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2019年2月5日火曜日

ドイツ次期戦闘機選定でF-35が落選、ロッキードにはショックか

Germany drops F-35 from fighter tender; Boeing F/A-18 and Eurofighter to battle on ドイツが戦闘機選定でF-35を外し、ボーイングF/A-18とユーロファイターの一騎打ちに


イツはトーネード後継機にユーロファイターあるいはF/A-18のいずれかを候補とし、ロッキード・マーティンF-35ステルス戦闘機は選択肢に入れないことにすると国防省筋が1月31日明らかにした。
同省はボーイングエアバス双方から詳細情報を入手後に機種選定するが、条件は米国の核兵器を運用能力があることで、ドイツのNATOにおける責務を果たすことだ。
決定の工程表は不明だが米政府による核兵器運搬能力を両機種で認証する時間が必要となる。ドイツはトーネードを85機運用中だが核兵器運用機は一部だ。
ドイツ空軍では最も初期に導入したユーロファイター33機の老朽化でも対応を迫られており、性能向上型の新型ユーロファイターに置き換える。エアバスには30億ユーロ(34億ドル)相当の商機となる。
ボーイングはF/A-18の売り込みに際して同機の稼働率の高さ、比較的低コストな運用、強力な電子戦能力を強調している。
今回のドイツ決定はロッキードには手痛い結果となり、F-35ではベルギーと並び新規販売を皮算用していた。
.昨年ドイツ空軍参謀総長はF-35を強く推して更迭されている。
エアバスはユーロファイター機材更新案を歓迎しており、トーネード後継機でも同社製品の選定でリスクが最小限になると述べている。
ロッキードからはまだドイツ政府の決定は正式に伝えられていないとし、F-35が性能面で最高かつライフサイクルコストが最小になるとし、長期的に見た産業経済面の効果も強調する。
ボーイングおよび在ドイツ米大使館は論評を避けている。
.国防相ウルスラ・フォン・デアライエンは当初2018年末の選定としていたが、国防省で外部コンサルタントの登用他でスキャンダルが発生し混迷している。
軍事筋ではトーネードの就役開始が1983年で整備費用が高騰しており後継機種が早急に必要との意見が共通している。詳しい筋によれば同機を2030年まで運用すれば80億ユーロが必要という。
機種選定に近い筋からは国防省は米国製機材のいずれかとユーロファイターの同時採用を模索中との指摘が昨年出ていた。ユーロファイターはエアバス以外に英BAEシステムズ、伊レオナルド SpAも生産に加わる。だがドイツは一機種に絞るようだ。

ドイツに一番近いフランスはF-35を採用すれば2040年を目標に仏独共同開発をめざす新型戦闘機開発構想が実現しにくくなると警告していた。■

2018年3月1日木曜日

米海軍F/A-18スーパーホーネット新規生産を発注へ

F/A-18も供用期間延長で2040年代まで活躍しそうです。飛行時間を食いつぶす原因に空中給油任務があるのでMQ-25新型無人給油機の投入が早く望まれますね。これもボーイングには追い風のニュースですね。


The Navy Will Be Getting 14 More F/A-18 Super Hornets (That Will Fly through 2040)米海軍がF/A-18スーパーホーネット新規製造分14機を調達し、2040年までの供用を狙う





