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2019年5月3日金曜日

憲法記念日に日本の安全を考える----中国ミサイル先制攻撃は日本を標的にしている。ではどう対応すべきか

コメントは下にあります。

A Missile 'Pearl Harbor': How China Could Win a War Against America? ミサイル版の「真珠湾攻撃」で中国は米国に勝とうというのか。


国防戦略部門は中国の「空母キラー」弾道ミサイルや新型空母に目を取られがちだが最大の脅威は別にあると注意喚起する報告書が出た。
「米国の国益への最大の軍事脅威がなぜか認識されていない。それは中国のミサイル戦力で域内の米軍基地が脅かされている」と新アメリカ安全保障センター(CNAS)が先月発表したトーマス・シューガートとハビエル・ゴンザレスの共同執筆による報告書が指摘している。
ゴンザレス、シューガート両名はともに海軍中佐で後者はCNASに研究員として派遣中で、台湾あるいは尖閣諸島をめぐる対立への米軍介入を押し止めるため中国が域内米軍基地にミサイル奇襲先制攻撃を実施すると主張。「長距離精密攻撃兵器で先手をうち有利な立場を確保する考えが中国ミサイル部隊の運用構想や軍事戦略から浮かび上がる」とある。
中国指導部がミサイル戦力増強に動いたのは米軍がサダム・フセインに圧倒的勝利を収めた第一次湾岸戦争が契機だった。北京政府は第二砲兵隊と呼ばれていた部隊をロケット軍として主力核部隊に引き上げ、核および精密誘導通常兵器ミサイル(弾道及び巡航ミサイル)の運用部隊にした。この戦略は中国の地理条件やミサイル製造の低コストで大きな利点の獲得をめざす中国の発想が根底にある。
米軍基地への先制奇襲攻撃のため中国は大規模ミサイル戦力を整備してきた。陸上配備ミサイル戦力では中国が世界最大となった。ペンタゴンは中国の戦力を短距離通常弾道ミサイル1,200発、中距離弾道ミサイルを200ないし300発、巡航ミサイルも200ないし300発と試算している。多くが精密攻撃可能で核弾頭でなくても標的破壊は可能とする。Randコーポレーション報告書では中国ミサイルの「命中誤差半径は1990年代の数百メートルが現在は5ないし10メートルに縮小した」とある。よく話題に出るDF-21D「空母キラー」は再突入体が操作可能で更に精度が高まっておりミサイル防衛体制も回避できるといわれる。
シューガート、ゴンザレス両名は人民解放軍(PLA)の演習が米軍への先制攻撃を模擬していると指摘。その一つとしてPLAロケット軍が「係留中のアーレイ・バーク級駆逐艦と同程度の艦艇を標的にしたのは横須賀基地の想定」とし、その根拠として米艦艇3隻の同時攻撃は先制奇襲攻撃しかありえないからとする。
中国の軍事力と指導教義を検討した両名は実際の攻撃をシミュレートし効果測定した。興味深いことに在日米軍基地や一部自衛隊基地への攻撃を想定したものの韓国への攻撃は回避すると判明した。「朝鮮半島に第二戦線が生まれ軍事目標が分散するのを防ぐため」としている。このシミュレーションではグアムの米軍基地も最初は狙われないとし、その理由としてグアムが米領であり、中国としては米軍による中国本土空爆を招きたくないからとしている。
シューガート、ゴンザレスは先制攻撃のシミュレーション数例を試しながら米軍同盟国軍のミサイル防衛体制も盛り込んだ。いずれの場合でも「弾道ミサイル多数が発射されればすり抜けた数本でも米軍基地に大損害を与える」と判明した。以下想定での攻撃内容だ。
•  「固定式指揮命令所や補給処は開戦数分以内に攻撃を受ける」
• 「日本の母港内の米艦船ほぼ全隻が弾道ミサイル攻撃を受ける」
• 「日本の主要航空基地で滑走路や誘導路に弾道ミサイルが大穴を開ける」
• 「航空施設に損害が生まれ、司令部が破壊され、防空体制が劣化することで開戦数時間で200機が破壊される」
一つ希望の光は日本のミサイル防衛装備の強化として最終段階高高度防空(THAAD)やイージス弾道ミサイル防衛能力付与駆逐艦を在日米軍基地防衛にあたらせていることで奇襲攻撃の効果が減じられることだ。それでも相当数のミサイルが沖縄に命中するが損害は減らせる。もっと重要なのは日本国内の他の米軍基地は中国から更に遠い位置にありミサイル迎撃の間に機材を離陸させ、艦船を港外に移動させられる。両著者は米軍部隊で迅速基地避難訓練を普段から実施するよう提言している。
ここからもう一つ重要な点が浮かび上がる。両著者も中国専門家が中国が米軍に完全奇襲攻撃を仕掛ける意図があるのか懐疑的だが、両著者は米国は奇襲攻撃を受けた経験があり、真珠湾もその一つで、中国の積極的防衛構想を見ればその実行はありうるとしている。
ともに正しいと言える。真珠湾は米国と日本の緊張の高まりの中で実行されたが、中国の積極的防衛構想も同様に緊張時に実施されている。台湾あるいは尖閣諸島侵攻時で中国が先制攻撃に踏み切るとすれば事前に兵力移動が行われるなど緊張は相当高まるはずだ。であればシューガート=ゴンザレスの描く悪夢のシナリオの回避はずっと容易だ。つまり高度緊張時には米軍部隊を分散配備すればよい。米国が太平洋地区で第二次大戦時の基地で運用再開を進めているといわれるがこれを実行すればよく、艦船も確実に洋上展開させればよい。
いずれにせよ、シューガート=ゴンザレスがまとめた報告書は空母キラーミサイルのような奇異を狙う装備が必ずしも最大脅威装備にならないと国防関係者に示す点で大きな意義がある。つまるところ米軍がアジア各地の陸上基地に配備する軍事力は空母1隻の比ではないが、陸上基地はずっと簡単に破壊できる目標なのだ。■
Zachary Keck is the former managing editor of the National Interest. You can find him on Twitter: @ZacharyKeck.

