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2025年7月9日水曜日

米空軍はタンカー調達方針を再転換し、「生産延長」プログラムを計画へ(Breaking Defense)(Breaking Defense) — 大丈夫なのでしょうか。簡単に方針が変わるのは状況が迅速に変化しているのか、計画立案に欠陥があるのでは。


空軍はボーイングKC-46ペガサスを「最も手頃な要求基準として」使用する計画だ


KC-46A Pegasus arrives at Yokota in support of Keen Sword 23

2022年11月7日、キーンソード23演習の支援で、横田基地に着陸するカンザス州マコーネル空軍基地第22航空給油団所属のKC-46ペガサス。


未来的なステルス・タンカーを開発するという新たなタンカー戦略を発表してわずか2年で空軍は空中給油機隊の方針を再び転換し、ボーイングのKC-46ペガサスを有利にする可能性のある、タンカー生産を延長するプログラムを視野に入れている。

 国防総省が最近発表した2026会計年度予算案で明らかにされたタンカー計画は、来年から開始される「タンカー生産延長」プログラムを要求している。資料によると、空軍はこの取り組みに2380万ドルを要求しており、26年度第3四半期までに提案依頼書作成を終える必要がある。

 空軍が新しい生産延長プログラムについて最終的にめざしているのかは明らかではない。ひとつの道筋としては、エアバスやエンブラエルのような、以前からタンカーのニーズに興味を示していた業界プレイヤーが、KC-46に対しライバル入札を行う可能性がある。この新たな延長プログラムに最終的に選ばれたものは、ボーイングが現在のKC-46契約で納入を完了した後に生産を開始することになる。

 しかし、空軍がコンペの結果、あるいは単独調達として、単純にKC-46の追加購入を決定する可能性もある。注目すべきは、予算書によると、空軍はペガサスの能力生産文書を生産延長のための「最も手頃な要求基準として」使用するとしていることである。

 この新しい生産延長計画は、KC-135タンカー再整備プログラムと呼ばれる以前の戦略に取って代わるもので、2023年の政府関係者は、次世代空中給油システム(NGAS)と呼ばれる未来型タンカーが実戦配備されるまで、老朽化したKC-135の代替を継続すると説明している。

 NGASのプラットフォーム自体は、以前は民間機から派生した現在のプラットフォームよりも生存性が高く、低視認性の機能を組み込んだクリーンシート設計と説明されていたが、トランプ政権の予算では、代替案の分析作業を継続し、タンカーの自己防護を強化するために新しいミッションシステムを組み込む方法を検討するために、FY26に約1300万ドルを要求している。

 空軍の広報担当者は6月26日、約1300万ドルの資金提供ラインは「クロスプラットフォームのHVAA(High Value Airborne Assets)接続性と生存性イニシアチブの研究開発を維持する」とし、NGASは「空軍がレガシーと将来のタンカーフリートの生存性全般に対処しようとしているため、分析が進行中である」と本誌に述べた。

 新しいタンカー戦略はまた、以前の給油機への期待に戻るという空軍の決定を反映している可能性もある。タンカー再整備プログラムとNGAS計画が発表された時点で空軍の当時の調達トップは、空軍はKC-135の置き換えを継続するための短期的なソリューションとしてKC-46調達に傾いていると述べた。

 この新戦略は、空軍の進化し続けるタンカー・サーガの最新の展開であり、業界側でも独自の変化が見られる。 例えばロッキード・マーチンは、エアバスのA330マルチロール・タンカー輸送機を使ったタンカー契約でエアバスと提携する予定だったが、ロッキードは最終的に2023年後半に提携を解消した。エアバスはその後、タンカー計画について空軍との関与を継続すると述べた。一方、エンブラエルは、KC-390が採用されれば米国内での製造を約束するとともに、米空軍にKC-390を採用させるべく積極的なキャンペーンを開始した。

 一方、空軍はKC-46プラットフォームに多額の投資を行っており、数カ月間の納入中断を経て最近納入が再開されたばかりだ。予算書によると、空軍はKC-46のアップグレードのために、FY26でおよそ8120万ドルを要求しており、空軍の広報担当者はペガサス調達を、ボーイングとの現在の契約で利用可能な最大値である188機に増やすことも期待していると本誌に語った。

関連記事 KC-46の給油ビジョンシステム修正、2027年に延期

 ペガサスでのブロックIIアップグレードプログラムのための「リスク削減研究」もFY26に開始されると、文書にある。KC-46に最新の安全な通信機能を装備する現在のブロックIの取り組みは、FY28の第2四半期に完了する予定と、同文書は述べている。

 なお、ボーイングは、空軍と合意した固定価格契約のため、ペガサス・プログラムで数十億ドルの損失を被っている。■




Air Force again changes course on tankers, plans new ‘production extension’ program

The Air Force plans to use the Boeing KC-46 Pegasus’s Capability Production Document “as the most affordable requirements basis” for the new program, potentially giving the embattled aerospace manufacturer a leg up in a competition.