February 26, 2018


海軍予算で待望されていたF/A-18スーパーホーネットの新造14機分として10憶ドル超が計上された。F-18部隊は新型装備も搭載しF-35Cとともに2040年代まで供用される。
世界各地で多用され投入頻度が高くなっているF/A-18E/Fは平均して耐用期間6千飛行時間の半分を消費している。そのため海軍は長期的視点に立ち新造F/A-18多数の調達をめざし、各地の戦闘での需要にこたえようとしている。
F/A-18A、F/A-18Cが8千飛行時間に達すると、補給処に送り返され改修を施し1万時間までの飛行を可能にする。ただし旧型機の多くは相当の改修が必要となるため海軍所属の旧型ホーネットの多くが飛行できないままになっている。
「レガシーのホーネットの耐用年数延長には点検追加で重整備も必要となるが、当初の想定外だ。平均補修時間は大きく伸びる傾向にあり、予定外の修理、資材調達のリードタイム以外に機体の腐食箇所が増えている」と海軍予算書は説明している。
このため海軍の新予算では民間整備要員の雇い入れ増加分の予算増を求めている。その目標は「補給処で長時間稼働した機体による整備時間長時間化の解消」だという。
海軍関係者がWarrior Maven にかたったところでは中央バレル部の交換、機体構造が設計耐用稼働100%を実現させることが改修に含まれるという。追加改修でカタパルト着艦回数が増え運用に影響が生まれるという。
一個空母航空戦力には攻撃用機材44機(10機飛行隊x2、12機飛行隊x2)に若干の電子ジャミング機材を含む。
現在の空母航空戦力はスーパーホーネット24機、ホーネット20機が主流だが、海軍はホーネット一部をF-35Cに取り換えたい考えだ。予算ではF-35C調達も増やすが、空母飛行隊にステルス機が追加されてもF-18のニーズが減るわけではない。
海軍はスーパーホーネットの供用期間を2030年代までと想定していたが、現在は2040年代まで延長されそうだ。
今後5年でF-35Cは60機を調達する予定が海軍の予算要求書でわかる。■
This article originally appeared on Warrior Maven.

Image: PX Here

2018年1月7日日曜日

★ボーイングが戦闘機事業から手を引く日が来る

戦闘機事業からボーイングが撤退すればF-XやF/A-XX開発はどうなるのでしょう。日本がEA-18Gを少数機導入しても大勢を覆すことはなさそうです。長距離攻撃とセンサー性能で航空優勢を確保するのであれば小型戦闘機である必要はなくなるというシンクタンク指摘もありましたが、戦闘機そのものがこれから姿を変えていくのでしょうか。

Why Boeing may stop building fighter planes

ボーイングが戦闘機生産を終了する可能性
 By Harold HutchisonJan. 02, 01:01 PM

ボーイングが戦闘機ビジネスから近い将来に撤退する可能性はあるのか。ここ数年この疑問が生まれているのは各国の空軍が高性能機の代表ロッキードF-35または安価なSaabグリペンのような選択に向かっているためだ。
まずボーイングは共用打撃戦闘機競合にX-32で挑み採用されなかった。2014年のDefenseAviation.comの記事ではボーイングは戦闘機を平均月産4機で生産していた。
リトルロックAFBを離陸するX-32。2001年。X-32は共用打撃戦闘機選定に向けた候補機のひとつだった。 (DOD photo)


同社はF-15Eストライクイーグル派生型の販売を進めているが、F/A-18E/FスーパーホーネットとEA-18Gグラウラーではオーストラリア除くと成立した商談はない。スーパーホーネットはインド向け営業を展開中でF-15C高性能版の売り込みを図る。
ボーイングは軽量戦闘機から完全に手を引いている。Saabと手を組みT-X採用を狙うが、ロッキードT-50、レオナルドレイセオンF-100と競合中だ。最近になりカタールからF-15QAの36機受注に成功したとFlightGlobal.comが伝えている。カタールはユーロファイター・タイフーン、ダッソー・ラファールも各36機導入している。
An F-15E Strike Eagle fire flares over Iraq during a mission in support of Operation Inherent Resolve, on Sept. 6, 2017. (U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Trevor T. McBride)
F-15Eストライクイーグルがイラク上空でフレアを放出中。不朽の決意作戦の一環、2017年9月6日。 (U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Trevor T. McBride)
ボーイングはF/A-18E/Fスーパーホーネット改修型を準備中だ。ブロックIIIスーパーホーネットは一体型燃料タンクで航続距離を伸ばし、エイビオニクス改良で新型レーダーや電子対抗措置も一新する。トランプ大統領の国防予算要求にスーパーホーネット80機調達が入っている。
これだけの販売が成立しても同社の撤退は避けられないのか。海軍と空軍は第六世代戦闘機の開発を進めているとの報道がある。だが実現までまだ数年かかる。以下のビデオでこの件について詳しく伝えているので見てもらいたい。



