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2024年7月2日火曜日

アメリカが秘密裏に運用しているといわれる伝説の航空機は実在するのだろうか

 

さあ、またもや楽しい謎の機材のお話です。実在するのかしないのか、こうした噂が次々に出てくるのは闇予算が潤沢にある結果で、今後も一般予算では不可能なエキゾチックな技術を堂々と応用した機体がこっそりと生まれることから表の世界に新技術が登場するのでしょう。都知事選挙で予算を全部オープンにするなどと主張する候補者がいますが、安全保障の世界では考えられないことですね。同候補が堂々と落選することを祈っています。Sandboxx News記事からのご紹介です。



 

 


F-117ナイトホーク、B-2スピリット、F-22ラプターのようなパラダイムシフトを起こす航空機には、試作機、技術実証機、設計案の長いリストがある。こうしたエキゾチックな航空機実験の多くは、画期的な技術をもたらし、今日の実用機の開発に果たした役割によりファンの支持を集めてきた。


YF-23、ハヴ・ブルー、コンベアー・キングフィッシュのような航空機は、それぞれの時代のテクノロジーが生み出すことができるものについての初期の、そして代替的なビジョンを象徴している。ボーイングのYF-118Gバード・オブ・プレイのように、1990年代にエリア51で設計、製造、試験された航空機は、まさに異星人の作品にさえ見える。


しかし、ボーイングがバード・オブ・プレイの最終飛行から何年も経ってから、しかも同機には公的資金が投入されていなかったという理由だけで、機体を公開する決定を下したことから導き出される暗黙の了解は明らかだ。これらはDARPAが主導する新技術の成熟のための努力の産物かもしれないし、あまりにも繊細な運用要件を満たすための特別アクセスプログラム(SAP)かもしれない。


バード・オブ・プレイ

ボーイング・バード・オブ・プレイ(米空軍撮影)

航空ジャーナリスト、歴史家、愛好家たちが、目撃者が空で発見した珍しい未知の航空機の報告を、機密領域から漏れ伝わってくる伝聞、噂、作り話と結びつけようとする。


私たちが空で見つけた謎を解明しようとするこうした努力から生まれた説明は、時に多くの人が可能と信じている内容の限界を超えることがある。極端な主張には、リバースエンジニアリングされたエイリアンの宇宙船から、第二次世界大戦中のドイツで生まれたテクノロジーとオカルトの神聖でない結婚まである。また、実現可能性が高く、実用的に見えるものもあり、さらなる証拠がなくても合理的に理解できるものもある。しかし、存在するとされるこれらのプラットフォームに共通しているのは、現代の民間伝承の中にしっかりと位置づけられているということだ。


TR-3B、オーロラ、その他神話的な航空機を支持する人々は、しばしば状況証拠にすぎないパンくずの跡をたどり、自分たちの好みの結論にたどり着く。しかし、目撃者の報告や不鮮明な写真、地元の伝説はすべて虚偽として片付けられない。例えば、ボーイングのバード・オブ・プレイ、ロッキードのF-117ナイトホーク、そして最近では2011年のビン・ラディン急襲に使われたステルス・ブラックホークがある。これらの航空機は、かつては空想の世界にしか存在しないと信じられていたが、最終的には現実の世界で実際に飛行している姿が証明されたのだ。


ステルス・ブラックホーク

ネプチューン・スピア作戦でアメリカのステルス・ブラックホークの存在が世界に明らかになった後に残された尾翼。(ウィキメディア・コモンズ)


アメリカの国防費が国内総生産の10%に迫ることもあった冷戦時代、急速な航空宇宙技術の進歩によって、不可能と思われたことが一生のうちに日常茶飯事となった。


1987年、アメリカの「闇予算」、つまり最高レベルの政府監督機関以外には見向きもされないほど極秘に運営されている国防と諜報プログラムに割り当てられた資金は、350億ドルに達し、その3分の2以上が国防総省の極秘研究、開発、買収に充てられていると報告された。現在のドルで換算すると、年間650億ドル弱が高度なまで機密化されたプラットフォームやシステムの設計と実戦配備に費やされていた。 2017年までに、アメリカの闇予算は推定で年間520億ドルにまで膨れ上がった。2018年、トランプ政権は当時史上最大となる811億ドルの闇予算を提案し、2023年までに闇予算は996億ドルに達したと言われている。

 この 「闇予算」の大部分は、巨大な諜報機関の運営に割り当てられている。つまり、この予算の大部分を単一のプラットフォームやシステムに割くことは不可能に近い。しかし、これほど大きな金額であれば、試験用や限定的な戦闘任務のために、エキゾチックで珍しい航空機を少量生産することは想像に難くない。ボーイングは40回のテスト飛行を含むバード・オブ・プレイ・プログラムの最初から最後まで、現在の価値で約1億2800万ドルを自己資金で賄った。


だから、これから紹介する神話上の航空機のいくつかは、歴史的事実のコスプレをしたSFに過ぎないと思われるかもしれないが、実は、一見非常識な航空機の小規模な部隊を実戦配備するのに必要な技術、動機、資金は、何十年も前から存在していたのだ。そして、これらの航空機のすべてが本当に存在したとは思えないが、ネット上でしばしば語られるエキゾチックで珍しい形状の航空機は、何千年にもわたって作り上げてきた多くの神話のように......誇張された話のどこかに真実の要素があることは、ほぼ間違いないようだ。


