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2022年12月18日日曜日

ボーイングの失速は偶然ではない。国防分野に出てくる大きな影響。エアバスの一人勝ちになっていくのか、それとも....

 

Credit: Boeing


ボーイングの苦境は国家安全保障へどんな影響を及ぼすか

ーイングで誤作動が続いている。第3四半期の業績には、主要な防衛プログラムの復活費用が含まれ、ボーイングディフェンス・スペース(BDS)の損失は2014年以来115億ドルに達している。BDSでさらにオーバーランと遅延が発生する可能性が高い。さらに悪いことに、デイブ・カルホーン・カルホーンCEOは、ボーイングが今後10年が新型民間ジェット機を発売しないと発表して、Airbusに市場シェアを保証し、ボーイングの新型機設計能力を著しく危険にさらすことになった。

ボーイングの株価は、過去12ヶ月間、そしてそれ以前から同業他社を大きく下回っており、投資家にとって良いことは何一つない。また、米国の航空宇宙産業、米国経済全体、航空宇宙産業の労働力の長期的な健全性にも良いことではない。しかし、ボーイングの苦境がもたらす結果のひとつに見過ごされがちだが、防衛への影響がある。懸念されるのは3分野だ。

第一に、米軍は運用コストの高い、信頼性の低い古いシステムを使い続けなくなる。KC-46とT-7の遅れにより、KC-135タンカーとT-38練習機は60年を過ぎても使い続けなければならない。空軍と海軍の練習機や空軍のKC-Yタンカーなど、暫定的または補足的なシステムを調達する国防総省の努力は不確かとなる。空軍のUH-1NヘリコプターやVC-25Aエアフォースワンなど、ボーイング社製航空機に置き換える予定のプラットフォームでも、後継機の実現が遅れている。

第二に、国防総省が望むと望まざるとにかかわらず、産業基盤の決定が下されたかもしれない。BDSの損失は、比較的ローテクなプログラムでの低入札額を反映している。ボーイングが、より高度なエンジニアリングを必要とする新しいプログラム、過去の実績が重要な選考要素となる場合、より高度なエンジニアリングを必要とする新しいプログラムへの入札をボーイング社が望めるかは不明である。

また、ボーイングの社内設計能力に対する国防総省の懸念も、ボーイングに不利に働く可能性がある。ボーイングが2015年にノースロップ・グラマンに負けたのは、設計作業の多くをロッキード・マーチンに依存するボーイング戦略への空軍の懸念が一因である。T-7の設計の多くをサーブに依存することも、危険な戦術と見なされるかもしれない。ボーイングとロッキード・マーチンの将来長距離攻撃機の損失は、ボーイングの共同入札へのアプローチの弱さを示唆しているのか。

これには、空軍の「次世代航空優勢計画」が大きく関わる。もしボーイングが除外され、海軍のF/A-XXが失速する、あるいはボーイングが除外されれば、固定翼の新規軍事契約に対する競争相手は3社ではなく2社になる。国防総省は、将来のプログラムにおける競争の低下を望まず、そのような結果をもたらす合併に反対の意を示しているが、いずれにせよ、現実を受け入れなければならないかもしれない。

最後に、大型航空機を設計する国家能力も考慮しなければならない。C-17は予想以上の速さで老朽化しており、C-5Mもかなり古くなってきた。太平洋地域における戦略的空輸の重要性を考えれば、国防総省は今後10年以内に新しいプログラムに資金を提供する必要がある。

しかし、ワイドボディ・ジェット機は、あらゆる製品の中で参入障壁が最も高い。日本の川崎重工のC-2は、技術的にはワイドボディのエアリフターだが、積載量は非常に限られている。

アメリカでも、ボーイング、マクドネル・ダグラス、ロッキードしかワイドボディを作っていない。ロッキードは1980年代にC-5とL-1011の生産を終了し、その能力の再現は非常に困難な道のりだ。

したがって、2004年に新型輸送機を発表したボーイング社に軍配が上がる。777-Xは主要な派生型ですが、クリーンシートの設計ではない。カルフーンの新型ジェット旅客機開発の延期は、ボーイング設計チームが新しい人材を採用しないことを意味し、その結果、2030年代に数が減り、かなり高齢化する。また、こうしたエンジニアが大量に解雇される可能性も否定できない。

