ラベル #F-22. #F-35 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル #F-22. #F-35 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2021年11月18日木曜日

F-22とF-35はどこが違うのか、改めて比較検証してみた。

このブログ読者には改めて説明がない内容ですが、メディア各位にはこの記事内容を引用するとしてもF22とかF35などとおかしな表記をするのはご遠慮くださいね。

F-22 vs. F-35

IFG Family Photo, F-22, A/C 4009, LtCol Lee "Split" Bryant, F-35A, AF-3, Major Jonathan "Spades" Gilbert, F-16D, A/C 835, Major Charles Brantigan & Major Scott "Gins" Rinella, in formation over ISB, Tanker View, 15 May 2019

 

軍は世界最高峰の技術を用いるが、同時に最も恐るべき戦力を有している。国防総省は最先端装備により米国は第二次大戦後の世界に君臨している。

 

技術に加え、ペンタゴンは大規模な装備展開が可能だ。米空軍、米海軍には合計8千機があり、それぞれ世界第一位、第二位の戦力を有する。これに対し中国の人民解放軍空軍が世界第三位で3千機を運用中だ。

 

ただし米国では長く数より質を重視してきた。これはソ連時代からのロシアや中国と対照的だ。そのアメリカの価値観を象徴するのが戦闘機、爆撃機だ。好例がF-22ラプター、F-35共用打撃戦闘機の第五世代ステルス機だ。

 

ともに世界最高峰の戦闘機材といわれるが、両機種を比較すると違いが見えてくる。

 

F-22の競合相手をF-35と考えると本質を見失うことになる。

 

F-22ラプターは最高峰の制空戦闘機だ

 

2005年から供用中のF-22は制空多任務戦闘機で、初の実用ステルス戦闘機として登場し、今日でもF-35、ロシアのSu-57、中国のJ-20と並びステルス戦闘機は四型式しかない。

 

なかでもF-22の飛行制御能力がずば抜けて高いのは二次元推力偏向機能と推力重量比の高さが理由だ。前者についてはラプターは飛行中に推力の方向をずらし、飛行方向を変更できる。後者についてF-22の機体重量は43千ポンド程度だが、プラット&ホイットニーF119-PW-100ターボファンエンジン二基で70千ポンド推力を実現している。

 

このため、F-22は高高度の低密度大気でも十分に飛行でき、高度限界は65千フィートに達する。それ以外に低空の高密度大気中では自由に機体を制御できる。航空ショーではラプターが物理原則に反する飛行ぶりを示して観客を驚かすのが通例だ。

 

F-22は大量の兵装を搭載しつつステルス性能を維持できる。同機には20mm機関砲がつき、各種爆弾や空対空ミサイル、空対地ミサイルを機内兵装庫三か所に搭載する。F-22はステルス性能を犠牲にせずに航空優勢を確保できる。

 

マッハ2へ加速が可能でスーパークルーズでアフターバーナーを使わず超音速飛行するラプターの有効飛行半径は1,850マイルだが、これは機外に増槽二個をつけての場合でステルス性能が犠牲となる。

 

だが同機の生産は2011年に終了し、空軍の調達は186機で終わった。空軍は750機の調達をめざしたが、186機のうち、運用状態の機数は少数にとどまる。

 

F-35 共用打撃戦闘機は空のクォーターバックだ。

 

F-35共用打撃戦闘機も第五世代ステルス多任務機で、三型式ある。F-35Aは通常型の離着陸に対応し、F-35Bは短距離離陸垂直着陸のSTOVL型、F-35Cは空母運用用の機体だ。

 

多任務戦闘機としてF-35ではミッションセット6通りに対応する。戦略攻撃、近接航空支援、航空優勢確保、電子戦、情報収集監視偵察(ISR)、敵防空体制制圧(SEAD)、敵防空体制撃破(DEAD)である。

 

F-35の機内兵装庫は二か所で搭載量は少ないが、ステルス機能を維持したまま航続距離は長い。

 

アフリカでグリーンベレー部隊を支援する、クリミアのロシアレーダー施設を破壊する、フィリピンでテロリストを追跡する...F-35ならすべてをこなす。

 

ただし、F-35には深刻な条件がついてまわる。共用打撃戦闘機は各種ミッションをこなせるのだが、米空軍はその実施に及び腰だ。極めて高価な装備品のF-35は事業費が1.7兆ドルとなり、その他の旧型機でこなせるミッションに同機を投入する理由がない。また空軍上層部はF-15EXイーグルII(4.5世代機)でステルス性能が不要なミッションに投入するとしている。

 

ラプターと対照的にF-35生産は継続中でしかも活況を呈している。国防総省は各型合計で2,500機の導入を目指しており、その他十数か国が500機程度の調達希望を表明している。

 

F-22 と F-35

 

F-22、F-35はともに高性能機材であるものの、想定する役割は異なる。ただし、搭載技術とミッションセットの一部は共通している。

 

F-35ではセンサーと接続性が大きく異なる。両機ともに状況認識能力が高いが、F-35ではさらに先を行くセンサー能力、情報融合能力、データリンク機能を搭載し、旧型機含む僚機の戦力を増進させる。

 

