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2022年10月25日火曜日

鹿屋基地に米空軍MQ-9リーパー部隊が展開中。1年間同基地からISR活動にあたる。

 






2022年7月21日、カリフォーニア州トゥエンティナインパームスの海兵隊航空地上戦闘センターで、第163攻撃飛行隊のクルーチーフがMQ-9リーパーをマーシャリングする。(Joseph Pagan/U.S. Air National Guard)

 

米当局によると、米空軍のMQ-9リーパー8機と隊員150人以上が1年にわたる南日本への派遣を開始しており、数週間以内に監視飛行を開始する。

第319遠征偵察飛行隊は日曜日に鹿屋基地で指揮権継承式を行い、任務を開始したと、米軍日本部報道官のトーマス・バーガー空軍大佐が月曜日に電話で語った。鹿屋は、九州の南端に近い海上自衛隊の基地である。

九州防衛局の広報担当者が月曜日に電話で語ったところによると、無人機は今月末以降に鹿屋から飛行を開始する予定だという。日本では、一部の政府関係者が身元を明かさずにメディアに発言することが慣例となっている。

「この戦略的立地とMQ-9の能力により、日米同盟は広大な地域を見渡し監視することができる」と、319部隊のアレクサンダー・ケリー中佐は、防衛省がオンライン公開した式典のビデオで、飛行士や地元関係者、海上自衛隊の隊員たちに語った。

新しく活動する部隊は、第二次世界大戦中の第319戦闘機隊の系譜を汲んでいる。1977年にフロリダ州ティンダル空軍基地の第319戦闘機迎撃飛行隊として不活性化された。第374作戦群司令官オウ・ジュン大佐は式典の別のビデオでこう述べた。

鹿屋への配備は、日米両国が相互の課題を克服するため技術を共有する機会になると、彼は言った。

「MQ-9はインド太平洋全域で日米の情報、監視、偵察の優先順位をサポートする」と述べた。

空軍によると、リーパーは偵察機だが、ヘルファイアミサイルやペイブウェイ・レーザー誘導爆弾などの武器を搭載することができる。

鹿屋市のウェブサイトに掲載された防衛省文書によると、鹿屋のリーパーは「監視仕様で、武器は搭載できない」とある。

鹿屋市の中西茂市長は7月、米軍関係者が関わる事故や犯罪の可能性に対する住民の懸念にもかかわらず、国防上の重要性を理由に無人機の配備に署名した。

鹿屋にはすでに、海上自衛隊のP-3Cオライオン海上偵察機やUH-60Jブラックホーク、SH-60Kシーホークヘリコプターが配備されている。海兵隊のKC-130タンカーやオスプレイなど米軍機が訓練で基地を訪れる。

リーパーはサンディエゴのジェネラル・アトミックス製で、兵装3000ポンドを搭載でき、2007年にアフガニスタンで、翌年にはイラクで初めて戦闘に参加した。中東やアフリカで数多くの任務に就いています。

空軍は2014年に三沢基地に偵察機RQ-4グローバルホークの配備を開始し、近年は東京西部の横田基地から飛行させている。海軍のMQ-4Cトライトン海上偵察機は昨年、三沢に配備され、今年は海兵隊岩国航空基地に展開している。■

 

Air Force Reaper drones to begin surveillance flights out of Japan within weeks | Stars and Stripes


By SETH ROBSON

STARS AND STRIPES • October 24, 2022

 

SETH ROBSON

Seth Robson is a Tokyo-based reporter who has been with Stars and Stripes since 2003. He has been stationed in Japan, South Korea and Germany, with frequent assignments to Iraq, Afghanistan, Haiti, Australia and the Philippines.


2021年7月20日火曜日

MQ-9をアジャイル戦闘展開に投入する準備ができた。新しい自動離着陸機能の効果を実証した米空軍。

 着陸地に専用人員やインフラが配置していくてもすべて遠隔制御できる、ということなのでしょうか。一見するとどこがすごいのかわかりにくいのですが、それだけUAVの実際の運用をこちらが理解していないということなのでしょうね。理解がまちがっていたらすみません。


An MQ-9 Reaper from Creech Air Force Base, Nevada, lands at Holloman AFB, New Mexico.