By   Michael Marrow

on July 01, 2025 at 4:18 PM

https://breakingdefense.com/2025/07/air-force-again-changes-course-on-tankers-plans-new-production-extension-program/



2025年5月15日木曜日

KC-46の給油ビジョンシステム修正は2027年に先送り(Breaking Defense) —オペレーターが距離感を失い嘔吐したりということらしいのですが、航空自衛隊はどうしているのでしょう

 KC-46 F-15 certification testing

2018年10月29日、フロリダ州エグリン空軍基地からF-15ストライクイーグルの試験機に接続するKC-46Aペガサス空中給油機。(U.S. Air Force photo by Master Sgt Michael Jackson)



新スケジュールは、2月以来納入停止中のタンカーにとって後退となる


空軍によると、ボーイングKC-46ペガサスで問題となっている視力システムの問題を修正することを目的としたアップグレードは再び延期され、2027年の夏まで実戦投入されない見込みだ。

 「空軍とボーイングは、スケジュールの遅れを防止または緩和する機会を探っている」と空軍の広報担当は声明で付け加えた。

 空軍関係者は当初、2023年に実戦配備することを望んでいたとされるが、RVS 2.0と呼ばれるKC-46の視覚システムのアップグレードは何度も延期されてきた。それ以前には、このシステムは2026年に完成すると予測だったが、FAAの認証プロセスがさらなる遅れの原因となっている。

 ブームオペレーターが窓の外を見ながら伸縮式の給油ロッドをレシーバーに誘導しなければならないレガシー・タンカーとは対照的に、ペガサスのオペレーターは、カメラとセンサーによって構築されたデジタル画像を頼りに、機内で遠隔操作で給油を行う。

 現在のRVSは、2.0仕様に置き換える必要がある。RVSは、夜間の給油が見えにくかったり、昼間は太陽光の影響を受け苦労している。また、奥行き知覚にも問題があり、ブーム操作のリスクを高めている。これらの問題に対処するため、RVS2.0では、航空機の長波長赤外線カメラ2台と可視スペクトルカメラ2台をアップグレードし、可視スペクトルカメラを1セット追加し合計6台とする。

 このタンカーには、オペレーターが給油のため接近する飛行機を確認するのに役立つパノラマカメラも搭載されているが、空軍が本誌に以前に語ったところでは、RVSとは別にアップグレードが行われるとのことであった。このアップグレードでは、既存の赤外線パノラマカメラ3台がそれぞれアップグレードされたものと交換され、新しい電気光学センサー(平たく言えば、高解像度の可視光カメラ)が追加される。

 火曜日に下院歳出防衛小委員会が開催した公聴会で、空軍参謀総長のデビッド・オールヴィン大将は、KC-46にはまだ5つのカテゴリー1の欠陥が残っていると述べ、航空機は "最適に"機能していないと述べた。 同機は、A-10とまだ実戦配備されていないE-7を除く、すべての空軍機への給油が許可されている。

 空軍はまた、空軍への引き渡しを待っていた2機で「機外固定式トレーリングエッジ支持構造」に亀裂が発見されたため、2月以来KC-46の納入を停止している。

 固定価格契約に伴いKC-46で数十億ドルの損失を出しているボーイングは、RVS2.0の新たな納期を空軍に尋ねられ、先送りにした。広報担当者は、"当社は納品を再開するために米空軍と協力している "と付け加えた。■


KC-46 refueling vision system fix delayed to 2027

The new timeline is a setback for the beleaguered tanker, whose deliveries have been halted since February.

By   Michael Marrow

on May 07, 2025 at 11:27 AM


https://breakingdefense.com/2025/05/kc-46-refueling-vision-system-fix-delayed-to-2027/


2025年3月3日月曜日

KC-46タンカーで亀裂が見つかり、すべての納入を停止中(The War Zone)―航空自衛隊の機材は大丈夫なのでしょうか。それにしても日本で運用中の機体から問題が全く聞こえてこないのはなぜ?

 


The Air Force will inspect all 89 of its KC-46A Pegasus aerial refueling jets after cracks were found on two set for delivery to the Military Delivery Center.  

(U.S. Air National Guard Photo by Senior Master Sgt. Timm Huffman)





米空軍は89機のKC-46を点検し、問題が機材共通かどうかを確認中


空軍は、軍納入センターに送られてきた4機の新型機のうち2機で亀裂が見つかったため、89機のKC-46Aペガサス空中給油タンカーの全機を検査する予定であると、空軍がThe War Zoneに独占的に語った。この問題は、メーカーのボーイングが発見したと空軍は述べている。

 さらに、ボーイングは「根本的な原因を完全に理解し、効果的な是正措置計画を実施するまで、納入を一時的に停止する措置をとっている」と、空軍は問題を抱えたペガサス・プログラムの最新問題についての本誌の問い合わせに答えた。


 点検後、亀裂が発見された場合、「機体は次回飛行する前に修理を受ける」と空軍は説明している。

「ひび割れは飛行制御面やヒンジではなく、一次構造や二次構造に見つかった」と空軍は本誌に伝えた。

 ボーイングは問題の解決に取り組んでいると述べた。

 「KC-46A型機の潜在的な問題を評価し、保有機および生産中の機体への潜在的な影響を軽減するため、顧客と緊密に連携中です」。

 ペガサス・プログラムは、納入前から問題に悩まされてきた。2019年1月に最初のKC-46Aを受領するまで、予定より何年も遅れていた。

 以前お伝えしたように、KC-46のブームだけでなく、ブームオペレーターがブームを受領機に誘導するため使用するリモート・ビジョン・システムについても、長年の深刻な問題を解決への努力がまだ続いている。これらは、プログラムに影響を与えた多くの問題のうちの2つに過ぎない。

