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2025年10月17日金曜日

ボーイングが空中給油能力を備えたMQ-28ゴーストバットを提案(TWZ)―UASにも空中給油能力がつく予感がします。タンカーも無人であれば完璧なのですが

 

ボーイングが空中給油能力を備えたMQ-28ゴーストバットを提案(TWZ)

空中給油能力の付与は、MQ-28の航続距離や持続時間だけでなく、任務の柔軟性でも非常に魅力的な向上をもたらすだろう

ボーイング提供

ーイングが公開した最新のコンピューター生成映像には、MQ-28ゴーストバット無人機が機体上部に給油受入口を装備し、給油機から空中給油を受ける様子を描いている。空中給油能力はMQ-28の到達範囲と滞空時間を延長する一方で、設計の複雑さとコスト増をもたらす。

ボーイングは先週、下記動画を公開した。主に新型F-15EXイーグルII戦闘機の空中ドローン管制能力をアピールする目的で、この複座ジェット機が適任である点は本誌が長年指摘してきた通りだ。現在ボーイングはポーランドに対し、F-15EX購入の可能性と併せてMQ-28を積極的に提案中とされる。

ゴーストバットは当初、ボーイングのオーストラリア子会社がオーストラリア空軍(RAAF)向けに開発したが、米海軍を含む他の顧客も視野に入れている可能性がある。米空軍も過去には少なくとも1機のMQ-28を活用し、先進的な無人航空機および自律性開発の取り組みを支援してきた。

本記事の冒頭および下部のボーイング社動画のスクリーンショットが示す通り、MQ-28の機体上部にはパネルラインとマーキングが施されており、これは空中給油用ブーム方式による燃料受給口と一致する。特にマーキングはF-22ラプターやF-35A統合打撃戦闘機に見られるものとほぼ同一である。


ボーイング社提供F-35の燃料ドア周辺に施された空中給油支援マーキングは、ボーイング社動画に示されたものとほぼ同一である。(米空軍写真:マスター・サージェント ジョン・R・ニモ・シニア/公開) 

デジタル マスター・サージェント ジョン・R・ニモ F-22も同様のマーキングを採用している。従来型航空機ではハッシュマーク状の記号が用いられることが多い。(国防総省画像)

動画で示された完全なシナリオでは、F-15EXの乗員がゴーストバットを追加センサーノードとして使用し、敵対的な防空システムを発見・標的化する。その後、イーグルIIの1機が別のボーイング製品であるAGM-84H/Kスタンドオフ陸上攻撃ミサイル拡張応答型(SLAM-ER)巡航ミサイルを発射し、標的を破壊する。

さらに動画では、MQ-28が内部にAIM-120先進中距離空対空ミサイル(AMRAAM)を2発搭載し、赤外線探索追跡システム(IRST)を含む各種センサーを装備している様子が示されている。オーストラリア空軍(RAAF)の初期導入分MQ-28のうち少なくとも2機は、機首部にIRSTセンサーを装備しているのが確認されている。IRSTセンサーは、特にステルス機やミサイルの探知・追跡において、貴重なレーダーの代替手段または補完手段となる。IRSTは電子戦攻撃の影響を受けず、受動的に動作するため、探知・追跡されている事実を相手に知らせない。IRST搭載ドローンは、脅威を捜索し他のプラットフォームにデータを伝達できる貴重な追加の前方受動センサーノードを提供する。MQ-28(および他のCCA型ドローン)の場合、これは主に後方から運用される制御プラットフォームを指す。

実機のMQ-28も機体上部に類似(同一ではないにせよ)のパネルを有するが、空中給油能力を示すマーキングが確認された例はこれまでない。

実機MQ-28の真上からの外観。機体上部に同様の位置にパネルが確認できる。機体上部のパネルラインが若干異なる。ボーイング

最近の動画に映る内容に関する詳細情報を求めた本誌問い合わせに対し、ボーイング広報は「動画は概念的な性質のものだとお伝えできるのみです」と回答してきた。

空中給油能力はMQ-28の総航続距離を延長する。ボーイングは単一燃料タンクでの航続距離は少なくとも2,300マイル(3,700キロメートル)と発表していた。空中給油能力により、無人機は指定作戦区域到着後もより長時間の任務継続が可能となる。無人機は給油のため任務を一時中断した後、再び任務区域に戻ることも、戦域内の別の地点へ移動することも可能となる。いずれも一旦基地へ帰還する必要はない。