そこで、入手可能な証拠の大半から事実でないことを示唆しながらも、多くの人が実在すると信じている、神話上の航空機を紹介しよう。


TR-3A MANTA


何十年もの間、アメリカがTR-3AやTR-3Bと呼ばれる極秘の黒い三角形の航空機を秘密裡に運用しているという噂が飛び交ってきた。


1991年、TR-3Aはエイヴィエーション・ウィーク誌とポピュラー・メカニクス誌の一連の記事で世間に明らかにされた。エイビエーション・ウィークによると、このステルス航空機はノースロップによって1976年に設計され、最終的にF-117を製造したロッキードのハヴ・ブルーと並行していた。ノースロップは開発中、この三角形ステルス機を戦術高高度貫通機(THAP)と呼んでいた。当時、TR-3Aの役割は、F-117がレーザー誘導爆弾で交戦するために、搭載されたレーザー・デジグネーターを使用して目標を特定することであるといわれたが、F-117は目標の特定と交戦の両方を単独で行うよう装備されている。


エイビエーション・ウィークは、ノースロップTR-3Aは全長約42フィート、全高約14フィート、翼幅約60-65フィートで、一般にTR-3Bと呼ばれる類似の神話的プラットフォームに関する一般的な報道よりもはるかに小型の機体であったとしている。エイビエーション・ウィーク記事の無名の情報源によれば、これらの航空機は、アラスカ、イギリス、パナマ、沖縄に配備され、イラクでの戦闘作戦ではF-117ナイトホークと共同してバグダッド上空の目標をレーザーで指定するため飛行した「可能性がある」という。


TR-3Aの大きさと、1989年に北海の石油掘削基地で監視員クリス・ギブソンが報告した有名な目撃談を比較する人もいる。


しかし、TR-3Aが実在したことを示す具体的な証拠は、いまだ見つかっていない。


TR-3B

(Adobe Stockと米軍のアセットを使用してAlex Hollingsが作成)


TR-3Aは、F-117とともに運用されるように設計されたステルス偵察プラットフォームという、かなり根拠のある話だったかもしれない......しかし、TR-3Bの長年の主張について議論するとき、この話はもっと奇妙になる。ターボジェットを動力源とするTR-3Aとは異なり、TR-3Bは墜落したエイリアンの宇宙船から回収された反重力ドライブをリバースエンジニアリングして動力源としているとされている。


TR-3Bの開発に関するほとんどの話は、ペーパークリップ作戦(第二次世界大戦末期、アメリカが1500人以上のドイツの科学者や技術者を吸収し、さまざまな防衛技術の研究を継続させたプログラム)に関連している。ナチスの先端技術に関する神話が第二次世界大戦後の数年間にどのように生まれたかは過去に述べたとおりであり、TR-3B反重力プラットフォームをめぐる伝承が年月を経て成熟するにつれ、こうした「ヴンダーヴァッフェ」の主張の影響から免れることはなかった。


TR-3Bのコンセプトと反重力推進装置は、発明家ジョン・セント・クレアが2004年に申請した、「三角形の宇宙船」に関する特許や、航空宇宙エンジニアのサルバトーレ・セザール・パイス博士が米海軍で行ったその後の研究についての議論と関連している。パイス博士の研究は、「重力波発生装置」の特許申請から「時空間修正兵器」まで多岐にわたるが、学術界ではいまだに大きな議論の対象のままだ。


TR-3Bが存在するという確たる証拠は、多くの報告書に記載されているが、今日に至るまで一度も表面化していない。


オーロラ


ロドリゴ・アベラのイラスト。 Make sure to check out all of his work on his website here, and follow him on Instagram here!


オーロラとして知られる極秘極超音速機の噂は、1980年代から航空界に浸透している。運用可能なオーロラの証拠はまだ現れていないが、オーロラの説明に適合する高速航空機が、試験用としてごく限られた数だけ存在し、極めて限定的な運用の可能性さえあったことを示唆する証拠がある。


1992年4月5日と22日、南カリフォルニアで軍用機のチャンネルをモニターしていたスティーブ・ダグラスというジャーナリストが、非常に珍しい無線チャッターを拾った。ダグラスによると、コールサイン "ガスパイプ "の機体が、近くのエドワーズ空軍基地管制官と連携し、本人が聞いたところによると、その機体は極端な高度と速度で飛行していたという。


「高度67,000フィート、飛行距離81マイル」と管制官はパイロットに告げ、しばらくしてこう続けた。「70マイル先、高度36,000フィート。グライドスロープ上空」。


ダグラスが無線通信を記録した日に飛行していなかったことが確認されたSR-71とU-2を除けば、67,000フィートで飛行するアメリカの固定翼機は実質的にすべて排除された。エイビエーション・ウィークとスペース・テクノロジー誌の長年の編集者であるウィリアム・B・スコットは、2010年にスミソニアンマガジンのためダグラスの録音を分析し、1992年にスペースシャトルがエドワーズに密かに着陸したという空軍の嘘か、「ガスパイプ」がある種の高速機密機であると示唆している。