ビデオ報道の要約:戦闘機ビジネスに将来がないと判断し、ボーイングが戦闘機事業を縮小する方向にあるのは間違いない。ボーイングには衛星、安全保障など戦闘機以外にもビジネス分野があり、民生機の軍用転用にも期待する。

2017年5月2日火曜日

★★AV-8B供用期間延長を決めた米海兵隊の苦しい事情



F-35開発の遅れ→既存機の稼働数不足→用途廃止済み機材の回収・既存機種のSLEPという構図でハリアーはさらに老骨に鞭をうつことになります。米国製の機体なのでオリジナルより頑丈なのでしょうが、相当のしわ寄せが第一線部隊に来るでしょうね。F-35問題はいろいろな影響を及ぼしています。


The Harrier will live longer as the Hornet falls apart

ホーネット機材不足でハリアーの供用期間延長へ

By Harold C. Hutchison Apr. 28, 4:01 PM

  1. 米海兵隊のF/A-18ホーネットでの悩みが本来なら退役するはずの機体に朗報になっている。
  2. Foxtrot AlphaによればAV-8Bハリアーが改修を受け供用期間を延長する。ここにきてハリアーの信頼性は上昇しているが機体の老朽化も目立つ。
  3. この背景に海兵隊ホーネットの稼働可能機体が減っていることがある。海兵隊は昨年にデイヴィス-モンタンの機材置き場からホーネット23機を再復帰させこの問題の解決策にしたが、それだけで足らず海軍から機材譲渡をうけた。
  4. 海兵隊はF/A-18C/DホーネットとAV-8BハリアーをF-35BライトニングIIで交代する予定で、F-35Bは日本に配備されている。
  5. 当初ハリアーをまず用途廃止させる予定だったが、F-35配備の遅れと見直しでハリアー運用が変更となり、ハリアーの機体が意外にまだ飛行時間が残っていると判明したため供用期間を伸ばすこととなった。
  6. その結果、海兵隊はハリアー改修を進め、AMRAAMミサイル新型の運用やGBU-54レーザー共用直接攻撃弾も搭載できるようになった。その他改修でハリアー各機は2020年代まで供用を続ける。
av-8b harriers flying over desert空中給油を受けてアフガニスタンのヘルマンド地方上空を飛行する海兵隊231攻撃飛行隊のAV-8Bハリアー Dec. 6, 2012. (U.S. Marine Corps photo by Cpl. Gregory Moore)
  1. ハリアーは1971年から海兵隊航空戦力の柱で、砂漠の嵐作戦、テロ対策で近接航空支援をしてきた。ハリアーとシーハリアーが実戦に投入されたのはフォークランド戦争が初で英軍はハリアーでフォークランド島をアルゼンチン軍から奪還している。■

2016年12月31日土曜日

★F-35に代わる選択肢は可能なのか トランプ発言を考察する



トランプ次期大統領の発言が色々波紋を呼んでいます。それは既成事実そのものが崩れる効果を産みかねないため既得権を手にしている勢力にとっては大変な事態ですが、それだけ今まで本質を議論していなかったことになるのでしょう。何が何でも新型機が必要としてこれまで時間を空費してきましたが、2017年はJSF構想そのものが大きな曲がり角に来そうな予感が出てきました。これを不愉快と捉えるのではなく、必要な性能と価格の関係を見直す機会にしたいものです。やはりトップが変われば大きな変化が生まれそうですね。「軍事情報センター」は本稿を勝手にコピーするのであれば出展を明確にしてくださいね。