US Air Force

An MQ-9 Reaper from Creech Air Force Base, Nevada, prepares to take off from Holloman AFB.

 

クリーチ空軍基地を離陸したMQ-9 リーパーがホローマンAFB(ニューメキシコ)に着陸した。 July 8, 2021. 556試験評価飛行隊が二日にわたるMQ-9用の自動離着機能の実証としてネリスAFBから機体を制御し、クリーチAFBからホローマンAFBまで移動させた (U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Jessica Sanchez)



556試験評価飛行隊(TES)がMQ-9リーパーの自動離着陸機能(ATLC)の完成度を2021年7月8日に実証し、発進回収設備や人員による誘導なしに実行した。この機能でMQ-9はアジャイル戦闘展開(ACE)に投入可能となり、MQ-9で予定されるソフトウェアアップグレードならびに新型小型機体制御ステーションで世界各地での同機運用の形態が一変しそうだ。


これまでのMQ-9の離着陸では専用の発進回収要員が着陸地点に待機する必要があった。だが今回は実証地から55.6マイル離れたネリス空軍基地の操作ステーションから衛星経由の操作でクリーチAFBのMQ-9が滑走路を移動し離陸した。556TESは機能を実証し、機体はATLCにより着陸したが、今週の実証で機能の限界がさらに押し上げられた。


テストは二日間にわたるもので、初日に556TESがクリーチAFBからニューメキシコのキャノンAFBまでMQ-9を飛行させ、着陸後、滑走路を移動させ再び離陸し、クリーチAFBに帰還させた。すべて衛星経由で行った。操作員はコックピット映像で自動着陸用の参照点を確保した。二日目には目的地はニューメキシコのホローマンAFBに変更され、チームは再び機能実証に取り組んだ。今回は標的捕捉ポッドを搭載し滑走路の状況を調査させ、ATLCチームに必要な基地内の状況を伝え、離陸させた。


当初公表のATLC手順ではMQ-9は滑走路へ移動してから、クルーが電子的に参照点を付け、機体は滑走路上に位置を決めることになっていた。ただ、今回の実証はもっと先に進んだものとなった。556TESが生み出した戦術があれば機体は一度も飛んだことがない外国にも移動可能となり、着陸用の特殊装備は無用となる。


「参謀総長の主張する空軍変革の加速化に我々も取り組んでいる」と556TES司令マイケル・チュミルスキ中佐が述べている。「今回の成功でチームがテストに取り組んだ真剣さを誇りに思う。これだけ迅速に、かつ空軍特殊作戦軍団及び第27特殊作戦航空団(在キャノンAFB)に加え空軍教育訓練軍団、第49航空団(ホローマンAFB)の支援を受けた。各方面の支援と忍耐強く見守ってくれた姿勢により今回のテストの大きな成果が得られ、一緒にとりくめたことに感謝している」


チュミルスキ中佐によればALTC機能はこれまでの遠隔操縦航空機部隊の運用そのものを変える存在だという。なお、次のソフトウェアのリリースは2022年春の予定で部隊は機動性を一層発揮可能になる。■


この記事は以下を再構成し人力翻訳でお送りしています。市況価格より2-3割安い翻訳をご入用の方はaviationbusiness2021@gmailまでご連絡ください。




MQ-9 Agile Combat Employment: A big step closer to reality

556th Test and Evaluation Squadron / Published July 15, 2021


2020年12月10日木曜日

台湾向けMQ-9リーパー売却が実現へ。武装UAS輸出方針をトランプ政権が改訂していた。

 北京は例によって狂乱の声を上げるでしょうが、新型潜水艦もあり、台湾は着々と守りを固めています。逆に言えば、時間が経てば中共が台湾を侵攻するのは困難になるので思い切って今武力侵攻を始める方がいいとの計算もあるはず。まさかそこまで愚かな決断はしないと思いますが、わかりません。しかし、台湾が自国の一部であり、反乱省なので武力統一で人命を奪っても構わないと考える思考方法が恐ろしいですね。こうやってみると一つの中国というプロパガンダの底の浅さがよくわかります。

