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2018年5月21日月曜日

F-15は第五世代機をこうして撃墜する----イーグルはいつまで世界最高の戦闘機の座を守れるか

日本のF-15は改修を受けた機材と受けていない機材が混在していますが、米空軍のC型は大きな改修を受けていないようですね。ただしスクランブル回数など日本の機材は酷使されていますので構造強化策は待ったなしなのでは。それにしても長期間の供用に耐える余裕を持たせたF-15の原設計にはすばらしいものがありますね。

How an Old F-15 Just Might Kill Russia's New Stealth Su-57 in a 'Dogfight' 旧型F-15でもロシア新型ステルス機Su-57を「ドッグファイト」で撃破可能



May 18, 2018


ーイングF-15Cは世界最高の制空戦闘機と称賛され、104機撃墜しながら一機も撃墜されていないとの一方的な戦果を誇さすがの同機も供用期間が終わりに近づいているが、それでも有能な戦闘機であることに変わりはない。

米空軍はイーグル改修を先送りにしており、機材を今後も供用する方針が決まってから電子戦能力向上を行うとしている。ただしF-15Cを2020年代以降も供用するためには機体構造の大幅改修が必要であると空軍も認識しているが優先順位が高い事業に予算ねん出のためF-15C保有を断念する必要があると見ている。ただしF-15Eストライクイーグルは今後も供用を続ける。

しかしながら当面の間、F-15Cは空軍の制空戦闘機勢力の半数を占める存在のままだ。と言うのはロッキード・マーティンF-22Aラプターの配備数が予定の半数以下で終わったためだ。今後は新型の侵攻型制空戦闘機(PCA)をF-15CやF-22に代わる主力機として2030年代配備を想定するが、ロシアや中国も新型第五世代機の配備を進めているのは事実でスホイSu-57(PAK FA)はその例だ。

Su-57に新型エンジンが搭載されると速力、操縦性、ステルス、電子戦能力のいずれでも第四世代戦闘機に手ごわい存在になる。だが米空軍も黙って待つ気はなく敵ステルス機を打ち破る作戦があり、すでに作業が進行中だ。

その答えは長波赤外線で、現行ステルス機でには対策がない。対抗措置も今のところなく長距離からの長波赤外線センサーに有効な装置を既存機種に搭載するのは不可能だ。将来は長波赤外線センサーから探知を逃れる対策が生まれるだろうが、機材は設計しなおす必要がある。

ロッキード・マーティンが開発中のリージョンポッドLegion podによりF-15Cは長波赤外線捜索探知 (IRST) 性能を得ることになる。同社はポッドを130セット製造し、やはり同社製のIRST21赤外線センサーと高性能データ処理に組み合わせて長距離での探知追尾能力を実現し、「レーダーが使えない環境」に対応する。ボーイングが主役役企業となりロッキード・マーティンが技術、製造、開発、生産を担当する契約が今年中に成立する見込みだ。

「リージョンポッドは迅速な供給計画とともに他に比類のない性能で戦闘部隊の作戦能力を引き上げ、パッシブ攻撃能力の穴を埋めます」とロッキード・マーティンでミサイル火器管制・特殊部隊作戦サービスを担当する副社長ポール・レモが語る。「ボーイングとの共同作業は実績の裏付けがあり、米海軍向けF/A-18E/FのIRST21や海外のF-15用のIRSTの先例から米空軍F-15C用のリージョンポッドも成功はまちがいありません」

米海軍と業界関係者によると長波IRSTと高速データネットワークを組み合わせればステルス機の追尾が可能だという。IRST搭載機は追尾データの共有ができる。「これが海軍のステルス機対策」と業界関係者が述べていた。

リージョンポッドを搭載したF-15CならSu-57のようなステルス機の優位性を簡単に打ち消せる。Su-57を探知するとイーグルは強力なレイセオンAN/APG-63(v)3アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーでスキャンの焦点をあわせてロシア機の所在を把握することも可能だ。いずれにせよF-15CはSu-57追尾を続け長距離対応のレイセオンAIM-120D AMRAAMミサイルを発射する。

Su-57をAMRAAMで仕留められないとF-15Cが不利になる。ロシア機の操縦性は通常の域を超えているからだ。ただし、F-15C部隊は同様に操縦性が高いF-22相手に訓練を受けており、不利とは言えイーグルのパイロットはラプター相手のドッグファイトで勝利を収めることもある。さらに共用ヘルメット装着目標捕捉システムとレイセオンAIM-9XサイドワインダーでF-15Cには視程外対応つまりパイロットの頭の方向の敵機を撃墜することが優秀な性能が演習で実証ずみだ。

こうしてみると機体保守管理経費以外に機体構造改修のコストも必要だが、F-15C供用を続けることに価値がありそうだ。ただし機体の経年変化と敵脅威の深化を考えると次世代機材のPCAに資金投入するのが分別ある行動だろう。ただ議会がA-10退役を認めなかったことを考えるとF-15Cでも同様の事態が起こりそうだ。■

Dave Majumdar is the defense editor for the National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.

