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2020年4月26日日曜日

F-22は2060年代まで最先端戦闘機として供用を狙う(予算が全て計上されれば)




能改修が予定通りすべて実現すれば、F-22は最高水準の制空戦闘機のまま2060年代まで君臨し、第6世代戦闘機と交代する。

F-35やF-15Xに関心が集まる中、米空軍の主力制空戦闘機F-22ラプターの影が薄かった。

2000年代初頭に供用開始した当時、ラプターは世界最高水準の機体だったが、ラプターの性能向上改修はF-15、F-16と比べると頻度が少なく、一部で旧式化してきた。たとえば、F-16、F-15、F/A-18はJHMCSミサイル照準技術を導入し、パイロットは敵機へ視線を向けるだけでよいが、F-22に導入されていない。

米空軍はF-22改修をソフトウェアで対応し、ハードウェア改修は最小限で兵装を統合してきた。だがレーダーや電子光学センサーは小型化し性能向上している。

F-22の機体はUSAF供用中の機材では最高性能の「シャーシ」で、推力偏向やスーパークルーズ性能を実現したが、ステルス性のためセンサーやポッドを搭載できない構造だ。さらに製造は2011年に終了しており、機体性能の改修の余地は限られる。

F-22の最新の改修はハードウェアとソフトウェアに及び、ベースライン3.2B、アップデータ6とそれぞれ呼称される。目標は最新の空対空ミサイルの導入とネットワーク戦能力の向上だ。

AIM-9X、AIM-120D空対空ミサイルをF-22のエイビオニクスで対応可能とする。AIM-9Xは2014年からF-22へ導入予定だったが、何度も延期されてきた。

同ミサイルは2017年に利用可能となっており、いよいよJHMCSヘルメットをF-22に導入する。

改修では新型暗号技術も導入し、厳しい電子戦環境でもF-22を対応可能とする。Link-16データリンクの送信モジュールを組合わせF-22は他機種とレーダー・標的情報を送受信し共有可能となる。現状ではF-22でLink-16の「受信」しかできない。

戦闘状況を把握するセンサーで旧型機に情報共有する機能をF-35が実現したことで、USAFもF-22のデータリンク性能向上に向かうのだろう。

データリンクとミサイル更新を組み合わせたF-22は最新第4世代機と肩を並べる。F-35はセンサー技術で依然として先を走る。

ただし、F-22のセンサー性能改修の予算計上は2020年代後半で、F-35のEOTS、DASの各装備と似た電子光学モジュールを導入する。この改修でF-15Xと同等になる。

イラク、アフガニスタン戦の現場でF-22がF-35の後塵を拝する事態があったが、超大国間の戦闘に焦点を合わせる中、F-22に再び脚光があてられている。

性能改修構想は2013年からあったが、予算手当がつき優先順位を高めたのは2019年度以降である。すべて予定通りならF-22は2060年代まで最先端制空戦闘機の座を維持し、第6世代戦闘機に交代する。■

この記事は以下を再構成したものです。

These Upgrades Will Keep The F-22 Raptor Combat Ready Until 2060

When a sixth-generation fighter will take over.

April 23, 2020  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: F-22F-22 RaptorF-35U.S. Air ForceStealth Fighter


Charlie Gao studied Political and Computer Science at Grinnell College and is a frequent commentator on defense and national security issues. This article first appeared earlier this year.

2018年9月26日水曜日

新たな歴史の1ページ:無人機同士の空戦で撃墜に成功

我々が知らない間に新たな歴史が作られていたようです。無人機に無人機をさしむけることから、次は無人機が有人機を狩る時代が来るでしょう。現在は遠隔操縦機ですがそのうちに自律運用の完全ロボット機が出現するのでは。


Heat-Seeking Missile-Armed MQ-9 Reaper Shot Down Target Drone During Exercise MQ-9リーパーがミサイルで無人機標的の撃墜に成功

The late 2017 drill was another step toward giving the unmanned aircraft their own air-to-air capabilities. 2017年末実施の演習は無人機の空対空性能が新たな一歩を刻んだ

