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2025年6月10日火曜日

アメリカは台湾・韓国を別個の安全保障問題として扱うのをやめるべきだ(19fortyfive)―隣国の新大統領は台湾危機について聞かれ、はぐらかした=無関係と思っている、そうですが、今や米側は台湾朝鮮半島同時危機を想定しています

 




インド太平洋軍(INDOPACOM)における米国戦略の統合は急務:

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    韓国と台湾は相互に関連する課題であり、統合された安全保障体制が必要である:米国は台湾と韓国を孤立した安全保障問題として扱うのをやめなければならない。

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    両国は戦略的に相互依存しており、一方の防衛に失敗すれば、他方の防衛もほぼ確実に脅かされる。したがってINDOPACOM管轄区域内の米軍と同盟国軍のすべてを統合する新たな安全保障構造を構築する必要がある。

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    新しい構造は、地域内の同盟国(特に日本、韓国、フィリピン、オーストラリア)を統合し、防衛産業基盤を民主主義の共同兵器庫として調和させるべきである。

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    敵対者を抑止するため、米国とその同盟国は、近接戦闘から第一列島線内での支配を確立できることを示さなければならない


新たな安全保障現実には戦略的統合が不可欠

これまで米国の国家安全保障コミュニティは東アジアの課題を分割し、韓国と台湾を別個の戦略的問題として扱ってきた。そのアプローチはもはや持続不可能だ。2025年年次脅威評価が明確に示しているように、中国と北朝鮮(ロシアとイランを含む)は積極的な「敵対協力」を展開している。彼らの作戦は相互に補完し合い、米国と同盟国の計画の隙間を突くものだ。台湾を防衛しつつ朝鮮半島を放棄する、またはその逆のシナリオは、米国にとって戦略的破滅を招く。

 したがって、米国はINDOPACOMの脅威を別個のものとして扱うのをやめなければならない。統合された計画と同期した指揮を通じて実行される包括的な地域全体戦略を構築し、同盟国と共に地域全体をカバーする統合された抑止態勢を確立する必要がある。

 この取り組みは、まずワシントンから戦略的明確さと地域内の戦略的イノベーションで始める必要がある。部門間の連携不足による対応策は不要だ。一つの事態に焦点を当てた思考は終わらせ。地域は統合された全体として理解し、防衛されなければならない。


実務家戦略家が主導すべきで、在ワシントンの理論家ではない

したがって、インド太平洋戦略は戦域で策定され、ペンタゴンで策定されるべきではない。ワシントンD.C.は政治的リーダーシップ、省庁間調整、監督において不可欠だが、地域専門知識を有する実務家が存在する場所ではない。米国は、INDOPACOM戦域における地形、同盟国、敵対勢力、作戦のペースを理解する戦域戦略家が必要だ。

 サミュエル・パパロ海軍大将(INDOPACOM司令官)とザビエル・ブランスン陸軍大将(国連司令部、韓国・米国合同部隊司令部および米国韓国軍司令官)による最近の公聴会証言は、前例のないレベルの調整と戦略的統合を示していた。筆者の約40年間の個人的な観察において、戦域司令官間がここまで明確で不可欠な一致を示したことはなかった。

 パパロ提督は、朝鮮半島が広範な地域抑止に果たす重要性について力強く述べた。ブランスン大将は、韓国駐留米軍と韓米同盟が半島だけでなく地域全体で果たす貢献を繰り返し強調していた。両指揮官が互いの領域について言及したことは、真に統合された戦域アプローチへの転換を示す証拠だ。

 4月の上院軍事委員会での両指揮官の補足的な姿勢表明は、この転換をさらに強化していた。各指揮官は、韓国における米軍削減に断固反対する姿勢を示した。ブランスン大将は、国家防衛承認法(NDAA)における2万8,500人の兵力下限維持を明確に支持し、パパロ提督は、韓国からの米軍撤退はほぼ確実に戦争を招くと警告した。

 ここまでの率直さは、新鮮で不可欠だ。これは、ワシントンを拠点とする一部評論家が危険なほど軽視している韓国の戦略的重要性を無視したままでの中国一辺倒の視点と対照的だ。その代表格は、2024年に「個人の見解では、朝鮮半島における米軍は北朝鮮問題の対応に人質にされるべきではない。なぜなら、それが米国の主要な課題ではないからだ」と述べた新任国防政策次官補のエルブリッジ・コルビーだ。

 コルビーは知的貢献は大きいものの、実務経験と地域専門知識に欠けている。韓国が重要でないという本人の見解は、単に誤リでは許されず、潜在的に破滅的なものです。

 

