ラベル ISIS攻撃 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ISIS攻撃 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2017年6月15日木曜日

★★フィリピン南部でISIS作戦に活躍中の機材は何とOV-10ブロンコ!



日本で言えば九州の一都市が非国家勢力に占拠されたままといったところなのでフィリピンも大変です。シリアやイラクが落ち着いても周辺国や遠隔地に過激思想集団が拡散するのでは手に負えません。そうなると軽攻撃機やヘリコプターの低価格機の活躍の余地が増えますね。しかしOV-10はもともとベトナム戦用に採用された機体ですが、50年たってもほぼ原形のまま使えるとはよほど頑丈に作ってあるのでしょうね。 



PAF

 

The OV-10 Bronco Is Wailing On ISIS Yet Again, This Time In The Philippines

OV-10ブロンコはフィリピンでISIS攻撃に健在

Over 50 years since its first flight, the OV-10 is proving to the world once again just how relevant light air support aircraft can be.

初飛行から50年のOV-10が軽支援機の意義を証明中

 BY TYLER ROGOWAYJUNE 11, 2017

  1. 南部フィリピンのマラウィMarawi市がマウテMaute、アブサヤフAbu Sayyafの戦闘部隊に5月23日以来占拠されたままだ。両勢力はイスラム国と直接つながっている。フィリピン国軍は過激派排除をめざし、反抗作戦を実施している。フィリピン空軍の主力機はなんとOV-10ブロンコだ。
  2. 過激派戦闘集団は同地域の占拠を狙い、念入りに作戦をねっただけに排除作戦は極めて困難だ。市内各所に弾薬物資が蓄えられ、トンネルが掘られ戦闘員が魔法のように出現しては消えている。人間の盾も広く使われ、フィリピン海兵隊、特殊部隊の隊員は住宅一戸ずつから市街地の奪回を迫られ重大な損害も受けている。
PAF
PAFのOV-10Mブロンコ

  1. これまで少なくとも戦闘員138名とフィリピン国軍兵士58名が戦死している。一般市民21名が加わるが実態はもっと多い可能性がある。戒厳令で住処を追われた市民は数十万名におよぶ。
  2. 戦闘員集団が人口集中地区を占拠していること、フィリピン空軍(PAF)に精密誘導弾の在庫が少ないことから同国に残る8機のOV-10Mブロンコ(ほとんど改修を受けていない)が全力を発揮し近接攻撃と通常爆弾を可能な限り正確に市内に投下している。ウェブ上ではブロンコが同市で攻撃を加えるビデオが見られ、事態は緊迫しており、旧式近接航空支援機の出撃回数が明らかに増えている。
NOEL CELIS/AFP/GETTY IMAGES

マラウィ上空で汎用爆弾を投下するブロンコ
  1. 実はブロンコがISIS勢力攻撃に投入されるのは今回が初めてではない。相当の改修を受けたOV-10が二機イラクに派遣され、特殊部隊を助けながらイスラム国戦闘員を掃討した。ブロンコを操縦したのは米海軍の訓練経験豊かなパイロットで同機を「人狩り」機に変え、レーザー誘導ロケット弾を狙撃手よろしく発射していた。同機は驚くほど信頼性が高く、運用も簡単で前線近くから発進し、厳しい状況でも敵を執拗に追い詰めた。
  2. PAF所属のOV-10にはイラクで活躍した機体同様のセンサーや通信機器は見当たらないが、射撃は正確でGBU-12レーザー誘導爆弾も地上にレーザー照射があれば運用できる。
  3. OV-10以外にフィリピン空軍は持てる装備を全部動員して作戦に投入している。AW109Eヘリコプターは機銃とロケット弾を装着し攻撃監視活動にあたる。新規取得したFA-50PH軽攻撃機も攻撃任務に早速投入された。
  4. 自国民が暮らす場所に非誘導式兵器を投下するのは高性能機でも相当に高いリスクだ。友軍を攻撃することもある。5月31日には自国部隊10名が死亡し7名が負傷している。それでもフィリピン空軍には同市解放のため攻勢を続ける必要がある。
AP
航空作戦にAW109E、米海軍P-3CやSF260も投入されているが、攻撃の主役はブロンコだ。

  1. ここに米軍も加わっており、P-3Cが同市上空を低空飛行する姿が目撃されている。オライオンはおそらく電子光学装備を搭載し、赤外線やカラービデオ装備も使い上空から監視しながら目標情報を配信しているのだろう。フィリピン軍のレステイトゥト・パディラ将軍は「当方には有効な監視偵察装備がないので米軍に援助を求めた。これは非戦闘支援である」と述べている。
  2. フィリピン空軍の機材は大部分が支援機や旧式対ゲリラ戦機材で今日の基準から見れば時代遅れで初歩的に見える。市街地での軍事行動military operations in urban terrain (MOUT)では電子光学センサーが有効に使えるのが同国機材にはほとんど見当たらない装備だ。そのためP-3Cが一機でも戦場上空を飛べばフィリピン軍の状況把握が相当程度に進む。
  3. それでも三週間にわたり米軍が関与していることは物議をかもす発言で知られる大統領ロドリゴ・デュテルテでさえ驚いたようで支援を「アメリカに一度も接触していない」と述べている。また「到着するまで知らなかった」と述べ、現地に米軍の「地上部隊」はいないと述べているが、各種報道から米特殊部隊がマラウィに展開中なのは事実だ。任務の一部でRQ-20ピューマ無人機を運用しているようで同市上空を盛んに飛んでいる。
AP
マラウィ上空で500ポンドMk82汎用爆弾二発を投下するPAF所属のブロンコ