BY JOSEPH TREVITHICKSEPTEMBER 19, 2018
USN


空軍関係者からMQ-9リーパー無人機が空対空戦演習で初の撃墜記録を達成したと明らかにした。ほぼ一年前の出来事だ。空軍は無人機に空中の脅威に対応させる案を検討中と先に述べていた。
Military.comがジュリアン・チーター大佐(432飛行隊司令、ネヴァダ州クリーチ空軍基地駐留)への取材でこれを真っ先に伝えていた。War Zoneでもタイラー・ロゴウェイが同じ概略を2018年3月に伝えていたが、空軍ライフサイクル管理センター(オハイオ州ライト・パターソン空軍基地内)がジェネラルアトミックスにMQ-9にリーパー空対空ミサイル (RAAM) 搭載能力を付与する契約交付を発表した時点のことだった。
チーター大佐は「機密解除されたが2017年11月に空対空ミサイルを標的に発射し直撃した」とMilitary.comに語り、「MQ-9が熱追尾指揮空対空ミサイルを試験発射し、無人機に直撃した」と述べていた。
チーター大佐は演習名を明らかにしておらず標的機の機種、リーパーが発射した兵器名も不明だ。「熱追尾式空対空ミサイル」がAIM-9Xサイドワインダーだった可能性が高い。MQ-9の通常の搭載装備は精密誘導空対地ミサイルや爆弾、燃料タンクやセンサーポッドだ。
USN
AIM-9Xサイドワインダー空対空ミサイルを搭載した MQ-9

2016年11月に米海軍のジェイムズ・ストーンマン大佐(空対空ミサイル開発事業室)が公表したのが上の写真でMQ-9がAIM-9Xを搭載しているのがわかる。サイドワインダー開発は海軍が中心となっている。
報道によれば空軍は空対空装備の追加をリーパーに2003年の時点で検討していた。当時の空軍は今は退役したMQ-1プレデターに熱追尾式スティンガーミサイルを搭載しイラク軍ジェット機からの防御を狙っていた。
「戦術を作り、技術や手順を整備して機体残存を目指し、正しく整備すれば通常機材でも生き残りが可能となります」とチーターはMilitary.comに説明している。「世界各地でハイブリッド戦の様相を示しており...MQ-9リーパーが大きな役割を期待されています。そこで同機に正しい装備を与えれば残存性を十分期待できます」
USAF
米空軍MQ-9リーパーがAGM-114ヘルファイア空対地ミサイルや燃料タンクを搭載している

スティンガー搭載のプレデターとAIM-9X搭載のリーパーを比較すれば性能の違いは歴然だ。このサイドワインダーは相当の威力があり、特に最新ブロックII仕様ではデータリンクを使い発射後のロックオン機能が実現した。
リーパーが搭載するLink 16データリンクと組み合わせればサードパーティ製の標的情報を遠隔操縦にあたる地上パイロットに送り、ミサイルにも送れる。無人機クルーの状況把握能力が高まり、空対空戦では裸眼で認識できる距離を超えた範囲に対応できる装備になる。
さらにレーダー波受信警告機ほかのセンサー類で接近する脅威を探知し、感知回避技術で付近を飛行するその他機体を見つけることも可能で無人機パイロットの大きな助けとなり敵探知と交戦が円滑になる。AIM-9Xは地上や水上目標との交戦は限定されるが、低空を飛ぶ巡航ミサイルへの対応も限定付きながら実現するといわれる。そうなればMQ-9で多様な任務をこなせるようになるかもしれない。
USN
米海軍ジェイムズ・ストーンマン大佐が2016年に使ったスライドではAIM-9X搭載の各種機体で可能な交戦形態が示されていた。