無人機には飲んだり、食べたり、眠ったり、排泄する必要のあるパイロットがいないため、空中給油能力により、割り当てられた任務に応じて、大幅な持続時間の延長が可能となる。ドローンの空中管制は、作戦区域に出入りする有人プラットフォーム間で引き継ぐことも可能だ。これら全てが新たな作戦の可能性を開くと同時に、空中給油能力を備えたMQ-28の潜在的な発進/回収地点の数を拡大する。

ボーイング

特にオーストラリアは、広大なインド太平洋地域に位置するため、有人・無人航空戦力の展開で課題を抱えている。太平洋における軍事作戦を議論では、「距離の横暴」よく耳にする言葉である。

少なくともオーストラリア空軍(RAAF)は、ブーム装備のエアバスA330多用途給油輸送機(MRTT)(現地ではKC-30Aの制式名称)を通じて、空中給油レセプタクルを備えた将来のMQ-28に給油する基本的な能力を有することになる。エアバスはまた、ブーム方式による無人機の安全な給油を可能にするため、MRTTのコア設計の改良に取り組んでいることも特筆すべきである。

RAAF KC-30A 給油機。RAAF

空中給油受油装置を備えたMQ-28は、ブーム式給油機を保有する他国の航空部隊にも関心事となり得る。米空軍当局者は過去に、連携戦闘機材(CCA)無人機プログラムの文脈で空中給油能力に言及している。空中給油は、航続距離と性能要件のバランスを取る手段の一つとして特に注目されている。

こうした状況は、CCA型設計にこの能力を追加する際に、どれほど複雑さとコストが増大するかという疑問を提起している。また、空中給油能力を備えたドローンの大規模な艦隊配備が、既に逼迫している給油機部隊にどのような影響を与えるかについての議論も促している。米空軍は別途、F-15のような戦術戦闘機が搭載可能な小型のブーム装備型バディ給油装置を含む、空中給油能力全体を強化する新たな選択肢を模索している。MQ-28は、中型・大型有人戦闘機に比べ比較的少量の燃料を消費する点も特徴だ。

ここで留意すべきは、脆弱化しつつも極めて重要な給油機やその他の支援航空機に対する有機的防衛の確保が、MQ-28に想定されてきた任務であり、様々な他の「忠実なウィングマン」型ドローンにも当てはまる点だ。空中給油可能な無人機は、この防衛網の持続性を高めるのに役立つ。つまり、給油機や監視機は自前の無人戦闘航空哨戒機を伴い、直接制御できるのだ。

ボーイングがMQ-28の設計を変更し、ブーム式給油に対応させることができれば、ゴーストバットもプローブ・アンド・ドローグ方式による空中給油を受給可能となる。これによりMQ-28に給油可能な母機の総数を増やせる。ボーイングは以前、米海軍向けに開発中のMQ-25スティングレイ給油ドローンの派生型で給油プローブを搭載したレンダリング画像を公開している。海軍はゴーストバット、あるいはその派生型に対し、将来の空母搭載運用を視野に「強い関心」を表明している。ボーイングは過去、少なくとも英国に対し空母対応仕様の設計案を提案した実績がある。

KC-46Aペガサス給油機からプローブ・アンド・ドローグ方式で燃料補給を受けるMQ-25設計のバリエーションのレンダリング。MQ-28 2機と編隊飛行する様子も描かれている。ボーイング

ここで留意すべきは、有人タンカー機によるドローンの空中給油に必要な技術開発が、非機密領域で既に広範に進められている点である。具体的にはブーム・アンド・レセプタクル方式プローブ・アンド・ドローグ方式を用いた実機試験を含む様々な実証実験が実施されている。プローブ・アンド・ドローグシステムを用いたドローン同士の給油、および有人機への給油は、ボーイング(MQ-25プログラムを通じて)や他企業によって既に実証済みである。過去には、米軍が少なくとも機密領域において限定的なレベルで空中給油を受給可能な無人機を実戦配備した可能性が指摘されたが、これは未確認だ。

ボーイングはMQ-28に大きく賭けており、オーストラリアでのドローン生産能力拡大に向けた大規模投資も実施している。オーストラリア空軍(RAAF)は既にブロック1プロトタイプ仕様のゴーストバット8機を受領済みで、ボーイングは運用能力確立への道筋と見なされる改良型ブロック2を少なくとも3機以上納入する契約を結んでいる。オーストラリア当局は、将来的にはさらなるMQ-28派生型の取得可能性について公に議論している