1980年代後半から1990年代前半にかけて、C-17計画は深刻な超過勤務と遅延に悩まされたが、これは主にマクドネル・ダグラスの航空機設計チームが萎縮していたためだ。ボーイングも同じ段階に入る恐れがあり、さらに悪い状況に陥る可能性がある。

空軍が新しい戦略的輸送機をスタートさせる頃には、新経営陣が会社を立て直しているかもしれない。あるいは、ボーイングの事業部門は、その後、他社の所有となるのかもしれない。とはいえ、このままでは、ボーイングに仕事が来なくなる恐れが強い。その代わりは、皮肉だがエアバスだけかもしれない。■

Opinion: The National Security Implications of Boeing’s Woes | Aviation Week Network

Richard Aboulafia December 13, 2022


Richard Aboulafia

Contributing columnist Richard Aboulafia is managing director at Aerodynamic Advisory. He is based in Washington.


2015年10月6日火曜日

F-15>EW装備の近代化で残存性向上をめざす


F-15も息の長い機体になりそうです。機齢50年を超える機体になった場合、構造的に大丈夫なのでしょうか。電子戦装備は防御性を重視した内容のようですが、ステルス性に関心を奪われるあまり攻撃能力が減少してしまうF-35を補完する機体として運用する構想のようですね。

Boeing, BAE Will Develop EW Suite For F-15

By Lara Seligman2:54 p.m. EDT October 1, 2015
WASHINGTON — 米空軍はボーイングを主契約企業に選定し、新型完全デジタル方式の電子戦装備をF-15に搭載する。BAEシステムズが開発にあたる。
ボーイングが10月1日発表した声明文ではEPAWSS(イーグル・パッシブ・アクティブ警戒残存システム)により脅威対象に対応してF-15乗員を守ることをめざす。空軍保有のF-15CおよびF-15E合計400機に搭載し、旧式化した戦術電子戦装備(1980年代より使用)を置き換える。
EPAWSS事業は40億ドル規模。
「今日そして明日の戦闘には最新のジャミング、目標捕捉、赤外線探知、高性能のおとり能力が必要」とマイク・ギボンズ(グローバルストライクF-15担当副社長)は声明文で語る。「EPAWSSでF-15は2040年代の先まで有効性を維持できる」
ボーイングはBAEシステムズをEPAWSS開発担当企業に選定した。BAEシステムズが10月1日に発表した声明文ではEPAWSSを高性能電子戦能力を実現し、F-15の「拡大成長可能性」を開くものと表現。同システムにより機体の防御能力が格段に向上し、高性能電子対抗手段、レーダー警報、チャフとフレアの能力アップで実現する。
「完全デジタル化で空軍は次世代電子戦能力をF-15CおよびF-15Eに搭載し、現在および将来の脅威対象に有効に対応できる」とブライアン・ウォルターズ(BAEシステムズの電子戦ソリューションズ部長)■

2015年10月2日金曜日

F-15は新型EW装備で2040年代以降も運用可能へ


F-15も息の長い機体になりそうです。機齢50年を超える機体になった場合、構造的に大丈夫なのでしょうか。電子戦装備は防御性を重視した内容のようですが、ステルス性に関心を奪われるあまり攻撃能力が減少してしまうF-35を補完する機体として運用する構想のようですね。

Boeing, BAE Will Develop EW Suite For F-15

By Lara Seligman2:54 p.m. EDT October 1, 2015
WASHINGTON — 米空軍はボーイングを主契約企業に選定し、新型完全デジタル方式の電子戦装備をF-15に搭載する。BAEシステムズが開発にあたる。
ボーイングが10月1日発表した声明文ではEPAWSS(イーグル・パッシブ・アクティブ警戒残存システム)により脅威対象に対応してF-15乗員を守ることをめざす。空軍保有のF-15CおよびF-15E合計400機に搭載し、旧式化した戦術電子戦装備(1980年代より使用)を置き換える。
EPAWSS事業は40億ドル規模。
「今日そして明日の戦闘には最新のジャミング、目標捕捉、赤外線探知、高性能のおとり能力が必要」とマイク・ギボンズ(グローバルストライクF-15担当副社長)は声明文で語る。「EPAWSSでF-15は2040年代の先まで有効性を維持できる」
ボーイングはBAEシステムズをEPAWSS開発担当企業に選定した。BAEシステムズが10月1日に発表した声明文ではEPAWSSを高性能電子戦能力を実現し、F-15の「拡大成長可能性」を開くものと表現。同システムにより機体の防御能力が格段に向上し、高性能電子対抗手段、レーダー警報、チャフとフレアの能力アップで実現する。
「完全デジタル化で空軍は次世代電子戦能力をF-15CおよびF-15Eに搭載し、現在および将来の脅威対象に有効に対応できる」とブライアン・ウォルターズ(BAEシステムズの電子戦ソリューションズ部長)■