報告書原文をご覧になりたい方は次のリンクをヒットしてください。https://s3.amazonaws.com/files.cnas.org/documents/CNASReport-FirstStrike-Final.pdf?mtime=20170626140814
ミサイル防衛が必要な理由がはっきりしますね。それだけに日本のミサイル防衛体制強化に必死に反対するのが中国やロシアであることがわかりますし、それに同調する国内の声は現実世界を直視していないことがわかります。
同じ弾道ミサイル戦力でも北朝鮮が子どもなら中国のミサイル戦力は大人並です。真剣に対応を考える必要があります。この記事によれば日本は被害を受けるのは必至となり、横須賀、大和、福生、岩国等の自治体は大被害を受けることになります。

ミサイル防衛に反対する庫会議員がありまして、その理由は迎撃に成功すれば破片が国土にふりかかるからだそうですが、とても真剣に議論するつもりにもなれない論理です。むしろ中国の攻撃を歓迎するとしか受け取れませんね

2017年8月2日水曜日

★日本が中国ミサイルの先制奇襲攻撃を受ける日が来るのか



北朝鮮なんか子どもの火遊びに思えるのが中国の狂ったようなロケット軍の陣容です。飽和攻撃あるいは記事で想定するような在日米軍、自衛隊の基地を狙い撃ちする十分な数のミサイルを発射してきたら北朝鮮ミサイルとは全く異なる状況です。レーザーなど新兵器導入が早期に望まれるゆえんですが、実現すれば中国は狂ったような日本非難を始めるでしょうね。また国内に根強く残る「平和勢力」も中国の意を受けて暴れまわるでしょうね。

Missile Strikes on U.S. Bases in Asia: Is This China's Real Threat to America?アジア各地の米軍基地が中国のミサイル攻撃を受ける日、中国の脅威は本物か?