つい先週、ボーイングは6月末までに達成されたとするRAAFの試験における複数のマイルストーンを発表した。これには「自律行動と任務遂行」、「戦闘集団を形成する複数機同時運用」、「複数MQ-28機間でのデータ融合・共有および有人プラットフォームへのデータ伝送」が含まれる。6月には、ボーイングは既にE-7ウェッジテール空中早期警戒管制機に搭乗したRAAF要員がMQ-28に空中脅威への対処を指示する能力の実証に成功したことを公表していた。これもまた、大型支援機が独自の防御用ドローン哨戒機を帯同する道を開く一助となり得る。


RAAFのE-7ウェッジテールと2機のMQ-28が編隊飛行するイメージ図。ボーイング

ボーイングはこれまでに製造された MQ-28 は 150時間の試験を完了し、さらに 20,000 時間以上の仮想環境での設計試験も完了したと述べている。

「RAAF は、MQ-28 の航空戦闘チェーンにおける最初の 4 つのステップを実証する任務を設定しましたが、我々は予想よりも早くそれを達成しました」とボーイングの MQ-28グローバルプログラムディレクター、グレン・ファーガソンは本日、声明でこう述べている。「この作業を早期に完了したことで、今年後半または 2026 年初頭に予定されている空対空兵器の発射試験など、次の開発段階である『交戦および評価』の加速が可能になりました」。

オーストラリア空軍が MQ-28 をどのような構成で運用開始するかは、現時点では不明だ。オーストラリアの国家安全保障委員会は、年末までにゴーストバットの追加購入を進めるべきか決定を下す予定であると、viation Weekが伝えている。

全体として、空中給油可能なMQ-28構想は現時点ではまだ構想段階にあるものの、進化を続けるゴーストバットに魅力的な追加機能となる可能性は大いにある。■


MQ-28 Ghost Bat With Aerial Refueling Capability Hinted At By Boeing

The ability to refuel in mid-air would give the MQ-28 a very attractive boost in not just range and persistence, but mission flexibility.

Joseph Trevithick

Updated Sep 8, 2025 7:42 PM EDT

https://www.twz.com/air/mq-28-ghost-bats-with-aerial-refueling-capability-hinted-at-by-boeing

ジョセフ・トレヴィシック

副編集長

ジョセフは2017年初頭より『ザ・ウォー・ゾーン』チームの一員。それ以前は『ウォー・イズ・ボーリング』の副編集長を務め、『スモール・アームズ・レビュー』『スモール・アームズ・ディフェンス・ジャーナル』『ロイター』『ウィー・アー・ザ・マイティ』『タスク・アンド・パーパス』など他媒体にも寄稿している。


2025年7月18日金曜日

米空軍が対イラン戦でイスラエル戦闘機に空中給油した事実を否定(TWZ) — イスラエルはあらゆる手段を講じ長距離攻撃を敢行しましたが、作戦持続に不安があったようです。12日間戦争で終わったのはB-2による攻撃だったのですね

KC-707 refueling F15 Baz.

ジャック・ゲズ/AFP via Getty Images

老朽化したKC-707給油機数機しかないイスラエルは、別の戦術に頼ってイラン深部への継続的な進出を可能にしたようだ

スラエルがイランとの12日間戦争を終了し数週間が経過したが、イスラエル国防軍(IDF)がどのようにして成果を上げたのか、多くの疑問が残ったままだ。中でも最も注目される謎の一つは、イスラエル空軍(IAF)が長距離作戦を継続し、重大な効果を挙げた点だ。イスラエルとイランの国境は、最も近い地点でも600マイル離れている。

在庫にほぼ古びたKC-707給油機わずか7機しか保有しないIAFが、F-15、F-35、F-16をイスラエルからイランへ往復させ、ほぼ2週間かけて複数回任務を遂行できたことは、大きな謎だ。米軍はイスラエルが必要とする給油能力を提供できる独自の能力を持っているが、給油を提供した証拠や公式発表はない。それでも、米国が秘密裏にイスラエルに空中給油支援を提供したとの推測は残っている。国防総省は、紛争中にIAFに空中給油支援を提供した事実はないと明確に否定している。

米空軍(USAF)の報道官は、本誌の問い合わせに次のように回答した:「米空軍は、中央軍司令部の責任区域内で同盟国およびパートナーと共同訓練を実施しています。イスラエル空軍は、これらの演習や作戦に様々なレベルで参加していますが、米軍の空中給油機はイスラエル空軍との空中給油作戦を実施していません。」

F-15IがKC-707から給油を受ける。(IAF)

