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2017年12月2日土曜日

新型電子戦機J-16Dは全方位航空優勢を目指す中国の動きの象徴だ


 


China's New J-16D Aircraft Might Have a Terrifying New Military Capability 

中国の新型J-16Dの強力な能力は要注意

November 30, 2017

海軍のEA-18Gグラウラー電子攻撃機はジャミング任務に特化した数少ない機材のひとつでジャミングに加え友軍機に向けられるミサイルを誘導するレーダーの破壊も行うはずだ。このミッションはSEAD(敵防空網制圧)と呼ばれる。今日の空軍作戦で味方の損耗を防げるかはSEADの成否にかかっているといってよい。
  1. グラウラーはF-18スーパーホーネット戦闘機から派生し、以前の電子戦機より高速で操縦性、兵装も強化しており、援護する友軍機の速度に追随でき敵防空網に従来より接近できる
  2. 中国空軍は海外の役に立つ考えを堂々とコピーしておきながら「中国の特性」を加味したと述べることが多い。そのため自分たちもグラウラーを作っても不思議ではない。
  3. 問題の機体は複座の瀋陽J-16 Red Eagle 攻撃戦闘機で、これもロシアのスホイSu-30MKKフランカーのコピーだ。ロシア原型からエイビオニクスが改良されアクティブ電子スキャンアレイレーダー(AESA)の搭載が特徴だ。中国は信頼性高いジェットエンジン国産化に依然苦労しているが、電子製品では成功しており、民生技術を流用しているのだろう。
  4. J-16DのDは電子の頭文字で初飛行は2015年12月18日だった。
  5. J-16Dは30mm機関砲、赤外線センサーを外し、ドッグファイトは想定外だ。かわりにアンテナ多数と機体一体型電子戦アレイがついた。レドームは高性能AESAレーダー搭載を想定しているのだろう。重要なのは翼端に付いた電子戦用ポッドでEA-18GグラウラーのALQ-218電子支援ポッドと類似している。レーダー周波数を解明し、発信源をつきとめるのが役割だ。この情報をジャミングにも使い、攻撃にも役立てる。
  6. PLAAFは新型機説明会を開かないので、わかっているのはこれですべてである。次は役割を推測してみよう。
  7. J-16Dはジャミングと対レーダー攻撃を想定して機体を準備し、ジャミングポッド二三個を主翼と機体下に取付け、ジャミングポッド自体にもAESA技術を導入しているだろう。
  8. ハードポイント12個が残り武装搭載に使える。中国には対レーダーミサイル(ARM)が三種あり、かなりの距離から 敵レーダーをホーミングできるはずだ。CM-103ミサイルは射程62マイルで176ポンド弾頭で艦艇・地上レーダーを破壊する。ロシアKh-31Pを国産化したミサイルはYJ-91と呼ぶ。さらにPL-12空対空ミサイルからLD-10ARMミサイルが生まれた。J-16Dは他の兵装も搭載し戦闘に臨むだろう。
  9. 中国は他の戦闘爆撃機でも電子戦装備を搭載しており、国産複座のJH-7Flying Leopardは240機ほどがPLA空軍および海軍で運用中だ。同機の最高速度はマッハ1.75で長距離運用が可能で兵装20千ポンドを搭載し、対レーダーミサイルも含む。原型のJH-7と改良型JH-7Aがジャミングポッドを搭載する写真が出回っている。ただし、同機の電子戦能力は専用機より劣るだろう。
  10. ジャミング支援には別の機材もある。大型で鈍足だがY-8GX、Y-9GX輸送機に戦術ジャマー他電子戦装備を搭載しており、HD-6電子戦機はH-6爆撃機が原型だ。山東Xianglong “Soaring Dragon” 無人機にも戦術ジャミング能力がつく可能性がある。
  11. 艦載版のJ-16Dの可能性もある。J-15 Flying Shark 戦闘機が001型空母二隻に搭載されているが、これもフランカーの流れをくむ機体で複座型に改装したJ-15SDと同様の発展は可能に思える。ただしJ-15のペイロードが低いのが制約だ。これは中国空母のスキージャンプ式発艦による制約でもある。いずれにせよJ-16Dがどこまでどこまで発展するかは見えない。.
  12. 接近阻止領域拒否戦略でミサイルを利用している中国は敵の防空網にどう対処するだろうか。もちろんSEAD機は台湾作戦や可能性は低いが日本との交戦に投入されるはずだ。ただし電子戦機の主な想定対象は米海軍水上艦艇で、SM-2、SM-6、シースパロウ対空ミサイルが飛び交う環境である。米、日、韓の稼働中各国に加えまもなくオーストラリア海軍もイージス戦闘システムを稼働させる。
  13. 例を挙げよう。中国記事ではJH-7をYJ-91対レーダーミサイルと電子戦装備で武装すればイージス艦も「悪夢」に落とせるとしている。もちろんレーダージャミングのボタンを押すだけで勝利は手に入らないが、攻撃側がミサイル、航空機で飽和攻撃をかければ防御能力を圧倒するはずだ。
  14. 中国側は海外の戦役事例に関心はないようだ。ただし、太平洋の軍事バランスを変えるのが同国の狙いだ。J-16Dのような機体は人民解放軍が特殊用途機の整備に力を入れて、あらゆる局面で優勢な航空戦力の実現をめざす証だ。まさしくこれは米軍の目指す方向と同じである。■
Sébastien Roblin holds a master’s degree in conflict resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.