 ボーイングは現在、KC-46のブームの剛性の問題対処する契約を結んでおり、ハードウェアとソフトウェアの変更を伴う修正を行っている。 リモート・ビジョン・システム(RVS)に関しては、請負業者はまったく新しいバージョンのものをタンカーに組み込んでいる。この決定は、オリジナルのRVSで複数の問題があり、使用が危険であるばかりでなく、ブームオペレーターが体調を崩す危険性があると判明したためである。

 2024会計年度のDOTE報告書は、KC-46Aが 「適性指標の多くを満たしていない」ことを明らかにした。

 「稼働率(80%以上基準値)と任務遂行率(90%以上基準値)はFY24を通じわずかに低下し、基準値要件を大きく下回っている。 さらに、主要任務(空中給油)を遂行できない(ブームの破損などによる)部分的な任務遂行可能機を考慮すると、実質的な任務遂行可能率は平均でさらに24%低下する。 このプログラムは、修理部品の供給問題により、メンテナンス修理時間の長期化に悩まされ続けている」。

 2024年3月、「KC-46Aプログラムでは、ブームに関連する部品の破損が発見されたため、新型機の納入が2ヶ月遅れた。「製造ラインを離れた航空機の検査で、ジンバルナットのロックワイヤーが破損しているのが見つかった」。


これらすべての問題は、ボーイング社に多大な犠牲を強いている。 ブレイキング・ディフェンスは1月、「同社は第4四半期に、ペガサスに関して8億ドルの損失を計上したことを明らかにした。ボーイングはこの損失の一部は、9月にシアトルで起きた機械工組合のストライキによるもので、その結果、KC-46の原型となった双発の767型機などのジェット旅客機の生産が7週間もストップした」と、ブレイキング・ディフェンスは付け加えた。 同社はKC-46の固定価格契約締結以来、数十億の損失を出している。


U.S. Airmen tour a KC-46 Pegasus July 15 at Barksdale Air Force Base, Louisiana. The KC-46 was on site to perform its first refueling with the 307th Bomb Wing. (U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Celeste Zuniga)

7月15日、ルイジアナ州バークスデール空軍基地でKC-46ペガサスを見学する米空軍兵士。 KC-46は第307爆撃航空団と最初の給油を行うために現場にいた。 (米空軍撮影:Celeste Zuniga一等空兵) Celeste Zuniga一等空兵


これは、1950年代後半のアイゼンハワー政権時代に初飛行したKC-135タンカーの老朽化したフリートを置き換えるために作られたプログラムにとって、また新たな打撃である。さらに、最後のKC-10エクステンダー給油機は昨年9月に退役している。■


Cracks In KC-46 Tankers Halt All Deliveries

The USAF is inspecting its fleet of 89 KC-46s to see if the problem is systemic and Boeing is working to figure out a fix.

Howard Altman

https://www.twz.com/air/cracks-in-kc-46-pegusus-tankers-halt-all-deliveries


2024年9月14日土曜日

日本へのKC-46給油機売却を承認、ルーマニアへのF-35ステルス戦闘機売却を承認―ペガサスは最大15機の陣容になる可能性 (Breaking Defense)

 


8th FW participates in U.S., Japan, Republic of Korea 1st aerial exercise

2023年10月22日、インド太平洋上空で第80戦闘飛行隊所属の米空軍F-16ファイティングファルコン(中央)に給油する米空軍KC-46ペガサス(右)。



日本はKC-46Aタンカーを最大9機、追加購入可能になる


国務省は本日、日本向けに最大9機のKC-46Aペガサス・タンカーを41億ドルで売却する案件を承認した。日本がタンカーに興味を示していることは驚きだ。東京はボーイングが製造するKC-46Aを海外運用している2国のうちの1つである。

 国防安全保障協力局(DSCA)からの議会通告という形で発表された発表は、最終的なものではない。数量や金額の合計は交渉中に変更されることが多く、発表は基本的に取得プロセスを前進させるものである。そして、

 今日の発表は、技術的には、30日以内に購入を阻止する機会を議員に与えることになるが、そのような措置はあり得ないだろう。 

 日本へのKC-46A売却は、インド太平洋の広大な海域で航空機の航続距離を伸ばすため重要な空中給油能力を日本で大幅に拡大するようだ。給油機本体の他に、プラット・アンド・ホイットニー製のPW4062エンジンが最大18基、関連するサブシステムやサポート機器とともに売却されることになる。この発表では、機体の引き渡し予定は明らかにされていない。 

 ボーイング関係者は、日本と契約済みの6機のペガサス給油機(うち4機は引き渡し済み)に最大9機の売却の可能性が追加されることを確認した。 

 ボーイングは、これ以外の質問は日本の防衛省と国務省に照会するよう求めた。防衛省は時間外のコメント要請にすぐに応じていない。   ウォール・ストリート・ジャーナル紙は最近、日本が新型KC-46のために最新の防衛予算に約14億ドルを計上したと報じたが、日本はこのような大規模な購入の可能性を公には予告していないようだ。 


 ルーマニアは2023年4月、F-35を購入する意向を表明し、ジョイント・ストライク・ファイター(共用打撃戦闘機)を運用する国際的なネットワークに加わることになる。今日、承認された売却は、計画された2つのトランシェの最初のものであり、16機のジェット機の2回目の注文は、将来のいつかと予想されていると伝えられている。 

 ウクライナと国境を接するNATO加盟国ルーマニアは、ロシアの "侵略"を抑止するために購入を進めると以前述べていた。DSCAによると、本日発表された売却額には、プラット・アンド・ホイットニー社製のF135エンジン33基と関連支援機器が含まれている。DSCAのリリースには引き渡し予定日は含まれていないが、ルーマニア国防省は以前、最初の航空機は2030年に引き渡されるはずだと述べている。■


State clears potential $4.1B KC-46 refuelers sale to Japan, $7.2B F-35 stealth fighters sale to Romania

Japan would be permitted to buy up to nine additional KC-46A tankers, while Romania would be cleared to acquire 32 F-35As.