 

 

国が台湾の武力統一を一貫して叫び、揚陸強襲作戦準備として演習や臨戦態勢を近隣海域で進める中、米国がMQ-9リーパー無人機の台湾向け売却を承認したのは当然と言える。 

 

米国務省はMQ-9リーパーの台湾向け売却案件を議会通達し、台湾は中国沿海部含む周辺海域の電子監視機能を大幅に増強する。今回の売却案件は無人機の同盟国向け輸出で政策に変化を示す点で興味深く、無人機装備を世界各地の同盟国協力国に従来より容易かつ大量に輸出できることになる。

 

「協力国多数が取得を目指しており、特に海洋ドメイン、国境線保全・防御の観点で必要を訴える国がある。戦略的手段ではなく、戦術作戦手段だ」と国務省のクラーク・クーパー副長官(政治国防分野)が報道陣に語り、2020年7月にトランプ政権が無人航空装備輸出方針を改訂したとクーパーは説明している。

 

 

「この重要な変更により米国内の最先端産業に恩恵が生まれ、米国はUASを求める同盟国へ輸出が可能となり、情報収集監視偵察機能の強化につながる」(クーパー)

 

MQ-9リーパーの兵装、ミッションスコープ拡大を見れば、台湾含む米同盟国は同機取得に前向きになるはずだ。米空軍はMQ-9リーパーで運用可能な兵装の幅を増やしており、「ユニバーサルウェポンインターフェイス」強化に努めている。これはMQ-9リーパーで新種類の兵装技術を迅速に導入し、爆弾等を簡単に搭載できるようにする技術だ。

 

現行のMQ-9ではAGM-114ヘルファイヤミサイル、500ポンドGBU-12ペイブウェイレーザー誘導爆弾、共用直接攻撃弾(JDAM)GPS慣性誘導爆弾を運用できる。空軍は今後の方向性としてAIM-9X運用により同機を空対空戦闘機に変えるとしている。

 

米空軍にはMQ-9リーパーは100機超あり、航続距離は1,150マイルだが燃料タンク追加で滞空時間は現在の16時間が22時間に延びる。飛行時間の延長とミッションスコープ拡大によりMQ-9リーパーは台湾のニーズに合致する機体になったといえる。太平洋地区では地理的な広がりがネックとなっているのだ。■

 

この記事は以下を再構成したものです。

 

Taiwan's Military Could Soon Have the MQ-9 Reaper Drone

December 9, 2020  Topic: Security  Region: Asia  Blog Brand: The Buzz  Tags: MilitaryTechnologyDronesMQ-9 ReaperWeapons

Taiwan's Military Could Soon Have the MQ-9 Reaper Drone

by Kris Osborn

 

Kris Osborn is the defense editor for the National Interest. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also wrked as an anchor and on-air military specialist at national TV netwoorks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University


2019年3月11日月曜日

米MQ-9がポーランド基地からISR任務を開始

ポーランドにリーパーですか。時代が様変わりしましたね。しかしヨーロッパ全部を警戒させるロシアは今のままでは大変なことになりますが対丈夫なのでしょうか。リーパーと言うと攻撃ミッションが頭に浮かぶのですがISR任務の非武装タイプもあるのですね。


MQ-9 Reaper Drone Operations Begin at Polish Air Base

MQ-9リーパーがポーランドで作戦運用開始


A remotely piloted MQ-9 Reaper taxis toward the runway shortly after a ribbon-cutting ceremony at Miroslawiec Air Base, Poland, March 1, 2019. (U.S. Air Force photo/Preston Cherry)


遠隔操縦無人機MQ-9リーパーがミロスラヴィエッツ基地での運行開始式典のあと滑走路をタキシー中。March 1, 2019. (U.S. Air Force photo/Preston Cherry)