  1. マラウィでのIS戦闘員との戦闘の進展は今後もお伝えする。その中でOV-10が空から戦闘員を攻撃し続けるのは確実で旧式ながらまだ現役の同機を見ると軽攻撃機が従来よりも重要な存在になっているのがわかる。
  2. 追記 やはり米特殊部隊が掃討作戦でRQ-20により空中偵察を提供して支援していた。
View image on TwitterView image on TwitterView image on Twitter
RQ-20ピューマを操作しフィリピン国軍を支援する米特殊部隊隊員の姿が
ソーシャルメディアで見られた。
  1. また噂ではフィリピンがA-29スーパートゥカーノ6機を受領し、ブロンコと交代するという。同機調達案はここ数年現れては消える状態だったが、今やトゥカーノがAT-6カヨーテを抑えて確実のようだ。選定結果の発表はまだないが、ブロンコ後継機の導入は再度先送りになりそうだ。A-29は米空軍が今夏進める軽航空支援機競合でも有力候補だ。■
Contact the author: Tyler@thedrive.com



2017年6月4日日曜日

ISIS「首都」の攻略作戦はまもなく開始される模様


ISIS作戦が順調に進展しているようでそれはそれでいいのですが、この勢力はむしろ地下に潜り脆弱な周辺国の治安を脅かすのではないでしょうか。まるで無法集団のようですが、それこそ自称イスラム国の本質であり、イスラム教を冒とくしているといわれれば何も反論できないでしょう。二度と立ち上がれないように徹底的に粉砕すべきですが、テロとの戦いはこれからも続くでしょう。

 

syriaAFP

PENTAGON OFFICIAL: The assault on the ISIS capital will 'begin in the coming days' ペンタゴン関係者:ISIS首都強襲作戦は「数日以内に開始」


長く待ち望まれていた米支援のシリア勢力によるイスラム国の首都ラッカ解放作戦の開始が数日以内に近づいてきたとペンタゴン関係者がワシントン・エクザミナーに伝えている。
  1. 関係者は匿名を条件に「連中はラッカで全滅する。数日以内に強襲作戦が始まるのではないか」と語った。
  2. ペンタゴンは作戦開始日を公式に発表していないものの、部隊はすべて位置についており、シリア民主軍SDFの手に小火器が渡されており、一般市民はラッカから退去し攻撃に巻き込まれないよう告知されている。
  3. 「SDFはラッカ周囲を包囲しており、北と東方面から各3キロ、西から10キロ地点に位置している」とバグダッドで米軍報道官ライアン・ディロン大佐は述べている。
  4. 「シリア民主軍にはラッカ市民をまず退避させるよう命令が出ている」とディロン大佐は報道陣に伝えた。200千名もの住民がすでに市街に脱出し、難民キャンプ等に避難している。
  5. 米側はシリア武装勢力に小火器、弾薬の配給も始めたが、対戦車砲は非対象だ。
  6. ディロン大佐によれば武器配布は慎重に行われており、攻撃対象に応じた装備に限定している。シリア勢力に渡した装備類のリストはトルコも共有しており、NATO加盟国のトルコは米側がクルド陣勢力に武装装備を渡したことに神経を尖らせている。クルド人はトルコではテロリスト扱いだ。
  7. 米主導の連合軍はここにきて空爆も強めており、ISIS戦闘員の拠点を対象にその他建設装備、火砲、指揮命令拠点を対象に60回近く攻撃しているとディロン大佐は述べている。
  8. モスルに残るISIS戦闘員は1,000名を切っており、占拠しているのは6平方マイルほどになっているが、包囲されており脱出経路はない。
  9. 同市中心部には一般市民80千から150千名が閉じ込められており、イラク軍は熾烈な市街戦を覚悟しているようだ。
  10. モスル市民には自動車や二輪車の運転を差し控えるよう告げられている。自動車爆弾犯と間違えられない工夫で、ISISはこの戦術をもっぱら使っている。■
Read the original article on Washington Examiner. Copyright 2017. Follow Washington Examiner on Twitter. 