2017年5月19日金曜日

★米海軍航空部隊で支援機材が果たす縁の下の力持ち的役割に注目



目立たない存在ですが電子戦機材のEA-18Gや新型E-2Dの役割は大きいようです。さらにここにF-35Cが情報の受け渡し促進役で加わるとどういう効果が生まれるのかが注目でしょう。

EA-18G Growler with Electronic Attack Squadron 131 prepares for takeoff on the flight deck of the USS George H.W. Bush.. While Navy F/A-18 Super Hornets deal death from the sky on ISIS, the EA-18 Growler is jamming enemy communications -- and potentially drones too. (Photo by Hope Hodge Seck/Military.com)USSジョージ・H・W・ブッシュ艦上で発艦の準備に入るEA-18Gグラウラー(第131電子攻撃隊所属) George H.W. Bush.. While Navy F/A-18スーパーホーネットがISIS空爆に投入される際にはEA-18が敵通信を妨害しており、無人機にも対応している可能性がある。 (Photo by Hope Hodge Seck/Military.com)

Navy Electronic Jamming Aircraft Take Quiet Toll on ISIS

米海軍電子攻撃機はISISを静かに狩る

DefensetechPOSTED BY: HOPE HODGE SECK MAY 10, 2017

ABOARD THE USS GEORGE H.W. BUSH, Persian Gulf — 米海軍F/A-18スーパーホーネットがイスラム国をイラクとシリアで空爆する一方で、EA-18グラウラーは敵通信に加え無人機も妨害している可能性がある。
  1. 空母ブッシュは今年初めからISIS攻撃作戦で数多くの出撃基地となっているが、ホーネット飛行隊4個が絶えず飛んでいる。だがこの戦闘でカギとなるのがグラウラー飛行隊とE-2Cホークアイで、遠距離から脅威を探知するとともに空爆を調整する機能だ。
  2. この作戦を統括するのがケン・ホワイトセル大将(ブッシュ空母打撃群司令)だ。艦上での取材で提督はグラウラーの性能に期待し、民生用無人機が攻撃用途に転用されている現状で重要性が強まっていると述べた。
  3. 「自家製無人航空機あるいは通信販売の無線操縦型を見たことがあるでしょう。ISISは自家製爆弾で自爆攻撃を仕掛けている。ではこれにどう対抗すべきか。一番簡単なのは通信を妨害して飛行できなくすることだ」
  4. グラウラーは外観ではホーネットと区別がつきにくいが、翼端にALQ-99ジャミングポッドとALQ-218レーダー警戒受信機を装着する。グラウラーはホーネット編隊に随行することが通常だが、その本領がどう発揮されているかは見分けにくい。
  5. ホワイトセル提督は敵の通信妨害で電子戦用機材に一定の役割があると見ており、無人機の無線操縦から即席爆発装置の起動までの多様な用途に期待している。
  6. 「グラウラーのミッションは難易度が高い。効果が成果を上げたのかが見えないためだ」と述べている。
  7. 艦上にはターボプロップ双発のホークアイもあり、特徴的な円盤状の回転レーダーを上に乗せ、ISIS戦も4年目に入り任務内容に変化が生まれている。ブッシュが搭載する第124艦載早期警戒飛行隊の作戦士官によればホーネットがミッションで飛ぶ際はホークアイも飛んでいるという。地上部隊との通信を中継したり、重要な敵脅威を事前に把握して飛行隊を守る。士官はクライン大尉とのみしておく。保安上の理由から本名は明かせない。
  8. 「声を聴いて相手がわかる。どんな連中か知っている」とクラインはホーネット飛行隊のことを指した。「F/A-18が単独で敵地上空を勇敢に飛ぶ光景を思い浮かべる人が多い。だが実際は一緒に飛ぶ別の機体がいつもあり、それがわれわれだ」
  9. クラインは2014年にもこの地域に派遣されており、当時はISIS戦が始まったばかりでホークアイへの依存度は高く、指揮統制を与え地上部隊指揮官の言わんとすることを解釈してパイロットを助けていた。今や、地上戦管理の仕組みはもっと複雑になり、ホークアイへの依頼は減っている。同飛行隊は相変わらず多忙だが、重点は空母の防御と支援に移っている。
  10. 「前回の派遣時とは大違いです。前回は毎日が多忙で4時間の任務が終わると大変でした」とクラインは述べる。「でもホーネット飛行隊からすれば何かあれば頼りになる存在です。何かあればすぐ対応できる状態にしています」■