統合的な枠組みへの移行:戦略から構造へ

戦略的明確さは構造的革新と一致しなければならない。筆者は、米国の条約同盟国である韓国防衛に優先順位を置くため、新たな統一指揮機関である「東北アジア司令部」の設立を長年主張してきた。しかし、現在では新たな安全保障構造が必要だと考える。この構造には、INDOPACOMに配置されたすべての米軍部隊だけでなく、地域緊急事態に対応するため本土から配置される部隊も含まれるべきだ。

 さらに、この構造は主要な同盟国との連携のもとで構築されなければならない。韓国、日本、オーストラリア、フィリピンは、別々の戦域における独立したパートナーではなく、地域同盟ネットワークの相互接続された構成要素として位置付けられる必要がある。これらの国の統合された能力——陸上火力、海軍力、情報収集、ミサイル防衛、サイバー作戦——は、中国と北朝鮮の侵略を阻止するため調整されなければならない。同盟国部隊は抑止と防衛に不可欠であるだけでなく、これらの国の地政学的立地は、戦域全体および両方の緊急事態において支援と柔軟性を提供する。これは「アジア版NATO」ではなく、米国が地域における伝統的なシルクロードのネットワークから築く独自の安全保障構造だ。

 加速すべき具体的なイニシアチブの一つに、共同防衛産業基盤の形成——民主主義の現代的な兵器庫——がある。JAROKUS(日本、韓国、米国)の造船と弾薬コンソーシアムがモデルとなる可能性がある。これにより、同盟国は生産を拡大し、イノベーションを共有し、危機時に相互の備蓄を迅速に補充することが可能となる。物流と維持管理の調整、および重要なプラットフォームの共同開発は、長期的な抑止力と戦争持続能力を確保するために不可欠だ。

 このような取り組みは、中国と北朝鮮が準備を進める長期的な消耗戦戦略に対抗する上でも有効だ。防衛生産と物流システムを統合することで、同盟国は前線展開部隊の脆弱性を軽減し、サプライチェーンや港湾への攻撃を受けても「接触層」で戦い続ける能力を強化できる。


政府全体と同盟全体のアプローチ

 パパロとブルンソン両名は、単なる共同・統合的なアプローチ以上の包括的なアプローチへの転換を提言した。このアプローチは、同盟国政府全体を巻き込んだものだ。将軍と提督は、軍事力のみでは地域を安全保障できないことを理解している。経済外交、情報・影響力作戦、サイバー防衛、外交的圧力は、一貫したキャンペーンの核心的な要素だ。

 米国は、負担分担に焦点を当てた取引的な交渉ではなく、多国間協調を優先すべきなのだ。米国特殊作戦司令官のブライアン・フェントン将軍が雄弁に述べたように、米国は「負担分担」の哲学から「負担所有」の哲学へ移行する必要がある。これにより、すべての同盟国が単独防衛能力を確保し、相互防衛を強化できる。同盟国から譲歩を引き出すためのコスト分担協定の時代は終わりにしなければならぬ。代わりに、同盟国は相互投資、抑止力の共有、集団的な決意の枠組みを構築する必要がある。これには、地域における指揮官と実務者を信頼し権限を与えるワシントンの政治的リーダーシップが必要だ。また、日本と韓国が努力しているように、歴史的な摩擦を乗り越える必要もある。

 インド太平洋地域の安全保障課題は消え去ることはない。むしろ、一層相互に関連し合うようになっている。北朝鮮のミサイル発射と核の威嚇は、台湾への注目と資源をそらす。中国の軍事演習は、第一列島線における米軍と同盟国の意思決定に圧力をかけている。両敵対国は、ワシントンが同等に重要な二つの利益の間で選択を迫られる状況から利益を得る。


結論:統合しなければ失敗に終わる

 選択は明確だ。米国は、時代遅れの分割アプローチを継続し、台湾または韓国での戦略的失敗のリスクを負うか、統合された戦略と集団安全保障の新たなモデルを採用するかだ。

 これは、INDOPACOMにおける米国の戦略のすべての側面を調整することを意味する。部隊配置、緊急事態計画、産業能力、同盟統合。台湾の防衛が韓国を犠牲にしないことを確保し、その逆も同様です。そして、パパロ提督やブランスン将軍のような地域指揮官に、この変革をリードする権限を与えるべきだ。

 米国は時間との競争だけでなく、自らの機関的慣性との競争にも直面しています。成功は、ワシントンがインド太平洋を孤立した問題の寄せ集めではなく、統一されたビジョンと協調行動を要する単一の戦略的生態系として扱うときのみ実現する。■


America Must Stop Treating Taiwan and Korea as Separate Security Issues

By

David Maxwell


https://www.19fortyfive.com/2025/04/america-must-stop-treating-taiwan-and-korea-as-separate-security-issues/?_gl=1*1xv9s9k*_ga*ODM2Njg3NTMzLjE3NDUwMTY0Nzc.*_up*MQ..