By   Michael Marrow

September 13, 2024 at 5:03 PM


https://breakingdefense.com/2024/09/state-clears-potential-4-1b-kc-46-refuelers-sale-to-japan-7-2b-f-35-stealth-fighters-sale-to-romania/


2024年7月29日月曜日

KC-46による無着陸地球周回飛行は対中戦を睨んだ長時間にわたる戦域横断型の機材運用の実験だった(Air & Space Forces Magazine)

 



世界一周 無着陸飛行を45時間で達成したKC-46フライトの内幕


KC-46は7月1日、45時間という記録的な世界一周無着陸飛行を終え、カンザス州のマコーネル空軍基地に着陸した。プロジェクト・マゼランの名称がついたこのミッションでは、2組のクルーが地球各地の空軍機に燃料を補給し、その限界を試した。「空中給油は非常に特殊なプロセスで、ある時間にある地点にいなければならない。「マゼラン・プロジェクトは最新かつ最大の耐久作戦(MEO)で、航空機動司令部(AMC)隷下の輸送機やタンカーの乗組員が、中国との衝突の可能性がある太平洋の広大な距離を軍の他の部隊や装備を運ぶ際の、飛行士をテストするためのものである」。 

 「マゼラン・プロジェクトは、AMCのクルーにMEOという画期的な経験を積ませるための次のステップ」と、このフライトに参加し、計画の中心的役割を果たした第22作戦集団幹部のコディ・ドナヒュー大尉はプレスリリースで述べた。

 プロジェクト・マゼランの構想がマコーネルのタンカー・クルーに持ち上がったのは約2年前のことだが、世界各地に展開する部隊との調整がようやく具体化すると、チームは急ピッチで準備作業を進めなければならなかった。

「30日間のスプリントはかなりハードだったが、素晴らしい計画チームに恵まれた。...私たちは世界各地で複雑なミッションを行った」。( 第22作戦群司令官、ブレント・トース大佐 )

 スプリントの最後に、KC-46の新境地を開いたミッションそのものがあった。2019年、マコーネルのクルーは初めてペガサスで世界一周飛行したが、その旅には6回の着陸と宿泊が含まれていた。これに対しプロジェクト・マゼランは、タンカーがノンストップで地球を一周した初の飛行となった。 飛行時間の長さに加え、MEOはわずか2人の基本的な乗組員を乗せたことでも際立っていた。通常、3人の空軍パイロットが24時間まで増員クルーとして飛行できるが、AMCは現在、将来の紛争に備えるため、4人のパイロットからなるクルーで48時間まで飛行することを望んでいる、とドナヒュー大尉は説明した。 

 KC-46が6月29日午後4時ごろマコーネル基地を離陸したとき、この機体には4人のパイロット、2人の給油ブームオペレーター、機体の健康状態を監視する2人の飛行クルーチーフ、乗組員の健康状態を監視する1人の飛行外科医が乗っていただけだった。

 その後45時間、カリフォーニア沖で別のKC-46から給油し、ハワイ近郊で訓練中のC-17輸送機に給油し、グアムに近づくとマコーネルが拠点の他の2機のKC-46からさらに給油した。中東上空では、渇いたペガサスはカタールのアル・ウデイド基地から飛び立った2機のKC-135タンカーからに給油を受けた。マゼランのクルーは、イラク上空で戦闘任務中のF-15Eストライクイーグル2機に給油した後、イギリス上空で2機のKC-135に給油した。マコーネルのタンカーは、MEOを支援するために世界中に配備されていた。 KC-46はアメリカ本土上空で英雄的な歓迎を受け、マコーネルを拠点とする別のKC-46と合流し、2機はミズーリ州ホワイトマン空軍基地から離陸したB-2ステルス爆撃機3機に給油した、マゼランは7月1日午後1時ごろ、マコーネルに着陸した。マゼランは454,000ポンド(シロナガスクジラ2頭分の重さ)の燃料を4回給油し、戦闘出撃と訓練に貢献した。「マゼランの乗組員、マコーネルの計画チーム、そして世界中の乗組員との間の見通し外通信を可能にする一連のシステムが、このような一連の空中活動を可能にした。リンク16のような戦術的データ・ネットワークによって、彼らは何百マイルも離れた受信機を追跡し、通信することができた。彼らの進行方向や必要な燃料の量など、通常であれば航空機が無線で連絡できる距離まで近づかないと伝えられないような要素を知ることができた。 

 「このフライトで何が起きているのか、これまでのキャリアで参加したフライトのほとんどよりも詳しく知ることができた」とトース大佐は語った。「リンク16は、AMCではすでに広く利用されているが、接続をスピードアップしているところだ」。昨年、AMCのボスであるマイク・ミニハン将軍は、2025年までにタンカーと輸送機の25%を見通し外通信で接続するという目標を設定した。