2016年6月21日火曜日

オーランド大量殺人事件後にISIS作戦をどう進めるべきか



 The Global War on ISIS After Orlando

Image: “An Iraqi School of Infantry instructor instructs an Iraqi soldier from 2nd Brigade, 7th Iraqi Army Division on how to fire a Pulemyot Kalashnikov Machine Gun (PKM) in the Iraqi School of Infantry at Al Asad, Iraq, March 19. (U.S. Marine Corps photo by Cpl. Shane S. Keller)”
“An Iraqi School of Infantry instructor instructs an Iraqi soldier from 2nd Brigade, 7th Iraqi Army Division on how to fire a Pulemyot Kalashnikov Machine Gun (PKM) in the Iraqi School of Infantry at Al Asad, Iraq, March 19. (U.S. Marine Corps photo by Cpl. Shane S. Keller)”


今こそ戦いを熾烈かつ賢く進めるべき時だ。

June 16, 2016

フロリダ州オーランドで6月12日発生した悲劇を受けて、米国は全世界でISIS打倒を進める総合戦略の重圧をかけるべきだが、今後発生する攻撃をすべて確実に予防できないのは確かである。ISISは成功事例を新たな戦闘員の勧誘に利用してきた実績があり、英雄的行為と持ち上げ関心を引く傾向でも知られている。アメリカは封じ込め戦略あるいは無視を決め込む戦略ではISISの崩壊は期待できず、今回の事態を受けてこちら側の力を結集して強力な敵の脅威に国家として挑むべきなのである。
ISISが米国で能力以上の成果を上げている、あるいは犯人オマール・マティーンはISIS戦闘員以上に精神を病んでいるという向きがあり、イラクやシリアで米軍はじめ連合軍が着実に成果を示していることからISISが早期に崩壊すると見る向きもある。いずれも説得力はない。マティーン容疑者が米国史上最悪の単独犯だとしても別の犯行が簡単に繰り返されるはずで、射撃訓練を受けAR-15のような武器を入手すればいいだけの話だ。マティーンは精神を病んでいたのだろうが、同時にISISに刺激を受けた勢力に動かされ、憎悪の教えをそのまま受け止め、イスラム教を曲解して大量殺人を正当化したといえる。おそらく同様の事件は再発するだろう。

イラク軍、米および連合国の空軍力、クルド人戦闘部隊、スンニ派部族やシーア派はイラクで40パーセント、シリアでも20パーセントの領土をISISから奪回している。ISISはこの二国での収入源の半分を失っただろう。だがラッカ、モスルの二大都市はまだISISの手にある。また一昨年からISISはシナイ半島からリビアまで活動範囲を広げ、拠点をアゼルバイジャンからアフガニスタンにまで設け、さらに東南アジアも視野に入れ、ナイジェリアではボコハラム運動と連携している。打倒は可能だろうが、簡単ではないし完全に消滅しないだろう。

オバマ大統領の主導で66カ国の有志連合がISIS対抗勢力として生まれ次の五つの戦略方針を2014年以来維持している。
--軍事作戦
-- 外国人戦闘員対策
--財政対策
--逆宣伝活動
--地域内安定の実現

イラクとシリアで成果も生まれており、両国への外国人戦闘員の流入は今年は大幅に減っている。ただし一部がリビアに流れているのは残念だ。だがリビアでも新しく生まれた連立政権がISISをスルトから放逐しつつあるとの朗報がある。
つまり一部作戦で停滞が見られるものの再強化に時間を使っているといえる。国別状況は以下の通りだ。

イラク 政府軍が突破口を開きつつあるが、平和回復には時間がかかり、最大の懸念はモスルをISISから奪還しても有効に統治できるかだ。イラク政府には米国の力を増強して平和と安定を実現できる勢力を作る必要があり、ISISに似た集団の出現は早期に刈り取る必要がある。このため援助を拡大し、米国の支援内容を強化する必要があるが、イラクが石油でどれけ収入を得られるかにかかってくる。ただし原油価格の低下傾向がどこまで続くかも考慮すべき要素だ。

シリア 当地の政治戦略は完璧とは言えない。平和交渉は停滞し、アサド大統領が盛り返しているのはロシアの支援があるからだ。こちら側は政治目標の水準をを下げるべきだ。連合のしくみで少数集団の保護を図るのが成功のめやすとして妥当だろう。クルド人のみならずアラブ中道集団も援助していくべきである。また援助対象の基準を緩和しつつ米軍による訓練や装備提供を増強する。安全地帯を爆撃するシリア政府軍機への報復行動は有効策だろう。

リビア 連立政権がこれから生まれる想定の中、西側は大幅な援助とリビア軍向け訓練の体制を今から準備しておくべきで、ISISが占拠したままの中部沿岸地方を奪還する。

ナイジェリア ムハマドゥ・ブハリ大統領の汚職対策が効果を示しつつある中、今こそ米国の援助を拡大すべきで、ナイジェリアの要請が前提だが、小規模顧問団を送り、同国陸軍のボコハラム戦を手助けすべきだ。