たとえば、JSFの高性能センサーでロシア爆撃機を北海で探知したとしよう。あるいは南シナ海で中国戦闘機編隊を探知した場合だ。F-15EXあるいはF-16のペアを標的に誘導できる。F-35のステルス性能によりロシア、中国側は危険が迫る状況と認知できない。まさしくF-35は空の「クォーターバック」で海軍や陸軍部隊への情報提供も可能で、秘匿性を確保したネットワークを利用する。

 

他方でF-22は「ドッグファイト機」として優秀だ。機敏な機体制御と武装多数を積み込んでいる。このため、ラプターは中国あるいはロシア相手の大国間戦闘で真っ先に投入される制空戦闘機になるだろう。強力な敵軍がさらに優秀な戦闘機部隊や対空装備、レーダーで対抗する中に旧型のF-15、F-16やF/A-18を投入すれば苦戦となる。だがラプターのステルスと強力な武装があれば厳しい環境でも活躍可能で敵機を駆逐するはずだ。さらにF-35と組み、敵防空体制を制圧し、戦域単位で侵入路を開く、あるいは戦略級の航空優勢を実現する。

 

米軍部隊の技術を世界最高峰と称するのには理由があり、F-22ラプターおよびF-35共用打撃戦闘機も強力な部隊を構成している。■

 

Why Trying to Compare an F-22 Raptor and F-35 Is Just Flat Out Wrong

ByStavros AtlamazoglouPublished23 hours ago

 

1945’s New Defense and National Security Columnist, Stavros Atlamazoglou is a defense journalist specializing in special operations, a Hellenic Army veteran (national service with the 575th Marine Battalion and Army HQ), and a Johns Hopkins University graduate.

 

2018年8月20日月曜日

★F-22対F-35「ドッグファイト」の実態とは



なるほどという感じですね。米-ノルウェー間の空戦演習と言っても映画の世界をそのまま想像してはいけないということですね。実に冷静な話です。


Top Gun Denied: Why the F-22 vs. F-35 'Dogfight' in Norway Is Not What You Think トップガンの世界と違う。F-22対F-35のノルウェー「ドッグファイト」は読者の考える内容ではない

August 17, 2018  


テルス第5世代戦闘機の米空軍ロッキード・マーティンF-22Aラプター二機が王立ノルウェー空軍のロッキード・マーティンF-35A共用打撃戦闘機二機とノルウェー上空で空戦演習を8月15日に行った。
演習の詳細情報は皆無と言っていいが今回の演習内容の推測は可能だ。
ノルウェーはラプターの恐るべき空対空戦闘能力に強く印象付けられている。「F-22は手強い相手だ」とノルウェー空軍でF-35に乗るモルテン・ハンシェ少佐がロイターに語っている。
ロイターはノルウェー側から米F-22との訓練で普段はありえないステルス新型機を相手に腕試しができたと聞き出している。つまりF-35は非ステルス機を相手に奇襲し「圧倒する」事が多いということだ。
プロの空軍部隊としてノルウェーはどちらが勝ったか明らかにしていないが驚くに値しない。通常は実施後に参加者に結果の説明がある。
米及びNATO同盟国の空軍部隊の作戦行動からわかることはごく限られるのが一般的だ。プロの空軍部隊というのはトップガンの映画から一般大衆が想像する直接対決はしないものであり、むしろプロの能力涵養に務めることが通常だ。そのため乗員のスキル、戦術向上、手順の習熟などを心がけるものだ。
他国の空軍部隊が参加すれば両国間のプロとしての関係を築くのが先だ。お互いの戦術や手順に親しめれば有事の際に役立つ。NATO加盟国の飛行要員としてノルウェーと米国が共に飛んだのは2011年のオデッセードーン作戦と同様だ。同盟国間の操縦士にとって国際演習で得られるものはとても大きい。
各国はそれぞれを交戦相手として訓練するのではなく、機体を味方の青軍と敵の赤軍に分けて飛行する。青軍は有事に使う戦術・手順を使い、空域や飛行距離で一定の制約を課せられる。一方で赤軍は敵戦術を再現する。このため今回のノルウェー演習はF-22がロシアのSu-35の役で、F-35が青軍だったのか、あるいはその逆だったはずだ。お互いの戦術・手順に習熟し学ぶことが目的だったはずだ。ただし保安上の制約が当然あっただろう。
保安上の制約がF-22部隊で厄介な問題になっている。ラプターパイロットは性能をフルに使うことが許されない事が多い。「F-22は各国部隊との関係構築のため空軍が派遣することが多い」と米会計検査院が指摘している。「ただし、保安手続きのためF-22固有の性能を明らかにすることへの配慮からパイロットは戦闘時と同じ操縦は許されておらず」、訓練効果が制約されてしまい、訓練でF-22パイロットに悪い癖がついてしまい、その後の訓練で矯正が必要となることがあると空軍関係者も認める。
真剣勝負の果たし合いの様相を示す唯一の機会が基本戦闘行動(BFM)訓練で通常は視界内交戦でこれが映画他で取り上げられる事が多い。機体や兵装の性能が重要だが、BFM交戦での勝利は個々のパイロットの技量と運に左右される。操縦性が高く、推力も豊富で兵装も多く搭載した機体が勝つことが多いが、最高の性能の機体が高度技量を持つパイロットの手にかかっても負けることがある。大事なのは結果から学び次回はへまをしないことだ。
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.