 比較的新しいKC-46は、KC-135やC-130のような古い機体と比較して、近代的な通信機器を持っているが、4つの戦闘司令部間を飛行し、同じフライトで各司令部と素早く同期することは、それ自体が大きな実績だとトース大佐とドナヒュー大尉は説明した。「今、あなたは1つのプラットフォームで2つの戦力増強について話している。航空機の操縦は疲れる作業であり、AMCは、睡眠と栄養に関する最新の科学を利用して、乗組員が長時間の任務でも可能な限り十分な休息を保てるようにしたいと考えている。 


KC-46Aペガサスの外は雲に覆われ、マゼラン・プロジェクトで達成された進歩や人間性能に関する教訓も太陽に照らされている。第22次ARW写真 


 当初、2人のマゼラン・クルーは10時間シフトだったが、時間の経過とともに6時間から7時間に短縮された。仕事以外のときは、乗務員は飛行中ずっと暗く保たれた休憩エリアの寝台で眠った。飛行士たちは、KC-46は過去の給油ミッションよりも快適だと言っている。 

 「スリープマスクとノイズキャンセリングヘッドフォンか耳栓で、何度も5、6時間の睡眠をとることができた」とドナヒュー大尉は言う。「フライトの準備のため、最初のクルーは離陸の約3日前、午前4時頃に就寝し正午まで眠るようにし、2番目のクルーは午後の4時に就寝し夜中に起床した。

「クルーが機内の調理室でクッキーを作ってくれたり、インストラクター・パイロットのダイソン・バタンガン少佐が飛行中に31歳になったお祝いにバースデーケーキを持ってきてくれたりしたのも助かりました」とドナヒューは語る。米国上空に戻る頃には、クルーたちは非常に長い1日の疲れを感じていたが、それでもトースがマコーネル近郊で久々に見た最も複雑な作戦と表現した任務を無事に成し遂げた。 


2024年7月1日、カンザス州マコーネル空軍基地2着陸したKC-46Aの前でポーズをとるプロジェクト・マゼランのクルーたち。


 同機はKC-46初の無着陸地球周回耐久飛行を実施し、乗組員は最大耐久運用の経験を積むことができた。ポーラ・アーチェ飛行士は、「ミッションの途中で別のタンカーと合流し、3機のB-2に対して編隊空中給油を行うのは、とても素晴らしいことだった」と語った。 

 マッコーネルに着陸したとき、クルーは西に向かう長いフライトで日の出と日の入りを1回ずつ経験しただけだった。「アメリカ本土から離陸し、太平洋上空でC-17に給油し、イラク上空で戦闘出撃し、そして地球規模の攻撃機を支援するために戻ってきた」。

 乗組員リストには、機長ブレント・トース大佐、教官パイロット、コディ・ドナヒュー少佐、教官パイロット、ダイソン・バタンガン少佐、教官プロット、T.J.バックリー少佐、教官ブームオペレーター、ジョナサン・ラウターバック曹長、教官ブームオペレーター、パトリック・マレー曹長、飛行外科医、ジェイコブ・ヘイレンド少佐、飛行クルーチーフ、アレハンドロ・メレンデス二等軍曹、飛行クルーチーフ、ダスティン・シェイファー二等軍曹が含まれている。      


Around the World in 45 Hours

By David Roza

July 26, 2024


https://www.airandspaceforces.com/article/around-the-world-in-45-hours/


2024年7月9日火曜日

米空軍KC-46Aが初の世界一周ノンストップ飛行を45時間で完了

 


AviationistがKC-46Aによる世界一周飛行の様子を伝えています。その途中で各地で空中給油しながら自機も空中給油を受けています。同乗した航空医官が乗員の疲労度を測定していたとのことです。タンカーにもAIパイロットがそのうち導入されるとパイロット一名体制での運行となるでしょうが、こうした運行で機数不足を補いたいのが米空軍の思惑なのですが、無理がある気がします。




A 350th Air Refueling Squadron KC-135R Stratotanker from McConnell AFB, Kansas, refuels a McConnell KC-46A Pegasus over the United Kingdom on Jul. 1, 2024. (Image credit: USAF/Airman 1st Class Gavin Hamid)


今回の取り組みは、タンカー1機で複数戦域をサポートする能力を実証した


空軍のKC-46ペガサス空中給油機は、2024年6月29日から7月1日にかけ、プロジェクト・マゼランと呼ばれる世界初の西回り無着陸周回耐久飛行を実施した。45時間のフライトは、太平洋、アジア、ヨーロッパ、大西洋を飛行し、カンザス州のマコーネルAFB(空軍基地)を発着点とした。マコーネルはKC-46の要運用基地であり、最初の航空機は2019年に受領された。

 AMC(航空機動司令部)の声明によると、今回の飛行は、KC-46Aの最新のMEO(最大耐久運用)となった。このフライトでKC-46は、B-2スピリット爆撃機、C-17グローブマスターIII空輸機、F-15Eストライクイーグル、さらに別のKC-46に給油し、空中給油能力を検証した。


2024年7月1日、イギリス上空でマコーネルKC-46Aペガサスに給油するカンザス州マコーネル基地の第350空中給油隊KC-135Rストラトタンカー。(画像クレジット:USAF/Airman 1st Class Gavin Hamid)


「空中給油は非常に特殊なプロセスで、特定の時間に特定地点にいなければならない」と、航空機の機長で第22作戦群司令官であるブレント・トース大佐は、飛行後にAir & Space Forces Magazine誌に語った。「今回はそれを世界各地で4回行った」。

 MEOは航空機の任務を時間的にも乗員数的にも効果的に延長し、「より遠くまで到達することを可能にする」ものであり、AMCが「初期作戦を維持するために人員、物資、航空機を急増させ、世界のどこでも統合軍を投射し、連結する」ことを支援するものである、と声明は述べている。