6 Mar 2019
Military.com | By Oriana Pawlyk


MQ-9リーパー無人機が情報収集監視偵察任務をポーランドから本格的に開始した。


第52遠征作戦群第二分遣隊がMQ-9運用をポーランド北西部のミロスラヴィエッツMiroslawiec航空基地から先週開始し、同基地は情報収集監視偵察(ISR)任務の運用拠点になった。同群は第52戦闘機航空団もドイツのシュパングダーレムSpangdahlem航空基地に配置している。


「当基地の遠隔操縦機材は契約企業および米軍人員が運用しています」とグレッグ・センメル准将(在欧アフリカ米空軍部隊USAFE司令官付き)が述べている。「柔軟対応により新規ミッションも可能で米軍人員がいることで各種ミッションを実行できる」


契約企業との共同運行で非武装の同機を離着陸させISRミッションをこなしていると空軍は発表。USAFEは同基地のリーパー配備数は公表していない。


米軍関係者はポーランド空軍と連携しMQ-9を運用し国際安全保障に資する偵察監視活動を強化しているという。


ポーランドからのMQ-9運用で米国は海外ISR能力を拡充できる。MQ-9はギリシャのラリッサ航空基地からアフリカを対象のISR活動を昨年開始している。


ロシアの行動に注意喚起する米国は情報収集活動を強化している。


今週火曜日、陸軍大将カーティス・スカパロッティは上院軍事委員会公聴会でISR機能の強化は効果を上げており、ロシアのウクライナ東部占拠が6年目になりバルト海諸国に同じ結果を恐れる動きがあると指摘。


「情報収集監視偵察機能がロシアの脅威が高まる中で重要になっている」と述べ、「ISRはもっとほしい」と秘密審議で議員には詳細を伝えるとした。


在欧米軍についてスカパロッティ大将は「ヨーロッパにおける抑止効果は国家防衛戦略の文脈では不十分」とした。


国防総省はMQ-1プレデターを全機リーパーに昨年交替させ、3月にプレデターは用途廃止した。これによりMQ-9は世界各地で多用な任務の最前線にたっている。■
-- Oriana Pawlyk can be reached at oriana.pawlyk@military.com. Follow her on Twitter at @Oriana0214.

2018年9月26日水曜日

新たな歴史の1ページ:無人機同士の空戦で撃墜に成功

我々が知らない間に新たな歴史が作られていたようです。無人機に無人機をさしむけることから、次は無人機が有人機を狩る時代が来るでしょう。現在は遠隔操縦機ですがそのうちに自律運用の完全ロボット機が出現するのでは。


Heat-Seeking Missile-Armed MQ-9 Reaper Shot Down Target Drone During Exercise MQ-9リーパーがミサイルで無人機標的の撃墜に成功

The late 2017 drill was another step toward giving the unmanned aircraft their own air-to-air capabilities. 2017年末実施の演習は無人機の空対空性能が新たな一歩を刻んだ

BY JOSEPH TREVITHICKSEPTEMBER 19, 2018
USN


空軍関係者からMQ-9リーパー無人機が空対空戦演習で初の撃墜記録を達成したと明らかにした。ほぼ一年前の出来事だ。空軍は無人機に空中の脅威に対応させる案を検討中と先に述べていた。
Military.comがジュリアン・チーター大佐(432飛行隊司令、ネヴァダ州クリーチ空軍基地駐留)への取材でこれを真っ先に伝えていた。War Zoneでもタイラー・ロゴウェイが同じ概略を2018年3月に伝えていたが、空軍ライフサイクル管理センター(オハイオ州ライト・パターソン空軍基地内)がジェネラルアトミックスにMQ-9にリーパー空対空ミサイル (RAAM) 搭載能力を付与する契約交付を発表した時点のことだった。
チーター大佐は「機密解除されたが2017年11月に空対空ミサイルを標的に発射し直撃した」とMilitary.comに語り、「MQ-9が熱追尾指揮空対空ミサイルを試験発射し、無人機に直撃した」と述べていた。
チーター大佐は演習名を明らかにしておらず標的機の機種、リーパーが発射した兵器名も不明だ。「熱追尾式空対空ミサイル」がAIM-9Xサイドワインダーだった可能性が高い。MQ-9の通常の搭載装備は精密誘導空対地ミサイルや爆弾、燃料タンクやセンサーポッドだ。
USN
AIM-9Xサイドワインダー空対空ミサイルを搭載した MQ-9