Image: Wikimedia Commons

2018年2月24日土曜日

ロシアがシリアにSu-57を配備との報道の真偽、その意図は何か

Russia's Su-57 Stealth Fighter in Syria: “This Is Testing in Actual War" ロシアのSu-57ステルス戦闘機がシリアに展開、「実戦テスト」なのか




February 22, 2018

シアがスホイSu-57PAK-FA戦闘機の試作型2機をシリアのフメメイム基地に配備したようだ。
同ステルス戦闘機のシリア到着報道は未確認のままだが、実戦配備前の開発用機材を戦闘地帯に投入したとしたら極めて異例だ。ロッキード・マーティンF-22を1990年代末か2000年代はじめに技術製造開発(EMD)期間中に戦闘投入したようなものだ。ただし開発中機材を戦闘投入し運用上の知見・データを得ること自体はソ連時代からロシアは行っている。
「実戦テストのようなものですがソ連時代にも事例はありました」と総合欧州国際研究所(モスクワ)主任研究員ワシリー・カシンがNational Interestに述べている。
Su-57をシリアで運用する目的は運用データやエイビオニクス等の性能データを得るなのだろう。同時に限定的でも実戦投入の機会もあるはずだ。
「主目的と外れますが攻撃兵装も搭載するでしょう。レーダーも外国機標的に作動させるはずです。問題はテストをどう評価するかです」
Su-57はまだ開発段階だがシリアに展開させた機体はフル装備機で実戦同様のエイビオニクス搭載の可能性がある。カシンは後期試作型ではないかと見る。
一部には地政学の理由からSu-57派遣となったのではとみる向きもあるが、カシンはこれを否定。「政治的側面はないでしょう」
一番あり得るのはSu-57の設計を煮詰めて量産型に反映すること、実戦含む運用上の知見を得ることで、シリアが試験場になったということだろう。
「戦闘テストなのは最初から明らかで量産仕様の調整が目的でしょう」(カシン)
ロシア式のやり方は独特でリスクがないわけではないがシリア上空にSu-57を飛ばせば同機に関心を寄せる米軍としても情報面で大きな収穫になり、新型機をまじかで見られう。だが新型機、開発途上の機材はとかく技術面で故障を起こしやすく、クレムリンの選択はギャンブルと言ってよい。■
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.

Image: Creative Commons.


2017年12月16日土曜日

Su-57に高優先順位を置けないロシア空軍の実情

 


  • Russia's New Su-57 Stealth Fighter Has A Big Problem That Won't Be Fixed Until 2025 ロシアのSu-57ステルス戦闘機の問題解決は2025年以降に

December 13, 2017


  • ロシアがスホイSu-57PAK-FA第五世代戦闘機に新世代サトゥルン製イズデリエ30エンジンを搭載してテストを開始した。今後数年間続く。一方でロシアは暫定的にサトゥルンAL-41F1アフターバーナー付きターボファン(推力32,500lbs)を搭載し運用テストも行う。
  • サトゥルン製イズデリエ30エンジンの詳細は不明だが通常24,054lbs、アフターバーナーで39,566lbsとの予想がある。ただし供用開始は2025年ごろになる。ロシア空軍はSu-57を160機程度調達する予定で、新型エンジン搭載をもくろむ。
  • 現時点では12機のみ購入し、納入は2019年予想だ。初期型のSu-57の調達規模は60機未満だろう。
  • Su-57初期型にロシアが前向きでないのは搭載エンジンAL-41F1が原因だ。同エンジンはSu-35Sフランカー-Eにも搭載されている。
  • ステルス性能を除けば、最新型フランカーでSu-57とほぼ同じ性能が実現している。そうなるとロシアがごくわずかしか性能が上がらない機体に大金を払いたくない気持ちがわかる。
  • Su-35S制空戦闘機やSu-34フルバック爆撃機を導入中のロシアがSu-57を大量導入するとしたら2027年以降だろう。
  • 「Su-57の本格生産は新エンジン換装がないと始まらず、それは2027年以降だ」「今後8年間でロシアはテスト用に小数機を導入するでしょう」とドミトリ・ゴレンブルグDmitry Gorenburg(Center for Naval Analys主任研究員)が‘PONARS Policy Memoに書いている。
  • 生産は続いても、ロシア空軍は他機種に重点を置くだろう。
  • 「新鋭戦闘機が多数ある中で同機調達を減速し他機種導入を優先するはず」とゴレンブルグも述べる。「同様なことは軍用ヘリコプターにもあてはまり、ロシア軍向け新型高速ヘリの開発は2027年すぎないと始まらないだろう」
  • 今後のロシア空軍は大型輸送機、情報収集偵察監視機など支援機材に重点を置きそうだ。さらにロシアは空中給油能力不足を常に抱えている。■

Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.

Image Credit: Creative Commons.