発が投下されたとある。B61は1960年代から配備の核爆弾だ。うち一発は「地中貫徹弾」で地下目標物を標的にしたもの、もう一発はB61の戦術用途改良版だった。ともに実弾は搭載していない。

今回のテストの目的は実戦に近い状況で信頼性、正確性、性能のデータを入手することにあったと国家核安全保障局(エネルギー省の一部で核実験を担当)が明かしている。「このようなテストは兵器体系の供用期間延長とともに実効性を確認する一貫として行っている」

だがなぜこの時期に行ったのか。ロシアとの緊張がこれまでより高まっていることが関係しており、ロシアとの核軍拡競争が始まるのではとの恐れが増えている。今週始めにロシア政府は市民を対象に核戦争想定の大規模演習を実施すると発表していた。

同時にペンタゴンとしては配備後相当の期間が経過している核兵器を運搬手段と合わせて更新したいのだろう。総額数千億ドルになるとみられる。この内空軍は新型大陸間弾道ミサイルと核巡航ミサイルの必要性を訴えており、空軍協会主催の会合ではボーイングがミニットマンIII の次期ICBMを売り込んでいた。

新型ICBMを巡っては論争があり、空軍は地上配備戦略抑止力と呼称するがウィリアム・ペリー元国務長官は不要だと主張している。巡航ミサイルには長距離スタンドオフ兵器との名称がついているが、B61の改良型が2020年代に供用開始となることで無駄だとの声が出ている。

空軍は8月に各社宛に新型ICBM及び新型核巡航ミサイルの技術提案を求める通知を送った。その際に空軍戦略装備部門の核兵器センサー司令官スコット・ジャンソン少将は長距離スタンドオフ兵器を「米核抑止力体系で不可欠な装備」と表現していた。

空軍はノースロップ・グラマンへ新型長距離ステルス爆撃機B-21レイダーの生産契約を交付しており、将来的には核兵器を搭載するはずだ。海軍はコロンビア級原子力潜水艦を建造しオハイオ級に替えて核ミサイル運用を狙う。

新型核兵器体系をすべて整備すれば今後20年間で3,500億ドルから4,500億ドルの支出規模になるとの試算がある。■