1992年8月、長年の航空ジャーナリストであるビル・スウィートマンと評判の高い『ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー』誌の編集者は、アメリカ合衆国地質調査所の地震学者が、南カリフォーニアのサン・ゲイブリエル・バレー付近で、高高度超音速機によるソニック・ブームと一致する揺れを記録していたことを明らかにした。しかし、ダグラスがラジオで録音したのは日曜日と水曜日だった。


カリフォーニア工科大学の米国地質調査所の地震学者ジム・モリは1992年、LAタイムズ紙に「私が言えるのは、音速の数倍の速さで大気中を概ね北東方向に移動した何かだということだけだ」と語った。


スウィートマンは、報告されたソニックブームの性質は、アメリカの格納庫にある既知の航空機とは一致せず、エリア51でテスト中の機密プラットフォームの可能性があると主張したが、空軍は否定した。


1997年、イギリスを拠点とする航空雑誌『Airforces Monthly』は、1994年9月26日にイギリスのエイムズベリーにあるボスコム・ダウン飛行場の滑走路23から離陸したアメリカのオーロラ機(記事の中ではアストラ(Advanced Stealth Reconnaissance Aircraft、AV-6)とも呼ばれている)が墜落したと主張するレポートを発表した。報告書によると、イギリスのエリート特殊空挺部隊(SAS)のオペレーターがこの事故に対応し、残骸を防水シートで覆い、2日後に残骸がC-5ギャラクシー貨物機でアメリカに空輸されるまで、その地域を封鎖した。


この航空機の名前は、1985年の国防総省の予算要求で、1986年に8000万ドル、1987年に23億ドルを「オーロラ」と呼ばれるプログラムに割り当てるよう要求していたことに由来するようだが、最終的に承認された予算にはその項目はない。それ以来、スカンクワークスのベン・リッチ元所長のように、"オーロラ "は当時極秘裏に進められていたステルス爆撃機計画の名称のひとつにすぎず、最終的にはB-2スピリットの実戦配備につながると主張する人々がいる。


「オーロラはB-2競作の資金調達のコードネームであったにもかかわらず、その話は今日まで続いている」とリッチは著書で述べている。 「私の言うことを信じるメディアは少ないと思うが、極超音速機のコードネームは存在しないのだ」。



シニア・シチズン


(レンダリング画像はSecretProjects.co.ukより引用)


シニア・シチズンは、ステルス垂直離着陸(VTOL)軍用輸送機とされるもので、滑走路を必要とせず、ヘリコプターのように出発できる設計だ。この機体に関する噂は1980年代に初めて浮上し、シニア・シチズンが「クレディブル・スポーツ作戦」に触発されたと主張した。この作戦は、1979年から1981年にかけての人質事件で、テヘランで拘束されていた人質を救出するために、3機のC-130貨物機にロケット弾を搭載し、サッカースタジアムに着陸できるように改造したものだった。


シニア・シチズンは、B-2につながったシニア・アイス、F-117につながったシニア・トレンド、SR-71につながったシニア・クラウンなど、確認されているさまざまな空軍プログラムと「シニア」という呼称を共有している。シニア・シチズンが実際の空軍の取り組みであることは確認されていないが、シニア・シチズンの基本的な説明に合致する航空機を実戦配備しようとする努力は、数十年にわたり何度か行われてきた。


ボーイングとノースロップ両社は、この「シニア・シチズン」の取り組みの一環として、1983年にDARPAからステルスVTOL輸送機の試験製造を請け負った可能性があり、最終的にノースロップが契約を勝ち取り、1989年までに運用可能なプラットフォームを実戦配備したと報告されている。しかし、DARPAは今日でもシニア・シチズンの説明に非常に近いプラットフォームを追求しており、オーロラ・フライト・サイエンシズはごく最近、ステルス設計の特性を持つファンインウイング高速垂直離着陸(VTOL)機の最新コンセプトを発表している...そしてそれは、これらの厳しい要件を満たすことができるプラットフォームが30年以上も飛行していない可能性が高いことを示唆している。


https://www.sandboxx.us/news/the-legendary-aircraft-people-think-america-operates-in-secret/


2022年8月26日金曜日

極超音速機オーロラの噂は真実だったのか、それとも...これまでの経緯を振り返ってみた

 


「オーロラ」と呼ばれる極超音速機の噂は1980年代から航空界に浸透しているが、証拠は依然まばらなままだ。米国は1980年代にマッハ5以上の航空機を開発・運用できただけでなく、今日に至るまでその秘密を守り続けてきたのだろうか?



「ブラック・プログラム」と呼ばれるように、国防総省は先端技術の機密開発に資金を提供してきた長い歴史がある。現在、秘密裏に行われているのは、特別アクセスプログラム(SAP)と呼ばれるもので、最高レベルのセキュリティクリアランスを持つ者でも情報の流通が制限される。また、SAPの中には、完成から数年経っても完全に明らかにされないものや、全く明らかにされないものもある。

 歴史的なメディア報道、機密解除文書、目撃者の証言、そしてフォーラムの投稿から、米国が極秘の極超音速航空機を持っていた可能性は極めて低いようだ... しかし、だからといって、エリア51の巨大なハンガーに何かが暗躍していなかったわけでもない。


編集部注:この記事のために素晴らしいオーロラのアートワークを使用してくれた友人のRodrigo Avellaに大感謝です。彼の作品はこちら、またはInstagramでフォローしてください。.