2015年7月24日金曜日

KC-46>ボーイングの自社追加負担が10億ドル超える


メーカーにとってはつらいのですが、これまでの事例で予算超過があまりにも多いためKC-46では空軍負担の上限額を超えれば即メーカー負担という契約になっているのですね。負担支出分は輸出機材に上乗せされるはずなので、エアバスにとっては有利に、日本のように米国装備の購入を第一に考えているような国には高い買い物になるのでは。この契約形態をF-35に適用していたら今ごろどうなっていたでしょうか。

Boeing’s Tanker Cost Overruns Exceed $1 Billion

Jul 17, 2015 Amy Butler | Aerospace Daily & Defense Report


Boeing / John D. Parker
ボーイングは再度自社負担で空軍向けKC-46給油機開発を続けることになった。
  1. 税引き後負担額536百万ドルは税引前は835百万ドルになる。そのうち最大の部分はボーイング・コマーシャルエアプレーンズの拠出する513百万ドルだが、ボーイングミリタリーエアクラフト(ボーイング・ディフェンススペースアンドセキュリティ傘下)が322百万ドルを負担する。7月22日には第二四半期営業報告の発表があり、その場で詳細が判明するだろう。
  2. この二年間でボーイングがKC-46事業に投入した自己資金は税引前12.6億ドルに上る。
  3. 直近の事例では機内の複雑な燃料系統の技術問題が理由だった。燃料系統は給油機の中核機能であり、ボーイングが給油機多数を製造している実績がエアバスにKC-X競合での大きな売りであった。この問題が発生したのは同社が「テスト準備をし、実施しシステム認証を第二四半期に」目指していた最中のことだったと7月17日に案内されている。ボーイング広報部門は第二四半期の4月から6月とだけ発表しているが、具体的なテスト実施日を口にしていない。
  4. このことから設計上の不備がいつ明らかになったのか、また社内上層部に報告がいつされたのかという疑問が生じる。広報はこの件について語っておらず、次回営業報告の機会を待ってほしいという。
  5. 「ボーイングはKC-46をウェポンシステムとして承認を受ける手続き中で、統合燃料供給システムはその中で中核的な部分」とデューク・リチャードソン准将(空軍給油機事業主幹)は語る。
  6. ボーイングは昨夏にも税引272百万ドル(税込み425百万ドル)を機内配線の設計不良のため負担している。空軍は機内の配線関係は「安全のため距離を空ける」ことを求めており、設計で不備があったため再設計の上、初飛行が数ヶ月遅れた。
  7. 統合燃料系統の不備では情報がほとんど開示されておらず、同じような問題だとの指摘があるが、ボーイングは技術上の再設計が必要だと認めており、再作業が必要となり、型式証明取得で追加作業が必要になる。
  8. 新CEOデニス・ミュイレンバーグによれば同社は「必要な資源を投入」してなんとしても2017年8月までにKC-46の最初の18機を引き渡す契約を履行する。「必要な作業な認識しており、KC-46の長期的な財務上の価値により今回の追加投入は回収できると信じています」と声明を発表している。ボーイングの考えは開発段階の損失は米国内ならびに海外販売で取り戻せるとする。ただし、直近でも韓国の給油機選定に敗れてエアバスA330が選定されており、同機は他に8ヶ国が運用中だ。
  9. KC-46の改修等でボーイングは2年間で12.6億ドルの追加支出をしている。
  10. ボーイングが自社負担を迫られているのは2011年に締結の開発契約では44億ドル固定価格制で政府は最大でも49億ドルしか負担する必要が無いためだ。
  11. ボーイング関係者は政府によるKC-46開発費用見積もりが高過ぎると不満を漏らして変更している。ボーイング広報は昨年12月に同社見積もりはそこまで高くないと発言したが、具体的な数字は上げていない。
  12. 政府は49億ドルを支出上限としているが、ここに12.6億ドルを加えると61.6億ドルとなり、政府の見積に近くなる。
  13. そもそもボーイングはエアバスより大幅に低価格を提示してエアバスに2011年に競り勝っている。リチャードソン准将は「KC-46初飛行を9月までに実施することは十分に可能」と見ている。
  14. ボーイング関係者も初飛行を9月と想定している。昨年12月に初飛行したのはKC-46に改装される前の767-2Cだった。
  15. 統合燃料系統の欠陥が表面化する前に空軍のリチャードソン准将は生産が6ヶ月程度遅れると見ていた。現時点では生産開始時期は不明で、2017年8月という第一期18機の引き渡し期限が重くのしかかってきた。
  16. 「ボーイングは目標18機の引き渡しを実現するだろうと見ています。ボーイングは政府の追加支出を期待せず自らの手で約束を守るはず」とリチャードソン准将は語った。■