米空軍は2022年にイランの緊急事態を想定した米・イスラエル空軍共同演習において、IAFに対する空中給油支援を提供しなかったことも確認している。

直近の戦闘ではイスラエル戦闘機はイランの空域をさらに東へ進出し、より強力で深部浸透型、より多くの直接攻撃兵器をイランの目標に投入した。しかし、KC-707給油機が7機しかないため、イスラエルからテヘランへF-15、F-35、F-16を移動させることは、巨大な課題だった。

戦争の初期段階で、イスラエルがイラン・イラク国境付近の目標を攻撃し、遠方からイラン深部へ多くのスタンドオフ兵器を発射し、IAFが可能な限りの戦力を集結させたことが明らかになった。最初の戦闘機出撃は、衝突の初期段階での「衝撃」を最大限に活用し、イランの防空網と指揮統制システムを破壊する目的で最大化された。主要な長距離ミサイル施設や核関連施設への初期攻撃も、この最初の攻撃波の一部だった。IAFは、モサドがイラン国内から敵の防空網を破壊する「DEAD」作戦の支援を受け、その効果は絶大だった。それでも、可能な限り多くの戦闘機を参加させるため、あらゆる手段が講じられたはずだ。

戦闘機に可能な限りの外部燃料を搭載することが明らかに必要だった。IAFのF-15部隊とF-16Iは、コンフォーマル燃料タンクを装備し、ドロップタンクを搭載する。初期の高密度攻撃中、空になった外部タンクを投棄して航続距離を最大化することも計画の一部だったようだ。ドロップタンクは消耗品とはいえ、高価であり、敵の脅威や飛行中の緊急事態により性能回復が必要になる場合を除き保持されルノが通常だ。航続距離を最大化するためドロップタンクを投棄する戦術は確立されているものの、長期的に持続可能ではない。また、タンカー支援が容易に利用可能な場合や、多くの状況下でジェット機に最大量の外部燃料を搭載する必要はない。

IAFの戦術ジェットの航続距離から最大限の効率を引き出すため、慎重に計画された飛行プロファイルを採用したことも明らかだが、これには誤差や戦闘上の緊急事態への対応余地がほとんどない。さらに、イスラエルのF-35Iが航続距離を延長するための調整が施されたことも判明している。詳細については不明ですが、ソフトウェアの調整から内部または外部燃料タンクの追加まで、複数措置の組み合わせである可能性がある。いずれにせよ、IAFの多くの戦闘機が最初の出撃後に燃料切れ寸前で着陸したとの報告がある。

いずれにせよ、開戦初期段階で7機の給油機のみで、総保有数約300機(実際の配備数は時により異なる)の戦闘機部隊を最大化することは、慎重な計画、ドロップタンク、長距離スタンドオフ兵器の活用で説明できるかもしれない。戦争が継続するにつれ、出撃の規模は減少したものの、攻撃の地理的深度と威力は増大した。作戦はほぼ2週間継続されました。

紛争中、TWZは、ある時点でイスラエルが作戦のペースを大幅に削減するか、戦争を終了させる必要に迫られる可能性について議論した。もし米国がB-2でフォードウを攻撃していなかった場合、戦争はIDFが極めて強化された同目標に対処できるまで継続していた可能性があり、その場合、高度に防衛されたイランの特定地域に深く侵入する地上作戦が必要だっただろう。IAFの出撃率が低下するにつれ、攻撃は徐々に鈍化していた。過労と老朽化した給油機の出撃率が低下していたためだ。

米空軍(USAF)の報告によると、イスラエルが米空軍の秘密の給油支援なしにこれを行ったことは驚くべきことだ。直接支援の他の可能性としては、ヨルダンやサウジアラビアなどのアラブ諸国の空港を使用する手段が考えられる。サウジアラビアにはIAFの戦闘機を給油できる給油機も存在する。しかし、絶対にそのようなことが起こった証拠は一切ない。アゼルバイジャンを前線基地として利用する可能性も一部で指摘されているが、確固たる証拠はなく、表面上は非常に可能性が低いと考えられる。

したがって、米空軍の最新の声明に基づき、IAFはイランへの空中給油において単独行動したことが明らかになった。この作戦は、終了から数週間経った現在も一部が秘密に包まれたままのため、さらに多くの疑問が提起されている。■


USAF Denies It Refueled Israel’s Fighters During War With Iran

Without U.S. tanker support and with just a handful of geriatric KC-707 tankers, Israel appears to have relied on other tactics to persistently reach deep into Iran.