もちろんこれでリーパーが高度の脅威空域で安全に運用できるようになるわけではない。だが低リスク空域なら運用可能で突然現れる脅威にも対応しながらミッションを実施できるのではないか。こうした状況をハイブリッド環境あるいは「グレイゾーン」と呼ぶ。
シリアでこの状況が生まれるのではとの見解は前からあり、現にロシア軍用機が偵察飛行中のリーパーにつきまとう事態が発生している。ロシア機が米有人機にシリア各地でいやがらせしていることもあり、このままでは誤解から危険な状況に繋がりかねない。
イランもペルシア湾上空の国際空域で米無人機の妨害を目指しており、空軍は有人機を随行させざるを得なくなっている。イランは自国無人機の運用を拡大しており空中あるいは海上の米軍を脅かしている。
リーパーにAIM-9Xを搭載すれば敵勢力への抑止効果が生まれる。攻撃側は無人機から反撃されるとなればこれまでのやり方を変更せざるを得なくなる。
リーパーがAIM-9Xを搭載すれば敵有人機や無人機で米国あるいは同盟国を遠隔地で脅かす存在を撃破できる。2017年に米空軍のF-15Eストライクイーグルが別々の機械でイラン軍無人機を撃墜したが、無人機は米軍ほかの拠点を攻撃してきた。空対空ミサイル搭載のMQ-9をこうした拠点上空に待機させ短距離防空任務につかせるのだ。
将来特にハイエンド戦でロシアや中国を想定した戦いでリーパーが作戦中に突如として脅威空域に突入する場合も発生するはずだ。空軍にはMQ-9を戦闘空域に迅速展開する構想があり各機の自衛能力の確保にも迫られれている。
「大陸をまたがって運用することも可能」とチーター大佐はMilitary.comに語っている。「最近も9機をある作戦空域から別の空域に移動させ機動性を発揮しています。柔軟でもあり、現地司令官に選択の幅が生まれます」
AIM-9Xをリーパーの武装に加えることでその柔軟性が更に広がり無人機でも十分に機動力が発揮できること、高リスク空域でも同様だと証明できるはずだ。■
Contact the author: jtrevithickpr@gmail.com

2018年2月1日木曜日

★見えてきたF-22改修の内容。2045年まで(以降も)最強の戦闘機とするために米空軍が考えていること。

The Air Force Has a Plan to Guarantee the F-22 Dominates the Skies Until 2045 (Or Longer) 