グルーム乾湖の底にある「エリア51」 (Google Maps)


 大量生産し戦闘投入できるまで成熟し、信頼性の高いテクノロジーと、手の届く範囲にあっても経済的、資源的、あるいは政治的な観点で持続不可能な最先端テクノロジーの間には、大きな隔たりがある。

 簡単に言えば、iPhoneは、最新型であっても、現在世界で最先端のスマートフォン技術ではない。今の機種は、ターゲットの価格帯と消費者のため大量生産できる技術に過ぎない。実際の最新・最高の通信技術は、間違いなく指数関数的にコストが高く、信頼性に欠ける可能性があるからこそ、心を動かすものがある。

 航空機も同じ形で進歩している。20億ドルで素晴らしい航空機を作ることができるかもしれないが、翌週から生産ラインを立ち上げられるとは限らない。技術実証機、プロトタイプ、エキゾチックな航空機の少量生産は、ロッキード・マーティンのパームデール工場やファンが多いエリア51など制限された施設では当たり前のことと考えられているだけでなく、検証可能な事実でもある。

 時には、意図した成果が得られないこともある。高価であったり、メンテナンスが大変であったりと、納得のいく結果が得られないこともある。そして時には...アメリカの秘密は文字通り砂漠に埋もれ、二度と語られることはない


(Lockheed Martin)



ロッキードのSR-71ブラックバードは、史上最速のジェット機であり、偵察機として使用された期間中に4,000発以上のミサイルを凌駕したことで有名だ。マッハ3超の速度を何時間も維持できるため、最新鋭の地対空ミサイルシステムや高性能の迎撃戦闘機でさえ、迎撃は不可能に近い。そのため、1980年代後半に空軍が大成功を収めた(そして同様に高価な)SR-71を退役させたとき、ほとんどの人は、アメリカにはさらに高速で高空を飛ぶ代替機がすでに存在しているからだと単純に考えていた。

 その推測は間違ってはいなかった。国防総省や議会では、ブラックバード後継機について十分な議論が交わされていた。数十年たって、反論の余地のない事実が、仮説に基づいた物語の周りにねじ曲げられ、オーロラの背後にある真実を調査しようとすると、その他の実在または想像上の機密プログラム(現在も続いているものも含む)への言及という曲がりくねった回廊を必然的にたどることになる。



ロッキード・マーチンSR-72の完成予想図



 オーロラは、ロッキード・マーチンが極超音速兵器開発競争の開始前に大々的に宣伝していたSR-7を彷彿させる三角形の極超音速航空機だとの噂が常にあった。

 当時はすでに人工衛星が情報収集に大いに役立っていたが、SR-71の退役後も空からの偵察のニーズはあり、現在もそのニーズは続いている。実際、SR-71は1990年代、国家偵察ニーズに応えるため、一時期退役を延長していた。多くの人は、空軍が後継機を用意せずに、SR-71を手放すわけはない考えた。それはある程度正しかったのかもしれない。



エリア51上空を高高度飛行するオーロラのレンダリング画像


 オーロラと関連づけられることが多い時系列に、極めて高速な航空機がテスト飛行していたと示唆する証拠がある。

 1992年4月の2回(5日と22日)、スティーブ・ダグラスというジャーナリストが南カリフォーニアの軍用機チャンネルをモニターしていたところ、非常に珍しい無線のおしゃべりを耳にした。ダグラスによると、コールサイン 「ガスパイプ 」の航空機が近くのエドワーズ空軍基地から航空管制官と連携し、彼が聞いたところでは、そのジェット機は極端な高度と速度で飛行していたという。

 管制官はパイロットに「そちらは6万7000フィート、81マイルの地点にいます」と告げ、しばらくしてこう続けた。「76マイル、36,000フィート。グライドスロープ上だ」。

 67,000フィートからの侵入は、ダグラスが無線通信を記録した日に飛行していないことが確認されたSR-71とU-2を除き、アメリカの固定翼機すべてを排除することになった。Aviation Week and Space Technologyの編集者であるウィリアム・B・スコットは、2010年にスミソニアン誌のためダグラスの録音を分析し、それが本物であると確信した。これは、1992年にスペースシャトルがエドワーズに極秘着陸したと空軍が嘘をついているか、「ガスパイプ」が何らかの高速機密航空機に違いないことを示唆している。



スペースシャトルは極秘任務も遂行した. (NASA photo)


 1992年8月、防衛専門誌として定評のある「ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」のビル・スウィートマンらが、米国地質調査所の地震学者が南カリフォーニアのサンゲイブリエル・バレー付近で高高度超音速機のソニックブームに一致する揺れを記録していることを明らかにした。しかし、ダグラスが録音したラジオの音声は、日曜日と水曜日のものだった。

 カリフォルニア工科大学の地震学者ジム・モリは1992年にLAタイムズ紙に「私が言えることは、音速の数倍の速さで大気中を概ね北東方向に移動しているものだということだ」と語った。