2016年11月に米海軍のジェイムズ・ストーンマン大佐(空対空ミサイル開発事業室)が公表したのが上の写真でMQ-9がAIM-9Xを搭載しているのがわかる。サイドワインダー開発は海軍が中心となっている。
報道によれば空軍は空対空装備の追加をリーパーに2003年の時点で検討していた。当時の空軍は今は退役したMQ-1プレデターに熱追尾式スティンガーミサイルを搭載しイラク軍ジェット機からの防御を狙っていた。
「戦術を作り、技術や手順を整備して機体残存を目指し、正しく整備すれば通常機材でも生き残りが可能となります」とチーターはMilitary.comに説明している。「世界各地でハイブリッド戦の様相を示しており...MQ-9リーパーが大きな役割を期待されています。そこで同機に正しい装備を与えれば残存性を十分期待できます」
USAF
米空軍MQ-9リーパーがAGM-114ヘルファイア空対地ミサイルや燃料タンクを搭載している

スティンガー搭載のプレデターとAIM-9X搭載のリーパーを比較すれば性能の違いは歴然だ。このサイドワインダーは相当の威力があり、特に最新ブロックII仕様ではデータリンクを使い発射後のロックオン機能が実現した。
リーパーが搭載するLink 16データリンクと組み合わせればサードパーティ製の標的情報を遠隔操縦にあたる地上パイロットに送り、ミサイルにも送れる。無人機クルーの状況把握能力が高まり、空対空戦では裸眼で認識できる距離を超えた範囲に対応できる装備になる。
さらにレーダー波受信警告機ほかのセンサー類で接近する脅威を探知し、感知回避技術で付近を飛行するその他機体を見つけることも可能で無人機パイロットの大きな助けとなり敵探知と交戦が円滑になる。AIM-9Xは地上や水上目標との交戦は限定されるが、低空を飛ぶ巡航ミサイルへの対応も限定付きながら実現するといわれる。そうなればMQ-9で多様な任務をこなせるようになるかもしれない。
USN
米海軍ジェイムズ・ストーンマン大佐が2016年に使ったスライドではAIM-9X搭載の各種機体で可能な交戦形態が示されていた。

もちろんこれでリーパーが高度の脅威空域で安全に運用できるようになるわけではない。だが低リスク空域なら運用可能で突然現れる脅威にも対応しながらミッションを実施できるのではないか。こうした状況をハイブリッド環境あるいは「グレイゾーン」と呼ぶ。
シリアでこの状況が生まれるのではとの見解は前からあり、現にロシア軍用機が偵察飛行中のリーパーにつきまとう事態が発生している。ロシア機が米有人機にシリア各地でいやがらせしていることもあり、このままでは誤解から危険な状況に繋がりかねない。
イランもペルシア湾上空の国際空域で米無人機の妨害を目指しており、空軍は有人機を随行させざるを得なくなっている。イランは自国無人機の運用を拡大しており空中あるいは海上の米軍を脅かしている。
リーパーにAIM-9Xを搭載すれば敵勢力への抑止効果が生まれる。攻撃側は無人機から反撃されるとなればこれまでのやり方を変更せざるを得なくなる。
リーパーがAIM-9Xを搭載すれば敵有人機や無人機で米国あるいは同盟国を遠隔地で脅かす存在を撃破できる。2017年に米空軍のF-15Eストライクイーグルが別々の機械でイラン軍無人機を撃墜したが、無人機は米軍ほかの拠点を攻撃してきた。空対空ミサイル搭載のMQ-9をこうした拠点上空に待機させ短距離防空任務につかせるのだ。
将来特にハイエンド戦でロシアや中国を想定した戦いでリーパーが作戦中に突如として脅威空域に突入する場合も発生するはずだ。空軍にはMQ-9を戦闘空域に迅速展開する構想があり各機の自衛能力の確保にも迫られれている。
「大陸をまたがって運用することも可能」とチーター大佐はMilitary.comに語っている。「最近も9機をある作戦空域から別の空域に移動させ機動性を発揮しています。柔軟でもあり、現地司令官に選択の幅が生まれます」
AIM-9Xをリーパーの武装に加えることでその柔軟性が更に広がり無人機でも十分に機動力が発揮できること、高リスク空域でも同様だと証明できるはずだ。■
Contact the author: jtrevithickpr@gmail.com