The National Interest

The 'Super' Plane That Could Replace the F-35 Stealth Fighter

December 28, 2016


ドナルド・トランプ次期大統領は自身ののツィート(12月22日)で「F-18スーパーホーネットの価格検討」をボーイングに頼んだとし、ロッキード・マーティンF-35共用打撃戦闘機の価格があまりにも高すぎるのを理由に上げていた。ワシントンの政治エリート層とジャーナリストから冷笑を呼んでいる。
確かにF/A-18E/F現行型ではF-35の性能に劣るが、業界筋の反応は例によって先入観にとらわれている。トランプ発言を文字通り解釈してはいけない。トランプの真意はスーパーホーネット発達型ならF-35の売りである性能の多くをもっと合理的な価格で実現できるはずと言っているのだ。
米海軍にとっては高性能版スーパーホーネットはF-35Cより安価ながら8割方満足できる選択肢となる。米空軍にとっては要求内容とは程遠く映るが、陸上運用の攻撃戦闘機としてスーパーホーネットがオーストラリア空軍が実証済みだ。残る海兵隊は短距離離陸推力着陸にこだわるあまり、トランプがJSFをキャンセルすれば大変なことになる。三軍は敵地侵攻能力を断念してスタンドオフ攻撃に特化するだろう。F/A-18E/Fは今後もステルス機になる見込みはないからだ。

ステルス性
スーパーホーネットがF-35にどうしても勝てないのはステルスだ。ステルスの実現には設計そのものを最初から変える必要があるからだ。だがボーイングはレーダー断面積を特に前面で減らしたスーパーホーネットをテストしている。またコンフォーマルタンクで3,500ポンドの燃料を追加搭載し、低視認性(LO)の兵装ポッドで2,500ポンドの搭載も構想している。これでF/A-18E/Fのレーダー探知可能性は減りながら、性能は向上するが、スーパーホーネットはF-35並のステルス性能は発揮できない。とはいえ物理的に可能な選択肢ではある。

電子戦能力はどうか
だがロッキード・マーティンや米空軍が公言するようにステルスがすべてなのだろうか。ロシア、中国は低周波レーダーでステルス戦闘機追尾の能力を整備中だ。そうなるとステルス機を支援する電子戦能力の拡充が一層重要になる。「ステルスは少なくともここ十数年は必要だが永遠に続くマジックではない」と海軍作戦部長(当時)のジョナサン・グリナート大将は2014年に米海軍協会年次総会で述べている。「その先が重要だ。そこでステルス性能もそこそこにもちながら敵の無線電磁送信を無効にする機材も必要になる」
米空軍も電子戦の重要性を認識している。ステルス機パイロットの中には高度の防空体制ではステルス機といえども単独侵入は容易ではないと認めるものもある。低周波レーダーの普及でこの傾向は一層強まるだろう。「ステルスとEA(電子攻撃)はシナジー関係にあり、敵の信号探知が重要だ。LOで信号探知を減らし、EAでノイズを上げる」と空軍関係者が語る。「A2/ADの脅威環境では両者を重要視していく」
ノースロップ・グラマンAN/APG-81アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーでF-35には相当の電子戦能力が搭載されている。だがAPG-81はあくまでも高感度電子支援手段のアンテナであり、ジャマーとしても機能するが、Xバンド内の自機が使う周波数の範囲内に限られる。一方でスーパーホーネットおよびEA-18G電子戦機材にもAESAレーダーは搭載されており、レイセオンAN/APG-79もAPG-81と同様の性能がある。海軍はまだAPG-79の電子戦能力を拡充していくだろう。
F-35がスーパーホーネットに対して優位なのはBAEシステムズのAN/ASQ-239の効果もある。多数のアンテナを機体表面に埋め込み、周囲の状況をパイロットに伝えてくれる。ただしF-35の開発が長引く中でこの技術は進展を示している。海軍は統合防御電子対抗装置(IDECM)のブロックIVをF/A-18に追加搭載している。ボーイングはBAEのALQ-239や今後登場するイーグル・パッシブアクティブ警報残存装備を搭載して、レーダー警報、地理情報、状況認知、機体防御の各能力が付与できるとする。こういう新型装備でF-35のAN/ASQ-239に匹敵する性能が実現する。
別の選択肢としてEA-18Gが搭載するノースロップ・グラマンALQ-218レーダー警報受信機兼電子支援・電子情報収集(RWR/ESM/ELINT) センサーの流用がある。ALQ-218は電子情報収集ツールとして特化した装備で、ASQ-239より高性能だ。EA-18Gは未知の信号でもジャミングが可能だ。だがALQ-218は戦闘機には過剰かもしれない。