 KC-46はダブルクルーで飛行した。パイロット4人、ブームオペレーター2人、飛行士長2人、航空医官1人の計9人が搭乗した。4人のパイロットと2人のブームオペレーターは、タンカーに内蔵された2段ベッドで一定間隔で交代で休息をとった。

 パイロットの一人は、マゼラン・プロジェクトを数カ月前から計画してきた第22作戦群のコディ・ドナヒュー少佐だ。「MEOとは、距離の圧制に打ち勝つことだ。1日48時間の勤務で、文字通り世界中を飛び回ることができる」とドナヒューは言う。


どこでも一度に支援活動

互角戦力を有する相手との通常戦のシナリオが考えられる中、このような長距離飛行は、世界のどの地域でも急な燃料補給の要求に応えるために必要となる。特に、複数のホットスポット周辺で米軍機や連合軍機に給油する場合、この能力は重宝される。

 ヨーロッパと中東で紛争が激化しており、西太平洋では過去10年間、緊張状態が続いている。「マゼラン・プロジェクトは、AMCのクルーにMEOという画期的な新構造の経験を積ませるための次のステップなのです」とドナヒュー少佐は付け加えた。

 いわゆる "距離の圧政"とは、長い距離、この場合はアメリカ本土と米軍が展開する戦場との距離により生じるロジスティクスと経済的なハードルを指す。この問題が特に顕著となる地域が太平洋で、第二列島線にある米国の島嶼基地と、SCS(南シナ海)周辺の可能性のある海上戦域を隔てる広大な溝が、展開中の部隊への補給と、中国との戦争のための持続的な武装を非常に困難なものにしている。

 タンカーは、AMCが強調するように、距離問題を克服する重要な資産だ。迅速なグローバル・モビリティの基礎は、タンカーが供給する燃料である。実際、ボーイングと米空軍は2023年11月、現在進行中の生産ロット10のもと、KC-46Aを15機追加する23億ドル契約に調印しており、タンカー・フリートの増強が進められている。GlobalDataの「US Defense Market 2023-2028」レポートによると、米空軍は現在75機の同型タンカーを保有している。


2022年9月25日、カンザス州マコーネル空軍基地で行われた空中給油デモンストレーションで、フロンティア・イン・フライト・エアショーの幕開けを飾るマコーネルのKC-135ストラトロタンカーとKC-46Aペガサス。(米空軍撮影:ザッカリー・ウィリス上等空兵)


プロジェクト・マゼランはまた、マコーネル空軍基地の「戦域突入能力(この場合は複数戦域に突入する能力)」とも関連している。というのも、45時間飛行するKC-46に燃料補給するタンカー数機を事前に配置するために、海外の基地三箇所と調整する必要があったからだ。グアムのアンダーセン基地に送られた2機のKC-46、イギリスのミルデンホール空軍に送られた1機のKC-135ストラトタンカー、そして中央軍の責任地域に送られた1機のKC-135で構成されていた。KC-135の一機はユタ州空軍から派遣された。


乗組員の構成

ドナヒューによれば、出撃時間の長さだけでなく、空軍は「たった2人の基本クルー」で出撃を完了させた。以前は、3人のパイロットが「追加 」クルーとして加われば最大24時間飛行することができた。今後、AMCは4人のパイロットからなるクルーで最大48時間飛行することを検討している。

 第349空中給油中隊の航空医官ジェイコブ・ヘイレンド少佐は、ひとつの目標は「人間のパフォーマンスの限界に挑戦すること」だと語った。クルーは、スポーツ関係者やNASA、他のISS(国際宇宙ステーション)宇宙飛行士との共同研究の経験を持つ、エリートスポーツ専門家の第三者請負業者と協力した。

 委託業者は、睡眠覚醒サイクルのある時点で、またヘイレンドに促されたときにクルーが自己実施するPsychomotor Vigilance Testingのようなテストを利用した。「また、モントリオール認知アセスメントのようなアドホック認知アセスメントも行った。各乗務員の全体像を把握するため、タスクの反応も観察した。

 本誌は最近、DARPA(国防高等研究計画局)のAWAREプログラムについて報告した。AWAREは、気分、回復睡眠、精神衛生に対する副作用のない、近赤外光活性刺激剤を求めている。


フライトの詳細

KC-46ペガサスは6月29日午後4時(現地時間)頃、REACH 046のコールサインでマコーネル基地を離陸し、そのまま太平洋に向かい、カリフォーニア沖で別のKC-46から燃料を受け取った。その後、タンカーはハワイに向かい、訓練中のC-17に給油した。

 フライトの第2レグでは、KC-46はグアムへ向かい、事前に配置されていた2機のタンカーから燃料を受け取った。飛行中、航空機は飛行追跡ウェブサイトで確認できたが、インド太平洋地域でのルートは、同地域に受信機がないため記録されなかった。

 次の位置はアラブ首長国連邦上空で、カタールのアル・ウデイド基地から飛び立ったマコーネルからのタンカーを含む2機のKC-135タンカーから給油を受けるために向かった。KC-46はその後、イラク上空で戦闘飛行中の2機のF-15Eストライクイーグルと合流し、トルコ、東欧、中欧上空を飛行する前に給油した。

 RCH046は、ミルデンホール基地から出発したマコーネル基地所属の1機を含む2機のKC-135と英国上空でランデブーを行った。給油後、KC-46は帰路の大西洋横断を開始し、ミシガン州上空で再び米国国境を越えた。