 スウィートマンは、報告されたソニックブームは、アメリカで供用中の航空機と一致しないと主張した。

「既存航空機の音にしては速すぎる」と彼は言った。



オーロラの想像図 (Wikimedia Commons)


 スウィートマンは、ソニックブームがグルーム湖(通称エリア51)でテスト中の機密航空機から発生しているのではないかと考えたが、空軍が否定した。しかし、ジェーン報道のちょうど1ヶ月前に、「エイビエーション・ウィーク・アンド・スペース・テクノロジー」は、カリフォーニア州北部のビール空軍基地近くで、2機のF-117ナイトホークがKC-135給油タンカーと編隊を組んで飛行する菱形の照明を持つ珍しい航空機の目撃情報を報告している。Aviation Week誌の目撃報告によると、この珍しい航空機は編隊に加わった後、すぐに外装の照明を消し、そのエンジンは「大きなチューブの中を空気が駆け抜ける」ような独特の音を発していたとのことだ。ビール空軍基地はサンゲイブリエルバレー(ロサンゼルス近郊)からかなり北にあるが、それでもグルーム湖から約320マイルしか離れておらず、マッハ5で移動すれば約5分と思われる。

 オーロラに関連する他の報告には「ドーナツ・オン・ア・ロープ」と呼ばれる珍しい飛行機雲の写真がある。蒸気跡の奇妙な外観から、オーロラは高度なパルスデトネーションエンジンと推測されているが、その概念は精査に耐えるものではない。2008年、空軍研究本部は、4種類のPDEパイプを1秒間に20回ずつ発射するエンジンで、時速120マイルを達成した初の(既知の)PDE機を製造し飛行させた。この航空機は、皮肉にも「ボレアリス 」と名づけられた。


2008年に飛行したPDE搭載のLong-EZ「Borealis」(Air Force photo)


 極超音速を達成するためには、PDEを文字通り毎秒数千回発射しなければならず、どんな種類の「ドーナツ」でもその間隔は地上から見るには小さすぎる。その代わり、もし「オーロラ」あるいはそれに類するものが実在するなら、1992年にスウィートマンがワシントン・ポスト紙で提唱した液体メタン複合サイクルラムジェットあるいはスクラムジェットの方がはるかに現実的だろう。

 これらの報告は、オーロラが極超音速技術の実証機であり、実用機の基礎を目指したプログラムであった可能性を示唆している。しかし、オーロラに関連する最も古い目撃情報は、その3年ほど前に、まったく別の大陸で報告されているのだ。



クリス・ギブソンの目撃情報から作成した画像 (Twitter)


 1992年、今や悪名高いエリア51の近辺でテスト中の高速航空機らしきものが目撃されたという報告は、アンクルサムがグルーム湖からエキゾチックな機体を飛ばしているという妥当な結論に至らしめた。しかし、1989年に始まった英国での一連の目撃談は、全く異なる物語を提供する。この報告を信じるのなら、1992年のアメリカでの目撃は、テスト中の新型機ではなく、実戦で使用される機体の飛行であったということになる。国民の目から隠された実戦機の飛行であった。

 1989年8月、スコットランドの石油探査技術者クリス・ギブソンが、北海の石油掘削基地で、2機のF-111と編隊を組み、KC-135から給油する二等辺三角形の航空機を目撃したと報告したのが、最も有名な英国での目撃例だ。ギブソンはただの航空ファンではなく、遠距離から航空機を識別することに長けた訓練された飛行場監視員だった。

 「この飛行機が『怪しい』ものであることは明らかだった。編隊を1、2分見て中に戻った」と、後にギブソンはディスカバリー・チャンネルに語っている。

「当時、私は航空機の認識マニュアルを書いていて、ブリーフケースの中にデンマークのLuftmelderkorpset Flykendingsbogが入っていた。これはおそらく、これまでに作られた航空機認識本の中で最高のものだ。私はそれに目を通したが、一致するものはなかった。そして、私が見たものをスケッチして、ROC(英国王立監視団)のグループオフィサーで、認識チームのピーター・エドワーズに送りました」。



オーロラの想像図 (Global Security)


 8年後の1997年、イギリスの航空雑誌「Airforces Monthly」は、1994年9月26日にイギリスのエームズベリーにあるボスコム・ダウン飛行場の23滑走路から離陸したアメリカのオーロラ(記事ではアストラとも呼ばれる先進ステルス偵察機、AV-6)が衝突したとする記事を発表した。

 同誌編集者のデビッド・オリバーは、この記事は英空軍の情報源と匿名目撃者を引用して、調査に2年かかったと主張している。それによると、英国のエリート特殊空挺部隊(SAS)のオペレーターがすぐに現場に到着し、機体は防水シートで覆われた。

 その2日後の9月28日には、格納庫に覆われて保管されていた残骸を米国に運ぶため、米国のC-5貨物機がボスコム・ダウンに到着したとされている。

 この事件についての問い合わせに、英国防省も米国防総省もフィクションだと否定している。



Aurora image courtesy of Rodrigo Avella — follow him on Instagram.


