ラベル David Deptula の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル David Deptula の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2019年2月17日日曜日

★F-15X導入は間違った選択なのか 専門家の知見に耳を傾けよう

Stealth Rules: One Expert Thinks the Air Force Should Avoid the F-15X ステルス第一で考えると米空軍はF-15X導入を避けるべきだとの専門家意見があらわれた

"Trying to adopt aircraft that belong in museums to warfare in the 21st century is a mistake."「博物館行きとすべき機材を21世紀の戦闘に投入するのは間違っている」
February 13, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: F-15XStealthF-35F-22MilitaryTechnologyWorld


空軍はF-15新規製造機体に無駄な予算を使うべきではない、真に必要なのはステルス機だと空軍力整備で影響を有する人物が意見を述べている。
F-15では「国家防衛戦略の要となる強力な防空体制の中で生存は望めない」とデイヴィッド・デプチュラがForbes誌の2019年2月11日付け社説意見欄に投稿している。デプチュラはF-15パイロット出身で、現在はミッチェル航空宇宙研究所の所長だ。
米空軍は2020年度予算要求に200機ほどの新規生産F-15Xを盛り込んでいると伝えられる。空軍がボーイングから調達したF-15は2001年が最後だ。
F-15Xは原型が1972年初飛行の伝説のF-15の改良版で、2019年時点で空軍は457機を運用中でC型D型を制空任務に、E型を戦闘爆撃任務に投入している。
C型D型は1980年代から運用し、E型も1990年代の高機齢になっている。C型D型は州軍の防空任務で米本土を飛んでいるが、F-15Cの二個飛行隊が日本に駐留し太平洋での有事に備えている。
世界全体では901機が稼働中で、イスラエル、サウジアラビア、韓国、シンガポール、カタールがエンジンを強化し、センサー能力を拡充した改良型を運用中だ。
F-15Xは単価80百万ドルで単座のCXと複座のEXの二型式になると The War Zone のタイラー・ロゴウェイが述べている。
ペンタゴンの費用評価事業評価部門から空軍にF-15導入を求めてきたのは空軍がF-35を予定通り調達できていないためだ。
空軍参謀総長デイヴィッド・ゴールドフェイン大将はDefense Newsに対して非ステルスのF-15Xを調達してもF-35導入に影響はないと断言した。「相互補完する。それぞれが相手の機能をもり立てる」というのだ。
F-15X選定の前にペンタゴンにはF-15Cの機材更新で明確な構想はなかった。「F-15C部隊の更新が必要なのは同機のミッションと性能がなくなるのは耐えられないから」とゴールドフェインは述べている。
デプチュラは反対意見だ。「空軍の将来の戦力構造では国家安全保障戦略の課題に答えられる機材にしっかり投資することが必要だ」としている。
「具体的には中国、ロシアは大幅に軍事力を増強させており、米国の戦略優位性を脅かしている。国防総省には空軍に旧型機の新型版を買わせようとする動きがあり、費用対効果が優れているというが原設計が1960年代で生産開始が1970年代の機体だ。博物館で展示すべき機体を21世紀の戦闘に投入すること自体が誤りだ」
F-15はF-35より飛行速度、航続距離、兵装搭載量で優れる。大きな違いはステルスだ。だがステルス性能は米領空を守るF-15Cには必須ではない。
ロッキードCEOのマリリン・ヒューソンでさえデプチュラの意見を退けている。「仮にF-15発注の場合でもF-35の発注数が減ることはない。このことはペンタゴン上層部から直接聞いており、重要な点だと思う」
だがF-15Xを巡る論争は意外に深いものがあり、どの機種を選択しても米空軍は規模拡大を図れそうにない。
2018年9月に空軍長官ヘザー・ウィルソンが第一線飛行隊を312隊の現状から386隊に拡大する構想を発表した。米海軍も287隻を355隻に増やそうとしている。
空海それぞれで規模拡大すれば数千億ドルの費用が必要だが海軍が早くも拡大構想に及び腰になったのは予想通りというところだ。
同様にペンタゴン評価部門は2019年2月に空軍の空中給油機は十分な機数があると述べ、ウィルソンが給油機を三分の一増やし386飛行隊体制を実現したいとの意見と対照を見せた。
空軍がデプチュラの反対意見とは無関係にF-15Xを導入すれば旧型F-15と一対一で交換され国内の防空任務につき、海外のハイテク戦用のF-35調達は依然ゆっくりしたペースのままだろう。■

David Axe serves as Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels   War Fix , War Is Boring  and Machete Squad .