 同機はマコーネル基地からの別のKC-46と合流し、ミズーリ州ホワイトマン空軍基地の3機のB-2Aスピリット・ステルス爆撃機と別のKC-46に給油した。RCH046は、別のタンカーからの4回の給油で454,000ポンドの燃料を受け取り、7月1日午後1時頃にマコーネルに着陸した。■


U.S. Air Force KC-46A Pegasus Tanker Completes First Non-Stop 45-Hour Flight Around The World

July 4, 2024 Military Aviation

STEFANO D'URSO

PARTH SATAM


https://theaviationist.com/2024/07/04/kc-46a-tanker-flight-around-the-world/


2024年3月16日土曜日

なぜボーイングはことごとく生産遅延を引き起こしているのか----KC-46とT-7の事例での最新状況

ボーイングの強気の営業姿勢がKC-46とT-7という大型案件で固定価格制を受け入れ、結果として大損失になっているのは同社の製造現場に理想と現実の大きなギャップがあるからでしょう。簡単に解決できる問題ではないようです。Breaking Defense記事からのご紹介です



ボーイングのKC-46A給油機とT-7A練習機、さらなる遅れに直面

空軍の調達責任者アンドリュー・ハンターは、KC-46Aの前途に潜在的な問題があると指摘し、T-7Aの生産開始は以前の予想より「少し遅れる」可能性があると述べている。


ーイングがKC-46Aペガサス空中給油機およびT-7Aレッドホーク練習機で締結した固定価格契約は、遅延、サプライチェーンの制約、開発の苦境に起因する数十億の損失の中で、航空宇宙大手の頭痛の種であった。そして今、空軍の調達担当官によれば、2機種でさらなる遅れが生じる可能性があるという。

 アンドリュー・ハンターAndrew Hunterは、火曜日に行われた下院の軍事海投射軍小委員会で証言し、KC-46Aで長い間問題となっていたビジョンシステムのアップグレードは2026年になりそうだと述べた。公聴会の後、ハンターは空軍がT-7Aトレーナーの生産を承認するのが以前の予想よりも遅れる可能性について "おそらく "と記者団に語った。

 RVS2.0と呼ばれるKC-46A用の新ビジョン・システムの運用について、ハンターは議員たちに「スケジュール上のプレッシャーがある」と語った。「連邦航空局(FAA)の耐空性認証プロセスの完了次第では、25年に実戦配備できる保証はない。26年になるかもしれない。そして、それは実際にそうなりそうだ」。

 公聴会の後、ハンターは記者団に対し、ペガサスの遅延の可能性はFAAの認証プロセスと関連していると説明した。RVS 2.0が統合される際、「機体の別の場所に影響を与えないようにしなければならない」ため、耐空性プロセスは見た目以上に複雑になる。

 ハンターは、空軍とボーイングが "正しい設計 "をしていると "確信している"とし、チームは "近い将来、完全な耐空性プロセスを通過するだろう "と付け加えた。

 ボーイングはこれまで、固定価格制のためペガサス・プログラムで70億ドル以上の損失を計上しているが、RVS 2.0の追加遅延でさらに損失が発生するかは不明だ。ボーイングは質問を空軍へ転送しているが、同社は新ビジョン・システムの能力がベースライン・バージョンより著しく向上していると宣伝している。

 ビジョンシステム問題にもかかわらず、同機は戦闘配備が許可されており、A-10を除くほとんどの米軍機への給油が可能だ。ハンターは昨年、米空軍が老朽化したKC-135給油機の再資源化を継続する新戦略の一環として、KC-46の追加購入に傾いていることを示唆した。

 ロッキード・マーチンが撤退を表明したため、空軍が競作を決定した場合の代替案として、ヨーロッパのエアバスを位置づけている。

 ハンターは今週の証言で、自律能力が将来の空中給油に組み込まれる可能性があると述べたが、次のタンカー調達の必要条件にはならないと記者団に語った。

 自律給油については、「独立した取り組みとして検討し、将来的に実用化する可能性がある」と述べた。

 火曜日に行われた書面証言で、ハンターはさらに、ボーイングとの現行契約を若干拡大し、4機のKC-46Aを追加し、合計183機のプログラムとなるだろうと述べた。


T-7Aは「予想より若干遅れる」


一方、予算文書では、老朽化したT-38タロンに交代するT-7Aレッドホーク練習機の2025年度調達を14機から7機に半減する空軍の決定が確認され、このプログラムでも遅延があることを示している。

 このプログラムは2年以上の遅れを反映させるために昨年再検討された。特に、空軍が新たな飛行制御の欠陥の発見を狙った飛行テストに移行が進行中だった。

 同訓練機のスケジュールはさらに遅れる可能性があるようだ。空軍が月曜夕方に発表した25年度予算案によると、マイルストーンCの決定(空軍が公式に生産開始を承認する時点)は2025年5月と予測されている。以前は、2025年2月と計画されていた。

 遅れを軽減するため、ボーイングは最終的な生産決定に向け、長期リードパーツの購入を開始した。このアプローチには、早期生産を監督するための空軍、ボーイング、国防契約管理局間の特別協定が必要であったが、空軍は本誌にこの協定が成立したと昨年伝えている。