オーロラ・プログラムの議論には、必ずと言っていいほどお金の問題が絡んでくる。米軍は世界最大の予算を持っているが、同時に最も広範囲な義務を負っている。第二次世界大戦後の米軍はヨーロッパを守るため重要な役割を担ってきた。また、世界中の航路を安定させる存在であり、潜在的な敵への抑止力を維持するために革新を絶えず続けなければならない。そのため、国防総省には膨大な資金があるが、十分とは言えない。

 海軍の水上艦隊の一部を売却したり、空軍に運用コストの高い最新のステルス機ではなく、F-15EXのような新しい第4世代戦闘機を購入させるなど、困難で不人気な決断を迫られることも少なくない。公に開示された、あるいは秘密にされた会計費目から数十億ドルを取り出そうとしているなら、誰かに気づかれる。しかし、インターネットは、どうやらちがうことに気づいたようだ。

 オーロラについてネット上で最もよく引用される事実のひとつは、1985年の1987会計年度の支出を予測する文書の中で、機密扱いの航空機群製造のための4億5500万ドルの一項目として明らかにされたというものである。

この話は1990年にAviation Week誌が報じたものと思われる。しかし、この話を繰り返している報道機関がリンクしている長い引用の列を調べてみると、これは正確ではないようだ。オリジナルのAviation Week誌記事はオンラインでは公開されていないが、数字を最も古い公開元までさかのぼると、ほとんどの報道機関が、オーロラ計画とされるものに関連する開発を一覧にした、黒地に茶色のテキストの「オーロラ・タイムライン」ページを引用していることに気づく。同ページは2009年に削除されたが、インターネット上のアーカイブでアクセスできる。



 しかし、1985年の予算案は、実際にあったのだ。よく引用されるAviation Week誌記事の5年前に、少なくとも2つの報道機関がリアルタイムで1985年の予算案にオーロラが含まれていると取り上げている:LAタイムズ紙と南フロリダ州サンセンチネル紙である。この報道に基づいて、「オーロラ」に関連する数字は4億5500万ドルよりもかなり高いものであった。

 サンセンチネル紙は、この数字を裏付け、ペンタゴンが、当時年間9億ドルから10億ドルと見積もられていたB-2スピリットよりも多くのコストがかかると予想される秘密プログラムを進めていたことを示唆しているようである。

 しかし、この話にはまだ続きがある。オーロラは確かに調達プログラム文書の高価な項目として登場したが、同文書は提案書に過ぎない。翌年、1987年度の国防予算案が議会に提出されたが、オーロラもその数十億ドル支出も含まれていなかった。つまり、オーロラは、それが何であれ、一銭も受け取っていないようなのだ。

 オーロラに関する真実は、1994年、F-117ナイトホークの開発を指揮したロッキードの元スカンク・ワークスのベン・リッチが出版した著書『スカンク・ワークス』(ロッキード時代の回想録)で明らかになったようである。リッチ氏によると、悪名高い「オーロラ」の項目は、実はステルス爆撃機コンペティションの資金であり、最終的にノースロップが勝利したのだという。



B-2 Spirit (U.S. Air Force photo)


「スカンク・ワークスに割り当てられた極秘プロジェクト、つまりアメリカ初の極超音速飛行機を作る噂が浮上した」とリッチは書いている(共著者レオ・ジャノスとの共著)。

 「オーロラはB-2コンペの資金調達のためのコードネームであったにもかかわらず、その話は今日まで続いている。私の言うことを信じるメディアは少ないと思いますが、極超音速機のコードネームは存在しません。単に存在しないのですから」。

 B-2スピリット生産の議会承認は1987年に下され、リッチの気持ちを立証したかのようだが、その資金が競争用であった可能性は低いようだ。B-2調達に関する政府会計局の1995年報告書によると、B-2プログラムが優先順位の変更を余儀なくされたのはこの時期である。

「ほぼ同時期に、B-2の任務の重点は、核兵器を主として運搬する戦略爆撃機から、精密誘導弾を運搬できる通常爆撃機へと変更された」。("B-2 BOMBER: Status of Cost, Development, and Production," United Staes Government Accounting Office - August 4, 1995.)

 1987年度予算にはオーロラは含まれておらず、また23億ドルが単に他のプログラムにシフトされた、あるいは複数プログラムに分散されたことを示す予算総額もなかったため、このコストは予想されていたかもしれないが、大部分は回避されたようである - しかし、頭痛がないわけではない。同じ1995年の文書によると、B-2が1997年までに就役する準備が整わないという差し迫った懸念があり、問題の一つとして強調されたのが、この資金シフトであった。

 「テストの進捗は計画より遅れている。試験プログラムは1997年7月に完了する予定であるが、完了すべき試験とそのために必要と思われる時間についての我々の分析では、1997年7月までの完了は楽観的であることを示している」。「B-2の任務が核から通常兵器に重点が変更されたことにより、B-2への精密通常兵器の統合の必要性が高まった」。("B-2 BOMBER: Status of Cost, Development, and Production," United Staes Government Accounting Office - August 4, 1995.)

 これは、1985年文書にあるオーロラの項目が、B-2の役割の変更に関する懸念に対処するためのものだったと確実に結論づけるには十分ではないものの、同名の極超音速攻撃機や偵察機に資金提供することを目的としていなかったことは明らかであろう。



Aurora image courtesy of Rodrigo Avella — follow him on Instagram.