アフガニスタン オバマ大統領は米軍削減をこれ以上行うべきではない。現地指揮官には柔軟に指揮命令権限を与えタリバンへの空爆を進めるべきだ。

米本土 ISISは三つの頭を持つ怪物だ。胴体はイラク・シリアにあり、その周辺各地がある一方で、グローバルネットワークで各地を結んでいる。このネットワーク対策を国内外で強化すべきだ。このネットワークから国内襲撃事件が発生するからだ。このためFBIは疑わしい国内テロリストや武器の所在を的確に捜査すべきだ。海外でもISISのグローバルネットワークを容赦なく遮断する。ここで米国が対ISISグローバル連合でリーダーシップを迅速に発揮する必要ある。スマートフォンの暗号化技術のため捜査が困難になっているが、ネットワーク監視を強化し執拗に捜査すれば司法機能と情報機関の融合につながり、容疑者へ迅速に対応し犯行の未然防止が可能なはずだ。ニューヨーク、ロンドン、また最近パリでこの方法の実施が見られるが、まだ一般化されていない。実施のためには一層強いリーダーシップがアメリカに必要になるだろう。

各対策は大規模にならず、組み合わせて実施しても同様だが、米側は人員数千名規模を追加する必要があり、少なくとも数十億ドルの年間追加予算が必要となる。ISISの三つの頭をそれぞれ攻撃し徹底的に撃つべきだ。これまでのISIS対策はそこそこの成果しか出ていないが、今こそ大幅に活動を強化し次の大惨事を招く攻撃を事前に防止すべき時なのだ。

本記事の著者ジョン・アレンとマイケル・オハンロンはともにブルッキングス研究所の上席研究員。


2016年6月19日日曜日

★モスル近郊の戦闘にアパッチが初投入され効果を見せた



Apache Gunships Draw First Blood in the Fight for Mosul

Coalition airpower gets closer to the action

by RODRIGO UGARTE
アフガニスタン、2016年5月U.S. Army photo
米陸軍所属のアパッチヘリコプター部隊がイラク北部のスラム国拠点で6月12日、はじめて威力を発揮した。ガンシップ部隊はモスルの包囲奪還作戦に投入されたイラク地上部隊を支援した。モスルは2014年6月以来占拠されている。
  1. 陸軍第十航空連隊第一大隊のAH-64アパッチ二機がカヤラQayyarah近郊で車両を攻撃し即席爆破装置を破壊したとペンタゴン報道官がWar Is Boringに伝えている。カヤラはモスル南方50マイルでチグリス河沿いの小都市だがイラク軍のモスル攻略では重要拠点。
  2. アシュトン・カーター国防長官は6月13日の交戦についてブリュッセルで報道陣に説明した。「(バラク・オバマ大統領が)同機の投入で効果が発揮できると数か月前に現地配備を承認していた」
  3. アパッチは重装備ヘリコプターでロケット弾、ヘルファイヤミサイル、30ミリ機関砲で爆発弾を発射できるガンシップでイスラム国が多用する高速移動可能な「テクニカル」すなわち装甲車両に搭載した爆発物VBIEDに対応できる。
  4. イスラム国はVBIEDをシリア、イラク各地で主要武器にしている。車両に装甲板を付けて自殺爆弾戦闘員が運転し、攻勢の先陣を切ることが多い。よく見られる戦法は車両をイラク軍やクルド人軍の陣地に突入させ爆発させることだ。
  5. 車両には多量の火薬を搭載しトラック爆弾にする。1995年にティモシー・マクヴェイが同じ方式でオクラホマシティの連邦ビルを倒壊させている。イスラム国は攻撃に複数の車両を投入する。防衛網突破の後で戦闘員が突入し守備隊を圧倒する戦術だ。イスラム国はじめテロ集団は民間人でにぎわう市場や公共施設をVBIEDで攻撃している。
  6. カヤラは最前線でイラク軍がチグリス東岸でイスラム国部隊と戦闘している。ハイダル・スメリはツイッター @IraqiSecurityでカヤラと東方のマクムールの激戦の模様を伝えている。
  7. カヤラ占拠はイスラム国勢力を分断しファルージャ南方の部隊を孤立化させる意味で重要だ。
  8. イラクの自由作戦で設営した前線基地FOBエンデュランスはカヤラ市街地に近く、攻撃作戦に有効活用されている。滑走路はMiG戦闘機でも運用可能な長さがあり、イラク空軍のSu-25対地攻撃機や米軍A-10ウォートホグが使用しイラク地上部隊の攻勢を支援できる。
  9. 攻勢を支援すべく米軍、連合軍の航空機部隊はイスラム国陣地を19回空爆した。うちモスルに6回、カヤラは7回だった。カヤラ空爆はVBIED製造工場、橋梁三つ、砲兵陣地二か所、集積地7か所他車両多数を狙い、アパッチがこのうち一台を仕留めた。
  10. 「同機に要請が入ったのは今回が初めてで効果を上げた」とカーター長官は報道陣に語っている。「(アパッチの)投入は適切なタイミングで、イラク軍と米軍指揮官が投入を決めたのはモスル攻略のため重要地点に部隊が展開していたためだろう」「目的は達成し、部隊は侵攻を続けた」
  11. アパッチ部隊は通常の手順どおりまず状況調査をしたとペンタゴン報道官は説明したが、同機を要請したのが誰だったか明かしていない。同地点に展開中のイラク部隊の規模およびカヤラ近郊での戦闘報道からイラク軍あるいは随行する米軍顧問団と思われる。
  12. 「目標の位置関係、友軍や民間人の位置、目標地点から射撃士が最適の兵装システムを選択した」と固有の決意作戦本部の報道官がWar Is Boringにeメイルで伝えてきた。「連合軍による空爆の一環としてアパッチもイラク政府と連絡調整のうえ、同国支援に運用された」
  13. イスラム国との戦闘は2014年に開始されイラク国内で活動する米軍は5,500名ほどに増えている。大部分の3,870名がイラク軍に助言と支援を提供し残りは兵站補給部門および特殊部隊隊員だ。
  14. アパッチも2014年にイラクに戻った。今年4月にはアパッチ8機が追加配備された。
  15. 米顧問団はイラク軍部隊に大隊単位で配備され、従来より迅速かつ柔軟にモスル奪回する支援体制ができた。固有の決意作戦が開始されてイラクで戦死した米軍隊員は三名だ。
  16. アパッチ乗員にも危険はある。低速低空飛行で地上部隊に正確な支援が可能で、連合軍の他機種より効果がある一方で対空火砲や機関銃の標的になりやすい。nなかでももっと大きな脅威は戦闘員が肩越しに発射する地対空ミサイルだ。
  17. ニューヨークタイムズが2014年10月にイスラム国が携帯ミサイルで低空飛行中のヘリコプターを攻撃方法を戦闘員に教える様子を伝えている。アパッチの性能特性から対応策までをテロリスト集団内で研究している。
  18. 同機撃墜には安定した高地から狙い、探知要員とともに狙撃者を一緒に連れていくようオンラインで勧奨しているとジャーナリストのC.J.シヴァースが紹介している。狙撃手は墜落後の乗員を射撃するためだ。
  19. 「ミサイルを発射した直後のヘリコプターにこちらもミサイル発射するのがよい。パイロットと射撃士は目標を見ることに忙殺されているはずだから」と教本は解説している。
  20. イスラム国戦闘員が肩越しに対空ミサイルを発射した最新事例は2014年でMi-35M攻撃ヘリを撃墜している。アパッチにも脅威が残っている。■