2017年12月31日日曜日

★米空軍プレデター用途廃止へ 

New in 2018: Air Force will officially retire MQ-1 Predator drone

2018年の動向:空軍がMQ-1プレデター無人機を用途廃止する

(Tech. Sgt. Sabrina Johnson/Air Force)

By: Charlsy Panzino
空軍が21年間飛ばしてきたMQ-1プレデター遠隔操縦機(RPAs)のMQ-9リーパーへの機種転換を開始し、プレデターは2018年夏までに用途廃止される。


これまでのRPAはもっぱら情報収集偵察任務に投入されてきたが現在の脅威対象はより正確な近接航空支援を必要としている。プレデターはもともと武装搭載を想定していなかたったが200ポンドのペイロード運用がその後始まった。リーパーは4,000ポンド近い搭載量がある。
リーパーは共用直接攻撃弾からヘルファイヤミサイルまで運用できる。
リーパー最新型ブロック5は2017年6月に戦闘任務に投入されている。16時間硫黄も飛行し不朽の決意作戦を支援したと空軍が発表している。
MQ-9リーパーも供用開始から10年以上になるが最新型では電気系統と通信機能が向上している。

プレデター引退で空軍は訓練、保守管理費用を節減できる。リーパーは専用のシステムになっているためだ。■

2017年8月20日日曜日

リーパー訓練基地を米空軍がメディアに公開した


いいな、こんな機会があって。こっちも見てみたいですが、どこまで現実に感じられるでしょうか。ドローンという表現は無人機(英語では人=男性)の言葉を嫌ったヒラリーが意図的に使ったことばで米空軍では一貫して遠隔操縦機と正式に読んでいます。ヒラリーが落選してもドローンはまだ残っていますね。当ブログではヒラリーが嫌いなこともありドローンの表現は使っていません。航空自衛隊は大型のグローバルホークをまず導入し、プレデターは使わないのでしょうか。朝鮮半島攻撃用に使い勝手のいい機材のはずですが、運用態勢の整備が大掛かりですぐには間にあわないでしょうし、パイロット頂点としたヒエラルキーにひびが入るのは組織上抵抗があるのでしょうか。今は遠隔操縦ですが、自律飛行の機種の登場も待ったなしで悠長なことは言ってられないのですけどね。

ニューメキシコの澄んだ青空から飛び出したMQ-9リーパーがホローマンAFBにいる記者の頭上を通過した。

Don’t Fear the Reaper: A Rare Look inside Remotely Piloted Aircraft Operations at Holloman Air Force Base 

リーパーを運用するホローマン空軍基地内の遠隔操縦機の運用状況を視察する貴重な機会を得た


 Aug 17 2017 - By Tom Demerly

 

