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2022年8月19日金曜日

チープなステルス戦闘機Su-75チェックメイトは海外市場に受け入れられるか。実機が飛ぶことがないハッタリの機体になる可能性も。

 

Su-75 mockup image. Image Credit: Creative Commons.

ロシアはSu-75を安価なステルス戦闘機として海外売り込みを図ろうとしているが、同機が完成しない可能性も残る

プロトタイプ製作を急ぐ

ユナイテッド・エアクラフトCEOのユーリー・スリュサル Yury Slyusarは、Su-75の試験機2機がまもなく登場すると語っている。スリュサルはタス通信に、「チェックメイト・プロジェクトでは先進的スーパーコンピュータ技術を使用しており、試作機の製造期間を大幅に短縮し、2024年には飛行試験を開始できる」と語った。現在、プロトタイプ2機の製造準備が進められている。スリュサルは試作機は合計4機になると語った。

Su-75の香水? 

これまでのところ、Su-75は航空ショーでの巧みなマーケティング・キャンペーンで知られる。排気ガス、革、金属から香りを取り騎士のチェスの駒の形をした瓶に入った「排気ガス香水」さえ登場している。

競合他社より安いか

香水はともかく、ロシア軍は、輸出による売り上げで事業経費を賄えると考えている。売上の原動力が低価格だ。Su-75は1機あたり25百万ドルから30百万ドルになる可能性がある。フィンランドが今年、ライトニングII64機に94億ドルを支払ったが、F-35単価はSu-75よりはるかに高い。スウェーデンのJASグリペンは輸出市場で約60百万ドルで、これもSu-75より高価だ。しかし、Su-75がまだ初期段階にあるのに比べ、各機には実績がある。

速度、ペイロード、低い整備費が売り

メーカーのスホイは、Su-75はマッハ1.8に近い速力、1,800マイルの航続距離、弾薬7トンを搭載できると主張している。Air Force Technologyは、「搭載システム、コックピット、その他の特定の要素はSu-57機から派生したもので、コスト削減とメンテナンス効率の向上を実現した」と書いている。

人工知能で飛行が楽になる

スホイは、コックピットと搭載機器が1つのシステムとして統合されているため、競合機より安価にメンテナンスできると考えている。エイビオニクスも第4世代戦闘機より改善されている。スホーイは、同機には人工知能が搭載され、AIが「副操縦士」となり、パイロットが飛行に集中できると主張している。有人型Su-75でAIが期待通りに機能すれば、無人型も登場するかもしれない。

もう一人の 「忠実なウィングマン」

Su-75は、「忠実なウィングマン」機能を搭載するかもしれない。状況認識能力を高め、ターゲティングや爆弾のダメージ評価で、ドローン群をコントロールできるようになる。

また、レーダー探知を減らすため武器格納庫5箇所を備え、空対空ミサイル、空対地ミサイル、対レーダーミサイル、精密誘導爆弾の搭載が可能となる。

F-35やJAS 39グリペンへの対抗すは厳しい

Su-75が初飛行するまでは、F-35やJAS39グリペン並のに注文多数を受けることはない。しかし、ロシアの野心的な姿勢は評価できる。2024年予定の初飛行は実現しないかもしれない。ロシアのもうひとつのステルス戦闘機Su-57の開発は長年問題に悩まされており、初飛行が延期されたからだ。スホーイは第5世代戦闘機への期待と需要を高めるため、今後の航空ショーでSu-75のマーケティングを強化するのではないか。チェックメイトのプロトタイプ展示も、香水の展示も、今回限りではなさそうだ。

 

Su-75. Image Credit: Russian Government.

専門家の見解

ロシアはSu-75を生産し、外国に販売する方針を明確に打ち出しているが、専門家の大勢は懐疑的だ。

 19FortyFiveでは、30年にわたりロシア空軍の専門知識を持つ元米国空軍大佐に話を聞いたが、彼はいわゆるチェックメイトの飛行に深刻な疑問を示した。「新型ステルス戦闘機のテストと飛行に必要な数十億ドルを考えると、ロシアにそれだけのルーブルがあるだろうか。また、ウクライナの惨事の後で、誰がロシアの軍備を買いたいと思うのか?信頼性に欠ける装備品を何十億ドルもムダに払って買う向きがあるだろうか?Su-75が飛ぶ姿を見ることはないだろう」。■

Russia’s Su-75 Next Generation Fighter: The Cheap 'F-35' For Sale Soon? - 19FortyFive

ByBrent M. Eastwood

Now serving as 1945’s Defense and National Security Editor, Brent M. Eastwood, PhD, is the author of Humans, Machines, and Data: Future Trends in Warfare. He is an Emerging Threats expert and former U.S. Army Infantry officer. You can follow him on Twitter @BMEastwood.


