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2015年7月31日金曜日

オーストラリア向けEA-18Gは米海軍仕様とひと味ちがう機体になった


オーストラリア向けのグラウラーは米海軍仕様とは微妙に異なっているようですね。ただし、空対空ミサイルを搭載するというのはどんなもんでしょう。機数に限りがあるため出来るだけの機能を一機でこなせるようにしたいというのがオーストラリアの用兵思想なのでしょうか。もし日本も同機を導入したら同じ発想になるのでしょうか。NIFC-CAがまた出てきますが、米軍との親和性ではオーストラリアが一歩先を行くようですね。ゆくゆくは日米豪でネットワークを構築すると見ていますが。

U.S. Navy Lessons from Libya Informed Australian EA-18G Growler Modifications

By: Sam LaGrone
July 30, 2015 4:25 PM
The Royal Australian Air Force's first EA-18G Growler during its first flight on July 13. Boeing Photo
オーストラリア空軍向けEA-18Gグラウラーの1号機が7月13日に初飛行した。T. Boeing Photo

ST. LOUIS, MO.— 米海軍はリビア攻撃の教訓をオーストラリア向けボーイングEA-18Gグラウラー電子攻撃機に伝えたと米海軍関係者とオーストラリア空軍(RAAF)関係者が報道陣に語っている。
  1. 「リビアで最大の教訓は電子光学ポッドがグラウラーに必要だとわかったことです」と語るのはRAAF前参謀長ジェフ・ブラウン中将 Air Marshall Geoff Brown だ。「電子発信音をとらえ所在がわかったあとで標的を見ることができますから」
  2. レイセオン製ATFLR(前方監視赤外線)ポッドを加え、グラウラーは目標の状況を更に高いレベルで把握できることになった。
  3. グラウラーの電子攻撃の基本は敵防空体制を電子的に探知し、利用不可能にすることだが、現行の米海軍仕様グラウラーにはFLIRポッドはついておらず、スーパーホーネットの有する視覚鋭敏さに劣る。
  4. 2011年のオデッセイの夜明け作戦ではグラウラー5機の一個飛行隊がリビア上空の航空戦を支援したが、電子的に探知したあとの目標確認ではFLIRを搭載した他機に頼っていた。ドナルド・ガディス少将Rear Adm. Donald Gaddis(米海軍の戦術機事業主管)が報道陣に対しボーイング社内で開かれた式典会場で解説している。.
  5. EA-18GのパッシブALQ-210レーダー探知機とアクティブ電子スキャンアレイ(AESA)を使い、MIDSとLink 16経由で「他機に目標の軌跡を伝えた」(ガディス少将)「ポッドを搭載すると他の装備が積めなくなりますが、ATFLIRを搭載した別の機からのデータリンクが不要となり、自分で確認できるようになります」
  6. ただし米海軍が導入済みEA-18Gにポッドを搭載する改修をするのか、新規生産機から標準装備にするのかは不明だ。
  7. FLIR以外にRAAF向けグラウラーにはAIM-9X空対空ミサイルが搭載される。
  8. RAAFのグラウラー調達は航空関係で特に米国製装備を導入するオーストラリアの傾向のひとつだ。
  9. グラウラーは総額22億ドルの事業だが、オーストラリアは別にボーイングP-8Aポセイドン海上領域状況認識・対潜哨戒機、ノースロップ・グラマンMQ-4Cトライトン海洋情報収集監視偵察無人機(UAV)、ロッキード・グラマンF-35ライトニングII供用打撃戦闘機を導入する。さらにボーイングE-7Aウェッジテール空中早期警戒統制機が導入済みだ。
  10. 各機はRAAFがめざすネットワーク化航空戦構想プラン・ジェリコの実現の基礎となる。
  11. このうちグラウラーとF-35Cには米海軍の海軍統合火器管制防空 (NIFC-CA) で中心的なノードの役割を期待され、RAAFが機材を導入するのは米戦闘ネット網に組み込まれることになるのだろう。
  12. 「米国側とはいつも協力分野を検討してきました」とブラウン中将はUSNI Newsの取材に答えている。プラン・ジェリコがNIFC-CAのよなネットワーク構想で協調型交戦能力 (CEC) を目指すのかというのが問だった。「米海軍、米空軍とは切れ目なく相互運用をめざしています」
  13. ボーイング上層部はUSNI Newsに対してF/A-18E/Fスーパーホーネットとグラウラー生産ラインを2010年代末まで維持するためには米海軍向けスーパーホーネット追加発注12機の議会承認が必要、また国際市場向けには50ないし70機の販売成約が条件との発言があった。
  14. 数ヶ月以内にデンマークが同機24ないし36機の調達を決定すると見られ、同規模の調達を中東某国が検討中とボーイング関係者は明かし、ただし国名は話さなかった。USNI Newsはクウェートであると理解している。■

2013年8月29日木曜日

予算節約のためイージス発射テスト回数を減らす米海軍

U.S. Navy Mulls Cutting Aegis Flight Tests to Save Money

By Michael Fabey
Source: Aerospace Daily & Defense Report

aviationweek.com August 27, 2013

米海軍はイージス艦のシステム更新の予算を死守しつつ、今後は試射回数を減らして予算を節約することを検討中。なお最新のソフトウェア改善の効果を試す実弾発射試験に成功している。
  1. 「海軍はテスト内容を統合して支出を減らそうとしてます」とイージスの主契約会社ロッキード・マーティンで米海軍担当部長のジム・シェリダンは解説する。
  2. 海軍の5回の発射を3回にする予定とシェリダンは言い、同社も海軍の方針を支持するという。
  3. シェリダンによればテスト回数削減は改良型イージスの配備日程と矛盾するという。ただし、回数削減で同社には新しい挑戦課題が生まれ、これまではテストを増やして開発を進めてきた同社にとって新しい環境となる。「テスト内容がより多岐にわたり、テスト艦上では多忙になるでしょう」
  4. またテスト期間の短縮もテスト後の問題解決に当てられる時間の短縮となり同社は「迅速に切り回す」必要が生まれる。
  5. 現時点でソフトウェア改修は問題なく完了し、テストでも実用でも予定通りの性能を発揮しているという。また、「改修点」の多くはディッスプレイ装置の修正など「邪魔な」要素の排除だったという。
  6. 直近のイージステストでは今月初めに実弾発射を行い、見通し線の外でもデータを遠隔地のセンサーから統合して目標迎撃に成功したことでシステムの有効性を証明している。
  7. 海軍の統合火砲射撃対空手段 Naval Integrated Fire Control-Counter Air (NIFC-CA)  のテストも初めて洋上で実施され、イージスに遠隔地データを提供し目標迎撃に成功したのは二回連続となった、とロッキードが発表。使用したのは協同交戦機能 Cooperative Engagement Capability (CEC) で遠隔データを解析し、イージスがスタンダードミサイル-6 (SM-6)をUSSチャンセラーズビル(CG-62)から発射したもの。
  8. 同艦はイージスベイスライン9近代化改修の対象巡洋艦四隻で最初に改修を受け、3月に完成していた。
  9. ロッキードも弾道ミサイル防衛(BMD) 5.0 性能向上改修 (CU) によるイージス改修を進行中で、「コードを完成させようとしている」とのこと。
  10. BMDが米海軍の最重要開発分野になってきており、海軍は艦艇整備計画も大きく変更し、BMD能力の拡大を図っている。■