米空軍はF-22を2045年(以降も)空の支配者とすべく改修策を実行する





January 31, 2018


空軍は「アジャイルソフトウェア開発」をF-22ラプターに応用して新型センサー、レーダー、エイビオニクス、高性能兵器等の迅速導入を図る。
ラプターアジャイル性能実現事業Raptor Agile Capability Release (RACR)と呼ぶこの搭載戦略は空軍長官ヘザー・ウィルソン自らが率いて新型ハードウェアソフトウェア改修を迅速に実現し、F-22の優位性を維持するのが目的だ。
F-22では新ソフトウェア3.2B改修に向かっており、戦闘攻撃能力の引き上げを狙い、「AIM-120D及びAIM-9Xの搭載で戦力を向上させる」と空軍広報官エミリー・グラボウスキ大尉 Capt. Emily Grabowskiが語る。
空軍は新装備を3.2B改修テストで試射しておりエグリン、ネリス、ヒル、ティンダルの各空軍基地で評価作業中だ。
空具開発部門は具体的な脅威対象を実名であげていないが、もちろんロシアの防空体制の向上、ロシアと中国の第五世代戦闘機開発が念頭にある。
「迅速に進めてラプターが将来遭遇するであろう脅威に対抗できるようにします。契約形態を変えてリスクを受け入れた形で空軍が求める優先事項に対応していきます。性能は漸増させていきます」とロッキードでF-22を担当するケン・マーチャントKen Merchant副社長は語る。
グラボウスキ大尉はテスト評価段階は今年夏に完了すると述べている。
「新ソフトウェア、ハードウェアを兵装システムに統合する挑戦では大掛かりなテストが必要です。コードも50万行を超え、ハードウェアをサポートして初めて航空機に投入できるのです」(グラボウスキ)
3.2BでF-22はAIM-120DおよびAIM-9X空対空ミサイル運用が可能となり、同時に対地標的照準技術が向上する。現時点のF-22が搭載するのはAIM-9Xブロック1でソフトウェア改修でAIM-9Xブロック2運用が可能となる。
レイセオンのAIM-9X開発陣によればブロック2で信管が再設計されデジタル点火安全装置が付くことで地上での取扱いとともに飛行中の安全が高まる。ブロック2では電子装置も改良され発射後のルックオン機能でデータリンクで視程外交戦も可能となると同社は説明。
AIM-120Dの発射も可能となる。これは視程外運用可能な高性能中距離空対空ミサイル(AMRAAM)で全天候昼夜問わず発射できる「打ちっぱなし」ミサイルでアクティブレーダー誘導方式だとレイセオン資料でわかる。
AIM-120Dは従来のAMRAAMより射程が伸び、GPS誘導、慣性測距装置、双方向データリンクが付くとこれもレイセオン資料が説明している。
マーチャントはアジャイルソフトウェアアプローチはF-22の「最初に探知し、最初に発射し、最初に撃墜する」技術の維持が目的と述べた。
新型システムや技術が利用可能になった段階で順次導入していけばこれまでのような多年度開発と異なり、「オープンアーキテクチャア」戦略の中核部分になると空軍、ロッキード双方の開発部門が強調している。開発部門もコンピュータコードの追加で迅速さが求められているとマーチャントは述べる。「新ソフトウェアは直ちに機体に投入されアジャイルな民生ソフトウェア環境に応用されます」
流れの加速化で2024年予定のF-22中間改修の道が開く。80年代90年代製のポンプ、バルブ、機体を近代化し適正に機能するようにするのが目的だ。
すべてはF-22が2045年さらにその後も優勢でいられるようにするためだ。
さらにF-22と他機種との相互運用性を引き上げる重要な役割がアジャイルソフトウェア改修に期待される。LINK16データリンクでF-22から標的情報を無線を使わずに他機種に送ることが中心だとマーチャント、ブラボウスキ両名が語る。
「こちらの暗号が破られれば交信内容が傍受されます。LINK 16送信なら音声を使わずに情報共有ができます」(マーチャント)F-22に TACLink 16が搭載されればF-22からF-35、 F-16、 F-15等への送受信が可能となるとグラボウスキは説明。
F-22は2005年に作戦投入可能となり、多用途戦闘機としてステルス性能を生かしてレーダー探知を逃れマッハ2飛行を「スーパークルーズ」で実現する。スーパークルーズはアフターバーナーなしで実現する超音速飛行で、F-22のエンジン推力と機体空力特性あっての性能だ。

F-22はプラット&ホイットニーF119-PW-100ターボファンエンジン双発でアフターバーナーも備える。全翼幅44フィートで最大離陸重量は83千ポンド超。■

2016年8月2日火曜日

★F-35AのIOC迫る 

IOC Tomorrow? F-35A Kills First Drone: ‘Boola Boola’

By COLIN CLARKon August 01, 2016 at 5:18 PM

F-35 Fires AIM-9X
WASHINGTON:. F-35が真価を発揮し移動目標の捕捉、照準、撃破に7月28日成功した。
「目標を撃墜するまで真の戦闘機ではないといわれるが、今回AIM-9Xを発射してこの関門を通過しました。撃墜に成功して米軍、同盟諸国が導入するF-35の戦闘能力が実証されました」と米空軍テストパイロット、レイヴン・ルクレア少佐の発言が本日午後発出の声明文に出ている。
同声明文では「テストデータおよび観測によりF-35が標的の無人機を搭載センサーで捕捉し、標的の航路情報をミサイルへ送り、パイロットが標的情報をヘルメット搭載ディスプレイ(HMD)で照準外の敵を撃破する能力を実証する形でAIM-9Xを発射し標的無人機を攻撃した」としている。
声明文を発出したJSF推進室は米空軍によるF-35Aの初期作戦能力獲得宣言が早ければ8月2日にも出ると見ている。ただし公式予告は出ていない。■