2021年11月23日火曜日

ドバイ航空ショー:ロシアがSu-75チェックメイトを展示。一方、中国はL-15高性能練習機を展示し、ともに途上国新興国向け採用を狙っている模様。

 

Meredith Roaten photo

 

ーザー光線、ミラー張り天井、芳香のもとロシアが新型戦闘機を海外で初公開した。

 

 

Su-75チェックメイト試作機がドバイ航空ショーに11月14日から18日まで展示された。同機はモスクワ航空ショーMAKSで7月に公開されていたが、ロシア国外に持ち出されたのは今回が初だ。

 

合同航空機企業傘下のスホイがRostecと共同開発したもので、試作機は飛行テスト投入が可能とロシア側が説明している。ドバイショーに特別シャレーと劇場を設け来場者に機体性能を公開した。

 

「中心となるのは低視認性、低運航経費、オープンアーキテクチャと高性能で、コスト効果が高い」と報道資料にある。

 

機体基本価格は30から35百万ドル程度とRostecを率いるセルゲイ・チェメゾが報道陣に語り、これに対し米F-35A共用打撃戦闘機は80百万ドルだ。

 

ロシアは技術を応用し価格を引き下げている。例として航空ショーでのプレゼンテーションでは機体に予知分析システムを採用し、効率と経済性を両立させたと説明。

 

エンジンは単発で24千ポンド推力、アフターバーナーをつかえば39千ポンド推力を発揮する。「推力重量比が高いため、また世界に例を見ない推力偏向エンジンにより同機は目を見なる離着陸性能を発揮します」とプレゼンテーションにある。

 

Su-75はマッハ1.8に達し、離着陸距離は従来より短くなる。また、無人機との共同運用が可能だが、同機の無人機版開発の構想もあるとプレゼンテーションで説明があった。

 

同機はロッキード・マーティンF-35がライバルで、米国はアラブ首長国連邦に同機の売り込みを図っている。

 

他方で中国はL-15攻撃戦闘練習機をショーに展示した。同機の国外展示も今回が初めてだ。

 

「同機は多用途機で高性能、高信頼性、コスト効果が高い機体です」と中国国家航空技術輸出入公社のパンフレットにある。

 

AI-322ターボファンエンジン双発のL-16は時速620マイルを出す。翼幅30フィート、機体重量17千ポンドで最大離陸重量は23千ポンドだ。レーダー、戦術データリンク、標的捕捉ポッド、レーダー偵察ポッドのほか、センサーも装備するとパンフレットにある。

 

「熟成技術を搭載し、システムの信頼度は高く、冗長性を持たせた設計により比類なき安全性が実現した」ともある。■


DUBAI AIRSHOW NEWS: U.S. Rivals Show-Off New Fighter Aircraft

https://www.nationaldefensemagazine.org/articles/2021/11/17/us-rivals-show-off-fighter-aircraft

11/17/2021

By Meredith Roaten

 

2021年7月19日月曜日

ロシアから流出してきた新型第五世代機スホイSu-75「チェックメイト」は輸出市場向けに登場した模様。ロシア航空ショーMAKS 2021での展示が注目の的になりそう。

 


デジタル加工で合成したチェックメイトの全体像。(The Aviationist/Alex Snow using shots by @Сообщений / Paralay-Forum via A. Rupprecht)機体マーキングからスホイSu-75「チェックメイト」と見られる。



シアの新型第五世代機「チェックメイト」の興味深い画像がMAKS 2021エアショー開催前に流出している。まず、同機は黒いカンバスに覆われで姿を現し、その後地上展示された。スホイ設計局が開発したといわれる「チェックメイト」は国際市場で憶測を呼んでいる。

 

「チェックメイト」の写真がオンラインで2021年7月18日にネット上に流布しはじめた。中国航空界に詳しいアンドレアス・ルプレヒトによるものだ。

 

アレックス・スノーがルプレヒトが見つけてきた写真を合成し、「チェックメイト」の全体像を示してくれた。これで同機の設計思想の詳細がわかる。

 

Su-75チャックメイトの合成写真(Alex Snow via A. Rupprecht @Сообщений / Paralay-Forum)

 

同機が単発機であり、尾翼が斜め配置なのはすでに判明している。単座でデルタ翼、空気取り入れ口が下部についているのはX-32試作機を思わせる。興味深いのは同機にもSu-57フェロンの機体側部兵装庫と似たものがついていることだ。

 

X-32

 

デジタルでカモフラージュをつけているが、同機にRF-00075との機体番号があり、75ブルーという番号が見られる。ただし、今回の機体はモックアップであり実機ではないことは覚えておくべきだろう。

 

同機は輸出を狙ったものと考えており、ロシア企業Rostecが興味を引こうとティーザー広告をUAE、インド、ヴィエトナム、アルゼンチンの各国に展開しているのは採用を狙ってのためだろう。

 

MAKS 2021はあと数週間で開催され、当誌は特派員二名を送り込み、その他興味深いプロジェクト数点をお伝えする。■

 

この記事は以下を再構成し人力翻訳でお送りしています。市況価格より2-3割安い翻訳をご入用の方はaviationbusiness2021@gmailまでご連絡ください。


Here's The First Clear Image Of The "CheckMate", Russia's New Stealth Fighter Design

July 18, 2021 Military Aviation, Russia, Troubled Areas

DAVID CENCIOTTI

About David Cenciotti 

David Cenciotti is a freelance journalist based in Rome, Italy. He is the Founder and Editor of “The Aviationist”, one of the world’s most famous and read military aviation blogs. Since 1996, he has written for major worldwide magazines, including Air Forces Monthly, Combat Aircraft, and many others, covering aviation, defense, war, industry, intelligence, crime and cyberwar. He has reported from the U.S., Europe, Australia and Syria, and flown several combat planes with different air forces. He is a former 2nd Lt. of the Italian Air Force, a private pilot and a graduate in Computer Engineering. He has written four books.