2015年11月26日木曜日

★★A-10>ISIS空爆作戦の成功で退役予定は先送りになるのか




A-10 Takes Out ISIS Oil Tankers in Latest Battlefield Success



By Brendan McGarry | Monday, November 16th, 2015 6:51 pm


A-10攻撃機はISISの地上目標を着実に破壊している。
  1. 低速低空飛行可能な近接航空支援機サンダーボルトII、ニックネーム ワートホグはAC-130ガンシップとペアを組みシリアでISISが奪取した石油タンカー車両の一隊を破壊している。以下リチャード・シスクが伝えている。…
  2. 「パリテロ事件後の米軍の空爆の第一波としてA-10サンダーボルト編隊とAC-130が共同してシリア国内で100両以上のISIS石油ローリートラックを掃射した。これはテロリスト集団の資金源を締め上げる作戦とペンタゴンが23日発表した。…
  3. 石油輸送車両への攻撃とともに空母の投入で米軍は空爆強化を明確に示した。一方で同盟国との情報共有はパリ襲撃事件以来強化されている。ただしオバマ大統領は戦略そのものに変更はないとしている。
  4. 「ISILはイラク、シリア国民から石油を盗みとっている」と、一日百万ドル相当だという財務省試算を海軍大佐ジェフ・デイヴィスが紹介した。ISISが実効支配する石油関連施設および供給ネットワークを攻撃することで「テロ活動の資金源を分断している、と述べた。
  5. 冷戦時代のガンシップが戦場で今でも有効性を証明していることで、空軍が同機退役の動きを止めたのは驚くべきことではない。空軍は同機の完全退役を「数年間」遅らせる方策を探るだろう。
  6. 「ハーバート・『ホーク』・カーライル大将、航空戦闘軍団司令官、はF-35ライトニングIIの生産が伸びないことに加えA-10への需要が増えていることから、A-10は当初予定より長く供用されることになろうと語った。
  7. 「退役予定を先送りすることになるのではないか」と同大将は防衛関連記者との朝食会で24日話している。「最終的には機体を第一線から退ける日がくる。だが今の段階ではもう少し長く供用する方で検討している」■