Tyler Rogoway

Jul 16, 2025 4:36 PM EDT

https://www.twz.com/air/u-s-denies-it-provided-aerial-tanker-support-for-israels-war-against-iran

タイラー・ロゴウェイ

編集長

タイラーは軍事技術、戦略、外交政策の研究に情熱を注ぎ、防衛メディア分野でこれらのテーマにおける主要な声として確立しています。彼は人気のある防衛サイト『Foxtrot Alpha』の創設者であり、その後『The War Zone』を立ち上げた。


2023年6月29日木曜日

空中給油の100年。過去、現在、未来を考える。


100 years aerial refueling

U.S. Air Force


サンディエゴ上空での初の空中給油実験から今年で100周年となった



100年前の今日、カリフォーニア上空で、2人の米陸軍航空隊の乗組員が燃料ホースを2機の間に渡し、一方の機体にもう一方の機体から燃料を補給することを可能にした。この画期的な出来事、つまり初めての実用的な空中給油を米空軍のタンカー部隊が記念している。


同軍が「卓越した空中給油の100年」とする記念で、80機以上のタンカーと70機以上の被給油対象機材によるフライオーバーが全米50州で展開された。参加したタンカーは、象徴的なKC-135ストラトタンカー、もうすぐ退役するKC-10エクステンダー、さらに最新だがまだトラブルが続くKC-46ペガサスである。


フロリダ州マクディル空軍基地の第6航空給油団は、航空機動軍団で最も歴史が古く、この祭典を主導している。


<em>U.S. Air Force</em>U.S. Air Force


空中給油機は、米軍と同盟国にとって、迅速な世界到達を確保し、多種多様な航空機の航続距離を伸ばすだけでなく、殺傷力、柔軟性、多用途性を高めるという、時には過小評価されることもあるが、極めて重要な役割を果たしている。同時に、タンカーは貨物や旅客を運んだり、航空医療搬送を行うことも可能であり、多数の任務も担うようになってきている。


空軍が現在、KC-46の後に登場する可能性のあるエキゾチックなタンカーの探求を始めている今、1923年6月27日に立ち返り、この100年間で空中給油の技術がどれほど進歩したか思い起こす価値がある。


この航空機は、デ・ハビランドDH-4B複葉機を改造したもので、多目的に使用できるイギリス設計で、米軍のさまざまな役割に広く使用されていた。初号機の操縦桿を握ったのはヴァージル・ハイン大尉とフランク・W・シーファート大尉で、2号機にはローウェル・H・スミス少佐とジョン・P・リヒター大尉が搭乗した。

Another view of the DH-4B tanker as it trails its hose for the DH-4B receiver to grab over Rockwell Field. <em>U.S. Air Force</em><br><a href="https://www.afhistory.af.mil/FAQs/Fact-Sheets/Article/458986/1923-the-beginnings-of-inflight-refueling/undefined"></a>


1923年6月27日、カリフォルニア州ロックウェルフィールドでの空中給油。タンカーはヴァージル・ハイン1尉とフランク・W・シーファート1尉、レシーバーはローウェル・H・スミス少佐とジョン・P・リヒター1尉が搭乗。アメリカ空軍


2機はサンディエゴのノースアイランドにあるロックウェルフィールドの500フィート上空で「接触」した。最初の航空機の後部コックピットにいたセイファートは、2号機の後部コックピットにいたリヒターにゴムホースを届けた。タンカー機には110ガロンの追加燃料タンクと、腹部のトラップドアから降ろされる50フィートの金属製強化給油チューブがあった。


後に空軍の公式発表によれば、このプロセスは「ぶら下げる: レシーバー機の後席乗員が手動でチューブをキャッチし、フィラーに入れ、燃料が満タンになったらバルブを操作して燃料を止めなければならなかった。この時、実際にチューブからレシーバー機に渡されたガソリンはわずか75ガロンだった。レシーバー機のエンジントラブルでミッションは短縮され、レシーバー機は6時間38分空中に留まった。しかし、この実験で空中給油による航続距離延長の可能性が証明された」。

 同じクルーがその後の数週間、DH-4Bでのさらなる試験に参加したが、柔軟性を増すため、2回目のミッションでは、ロバート・G・アーウィン少佐とオリバー・R・マクニール大尉が搭乗するタンカー機がもう1機追加された。1923年8月27日と28日、スミスとリヒターの機は37時間25分にわたって上空に留まり、その過程で世界耐久新記録を樹立した。これは、2機のタンカーとの14回の空中給油接触で可能になった。これは、ラブラドールのグースベイからソ連のレニングラードまでの飛行距離とほぼ同じである。