 さらに、Aviation Weekが以前指摘したように、予算文書によれば、同機の初期運用能力は、27年度第2四半期から28年度第2四半期へ、1年遅れる可能性がある。ボーイングはこれまで、レッドホーク・プログラムで約13億ドルの損失を計上しており、新たな遅延がさらなる損失につながるかは不明だ。KC-46と同様、同社はT-7Aに関する質問を空軍に転送している。

 火曜日の公聴会後、ハンターは記者団に対し、25年度にT-7Aの購入を半減する決定は、トップラインの財政圧迫の結果と説明した。それでも、レッドホーク7機というロットサイズは、サービスにとって「良いスタート地点だ」と述べた。

 また、飛行試験プログラムの開始が遅れれば、訓練機の生産承認が予想より遅れる可能性があると述べた。最初のT-7Aは11月にエドワーズ空軍基地に到着した。

 「予想より少し遅れて飛行試験プログラムに入ったので、生産開始も予想より少し遅れる」とハンターは述べ、「現在の飛行試験プログラムは比較的順調に進んでいる。想定外の事項が発見されなければ、25会計年度には生産開始できると思う」。

 2025年2月のマイルストーンC日程が危ういのかとの質問に、ハンターは「マイルストーンCは未定だ。テストプログラムがどのように実施されるかを見守る必要がある」と答えた。■


Boeing’s KC-46A refueler, T-7A trainer face more delays

Air Force acquisition chief Andrew Hunter noted potential troubles ahead for the KC-46A and said T-7A production could start "a little later" than previously anticipated, but he remained confident about the way forward for the two aircraft.

By   MICHAEL MARROW

on March 13, 2024 at 2:23 PM


https://breakingdefense.com/2024/03/boeings-kc-46a-refueler-t-7a-trainer-face-more-delays/


 

2022年11月5日土曜日

イタリア空軍がKC-46Bを6機導入へ。KC-767は全廃

 Main image: KC-46A (USAF). In the boxes: Italian Air Force KC-767A (image credit: Author)

 

 

イタリアがボーイングKC-46Aオペレーターになる。新型ペガサスはKC-767Bの呼称へ。

 

 

タリア政府が今夏発表した2022年-2024年のDPPD(Documento Programmatico Pluriennale della Difesa)、つまりイタリア軍の戦力維持と近代化に必要な資金を示す文書では、イタリア空軍のいわゆる大型マルチロール輸送能力を高めるため、KC-46タンカーを2機新しく導入するとともに運用中のKC-767Aタンカー4機を同水準までアップグレードする防衛省(MOD)の意思が示されていた。

 

DPPDではこの調達に関する追加的な詳細の説明がなかった。しかし2022年11月2日、国防総局・国家軍備総局(SEGREDIFESA)の航空軍備総局(ARMAEREO)は、「イタリア空軍ヘビー・マルチロール・タンカー機材の更新・強化・統合後方支援」に関する予備報告書を公表した。

 

報告書によると、2機のKC-767Aを新規調達し、これらと既存4機を最新の構成規格(KC-46A)にアップグレードするとした当初の計画は、プロジェクトを評価する役割を担う特別委員会により実現不可能だとわかった。目標を達成する唯一の実行可能な解決策は、現在米空軍が運用中のと同じ規格の新しい航空機(文書ではKC-767Bと呼び、これがイタリア空軍の新タンカーの名称となることが示されている)6機を購入することとある。

実は、KC-767Aをペガサス規格にアップグレードすることは、当初から困難な作業であったようだ。KC-767Aは、民間のB-767-200ER(Extended Range)をベースに、KC-10と同様の第6世代フライングブームと3つのホース&ドローグステーション(WARPs:Wing Air Refueling Pods)を装備している。ボーイング767の派生型でありながらKC-46Aペガサスは胴体のストレッチ、エンジン、コックピット、翼、ブームの違いがあり、共通点もあるものの、ほとんど全く別のタンカーと言える。レセプタクル装備機とIFR(In-Flight Refueling)プローブを装備機の両方に給油できる。また、タンカー自身がレセプタクルを装備しており、他のタンカーから給油を受け、航続距離(あるいは滞空時間)を延ばすことも可能だ。

2002年に発注し、2011年から2012年にかけ納入されたKC-767Aは、ローマ近郊のプラティカ・ディ・マーレ空軍基地の14°ストーモ(飛行隊)に所属し、8°グルッポ(飛行隊)が飛行しているが、下取りでボーイングに返還されることになる。

新型タンカー計画は11億2千万ユーロ(5年間の総合後方支援と、FMSによる自己防衛・通信システム、戦術データリンク、任務計画プラットフォームなどの重要装備の購入を含む)で、2023年4月開始され2035年終了の予定だ。

KC-767B/KC-46Aの導入は、KC-767のオペレータ日本がKC-46ペガサスを選択したのと同じアプローチだ。■

Italy Will Buy Six KC-46 Tankers To Replace Its KC-767As - The Aviationist

November 3, 2022 Italian Air Force, Military Aviation

DAVID CENCIOTTI

About David Cenciotti

David Cenciotti is a journalist based in Rome, Italy. He is the Founder and Editor of “The Aviationist”, one of the world’s most famous and read military aviation blogs. Since 1996, he has written for major worldwide magazines, including Air Forces Monthly, Combat Aircraft, and many others, covering aviation, defense, war, industry, intelligence, crime and cyberwar. He has reported from the U.S., Europe, Australia and Syria, and flown several combat planes with different air forces. He is a former 2nd Lt. of the Italian Air Force, a private pilot and a graduate in Computer Engineering. He has written five books and contributed to many more ones.