2015年11月20日金曜日

★ISのジハーディ・ジョン殺害はリーパー無人機が実行していた



Reaper Strike Likely Killed ‘Jihadi John’

by Brendan McGarry on November 13, 2015

米軍の無人機がシリアでイスラム国の処刑人「ジハーディ・ジョン」を殺害したと国防総省が報道機関に発表した。

  1. MQ-9リーパー1機が12日にラッカ近郊でモハメッド・エムワジ(27)を標的にヘルファイヤミサイルを発射した。エムワジは「ジハーディ・ジョン」として知られ、西側捕虜数名を処刑している。以上ペンタゴン報道官スティーブ・ウォーレン大佐が述べたとニューヨーク・タイムズが報道している。
  2. ウォーレン大佐は13日の定例記者会見でエムワジがこの攻撃で死亡したのは「十分なまでに確実」と述べている。
  3. MQ-9はジェネラル・アトミックス(本社サンディエゴ)製で中高高度で運用可能な無人機であり、空軍の無人攻撃手段の中核だ。2014年時点で空軍はリーパー153機を保有し、その平均機齢は3.6年だった。(空軍協会まとめ)
  4. MQ-9はMQ-1プレデターの拡大版でAGM-114 ヘルファイヤーミサイル、GBU-12ペイブウェイIIレーザー誘導爆弾、GBU-38共用直撃弾頭つきGPS誘導爆弾を組み合わせて搭載できる。
  5. 該当機は「長時間監視飛行」に投入されており、エムワジは攻撃の時点で自動車に乗車中だったとCNNが報じている。■


2015年10月8日木曜日

シリア>ロシア海軍がカスピ海から巡航ミサイル攻撃を実施


先にお伝えした東地中海に展開中のロシア黒海艦体は旧式艦だらけですが、今回はあえてカスピ海から遠距離攻撃を実施したロシアの狙いはずばり力の誇示でしょう。どれだけの効果があったのかは不明ですが、今後も継続使用すれば相当の効果を上げてくるでしょうね。巡航ミサイル技術でも相当の追い上げが出ていることの証拠で、ますますペンタゴンは三番目の相殺を技術開発面で進めていくのではないでしょうか。

Russian Warships Launch Missiles into Syria: Report

by BRENDAN MCGARRY on OCTOBER 7, 2015

(Photo RT / YouTube / Russian Defence Ministry)
ロシア海軍艦艇から20発以上の巡航ミサイルがシリア国内に向け発射された
ロシア海軍艦艇4隻がカスピ海から26発の巡航ミサイルをISIS関連とみられる11箇所の目標に発射した。ロシア報道機関RTが10月7日報道している。
ロシア国防相セルゲイ・ショイグが「誘導データによればすべての目標の破壊に成功している。民間人の被害は発生していない」と発言しているという。
報道で言及された艦船はゲパード級フリゲート艦ダゲスタン、ブヤンM級海防艦グラド・スヴィヤツク、ウグリッチ、ヴェリキ・ウスチュグの各艦。それぞれカリブル-NKの発射装置を搭載し、最大1,550マイル(2,500キロメートル)までを射程に収める。
ミサイルはラッカ、イドリブ、アレッポ各地方のISIS目標に命中したと言われる。
この攻撃任務はシリア国内を飛行するロシア軍機から容易に行えたはずなのに、あえて巡航ミサイルによる攻撃にしたことはおそらくロシア海軍の実力を示威することが目的だったのではないか。しかも実施には小型艦を用いている。■


2015年1月9日金曜日

ISIS空爆作戦の効果(途中経過)


空爆はそれなりに効果を上げてきましたが、非常に高価な作戦になるようですね。イラク軍の立て直しが完了するまでは継続が必要です。また、クルド人部隊に支援を与えることで、地域内のバランスがどう変わるか注目されるでしょう。どちらにせよISIS作戦は5年から10年つづくのではないでしょうか。それにしてもエイブラムス戦車等昨日まで自らの陣営の装備だったものを破壊するのはどんな気持ちだったのでしょうかね

US Airstrikes against ISIS Destroy 184 Humvees and 58 Tanks

by RICHARD SISK on JANUARY 7, 2015
ISIS Humvee
ISISへの合計1,600回を上回る空襲により、少なくともハンヴィー184両、戦車58両、700台近くのその他車両が破壊または損傷している。8月8日以降の空襲の対象でイラク、シリア国内の合計3,200点が目標になっていると、米中央軍が1月7日に明らかにした。
  1. 他に合計26両のMRAP(地雷・まちぶせ攻撃用に強化された)車両や装甲兵員輸送車、火砲79台、さらに歩兵陣地673箇所が破壊されたと中央軍が発表。
  2. ハンヴィー、M1A1エイブラムス戦車、MRAPはでISISの攻勢の前にイラク治安維持軍が逃亡して置き去りにしたものをISISが捕獲していた。
  3. 1月7日以降のリストでは小型舟艇14艘もあり、ISISがチグリス・ユーフラテス河で人員物資の輸送に用いていた。
  4. さらにリストを見ると少なくともISISが占拠していた建物・兵舎980棟、検問所92箇所、武器貯蔵所23箇所、掩蔽壕52箇所、戦闘拠点673箇所が標的になっている。
  5. ペンタゴンと中央軍はISISからの石油が闇市場に流出するのを阻止するとの意向が何回も表明している。石油がISISの主要な資金源になっている。今回発表の標的リストでは小規模精油所や貯蔵施設が259回の空襲を受けていることがわかる。
  6. 7日の記者会見ではペンタゴン報道官ジョン・カービー少将から空襲の累積効果によりISISは守勢に回っており、組織内の通信・統制機能が大幅に低下しているとの説明があった。オバマ大統領が空襲実施の許可を出したのは昨年8月8日で、以後毎日平均11回を実施している。■

2014年9月30日火曜日

戦争継続のため予算手当に走るペンタゴンおよび同盟各国の状況


シリアへ空爆を拡大したものの、予算の手当ても考えなくてはいけないのが米軍の現実です。そのため同盟各国の参加、負担を今後も働きかけていくでしょう。では日本に対しては何が求められるのか、いつもの受け身より日本から提案していかねばならないのでは?