センサー・センサー融合機能
スーパーホーネットには統合電子光学目標捕捉システム(EOTS)は搭載されていないのがF-35との違いだが、ポッド式高性能センサーは搭載できる。目標捕捉ポッドのほうが有利になる場合がある。F-35のEOTSは時代遅れの技術になりつつある。F-35開発室はこの問題を認識しており、ブロックIVで解決する意向だが実現は2020年代前半までになる。F-35の個別システムのアップグレードは相当複雑であるのに対し、ポッドを交換すれば常時最新のソフトウェアが利用できる第四世代機の方が有利だ。
またステルス性能を損なうため機体外形を分解できないF-35と違い、スーパーホーネットの性能更新はずっと容易で、新型センサーも搭載できる。その例に海軍のAN/ASG-34長波赤外線探査追尾センサーポッドがあり、今年始めに低率初期生産が始まっている。AN/ASG-34投入で海軍は敵ステルス機やミサイルの探知、捕捉が厳しい電子戦環境でも可能となる。同様に長波赤外線センサーを中波EOTSに追加搭載するのはF-35のステルス特性を損なうことになり選択肢として考えにくい。
ただしF-35には切り札がある。開発が完了すればF-35は各種センサーやデータネットワークで収集した各種データをすべて集め、統合して表示できるようになる。この機能があるのはロッキード・マーティンF-22とF-35だけだが海軍は同様の「センサー融合」装備をスーパーホーネットに搭載しようとしている。海軍の複合センサー統合(MSI)は三段階で開発途上にあり、一部が実戦投入されている。目標はF-22やF-35並のセンサー融合能力を実現することだ。
海軍関係者によればスーパーホーネットのMSIはF-22・F-35の先行事例を参考にしているというが、違うのはF/A-18E/Fの現行ディスプレイでは限界があることだ。これに対してボーイングは新型大型高精細カラーディスプレイの搭載で問題解決可能としている。

ネットワーク機能
第四世代機の利点の一つに機体を探知させる無意味な送信を心配する必要がないことがある。F-35は通常は全方位有効なLink-16データリンクを使用し、多機能高性能データリンクを高度脅威環境で使う。問題は両者ともF-35の各種センサーからの大量情報を送信するスループットが不足していることだ。これに海軍が気づいて対策を考えている。他方で海軍は戦術目標情報ネットワーク技術(TTNT)のデータリンクを超高速データ・レートでEA-18Gグラウラーで実現し、海軍統合火器管制防空NIFCCAの一部とする構想を進めている。

結論は
F/A-18E/Fはステルス機になれないが、低費用で米海軍は必要な能力の8割を実現できる。発達型スーパーホーネットなら敵地侵攻攻撃除きF-35Cの性能はすべて実現する。この攻撃はスタンドオフ兵器で実現できる。米空軍へは朗報とはいえないが、発達型スーパーホネット導入を迫られれば渋々受け入れざるをえないだろう。海兵隊にはまったくいい話ではなく、短距離陸垂直着陸型のスーパーホーネットは物理的に不可能だ。いずれにせよトランプ提言でボーイングとロッキード・マーティン間でコスト競争が生まれれば納税者には悪い話ではない。提言そのもののよりも生まれる効果に期待できるのではないか。

Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.