2015年5月22日金曜日

★★ A-10海外販売を目論むボーイング



時代遅れみたいな格好をしたA-10ですが、現在は中東方面で結構活躍しているのはご承知の通り。米空軍は予算節約でまずA-10を処分従っています。一方で同機の威力に惹かれる市場もあるわけですね。そこで商売上手なボーイングがこの通りの改修を加えればA-10はさらに強力になります。一体どこが関心を示しているのでしょうか。またその導入国はどんな作戦コンセプトを持っているのでしょうか。ヒントとしては強力な制空権確保砲能力があり、高密度の(戦車機動部隊等)地上兵力の脅威に直面する国でしょうか。韓国という線はないでしょうかね。(ないか)

Boeing touts A-10s for international customers should USAF divest fleet

Gareth Jennings, San Antonio, Texas - IHS Jane's Defence Weekly
20 May 2015

A-10が米空軍の第一線を退けば、同機取得の絶好のチャンスとなる国があらわれる。
Source: US Air Force

  1. ボーイングは米空軍(USAF)とフェアチャイルド・リパブリックA-10サンダーボルトII対地攻撃機の対外販売を協議中。これは空軍が同機運用を中止した場合の想定と5月20日に明らかにした。
  2. ボーイングのグローバルサービス支援部門(テキサス州サンアントニオ)でボーイング社外機材担当の主任エンジニア、ポール・セハスは記者団にUSAFと余剰A-10を海外顧客(複数)へ売却する案を初期段階で打ち合わせ中と明らかにした。ただし国名は明らかにしていない。
  3. ボーイングがA-10の事実上の主契約企業になっており、USAF運用中のおよそ300機のうち173機で主翼取替作業の契約を実施中だ。すでに105機の作業が完了しUSAFに納入済みで、契約は2017年第一四半期で完了する。
  4. USAFはA-10退役を望んでいるが、そのとおり実施されれば(ただし米議会に根強い反対がある)、セハスによればUSAFはまず主翼取替作業契約を完了させ、機材をそのまま他国へ引き渡せるという。.
  5. 主翼を以外にボーイングは広範な近代化改修を行う用意があるとセハスは言う。エンジン交換、コックピット改修で目標指示機能付きヘルメットを導入、目標捕捉用ポッドが想定されるという。セハスは改修案は初期検討段階であり、特定の顧客の引き合いに対応した案ではないと発言。
  6. セハスはA-10の購入希望国名の開示は拒否し、公表はUSAFの仕事だとした。■


2015年2月10日火曜日

KFX 第一回入札不成立に終わる


うーん、これは今後難航しそうですね。F-35選択でも何回も入札を繰り返し、各メーカーの忍耐を試すような展開がありましたが、大韓航空はやはり無理と判断したのでしょうか。 ボーイングもやる気の無さが見え見えです。この先どうなるか注目ですね。


IHS Jane's Defence Weekly

KFX stalls after only one bidder meets development deadline

Jon Grevatt, Bangkok and James Hardy, London - IHS Jane's Defence Weekly
08 February 2015