2016年10月25日火曜日

ISIS無人機を電子手段で飛行不能にした米空軍


なるほど現在の無人機が遠隔操縦方式なので途中の接続を遮断すれば無人機が使用不能となるわけですか。これは野戦装備ですが将来自律飛行可能な新世代無人機が登場したらどうなるのでしょうね。(本ブログではドローンという言葉は極力避けています。もともとヒラリー・クリントンが多用して広まった言葉なので。意味はわかりますね)
Defensetech

Air Force Zaps ISIS Drone with Electronic Weapon


Battelle’s DroneDefender is a shoulder-fired weapon that uses radio waves to cut the link between the drone and its controller. (Photo courtesy Battelle)バテル研究所のDroneDefenderは電波で無人機と操縦者の接続を中断させる (Photo courtesy Battelle)

POSTED BY: ORIANA PAWLYK OCTOBER 24, 2016


  1. 米空軍がイスラム国の無人機を電子兵器で撃退したと空軍トップが明らかにした。
  2. 空軍長官デボラ・リー・ジェイムズは10月24日、空軍が小型武装無人機が過激派により飛行するのを「一二週間前に」探知したと述べている。
  3. 「現地の空軍部隊は小型無人機一機が飛行しているのを知り、極めて迅速にこれを激着いてしている。電子措置を使った」とジェイムズ長官は新アメリカ安全保障センター主催の会合で発言している。
  4. 「迅速に攻撃を加える方法の一例」と長官は述べたが、具体的にどんな手段を投入したかは述べていない。
  5. 同長官の発言は陸軍長官エリック・ファニングや海軍長官レイ・メイバスと並んでの場で出たもので軍が小型だが威力を発揮しそうな無人機への対応を迫られていることを浮き彫りにした形だ。
  6. 「現時点で最高の優先順位は中東で無人航空システムの存在が高まっており、安価でインターネット操縦が可能な装備がシリアやイラクで飛び回るようになり損害が発生しかねないことだ」(ジェイムズ長官)
  7. 「そのため知恵を合わせこの課題に迅速に対応し、撃退方法を考えているが、必ずしも新規装備の開発にならない」
  8. ジェイムズ長官によればISISが既存無人機や模型飛行機に時限爆弾をつけた例外楽、シリアで見られるという。先週も米政府関係者が別の事案に触れ、これをニューヨーク・タイムズが先に報じたが、クルド人戦闘部隊で二名が北部イラクで撃墜した模型飛行機を分解しようとする中で死亡している。
  9. 空軍長官が言及したのは米国が電子兵器装備を改造してこの急増する脅威対象に簡単に対応できる点だ。
  10. 電子戦は東部ウクライナでごくあたりまえに実施されている。数ヶ月に渡りロシアが支援する分離独立勢力が電子手段でウクライナ軍の商用無人機による偵察を妨害している。このことは2014年にわかり、米軍がウクライナ軍を訓練する中で警戒している。
  11. 今月始めには米陸軍欧州部隊司令官から対無人機兵器でロシアに対処したいとの発言が出ている。ベン・ホッジス中将は非運動兵器技術から冷戦時の旧式技術までなんでも使いたいと述べている。
  12. 中将は新兵器の名称を述べなかったが、バテル研究所のDroneDefenderは肩載せ発射式で無人機を電波妨害で使用不能とし、イスラエル開発のレーダーと併用し数キロメートル先から探知可能できる装備で陸軍がテスト中だ。
  13. 「非運動手段は多数あり、その他の手段も登場するのは確実だ。だが今この時点で装備が欲しい」と同中将は報道陣に陸軍協会会合で語っている。「これまでは脅威と呼べず短距離防空は心配する必要がなかった」とし、「今やUAVがあり、UAV対抗手段が必要と痛感している」
  14. ペンタゴンは新型無人機対抗手段の研究開発を加速しヨーロッパやISIS戦に投入したいとしているが、上記バテル研究所の装備がすでにイラクで投入されているとの報道がある。■
— Brendan McGarry and Matthew Cox contributed to this report.