2016年12月24日土曜日

F-35問題でF/A-18検討を求めるトランプの真意はどこにあるのか


ボーイングに参考価格を算定させてロッキードに値下げを迫るというビジネス上の戦術だと思いますが、ボーイングも当て馬にさせられるだけではたまりません。トランプとは大統領専用機問題もあり、トップ同士で何らかの取引が生まれつつあるのでしょう。ロッキードには心外な事態展開となりショックも大きいのでしょう。当たり前と思っていたことが当たり前に進まなくなるのですから当然ですが。費用を下げれば必ずしわ寄せが何処かに発生し、もともとF-35共同開発国のステータスが無い日本には一番大きな影響が生まれそうです。


Trump Tells Twitter He Wants A Super Hornet With F-35 Capabilities


WASHINGTON —ドナルド・トランプ次期大統領がツィッター上でF-35の価格問題を再び取り上げ、ボーイング第四世代戦闘機を代替対象として検討するよう主張したが、専門家筋は可能性はないと見ている。
  1. 「とてつもない費用規模と予算超過がをロッキード・マーティンF-35で発生していることからボーイングに対し比較検証のためF-18スーパーホーネットの価格検討を依頼したぞ」(12月22日東部標準時5:26 p.m.)
  2. ロッキード・マーティン株価は終値$252.80だったが東部標準時午後7時に$247.75へ2パーセント下落。ボーイング株は1.49パーセント上昇し $158.95につけた。
  3. 今回のトランプ発言でロッキード・マーティン、ボーイング両社にどんな長期的影響が出るか不明だ。F-35が費用超過や技術問題に悩まされているのは周知の事実だが、F/A-18E/Fスーパーホーネットは第四世代機で第五世代機の性能の多くは搭載されていない。例えばステルスであり、データ融合機能だ。スーパーホーネットを再設計してF-35同様の要求性能を実現しようとすれば開発期間は数年におよび、技術開発で数十億ドルの予算が必要となる。
  4. 「次期大統領及び政権とともに最良の性能を確実に納入しながら妥当な価格を当社製実績を元に実現し、安全保障ニーズに答えたい」とボーイング広報は伝えてきた。
  5. これに先立ちボーイング・ディフェンスのトップ、リアン・キャレットはF/A-18は「2020年代中頃を過ぎても十分その先まで供用可能で...現状からさらに進むことは確実」とDefense Newsに述べていた。これに対しロッキード・マーティン広報はトランプのツィッターへの論評を避けた。エンジンメーカーのプラット&ホイットニーも同様。
  6. Teal Groupの航空宇宙アナリスト、リチャード・アブラフィアはトランプのツィッターは「興味を引く議論」であるものの今初めてではないと指摘。「米海軍に取っては悪い提案にはならないでしょう」とし、海軍がF-35C導入をしつつスーパーホーネット追加調達を継続していること、同機の電子戦版E/A-18Gグラウラーも調達していることに言及していた。
  7. だが「現政権の任期終了間際で海軍はC型へ軸足を移さざるを得なくなる」とも指摘。アブラフィアはF/A-18を第五世代戦闘機に回収することの難しさを認めた。「スーパーホーネットは艦載攻撃機であり空母運用で威力を発揮するが、ステルス機になるわけではない」
  8. 今週はじめにクリストファー・ボグデン中将(F-35開発室長)から2011年に事業がナン=マカーディ法に違反し再構築を迫られて移行は順調だとの見解が示されている。中将によれいばF-35の予算執行はほぼ予定通りの日程で予算内におさまっているものの開発段階の飛行テスト日程が7ヶ月程度遅れる見通しと発表。また開発段階の完了には532百万ドルの追加支出が必要だ。
  9. 「2011年時点で130億ドル規模の事業再整備があと数億ドル数ヶ月で完了すると言われれば、『乗った』と明言していたでしょう」「事業は『制御不能』ではありません」とトランプが先にツイッターで示した発言に反論している。
  10. ボグデン中将は21日水曜日にトランプと会い、F-35事業を説明している。ボーイング、ロッキードのトップ、デニス・ミュレンバーグとマリリン・ヒューソンもそれぞれトランプと会見した。
  11. ミュレンバーグからは会見は好意的かつ「非常に前向き」で「肯定的で率直な話し合い」に「力づけられ」たとのコメントが共同取材上で出ている。ヒューソンは会見後コメントを発表していないが、トランプ側は「今回は手始めにすぎない。これはダンスと同じ。だが費用は削減していく。しかも優雅な形で実現していく」と述べている。■ Aaron Mehta contributed to this report.