Only one company has lodged a bid to develop the KFX aircraft, according to South Korea's defence procurement agency. Source: IHS/James Hardy
韓国のKFX(韓国次期戦闘機調達計画)が2月9日に失速した。入札企業数が予定に達せず契約が成立しなくなったためだ。
  1. 韓国防衛事業庁Defense Acquisition Program Administration (DAPA) はIHS Jane'sに締め切りまで応募したのは一社だけと述べた。r.
  2. 韓国航空宇宙産業(KAI)を指していると思われる。同社はロッキード・マーティンと共同でKFX事業参画を画策していた。
  3. DAPAからは再入札は2月10日に開始され、月末で締め切ると追加情報が入った。最低でもあと一社の入札を求める。韓国の国防調達ルールでは一社入札での契約締結を禁じている。
  4. 大韓航空がエアバスと協力して入札をする準備中との報道があったが、締切日までに動きはなかった。韓国聯合通信はDAPA関係者が同社は2月末までに応募すると見ているとの発言を伝えている。KAIおよび大韓航空からはコメントが出ていない。
  5. 現地報道ではボーイングがF/A-18スーパーホーネット原型案で参入するとしている。ただし、ボーイング広報は IHS Jane's に「今回は時期が適当でない。期間が変更になれば、ボーイングも自社技術の投入を検討するかもしれない」と述べた。■


2015年1月28日水曜日

★韓国KF-Xの行方:大韓航空の動きに注目



何かと騒がしい韓国の話題ですが、この件もまた紛糾しそうですね。そもそも大韓航空が製造部門をも有している事実はあまり知られていませんが、あまりにもタイミングが悪い。いっそのこと別企業として独立させ、しかもKALのイメージがつかない形にできませんかね。F-35導入を決めたものの機体整備は日本には任せたくない韓国空軍にとって実用的なKF-Xの実現は絶対必要なはず。それが政治問題化して紛糾すれば開発実用化は更に遠のきます。国防=国民の幸福のために行動を変容してもらわないと日本としても隣国の不安定化は見たくないところですね。


Price Factor Seen Favoring Korean Airlines For South Korea’s KF-X Fighter

Jan 26, 2015Bradley Perrett | Aerospace Daily & Defense Report

韓国の国産戦闘機KF-X選定の決め手は価格になりそうで、大韓航空(KAL)が有利になる、と韓国政府関係者が明らかにした。
  1. 理由はKALはボーイング技術の利用で韓国航空宇宙工業(KAI)より安く提案できるから、と産業界に詳しい同上関係者は述べた。
  2. エアバスもKAL、ボーイングと組み米国の技術移転規制の対象分野を担当する予定と以前にAviation Weekが伝えていた。
  3. 韓国国防省は昨年12月23日に企画案提出を要請したが、実質上KAIとKALの二社競合になる。ただし国会は全面開発を承認していない。
  4. 企画案は性能要求水準を満たした上で提案企業の実績など技術力および提示価格からに審査すると政府関係部門は説明。100点満点で技術点が80点相当だ。
  5. そうなるとKAIが有利だ。だがKALの製造部門は海外からの技術支援でKAIとの技術ギャップを埋められると主張していると同上政府関係者は説明。もし、KAIとKALで技術点に差が発生しないと、残る価格点が決め手となるが、ここではKALが有利だ。
  6. KALはボーイングF/A-18E/F原型の設計案を出すとみられるが、業界筋によればボーイングはエアバスの協力を得て強気だという。開発費用がKAI案より安くなると判断される可能性は高い。KAIは韓国国防開発庁(ADD)による全面新開発案を提示するからだ。ボーイング、エアバス両社の各種技術データベースを利用して安価な提示をするだろう。
  7. 国防省の提案要求では新型機設計が前提だが、KAL案はスーパーホーネットを原型としつつ新型機の様相を持ち、かつ既存技術の利用でリスクを低減するものだ。
  8. 国防省はステルス特性は要求していないと同上政府関係者は明かす。ADDが初期段階で必要としない設定にしたため。
  9. 国防省がステルス形状を要求してもスーパーホーネット原型の提案で対応可能だ。ボーイングは20年間も社内研究をしているためだ。エアバスもステルス技術を提供するだろう。
  10. そこに韓国のオンラインニュース通信 News 1 がボーイングがKF-Xに不参加と伝えている。KALに勝算なしと判断したためだという。KALのイメージを大きく損ねる事件があったことが原因、としている。
  11. この報道は裏が取れていないが、大いに有り得る。KAL会長の実娘がマカダミアナッツをめぐり大韓航空機を出発ゲートに引き返させた事件がニューヨークで先月発生している。経緯はナッツが皿ではなくビニール袋で提供されたことに不満を覚えたためだったが、国際的にはおかしな事件と受け止められたものの、韓国国内では財閥家族が過剰なまで経営を支配していると政治問題化してしまった。
  12. KALの社名にドロがついた。そんな同社がKF-X選定で落札すれば相当の不評を招くだろう。そうなればスーパーホーネットのステルス版はマカダミアナッツで撃墜された最初の戦闘機になるかもしれない。■