  1. 何も聞こえなかった。雲一つない明るいニューメキシコ砂漠上空にバス車内からきらりと光るものが一瞬見えた気がした。もう一度眺めてみたが何もない。音もない。空には何もなかった。するともう一度光るものが見えた。今度は場所が分かった。だが遅すぎた。リーパーはすでに頭上にいた。
  2. ジェネラルアトミックスMQ-9リーパー戦闘航空機の飛行する様子は初めて見た。この経験はジェット戦闘機の雷鳴のような飛行、ターボプロップのうなりとは別格だ。わずか900馬力のハネウェル製ターボプロップの回転音はおもちゃのようだ。米軍装備で最高の威力がある機体の動力とは思えないほどだ。
  3. ホローマンAFBはニューメキシコにあり、米空軍第49遠隔操縦航空機(RPA)飛行団の本拠地だ。同隊には第6、第9、そして特徴ある第29攻撃飛行隊があり、MQ-9リーパー遠隔操縦機材の新規パイロット養成学校としてリーパー運用に必要なパイロット二人体制の初期資格につながる訓練を行う。第29攻撃飛行隊(ATKS)はMQ-9飛行要員の養成機関として全米唯一の存在と言われる。このため同隊は高い需要に対応している。
  4. 遠隔操縦機は誤解の対象となってきた。「ドローン」のフィクションや人的制御を離れて勝手に作動するとの危惧からだ。リーパーのような遠隔操縦機にフライバイワイヤで操縦する有人機以上の機能があるわけではない。
  5. 敵側が遠隔操縦機に電波妨害や制御を乗っ取りをしかける数少ない例が2011年12月に発生し、RQ-170センティネル遠隔操縦機をイラン軍が捕獲している。この事件は極めて異例で有人機のハイジャック(9/11米国襲撃事件など)のリスクの方が高い。
  6. 通信の保安措置により機体と飛行要員の接続状況は高度化し常に改良されている。遠隔操縦機が破壊されても操縦要員の生命に危害はない。この例が2009年のアフガニスタンで発生し飛行中に機体制御不良を起こした遠隔操縦機が米軍機により破壊されている。
  7. 先週のことTheAviationist.comはメディア向け視察の招待を受けてホローマン基地のRPA訓練運用施設を目にすることができた。同訓練校ではジェネラルアトミックスMQ-9リーパー各型を使い、プレデター運航要員の訓練を主に行っている。
ホローマンAFBで訓練ミッションに使うリーパー各機の遠景。

  1. 施設内見学では要員が各自の名札に半透明テープを貼り保安対策していた。訓練では現実世界を想定していた。プレデターパイロット向け訓練で正式な資格を取得したあとわずか37分後に実弾を戦闘地区内の実際の標的に向け発射すると教官が述べている。ここまでの戦闘即応度は現在の多術航空作戦で他に例がない。
氏名をテープで隠した米空軍MQ-9リーパーのパイロットがホローマンAFB上空を飛行する機体からのビデオ画像を説明してくれた。.
  1. プレデターの運用要員と機体は保安体制の上に保安措置を講じたニューメキシコ遠隔地の背後に配置されている。遠隔操縦機の投入で展開時間は限りなくゼロにちかづくため、ホローマン基地内の制御用コンテナにいると戦闘地区の前線滑走路の上に立つのと同じだ。
MQ-9機首下のセンサーボールの中に各種光学センサー、カメラが収まり、飛行要員んに飛行運用の様子を伝える

  1. ブリーフィングでは光学センサーや飛行制御計器のコックピット用画像情報が実際の飛行中機体からモニターに写されていた。軽飛行機のように見えるが実はステルスの戦闘航空機MQ-9プレデターなのだ。見ているとMQ-9は着陸アプローチ訓練をしており、パイロットの飛行制御入力に機体が反応する様子がわかった。これは実は高性能軽戦闘航空機なのだ。
MQ-9リーパー遠隔操縦機の「コックピット」を見るのは貴重な機会
  1. 2017年3月に米空軍ダリル・ロバートソン中将が空軍協会主催航空戦シンポジウムの報道円卓会議で「米空軍ではMQ-1プレデターやMQ-9リーパーの任務が他機種より多くなっている」と語ったとウェブサイトMilitary.comが伝えていた。
  2. 遠隔操縦機の運用拡大とあわせ飛行乗員の需要が高まることから第49飛行団が多忙な拠点になるのは当然だろう。■
運用上重要であることを反映してリーパー制御コンテナまわりの保安体制は厳重だ。