 1980年代から90年代にかけて、米国が「オーロラ」などの名称で極超音速の偵察機や攻撃機を運用していた可能性は極めて低いようだ。米国は、オーロラ計画に長く携わってきた先進的な推進システムに多額の投資を続けてきたことは明らかだ。超音速燃焼ラムジェット(スクラムジェット)は、一般的にオーロラに関連するエンジンシステムとされるが、もしこれらのシステムが1980年代に実用機用に成熟していたなら、米国が極超音速ミサイルやドローン用途のスクラムジェット開発に文字通り数十億ドルを2016年から投じることだけでも異常だと思われる。

 同様に、航空機をマッハ5、6、8(いずれもオーロラによく起因する速度)を超える速度に確実に押し上げることができる実用的な推進システムがあれば、空軍がパルスデトネーションエンジンやローテーションデトネーションエンジンのようなエキゾチックな高速推進システム開発に多額の投資を続けているとは考えられない。今週、空軍はロッキード・マーチンからプラット&ホイットニーに至るまで、アメリカの次世代戦闘機用の強力かつ効率的なエンジン開発のため、約50億ドルの契約を締結したばかりだ。

 たとえ巨額の資金があっても、『トップガン』が映画館で上映されていた頃にすでに稼働していたシステムよりも進んでいないテクノロジーに、アメリカが何十億ドルも注ぎ込み続けるとは思えない。


しかし...かなり大きな問題がある...

技術実証機を作る開発プログラムと、運用に供される航空機の間には、大きな違いがある。この違いは、2020年にウィル・ローパー空軍次官補(取得・技術・兵站担当)が、空軍の次世代航空優勢(NGAD)プログラムに関連する「実世界におけるフルスケール飛行実証機」をすでに製造し、テストしたと報道陣に語ったときに浮き彫りになった。多くのメディアは、戦闘機そのものが開発段階に達したことを意味するかのように報じたが、デモ機はシステムの機能を実証するだけでよく、量産型プラットフォームと類似している必要はない。

 Tyler Rogoway氏がここThe War Zoneで指摘したように、ノースロップのステルス技術デモ機タシットブルーTacit Blueは、B-2スピリットの低視認性能力開発で重要な役割を果たした。しかし、この両機を見ても関連性は思いつかないだろう。



ノースロップのタシット・ブルー技術実証機(上)とB-2スピリット(下)


つまり、オーロラが極超音速機として運用されていたとは考えにくいが、グルーム湖の吹きさらしの滑走路から様々な実験機、試作機、技術実証機が運用され、アメリカ南西部の上空で目撃されていなかったとは限らない。1980年代は冷戦が続いており、アメリカは先進的な防衛計画に資金を投入していた。

 前述のタシット・ブルーが公表されたのは、最終飛行から10年近く経ってからだった。ボーイングのバード・オブ・プレイ技術実証機は、公開7年前にエリア51の上空を飛行していた。このように考えると、グルーム湖周辺では20年以上にわたり、先進的な推進システムから新型ステルス技術まで、各種テストが行われていたことがわかる。エリア51には、格納庫に格納されている機体や、保管スペースが限られているため砂漠に埋められた機体など、いまだ公開されていない機体が多数存在すると広く伝えられている。



1996年から1999年までエリア51で運用されたバード・オブ・プレイのステルス技術実証機は、ボーイング社の自己資金で開発された。(U.S. Air Force photo)


「オーロラ」と名付けられたアメリカの極超音速機の話は、1985年時点で広く流布しており、その4年後にクリス・ギブソンが北海上空を飛ぶ本物を見たと主張することもできる。あるいは、その数ヶ月前に公開されたばかりで、その後何年も広く誤解され続けたF-117も、彼が目撃した黒い三角形の可能性があると主張する人もいるかもしれない。B-2スピリットはギブソン目撃のわずか1ヶ月前に初飛行したため、大西洋を横断する可能性は極めて低いが...それでも、資金やロジスティックの痕跡さえない、まったく別の極超音速の黒い三角形機よりは可能性があるように思える。

「オーロラ」という言葉に対する熱狂は、アメリカ上空で実験中のさまざまな異常な航空機の目撃情報をひとまとめにし、最終的に他の場所からの目撃情報も含めて、一つのキャッチオールな言葉として提供されてきたようだ。なお、ギブソンが目撃談を発表したのは1992年だ。

 「オーロラ」と呼ばれる極超音速機伝説は、おそらく単なる伝説にすぎないが、関連する目撃談や、それに含まれるとされるエキゾチックな技術、そうした計画にまつわる秘密がフィクションであると断定できないのだ。

 オーロラは実在しないかもしれない。しかし、グルーム湖そばの砂に埋もれたどこかに、もっと大きな秘密が隠されているかもしれない。■


WAS AMERICA’S AURORA HYPERSONIC AIRCRAFT REAL? WE GET TO THE BOTTOM OF IT

Alex Hollings | August 25, 2022

https://www.sandboxx.us/blog/was-americas-aurora-hypersonic-aircraft-real-we-get-to-the-bottom-of-it/


Alex Hollings

Alex Hollings is a writer, dad, and Marine veteran who specializes in foreign policy and defense technology analysis. He holds a master’s degree in Communications from Southern New Hampshire University, as well as a bachelor’s degree in Corporate and Organizational Communications from Framingham State University.