Pentagon Working With Congress for More War Funding

Sep. 26, 2014 - 05:16PM   |  
By PAUL McLEARY   |   Comments
An F/A-18E and F/A-18F Super Hornet prepare to launch from the flight deck of the aircraft carrier George H.W. Bush to conduct strike missions against Islamic State targets in Iraq.
F/A-18EおよびF/A-18Fスーパーホーネットが空母ジョージ・H・W・ブッシュから発進し、イラク国内のイスラム国攻撃に向かう(US Navy)

WASHINGTON — ペンタゴンはイラク、シリアでのイスラム国戦闘員に対する作戦継続のため予算手当を議会に求めている。今のところ作戦は850億ドル戦時臨時予算で実施中。
  1. 「追加支出を議会に求め作戦を進めたい」とチャック・ヘイゲル国防長官は記者会見で発言している。
  2. 上院軍事委員会で指導的立場の民主党議員二名カール・レヴィンCarl Levin およびティム・ケインTim Kaine からはペンタゴンにもっと予算を与えてよいとの姿勢が現れている。
  3. ただし予算議会で問題がないわけでなはい。2015年度予算を通過させる一方でペンタゴンは2016年度予算案を編成中であるが、予算強制削減の効果が完全に出る初めての予算となる。
  4. ヘイゲル長官の横にすわった統合参謀本部議長マーティン・デンプシー大将からは予算で難航が予想される、なぜなら議会がホワイトハウス、ペンタゴンが共に要求した給与待遇改善案に同意せず、A-10攻撃機などの退役、M1エイブラムズ戦車調達数の削減にも難色を示しているためだと説明。
【これまでの航空作戦結果】
  1. 一方でデンプシー議長からはホワイトハウス主導でシリア作戦の国際体制が生まれていることを楽観視しているのもうかがえた。
  2. 合衆国は同盟各国のサウジアラビア、ヨルダン、UAE、バーレーン、カタールとともにシリア国内で40回の空爆を実施し、一方で合衆国とフランスはイラク国内で200回超実施している。
  3. 「航空作戦ではこれまで20年以上に及ぶ相互運用、調達努力の成果が示されているのであり、地域内同盟各国への教育の効果」とデンプシー議長は延べ、各国は「我が国と同様に精密爆撃により民間人への付随的損害の発生を抑えている」と加えた。
【英国、ベルギーが参戦】
  1. 同じく金曜日にベルギーと英国が米主導の空爆作戦への参加を表明し、イラク国内のイスラム国攻撃を実施する。ベルギーはF-16を6機派遣し、ヨルダンから運用する。
【第一師団司令部機能がイラクへ】
  1. 現時点で合計1,168名の米軍人がイラクに駐留中とペンタゴンが発表している。これは今後数週間で1,600名に増える。
  2. 新たに現地入りしたのは米陸軍第1師団の司令部要員216名で10月から活動を開始する。
  3. うち138名はバグダッド、68名はエルビル、10名はイラク国防省に配置される。さらに300名が中央軍に派遣され、指揮命令統制機能で軍事顧問活動に当たる。派遣部隊は陸軍中将ポール・ファンク第1師団司令官の指揮下となる■

2014年9月24日水曜日

★★★シリア空爆にF-22が投入された背景を考えてみよう



F-22がISIS攻撃に投入されたニュースの続編です。もう少しくわしく伝えていますのでご参考に。

Analysis: Long Road for F-22's First Combat Mission

Sep. 23, 2014 - 04:00PM   |  
By AARON MEHTA   |   Comments
Arctic Thunder
F-22ラプターが兵装庫の中を見せて飛行している。本年7月撮影。ラプターは22日にシリア上空で初の戦闘作戦を実施した。 (Staff Sgt. Jared Becker / US Air Force)

WASHINGTONロッキード・マーティンF-22ラプターが初の戦闘作戦に投入され運用で大きな一歩となった。
  1. 空軍がラプターがシリア空襲に投入された事実を確認し、イスラム国(IS)他の過激派を目標に夜間攻撃を合衆国と湾岸諸国同盟国連合軍の一部として実施。
  2. F-22が戦闘に投入されてこなかった理由に機数が少ないこともあった。当初ペンタゴンは同機を大量導入する予定だったが、当時のロバート・ゲイツ国防長官が生産終了を強硬に求めたため小規模調達になった経緯がある。最終機が生産ラインを離れたのは2011年12月で187機が調達された。