2016年4月22日金曜日

★米海軍が目指す次期主力機材は「ファミリー構成」複数機種になる F/A-XX名称取り下げ



海軍が攻撃能力を重視し、かつ空母運用を前提で、要求性能を追求すれば空軍の戦闘機とは違う機体になるのは当然かもしれません。またファミリー構成となれば、単一機種で空母航空戦力を構成してきたこれまでの方法論を変更することになりますね。ここでいうNGAD機が攻撃部隊の主力、F-35Cがセンサー機、E-2DがAWACS兼NIFCAの中継機、RQ-XXスティングレーが給油機となっていくのでしょうか。2030年代の空母機材は賑やかになりそうです。
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Navy Seeking ‘Family of Systems’ to Replace Super Hornets, Growlers; Sheds F/A-XX Title

April 21, 2016 12:46 PM • Updated: April 21, 2016 3:44 PM

Two U.S. Navy F/A-18 Super Hornets from Strike Fighter Squadron 31 fly a combat patrol over Afghanistan on Dec. 15, 2008. US Air Force Photo
Two U.S. Navy F/A-18 Super Hornets from Strike Fighter Squadron 31 fly a combat patrol over Afghanistan on Dec. 15, 2008. US Air Force Photo


米海軍が目指すボーイングF/A-18E/Fスーパーホーネットの後継機は単一機種ではなく、各種任務をこなす空母運用機は複数機種になる可能性が出てきた。
  1. 今年一月に海軍はこれまではF/A-XXの名称だった次世代航空優勢事業NGADの要求性能検討を開始、スーパーホーネットとEA-18Gグラウラーの両機種の後継機として2030年代に各種システム投入を期待していると海軍関係者がUSNI Newsに語った。
  2. また海軍はスーパーホーネット後継機は空軍のF-Xとは別の機材として構想する。
  3. 海軍航空戦部長マイク・マナジール少将は空軍との共同でF-XおよびF/A-XXの代替策検討をすると昨年 USNI Newsに述べていた。
  4. これに対して4月21日、海軍は空軍と情報共有するものの、F-XとNGADの共同研究は行わないと述べている。
  5. その前日には海軍は上院軍事委員会宛に海軍省航空部門トップから書面で1月に開始したNGADでは有人機と合わせ無人機さらに任意で有人操縦可能な機体も検討すると述べている。
  6. 既存機種を「段階的に進化する」改良に加え全く新型の機体複数をスーパーホーネットおよびグラウラーの後継機とすることも考えているという。
  7. NGADのシステム開発で空軍と袂を断つのは両軍間で戦術航空作戦の考え方に差があるためだ。
  8. 空軍が目指すのは高速ステルス有人機でF-22がその例。一方、海軍はペイロードを敵地に投下し実戦に投入可能な戦術機を目指す。
  9. 2015年に当時の海軍作戦部長ジョナサン・グリナート大将はスーパーホーネット後継機はステルスやスピードは重視せず、兵装装備の発展に対応できる拡張性が望ましいと発言していた。「ステルスが不要というわけではないが、高速飛行すれば空中の分子構造に変化が生じ、熱も発生する。エンジン冷却効果があっても探知を逃れることはできないだろう」
  10. そこでスーパーホーネット後継機では「各種ペイロード搭載能力が第一だ。敵防空網を突破する能力も必要。今はレーダーだが将来は別の手段が登場するかもしれない」と述べていた
  11. また海軍は空軍より無人機システムの推進で積極的だ。
  12. 昨年開催された海軍連盟主催シンポジウムで海軍長官レイ・メイバスはロッキード・マーティンF-35CライトニングII共用打撃戦闘機が純粋な有人攻撃戦闘機として最後の機体になる可能性に触れた。「無人機特に自律運航型が今後の標準になるはずだ」
  13. 「F-35が最後の有人攻撃戦闘機として海軍省が導入運航する機種になるのはほぼ確実だし、そうあるべきだと思う」■