2021年3月18日木曜日

エリア51から太平洋にかけ高高度の制限飛行経路が設定されていた。利用した極秘機材とは何か

  

A map showing the route outlined in an unusual airspace restriction notice in March 2021.

FOREFLIGHT

 

週末、連邦航空局の航空関係者向け通達つまりNOTAMのデータベースに興味深い告知が加わっていた。米軍の極秘テスト施設、エリア51として知られるグルーム湖、トノパ試射場空港からサンフランシスコ南西を経由し太平洋に至る経路上の高高度飛行に注意喚起していた。

 

このNOTAMに気づいたのはDreamlandresort.comの掲示板で発出は2021年3月12日の日付だが実際に公表されていたのは翌日の現地時間5:45PMから8:15PMのみだった。通常は時間帯を最小に限定する軍の訓練やテスト活動としては不自然だ。通達では幅20カイリ、全長426カイリでフライトレベル450、600つまり45千フィートと60千フィートの設定で、ウェイポイント数カ所を設定し、ウェブサイトForeFlightは下のように図示した。

 

FOREFLIGHT

今回のNOTAMで設定した経路の全体像。

 

 

太平洋からはサンフランシスコへ104カイリ伸びて、次にモンテレイ西から54マイル先でカリフォーニアでも人口密度が低い地点で内陸上空に達し、ネヴァダ西部に入っている。

 

この飛行経路はネヴァダ上空の制限軍事空域R-4807Aの端で終わっている。R-4807Aは米空軍の広大なネヴァダ試験訓練施設の一部で、その北部にはR-4809としてトノパ試射場と空港がある。また南部にはR-4808Nが設定され、中にR-4808Aが「The Box」の設定がある。ここが極度に制限されているエリア51付近の空域だ。

 

実際の公示は以下の通りだった:

!CARF 03/165 ZOA AIRSPACE STNR ALT RESERVATION DEFINED AS 10NM

EITHER SIDE OF A LINE FM BEBOP TO PIRAT TO CYPRS TO CANDA TO RUSME

TO LIDAT TO TPH168031. FL450-FL600

2103140145-2103140415

 

今回の飛行制限は静止ALTRVとよばれ、ALTRVとは高度事前承認要求の略だ。今回はNTTR(ネヴァダ試験訓練施設)を太平洋と接続させ、高高度を飛行する対象用に設定したようだ。ALTRV対象経路を飛行中の航空機は交信が不要で、トランスポンダーを作動させる必要がない。

 

FOREFLIGHT

今回の飛行経路の東端を拡大した。ネヴァダテスト訓練施設(NTTR)の各種飛行制限空域がわかる。ここでKTNXはトノパ試射場空港のコードで、KXTAはエリア51専用のホーミー空港のコード

USAF

NTTR全体の地図で、エリア51付近の飛行制限空域もわかる。「The Box」と呼ばれるのは4808A。

 

 

今回の飛行ルートで興味を感じる理由がある。ここ数年のNOTAMからThe War Zone が推論した内容に非常に似て、NTTRとカリフォーニア北部沖間をいつも通過している。

 

もう一つ興味深いのはモンテレイ付近を通過する極秘の機体についてThe War Zone に語る航空機追跡愛好家があらわれたことだ。こうした機体が高高度の飛行回廊を通過し、太平洋東に設定のある米軍試射場に安全に移動できるよう手配されているのか。また極秘機材を米本土の外へ可能な限り効率よく迅速に東太平洋上空へ移動させ、回収したのか。

 

問題の飛行回廊を利用した機体が有人機とは限らない。こうした経路を無人極秘機が海上移動に利用する場合がある。では機材は何か。RQ-170の可能性がある。試験機はパームデイルから飛行しているが、その際はチェイス機が一緒に飛び、交信しながら通常の空域を一貫して利用している。

 

また、RQ-170が太平洋演習区域で何回も飛行していることがわかっている。さらに秘密に覆われた大型の「RQ-180」の可能性もあるが、カリフォーニア沖合の高高度を飛行する機体が実在するのは公然の秘密だ。今回は単独飛行で、給油機も付近におらず、また時間帯も夜間だった。

 

NTTR周辺の無線交信を熱心にモニターする航空機スポッターはエリア51、TTRで今回の飛行経路に関連する動きはなかったと言っている。これまでも同様の投稿があっても、スポッターから不自然な交信や動きの報告はなかった。

 

いいかえれば、今回の機体は全く存在を知らせない点で完璧だったことになる。■

 

この記事は以下を再構成し人力翻訳でお送りしています。市況価格より2-3割安い翻訳をご入用の方はaviationbusiness2021@gmail.comへご連絡ください

 

Mysterious High-Altitude Flight Corridor Was Opened Up Between Area 51 And The Pacific

The restricted strip of airspace bridged the Nevada Test and Training Range with the Pacific Ocean during a few-hour window last Saturday evening.

BY TYLER ROGOWAY AND JOSEPH TREVITHICK MARCH 15, 2021