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2023年5月4日木曜日

クレムリンへの無人機攻撃事件の真相は? ウクライナは関与を否定するが、同国の攻撃はモスクワに近づいていた。国内の引き締めにロシアが自作自演の可能性も。

 Drone Attack On The Kremlin In Moscow (Updated)

Twitter Screencap


ロシアで最も象徴的な標的への攻撃は、ウクライナの勝利となるが、プーチンも支持集めに利用できる



レムリンのセナツキー・ドヴォレッツドームをドローンが攻撃したと思われる動画が公開された。ロシア当局は、ウクライナから攻撃を受けたと主張し、報復を宣言しているが、ウクライナ大統領は事件へのキーウの関与を否定している。


映像では、ドローンと思われるものがドームに接近し、爆発し火の玉となり空を照らしている。このドローンはドームに衝突したのではなく、ドームのすぐ付近で爆発し、炎のような破片が落下したようだ。2機のドローンが連続してドーム攻撃した疑いがある。


別のビデオからキャプチャした静止画では、午前2時27分と午前2時43分の2回、ドローンが攻撃したようだ。





ロシア政府に近いのソーシャルメディア「Yakimanca Telegram channel」によれば、モスクワ住民には爆発音はモスクワ川の向こうから聞こえたという。


Yakimancaによると、「(爆発の)強さは雷のようだったと」、Serafimovicha通りの近隣住民が述べている。また、モスクワ川沿いの象徴的なブロック長マンション「堤防上の家」の住人は、空に火花が散り、クレムリンの壁の近くで懐中電灯を手にした人々を見た。クレムリンとクレムリン堤防のイルミネーションは「現在消灯中」。


「堤防上の家」の住民からは、「午前2時半ごろ、中央で強い音と煙が出た」との報告があり、Yakimancaが発言を伝えている。「数分後、破裂音は再び発生した」。


プーチンのプレスサービスは、攻撃でウクライナを非難した。5月9日の戦勝記念日を前に、ウクライナにとって大きな象徴的勝利と見なすことができる。クレムリンほど注目度の高い標的はない。一方、プーチンの戦争遂行を支援するためロシア国民を結集させるため利用される可能性もある。このため、今回の事件は計算されたロシアによる行動との憶測がすでに出ている。


また、映像には、ドローンの1機が爆発する直前にタワーに登る人々の姿が映っており、疑惑を生んでいる。


ロシアの公式報道機関は、「昨夜、キーウ政権はクレムリンのロシア連邦大統領官邸に対し無人機攻撃を試みた」と述べている。


「2機の無人航空機がクレムリンに照準を合わせた。軍と特殊部隊によるレーダーシステムを使ったタイムリーな行動により、この装置を無効化することができた。両機はクレムリン敷地内に墜落し、破片を散乱させたが、死傷者や損害は発生していない。


「我々は、これらの行動を、戦勝記念日や外国人賓客の出席が予想される5月9日パレードを前に行われた、大統領を標的とした計画的なテロ攻撃、暗殺未遂と見ている」。


プーチンは「このテロ攻撃で被害は受けていない。執務スケジュールは変更されず、通常どおりだ。ロシアはいつでもどこでも適切と思われる対抗措置をとる権利を留保している」と語った。


ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領の顧問ミハイル・ポドリアックMikhail Podolyakは、キーウの関与を否定した。


クレムリン上空のドローンについては、「すべて予測できたことだ」とポドリアックはツイートで述べている。「ロシアは明らかに大規模なテロ攻撃を準備している。だからこそ、まずクリミアで破壊活動をしているとするグループを拘束する。そして、『クレムリン上空でのドローン』を実演している。まず第一に、ウクライナは防衛戦争を行い、ロシア連邦の領土内の目標を攻撃していない。何のために?これは、軍事的な問題を解決するものではない。しかし、RFに民間人攻撃を正当化する根拠を与えてしまう」。


ウクライナがロシア領土を攻撃していないというポドリアック発言も憶測に過ぎない。国境地帯のロシアの町やその先の目標が様々な手段で攻撃を受けている事件が繰り返し報告されている。


誰が悪いかは別として、ロシアは明らかに首都への攻撃を想定し、1月に国防省本部を含むモスクワの政府機関少なくとも2つのビル屋上にパンツィール防空システムを設置した。


しかし、ウクライナによるモスクワ近郊への攻撃は他にもあり、ウクライナ無人機はここ数カ月で首都にどんどん接近している。4月24日には、モスクワから少し離れた場所で、爆薬を積んだウクライナ無人機(UJ-22の可能性が高い)が発見された。


2月にはウクライナのドローンがモスクワから70マイル以内に接近した事件も発生していた。


今回の攻撃にもかかわらず、戦勝記念日パレードは敢行され、プーチンも参加すると、クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官はTASSに語った。


プーチンは今日、モスクワ近郊のノボ・オガリョボにある自邸で仕事をしていると、ペスコフはRIA Novostiに語った。


この攻撃の結果、モスクワ市長は市内でのドローン飛行を禁止する命令を出した。


一方、ウクライナ国境から約100マイル離れたブリャンスク州では、またもやウクライナ軍の攻撃があった。


 「ウクライナ軍のUAVが5月3日夜、ブリャンスク州の軍事飛行場を攻撃した」と、ロシアのバザ通信はテレグラム・チャンネルで報告した。


それによると、合計5機のUAVが攻撃に参加した。「うち2機は小銃で破壊され、さらに2機は飛行場の領域で爆発した。もう1機のドローンは発見されなかった」という。


バザによると、この攻撃の結果、「非稼働」のAn-124貨物機が 「軽微な損傷を受けた」という。「死傷者はない」。


ウクライナと国境を接するブリャンスク州は、たびたび攻撃の標的になっている。


また、地元政府関係者によると、クリミアにあるロシアの石油施設に対するドローン攻撃の疑いもあった。


クラスノダールクライ州のVeniamin Kondratyev知事は、テレグラムチャンネルに「クバンのTemryuk地区の石油デポで起きた火災がケルチのMithridates山から見える」と書き、犠牲者はなく、一般市民への危険もないことを付け加えている。


火災対応は「最高ランクの難易度を割り当てられた。火災面積は1,200平方メートルであった。ドローンによる攻撃はまだ正式に確認されていないが、地元報道では、火災の前に爆発があったとされている」。村の住民は避難しなかったと、知事は語った。


これらは、ロシアの軍事ブロガー、イゴール・ガーキンが指摘したウクライナによる攻撃の疑いがある事件の一部にすぎない。


更新:午後2時20分(米国東部標準時


ウクライナのゼレンスキー大統領は、クレムリン襲撃事件への自国の関与を否定した。ウクライナのオレクシイ・レズニコフ国防相は、ゼレンスキー大統領の関与否定に同調した。


事件を受けて、ロシア安全保障会議のドミトリー・メドベージェフ副議長は、ゼレンスキーとその内閣の暗殺を呼びかけた。「今日のテロ攻撃の後、ゼレンスキーとその陰謀団を物理的に排除する以外に選択肢はない」と、自身のテレグラム・チャンネルで述べた。


CNNによると、CIAのビル・バーンズ長官は、上院情報特別委員会でこの事件について説明する。■


Drone Attack On The Kremlin In Moscow (Updated)


BYHOWARD ALTMAN, JOSEPH TREVITHICK|PUBLISHED MAY 3, 2023 12:14 PM EDT

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