July 29, 2017



  1. 米国防関係者が中国のいわゆる「空母キラー」弾道ミサイルに焦点をあてる中、中国最大の脅威が別にあると注意喚起する報告書が出た。
  2. 「米国のアジア内権益への最大の脅威は実は中国ミサイル部隊の能力向上であり、米軍基地が標的となることだ」とトーマス・シューガート、ハビエル・ゴンザレスが連名で新アメリカ安全保障センター (CNAS)から報告書を発表した。
  3. 両名は米海軍現役将校であり、ゴンザレスはCNASで軍事顧問も務める。報告書では中国が台湾または尖閣諸島をめぐり米軍が介入できないよう域内米軍基地をミサイルで奇襲先制攻撃すると見る。「先制攻撃の利点に新鋭精密誘導長距離兵器が加わり大きな効果が生まれる。中国ミサイル部隊の指導原則と軍事戦略とも合致する」と記している。
  4. サダム・フセイン相手に圧倒的勝利を収めた第一次湾岸戦争の米軍を見て中国指導部はミサイル軍整備を進めた。第二砲兵隊はかつては核兵器運用部隊だったが、今は核兵器と並び精密誘導通常弾(弾道ミサイル・巡航ミサイル)を運用する。戦略構想は中国の優位性である地理的条件やミサイルの低価格生産を活用する。
  5. 米軍基地への先制攻撃を実現すべく中国はミサイルを大量整備している。中国の地上配備ミサイル装備は世界最大規模だ。ペンタゴン試算では通常弾頭付き短距離弾道ミサイル1,200発、通常弾頭準中距離弾道ミサイルが200ないし300発、さらに数量不明の通常弾頭つき中距離弾道ミサイルがあり、地上発射巡航ミサイルも200ないし300発ある。多くはきわめて正確に敵を攻撃し、核弾頭なしで目標破壊が可能だ。
  6. ランド研究所の報告書では中国ミサイルの「着弾誤差半径は1990年代の数百メートルから現在は5ないし10メートルに改善された」とある。よく話題にのぼるDF-21D「空母キラー」では制御可能な再突入体複数を搭載し命中精度をさらに上げ、ミサイル防衛をかいくぐる能力がある。
  7. シューガート=ゴンザレスは人民解放軍PLAが米軍基地の先制攻撃を演習していると指摘。例としてPLAロケット軍が「アーレイ・バーク級とほぼ同寸の艦船が港湾係留中の想定で標的とし、港湾は横須賀の米海軍基地そっくりだった」とする。中国が米海軍への劣勢を覆せるのは港湾内に休む艦艇へ奇襲攻撃を加えた際に限られるため演習の意義に注目すべきと両名は注意喚起している。
  8. 中国軍の装備能力と指導教義を検討したうえで両名は攻撃シミュレーションで効果を確かめた。両名は中国は在日米軍基地や日本の自衛隊を狙いながら韓国攻撃は回避するとし関心を集める。「朝鮮半島で第二戦線が生まれるのは避けつつ、主要軍事目標に集中する」のだという。またグアムの米軍基地も当初は狙わない。グアムは米領土であり、中国は米軍が中国本土を攻撃するエスカレーションは望まないためだ。 
  9. シューガート=ゴンザレスは米軍同盟軍のミサイル防衛体制を念頭に先制攻撃二案を試した。両案で「弾道ミサイルの相当の量が防衛網をかいくぐり、米軍基地に深刻な被害を与える」との結果を得た。主な点は
•指揮命令拠点、補給施設ほぼ全数が攻撃を受け、とくに主要司令部は開戦数分後に攻撃対象となる
•日本国内に停泊中の米艦船は例外なく弾道ミサイルの標的になる
•在日米軍が運用する滑走路、誘導路が弾道ミサイルで使用不可となる
•滑走路が使用不能で司令部が破壊され防空能力が劣化し、開戦数時間で米軍機200機が地上で破壊される
  1. 一つ明るい話題は日本のミサイル防衛能力が強化されつつあることと両名は指摘し、在日米軍基地の防御に投入され奇襲効果が減る。沖縄はミサイル多数を防げないものの被害は軽減できる。より重要なことは在日米軍基地で中国から距離が離れている地点はミサイル迎撃効果を期待でき機材や艦船にも逃れる余裕があることだ。両名は域内の米軍は迅速退避演習を定期的に行うべきと提言する。
  2. 中国が完全な奇襲攻撃を米軍基地にかけてくるとは考えにくいと異論を唱える中国専門家が多いが、両名は米軍は奇襲攻撃をうけた経験があると指摘する。真珠湾だ。また先制攻撃は中国の積極的防衛思想に合致すると両名は指摘している。
  3. 確かに指摘の通りだ。だが真珠湾の場合は日米両国に緊張状態が続き発生まで時間があった。また中国の積極防衛思想が緊張状態で実行に移されたこともある。もし中国が台湾あるいは尖閣諸島侵攻の支援として先制攻撃に踏み切るとすればその前に相当の緊張があり中国が事前に兵力動員の動きを示すはずだ。そうであればシュシュ―ガート=ゴンザレスが描く悪夢のシナリオを回避すきるはずだ。緊張が高まれば米軍を事前に各地に分散させればよい。第二次大戦時の太平洋各地の米軍航空基地を再開する動きもあり、艦船をなるべく多く出港させる必要もあろう。
  4. いずれにせよシューガート=ゴンザレスによる報告書は国防アナリストに空母キラーのような耳目を集める脅威より深刻かつ現実の脅威があることを実感させてくれる。米国は強力な戦闘力をアジア各地の固定基地に配備しているが、こういった固定目標の破壊は極めて容易だ。
Zachary Keck is the former managing editor of the National Interest. You can find him on Twitter: @ZacharyKeck.
Image: Military vehicles carrying DF-21D ballistic missiles roll to Tiananmen Square during a military parade to mark the 70th anniversary of the end of World War Two, in Beijing, China, September 3, 2015. REUTERS/Damir Sagolj.