  1. ペンタゴンの報道会見ではウィリアム・メイヴィル陸軍中将Army Lt. Gen. William Mayville(統合参謀本部作戦部長)からF-22がISの指揮命令施設(場所ラカーRaqqah )に精密誘導爆弾攻撃を加えたと確認した。

  1. F-22はAIM-120高性能中距離空対空ミサイル6発またはAIM-120を2発とGBU-32共用直接攻撃爆弾2発の組み合わせで空対地攻撃が可能。機体内部には20 mm機関砲とAIM-9サイドワインダーミサイルを搭載している。

  1. メイヴィル中将は空爆は今後も続くと発表しているのでラプターが再度投入される可能性は高い。バラク・オバマ大統領も軍事行動は数日から数週間程度続くとの見通しを発言している。

  1. ISISへの米空軍の作戦内容開示は小規模で、その理由として運用基地を抱える各国が同じイスラム教徒に対する攻撃へ基地を提供していることに神経質になっている。反対に米海軍は空母運用でもあり、イラク上空での作戦の映像を多数公開している。またトマホークミサイル発射の映像も公開している。

  1. F-22運用にも各国は神経質になっている。2013年に一般公開された地図データではF-22部隊がアラブ首長国連邦内のアル・ダフラ基地に駐留していると判明してしまった。このこと自体がイランに対する脅威と受け止められている。米空軍はF-22がイランF-4を迎撃した事実を確認している。

  1. だが空軍が同機を第一回目の攻撃に投入した理由は不明だ。メイヴィル中将はラプター投入を「目標に対して求めた効果から、また稼働可能な機体から最適選択を考えた」とし、「攻撃目標は多岐にわたり、機体よりも効果を優先し、そのあとで機材を選択した」という。ではその効果とは何を意味するのか。

  1. 一つの可能性は攻撃に参加した米軍機や同盟国軍機の護衛だ。シリアのバシャル・アル・アサド大統領の指揮下にある空軍が迎撃に向かうことも想定されていた。
.
  1. 二番目にISIS支配地域も対象とするシリアの防空体制に侵入、脱出するのにF-22が必要だったのかもしれない。ペンタゴンはシリア防空網は高水準と評価しており、シリア内戦時に米軍がアサド政権側を攻撃できない理由とされていた。

  1. あるいは主力攻撃隊の到着前にF-22が電子戦を.実施した可能性がある。これもシリア防空体制と関連している。

  1. 国防総省関係者からF-22の能力は情報収集監視偵察(ISR)機材として認識しているとの発言があった。「エイビオニクス統合化とセンサー類一式でISR機材にもなり、単なる攻撃機ではありません」と同関係者は発言。「戦闘を正確に理解できるとともに僚機へ情報提供が可能です。進行中の事態を明確に把握できます」

  1. 「F-22には優れた戦闘時ISR能力があり、レーダーやセンサーで戦闘がどんな状況にあるのか情報収集を豊富におこなうことができます」とレベッカ・グラントRebecca Grant 現IRIS研究所所長、前ペンタゴン勤務も言う。

  1. グラントが注目するのは合成開口レーダーで高解像度画像を集め、地上の動きを動画撮影するのは今回のような作戦では重宝されるはずという。データ収集以外に目標確認、さらに同じ空域の僚機に伝えることが可能。

  1. F-22の性能には目を見張るものがあるが、ラプター初陣は同機をシリア方面に展開した航空機材の一つとして使っただけのようだと同上関係者は語る。

  1. もっと簡単に言えば、ペンタゴンがF-22を世界有数の戦略地点に配備したのには理由があり、これまで投入してこなかったが、今は考え方に変化が生じたということだ。

  1. F-22を実戦に投入し知見を得る機会ができたので空軍は疑いなく満足なはずだ。だが空軍はラプター後継機開発準備に入っており、正式開発開始は2018年といわれる。

  1. 「今のうちに後継機に必要な性能水準を検討する必要があります。20年後にF-22も機齢30年になりますから」と航空戦闘軍団で航空優勢基本性能検討チーム長をつとめるトム・コグリトア大佐 Col. Tom Coglitore, air superiority core function team chief at Air Combat Command がDefense Newsに語っている。「各機に連日何回も8から9Gをかけていますから、相当のストレスになっているはずです」■

F-22開発のあしどり

1991年8月23日: ロッキード・マーティンにF-22契約交付
1997年9月7日: 初飛行実施
2005年12月15日: 初期作戦能力獲得
2006年1月21日: 初の作戦運用で Operation Noble Eagleに参加.
2011年12月13日: F-22最終号機が生産ラインを離れる
2013年5月13日: UAEのアルダフラ空軍F-22の駐機が衛星画像で確認された。イランから飛行距離6分の地点。
2013年9月17日: 空軍協会総会で参謀総長マーク・ウェルシュ大将からF-22がイランF-4迎撃した事実を発表。
在籍機数: 187