Refueling in mid-air at Rockwell Field, California, June 27, 1923. The tanker was flown by 1st Lt. Virgil Hine and 1st Lt. Frank W. Seifert, the receiver by Capt. Lowell H. Smith and 1st Lt. John P. Richter. <em>U.S. Air Force</em>

ロックウェル・フィールド上空でDH-4Bレシーバーにホースを渡すDH-4Bタンカーの別の姿。アメリカ空軍


1923年10月25日、スミスとリヒターはカナダ国境に近いワシントン州スマを離陸し、南へ飛行した。オレゴン州ユージーン上空では、ハインとザイファートが燃料を補給し、カリフォーニア州サクラメント上空では、エルヴィンとマクニールがタンカーを操縦してさらに燃料を補給した。約12時間の飛行の後、スミス&リヒターのDH-4Bはメキシコのティファナ上空を旋回し、国境間ノンストップ飛行の実現可能性を証明した。そしてサンディエゴに着陸した。このミッションは、基本的なDH-4Bの航続距離275マイルを1,280マイルまで延長できることも実証した。




しかし、この時点では、米陸軍航空局はまだ小規模で資金不足の組織であり、空中給油は差し迫った問題ではなかった。


とはいえ、1928年までに陸軍はこのアイデアに立ち返り、新たな耐久記録を打ち立てる努力の一環として、2機のダグラスC-1タンカーから燃料を取り込むレシーバーとして、アトランティック・フォッカーC-2が準備された。クエスチョンマークと名付けられたこのフォッカーには、アイラC.イーカー少佐やカール・スパッツ少佐など、第二次世界大戦でアメリカ陸軍空軍の戦略爆撃部隊の要職に就くことになる飛行士が搭乗した。1929年1月1日、クエスチョンマークは、最終的に151時間、つまり6日以上も飛行することになる飛行に飛び立った。



The Atlantic-Fokker C-2A <em>Question Mark</em> is refueled by a Douglas C-1. <em>Photo by ullstein bild/ullstein bild via Getty Images</em>

ダグラスC-1から給油されるアトランティック・フォッカーC-2Aクエスチョンマーク。写真:ullstein bild/ullstein bild via Getty Images


その後、アラン・コブハム卿と彼のFlight Refuelling社によって、空中給油の主要な技術開発の多くがイギリスで行われた。これには、実用的なプローブ・アンド・ドローグ給油システムが含まれ、タンカーは先端に安定化ドローグを備えたホースを引き、レシーバー機には燃料システムに配管された硬質プローブが装備された。ドローグはプローブの円錐形ガイドとして機能し、バルブは自動開閉した。


October 1950: A Gloster Meteor Mk 4 fighter tests the probe-and-drogue refueling system over Farnborough, England. <em>Photo by Keystone/Getty Images</em>1950年10月: イギリス、ファーンバラ上空でプローブ&ドローグ給油システムをテストするグロスター・メテオMk4戦闘機。写真:Keystone/Getty Images


第二次世界大戦後、アメリカ陸軍空軍は空中給油への関心を再び呼び起こし、グローバルな任務を担うようになった爆撃機の航続距離を伸ばそうとした。最初に採用されたのは、フライト・リフューエルのループ・ハウス・システムだった。これは、レシーバー機がスチールケーブルを引き、それをタンカーから発射されたラインで把持するというものだった。その後、ラインはタンカーに引き戻され、給油ホースに接続された。その後、レシーバー機はケーブルとホースを引き揚げる。ホースが接続されると、タンカーはレシーバー機の上空へ上昇し、重力で燃料が流れるようにした。


フライト・リフューエル・キットを使用し、B-29スーパーフォートレス92機がKB-29Mタンカーに改造され、さらに74機のB-29がレシーバーとして運用するため適切な改造を受けた。最初のフックアップは1948年3月28日に行われ、その時点ではアメリカ空軍は独立軍になっていた。


Using the looped-house system, the B-50A <em>Lucky Lady II</em> is refueled by a KB-29M in 1949. <em>Lucky Lady II</em> became the first aircraft to complete a non-stop round-the-world flight. <em>U.S. Air Force</em>

1949年、B-50Aラッキー・レディIIがKB-29Mから給油される。ラッキー・レディIIは、世界一周無着陸飛行を達成した最初の航空機となった。アメリカ空軍


1947年12月、ボーイングはフライング・ブーム・システムの開発資金を得た。DH-4BからKB-29までの給油システムで使用されていたフレキシブルホースではなく、伸縮式チューブを使用し、回転式のカップリングを介しレシーバーに接続した。ブームの先端には空力面があり、ブームのオペレーターがレシーバー機のレセプタクルに「飛ばす」ことができた。