2015年1月3日土曜日

★ボーイング・エアバス・大韓航空連合が韓国KF-X受注を狙う



しかし、なぜ大韓航空なのか。ナッツリターン事件で大きくイメージを傷つけたのに?実は同社はF-5の国産生産の実績があり、航空会社と言う側面だけでは理解できない企業のようです。しかし、ボーイングはこんな会社と組んで大丈夫なのかなあと思わざるを得ません。

Boeing, Airbus, Korean Air Join To Bid For KF-X

Dec 29, 2014Bradley Perrett | Aerospace Daily & Defense Report

Super Hornet: USAF

韓国が目指すKF-X国産戦闘機開発でエアバスボーイングロッキード・マーティンにみすみす落札させないよう、ヨーロッパでしか提供できない技術内容を提案する準備中と業界筋が明らかにした。
  1. 大韓航空を現地提携先として、ボーイングF/A-18E/Fスーパーホーネットを原型に機体を開発する構想だ。
  2. 韓国国防省の調達機関である国防事業庁 Defense Acquisition Program Agency (DAPA)から12月23日にKF-X開発の提案要求が発出されている。
  3. 国防省の国防開発庁Agency for Defense Development (ADD)は韓国航空宇宙工業にロッキード・マーティンからの技術支援で機体開発させる構想だが、ボーイング-エアバス組の提案は経済効果が高い代替策をめざすもの。
  4. 合衆国は自国企業に海外移転できる技術内容で制限をかけている。韓国には多くの分野で国産化できない技術があり、エアバスにはステルス性能のノウハウをボーイングが期待しているのだろう。
  5. 総費用8.6991兆ウォン(約79億ドル)が財務省から認可されてADDのKF-X開発に目処が着いたといえる。しかし韓国国会は正式開発を認めておらず、来年12月の時点でも見通しは暗い。そこで大韓航空が安上がりな代替案を提出し、DAPAが反応するのを期待する構図だ。
  6. 以前から業界筋からボーイングが高性能版スーパーホーネットを提案するとの話が出ていた。別の筋からはボーイングが大韓航空と手を組むとの話もあった。そこにエアバスも加わるとの観測がでたわけだ。
  7. ボーイングがアメリカ国外の技術を売り込むのは今回がはじめてではない。F-15発展型サイレントイーグルをF-Xフェイズ3で提案した際にイスラエル航空宇宙工業の技術を盛り込もうとした。この際はロッキード・マーティンが入札に成功しており、F-35販売の見返りにKF-Xの技術開発支援を求められることになった。■


2013年6月16日日曜日

ボーイングのファントムアイにミサイル防衛庁が極秘ペイロード搭載契約を与える

Phantom Eye Gets $7M Missile Defence Payload Contract

                   
                        UAS Vision, Posted on June 11, 2013 by The Editor                   
                   
                       


ボーイングの高高度実証無人機ファントムアイに初の顧客ができた。米ミサイル防衛庁(MDA)である。

MDAはファントムアイに情報非公開のペイロードを搭載し飛行させる契約を6.8百万ドルで交付した。ボーイングは同機三回目の飛行を完了したところで、四回目では性能限界を伸ばそうとしてる。

ファントムアイは液体水素動力技術の実証機で合計8回ないし9回の飛行を予定している。

「MDAが最初のペイロード顧客となり、フライト5から搭載します」とボーイングは発表。「フライト5以降は今年後半から来年にかけ実施します」

ファントムアイのペイロード最大搭載量は204kg (450lb) 。

「ファントムアイは大きな関心を集めています。需要がないとしたら当社としても実証飛行はしません。国防関連、民生部門の両方から高い関心を示す向きがあります。』(ボーイング)
.
ファントムアイの初飛行は2012年6月でその後着陸に失敗してから一年近く地上大気のままだった。設計上の飛行性能は4日間連続飛行可能で高度65,000ft (19,800m)まで上昇できる。MDAからは事実照会への回答はない。