2011年7月16日土曜日

磨きがかかるF/A-18ホーネット


Hornet Buffs Up

aviatonweek.com Jul 13, 2011


ボー イングF/A-18E/Fが当初これほど長寿の機体になるとは予想されていなかった。だが、ロッキード・マーティンの統合打撃戦闘機JSF開発が遅延して いることから、また世界規模で戦闘機部隊の経年化が進む中で、ボーイングは同機の生産規模を1,000機まで拡大し、生産ラインを2010年代一杯稼働さ せる検討をしている。現在までの累積生産機数は700機近くになっており、最近ではJSFの遅れの影響を緩和すべく米海軍が追加41機の発注をしている。
  1. 進 行中の商談にはブラジル、デンマークがあり、名前を伏せている中東国、おそらくクウェートも関心を表明している。スーパーホーネットは日本の次期戦闘機候 補でもある。その他オーストラリアもJSF遅延で第一線戦闘機の不足が生じるためスーパーホーネットを検討しており、ボーイングによるとJSF共同開発国 複数からも同機の情報開示請求があったという。
  2. ボー イングの戦略はJSFとの比較を避けることだが、一方同社は「納期と明確な価格」をまず指摘してからスーパーホーネットとグラウラー両機種が予定価格内か つ納期前倒しで納入されている実績をあげる。さらに同社はJSFはその高価格ゆえに国際市場では「すき間需要の戦闘機になるかも」とまで発言している。
  3. 同 機の「国際市場ロードマップ」の詳細が明らかになりつつある。そのなかで目を引くのが一体型燃料タンク(CFT)を機体上部に搭載することとレーダー断面 積(RCS)の縮小をめざす兵装ポッドで、今年中に風洞実験を行い、その結果で飛行実証を実施する。CFTは3,200ポンドの燃料を格納する。ボーイン グによると巡航速度では抗力は発生しないという。その理由としてトリム抗力が減り、機体前面面積の増加を打ち消すためだ。その結果、CFT搭載し、中央線 にもタンクを付けると現在の増槽三基搭載と同じ飛行距離を実現できるという。兵装ポッドにはAIM-120ミサイル4発、2,000ポンド爆弾一基、ある いは500ポンド級兵装なら二発を搭載できる。
  4. スー パーホーネットは就役当初から亜音速加速性能、出力余裕が難点と批判されてきた。そこでロードマップでは性能向上型エンジン(EPE)としてジェネラルエ レクトリックF414の派生型をオプション設定し、20%までの推力アップができるとしている。EPEでは26,500ポンドとなり、推力重量比では他に 追随のない11:1を実現する。ただし、インドはこの内容で採択しなかった。
  5. ロー ドマップではミサイル接近警告システム、赤外線探索追跡(IRST)システムを機首ポッドに搭載することも入っている。ボーイングとロッキード・マーティ ンは1980年代にグラマンF-14D用に開発されたAAS-42IRSTの性能向上改修を開発中で、海軍のホーネット各機への搭載をめざしている。ボー イングは海外向けに同システムの改修のオプションもありとしている。例えば日本には独自開発のIRST技術があり、F-15改で使われている。
  6. 操縦席周りでは新しいオプションは11インチx19インチの大画面ディスプレイで来年実戦検証される。デジタルLCD投影を利用したヘッドアップディスプレイによりこれまでの制約がなくなる視野を実現する。
  7. ボー イングからは以前の展示会でも大画面付きの操縦席モデルを公開しており、パイロットからの反応を見る一方、ディスプレイ内容のコンセプトを宣伝している。 これはブロック2機体にも後付け装備が可能で、この全機が米海軍所属だ。改修型ホーネットはF-35Cの水準には至らないが、RCSと航続距離でギャップ を埋めて、一方軽量化がすすみ、より協力な動力性能かつ現時点の見積では購入・運用ともに費用を節約できるとしている。