さらに116機のスーパーフォートレス爆撃機がKB-29Pタンカーに改造される前に、2機のB-29がYKB-29Jとして改造され、フライングブームをテストした。


高価で、かさばり、重いフライング・ブームは、それでも燃料をより迅速に供給できる大きな利点があり、空軍の主要な空中給油方法となっている。よりコンパクトなこのシステムは、燃料の供給速度は遅かったが、一度に3機の航空機に燃料を補給できた。この方式はYKB-29Tタンカーで最初にテストされ、後部胴体にホース・ドラム・ユニット、主翼の下に給油ポッドを装備した。生産型では、3点式タンカーはKB-50Jとなり、ベトナム戦争で活躍した。


A probe-and-drogue KB-29M tanker refuels a B-29 specially modified with a nose probe. <em>U.S. Air Force</em>

機首プローブで特別に改造されたB-29に給油するプローブ&ドロッグ式のKB-29Mタンカー。アメリカ空軍


U.S. Air Force F-105 Thunderchief fighter-bombers refuel from a KC-135 Stratotanker, on their way to strike targets in North Vietnam, January 1966. Thunderchiefs were equipped with a flying boom receptacle as well as a retractable refueling probe. <em>Photo by Interim Archives/Getty Images</em>

1966年1月、北ベトナムの攻撃目標に向かう途中、KC-135ストラトタンカーから給油する米空軍F-105サンダーチーフ戦闘爆撃機。サンダーチーフはフライングブーム受けと格納式給油プローブを装備していた。写真:Interim Archives/Getty Images


しばらくの間、戦術航空司令部の戦闘機には、迅速な展開を可能にするプローブが装備されていたが、同じシステムは、空軍のヘリコプターだけでなく、米海軍や海兵隊を含め、今日でも広く使用されている。今日、米空軍のKC-135タンカーは、ブーム・ドローグ・アダプター・キット(その金属フレームが受信機に深刻なダメージを与える能力を持つことから「アイアン・メイデン」または「レッキング・ボール」として知られている)を装備しているか、より幅広いレシーバー機に対応するため主翼下に給油ポッドを搭載している。KC-10とKC-46はホースとドローグシステムを内蔵する。


A U.S. Navy F/A-18C Hornet fighter uses a boom-drogue adapter kit to receive fuel from a U.S. Air Force KC-135 tanker. <em>Photo by Mai/Getty Images</em>

米空軍のKC-135タンカーから燃料を受け取るため、ブーム・ドローグアダプターキットを使用する米海軍のF/A-18Cホーネット戦闘機。写真:Mai/Getty Images


KC-97は空軍にとって重要かつ多用なタンカーであったが、驚くべきことに、空中給油ゲームに革命をもたらしたタンカーはKC-135で、現在も広く使用されている。KC-135は空中給油をジェット機時代に持ち込み、戦闘機に追従するのに必要なスピードと、1分間に最大1,000ガロンの燃料を送り出す新しいタイプのブームを提供した。KC-135は今日でも空軍の空中給油機の主力だ。カーチス・ルメイ大将に支持されたKC-135は、やがて戦略空軍司令部のソ連奥深くの目標に対する爆撃機派遣能力を一変させることになる。


A KC-135 for Strategic Air Command takes shape at the Boeing plant in Renton, Washington, near Seattle. Note the parallel line of KC-97 piston-engine tanker transports in the background. <em>Getty Images</em>

シアトル近郊のワシントン州レントンにあるボーイング工場で、戦略空軍用のKC-135が形作られる。背景にはKC-97ピストンエンジン・タンカー輸送機が平行に並んでいる。ゲッティイメージズ


「空中給油は、我が国の航空戦力を大空に推進し、その潜在能力をフルに発揮させる」と、本日の100周年記念行事のために用意されたプレスリリースの中で、マイク・ミニハン空軍司令官は述べている。「空中給油は、我々の戦略的ビジョンと作戦上の現実を結びつけるものであり、揺るぎない速度と精度で世界のあらゆる場所に到達できることを保証する。空中給油は、自由を守り、力を投射する我々の決意を体現し、航空史に消えることのない足跡を残している。

「空中給油の次の100年に乗り出すにあたり、私たちは卓越した航空機動性を強化し続けます。「我々は、平和を守り、自由を守り、世界に希望をもたらすために、空中給油の驚くべき能力を活用しなければならない。モビリティ・エアメンとして、我々は空中給油の次の章を書くのだ」。


空中給油タンカーの次の100年がどのようなものになるかについては、KC-46の後に何が来るのかについて多くの疑問が残ったままだ。ペガサスは非ステルス商業機の派生型であり、主要システムで重大な問題に悩まされ続けている。


A KC-46 Pegasus carries out aerial refueling trials with an E-4B Nightwatch over Southern California. <em>U.S. Air Force</em>

南カリフォーニア上空でE-4Bナイトウォッチと空中給油試験を行うKC-46ペガサス。アメリカ空軍


一方、空軍は今年初めに発表した次世代空中給油システム(NGAS)プログラムのペースを上げている。


KC-46は、KC-10やそれ以前のKC-135とほぼ同様の設計ソリューションを採用しているが、NGASではより先鋭的なアイデアが検討されることが明らかである。


とりわけNGASは、タンカーが伝統的に避けてきた 「紛争シナリオ」での支援を可能にするはずだ。ロッキード・マーティンとボーイングはすでに、ある程度のステルス性を持たせて生存性を高めるような、翼と胴体が融合したプランフォームの設計コンセプトを模索している。ステルス・タンカーの必要性については、The War Zoneが何年も前から議論してきた。


A Boeing concept for a blend wing-body aerial refueling tanker design.&nbsp;<em>Boeing</em>ボーイングの空中給油タンカーのコンセプト。ボーイング


「空軍省(DAF)は、変化する戦略的環境に対応する次世代タンカーコンセプトの継続的な開発を追求している」と、空軍は2月に発表した情報提供要請書(RFI)で明言している。「同チームは、将来の戦闘で最もストレスのかかる複雑な空中給油任務要件を満たす可能性のある革新的な産業ソリューションに関する情報を求めている。


そのRFIは、"ステルス "や "低視認性 "の特性について明確に言及していないが、「紛争シナリオ」についての言及は、空軍が将来のタンカーに、より脅威の高い環境での作戦を支援できることを望んでいることを明確に示している。そのような環境にはアジア太平洋地域が含まれ、中国との潜在的な紛争が発生すれば、タンカーがこれまで以上に重要な役割を果たすことになるだろう。


より直接的な対策として、空軍は一方で、現行タンカーを生存しやすくし、ポッドシステムやおそらく「忠実なウィングマン」タイプのドローンで新たな任務を与えようとしている。


Lockheed Martin concept art showing a stealthy-looking tanker refueling an F-22 Raptor. <em>Lockheed Martin</em>

F-22ラプターに給油するステルス性の高いタンカーを示すロッキード・マーチンのコンセプトアート。ロッキード・マーティン


NGASでもうひとつの目を引く点は、空軍が2030年代半ばから後半までに次世代タンカーを就航させたいと考えていることだ。そのため、ステルス・タンカーを開発する時間は確保できるし、パイロット・オプションや完全無搭乗機など、よりエキゾチックなタンカーのコンセプトも実現できるかもしれない。


空軍が提案しているポッド型空中給油ブームの選択肢もある。


その一方で、空軍はKC-Yまたは「ブリッジタンカー」と呼ぶ暫定的なタンカー購入の選択肢を検討中であり、KC-46やロッキード・マーティンが提案するLMXTと呼ばれるエアバスA330マルチロールタンカー輸送機(MRTT)の派生型を導入する可能性がある。


LMXT_refueling F-35

F-35ステルス戦闘機に給油するLMXTタンカーの想像図。ロッキード・マーチン ロッキード・マーチン


KC-46に対する空軍の現在の取得計画では、旧式のKC-135とKC-10を1対1で置き換えるのに十分な数の新型タンカーを提供できないという事実が、暫定的なタンカーを求める原動力となっている。NGASがどのような新技術をもたらすにせよ、空軍にとっては待ち時間が長すぎるだけかもしれない。


将来の空軍タンカーがどのようなものになるにせよ、これらの航空機が空軍とその同盟国の作戦において絶対不可欠な役割を果たし続けることは明らかである。より生存性の高いタンカーが必要とされる中、空軍の次期空中給油タンカーには、丸1世紀前にカリフォルニア上空で複葉機のペアが試行したのと同様に、先見性ある要素が盛り込まれる可能性も高まる。■


Century Of Aerial Refueling Celebrated By Tanker Flyovers Across U.S.


BYTHOMAS NEWDICK|PUBLISHED JUN 27, 2023 1:25 PM EDT

THE WAR ZONE