著者について:デビッド・マックスウェル

デイビッド・マックスウェルは、アジア太平洋地域で30年以上を過ごした退役米軍特殊部隊大佐。東北アジアの安全保障問題と非伝統的・政治的戦争の専門家で現在はアジア太平洋戦略センター副会長兼グローバル・ピース・ファウンデーション上級研究員を務めている。退役後は、ジョージタウン大学安全保障研究プログラムの副ディレクターを務めた。北朝鮮人権委員会とOSS協会の理事会メンバーであり、『スモール・ウォーズ・ジャーナル』の編集委員も務めている。


2018年6月9日土曜日

北朝鮮侵攻作戦シナリオの最新検討内容から見えてくるもの

いよいよ迫った米朝首脳会談が吉と出るか凶と出るか世界が注視する中、シンクタンクRANDコーポレーションがウォーゲームで北朝鮮との開戦シナリオを検討し驚くべき結果がでました。しかしホテル代もなく、自国機材で会場移動もできない国がここまでこけおどしで各国をさんざん振り回したことの落とし前はどうつけたらよいと皆さんは思いますか。


A New Study Says a War with North Korea Could Be Hell (And Start a U.S.-China War) 北朝鮮との開戦になればこんな惨状になるとの新規検討内容が出た(米中開戦にもつながる可能性)


June 8, 2018


朝鮮と開戦になれば米軍は数々の問題に直面することがRANDコーポレーション実施の一連のウォーゲームで判明した。
北朝鮮へ進軍し金正恩の核兵器撲滅あるいはソウルを狙う砲兵陣地を制圧しようとすれば米軍韓国軍兵力を薄く延ばすだけではなく、中国の軍事介入のきっかけになりかねない。
今回のRAND研究では米軍特に発注元米陸軍の実戦能力に中心をおいた。北朝鮮の核兵器による脅威、北朝鮮通常戦力の実効力、北朝鮮外交による課題、さらに北朝鮮核兵器の制圧がどうなるかを北朝鮮体制崩壊、さらに国内が内戦状態になる場合を想定して検討している。
「北朝鮮各地に点在する核兵器を捜索制圧する兵力が足りませんしその他にも戦後処理あるいは政権崩壊シナリオでの各種ミッションでも人員不足です。さらに完全に任務を行うためには迅速に北朝鮮へ進軍する必要がありますが、これを行う能力がありません」とRAND研究員マイケル・マザーがNational Interestに語っている。
このうち核兵器について同報告では核兵器保有量が大きいため北朝鮮侵攻制圧が事実上不可能と指摘する。「5年から8年で北朝鮮がさらに核兵器製造に向かえば攻撃を受けても十分な核兵器を温存し、北朝鮮侵攻は画期的な核兵器対策手段が生まれない限り高くつく選択肢になる」とし、米政策の方向如何にかかわらず日本、韓国は北朝鮮による核報復攻撃の可能性により政策の幅を狭められる。
北朝鮮砲兵隊(1万門もの火砲があると伝えられる)でソウルが火の海になるとの脅威についてRANDでは空爆ないし砲撃により火砲をノックダウンする、または限定的国境線内侵攻作戦でケソン高地を制圧し火砲を破壊する作戦を検討した。空爆・砲撃攻撃では重度に防御された火砲の制圧に数週間かかる一方で地上侵攻は北朝鮮の核兵器投入のきっかけになりかねないとわかった。
大きな問題は限定的にせよ地上侵攻するには大規模兵力が必要なことで韓国陸軍二個軍団を想定している。また韓国がこの兵力を維持できるかも疑問だ。「今回のウォーゲームでは開戦後一週間で一個軍団が殲滅される犠牲が発生してやっと一か所から侵攻に成功という異例の結果になり、死傷者数万名ということになった」とRANDは記している。「これだけの死傷者規模となると韓国軍のその後の作戦に支障が出るはずで、南北統一やWMD拠点制圧が困難になる」
今回の結論はシナリオから得られたもので重装備防衛の狭い地点を攻撃しながら北朝鮮は化学兵器で防戦しており、ウォーゲーム関係者は「韓国軍は消耗してやっとケソン付近に侵攻するのがやっと」だと分かったのだとマザーは言う。「それでもROK(韓国)にはまだ余力が残りますが、防衛線制圧には足りません。大規模作戦の視点から見ればこれは高く評価できない内容です。個人的な感想ですが、ROKは平壌進軍の前に立ち往生してしまうと思います」
北朝鮮核兵器の制圧に関してはRANDは数種類のウォーゲームを実施しており、前提は金正恩死亡後に米軍が北朝鮮各地に進出し核兵器を確保するが、北朝鮮内部は内戦状態になっているというもの。だが毎回のゲームからわかったのは北朝鮮指導部の後継者は政治権力基盤として核兵器の掌握に動くはずで同時に核兵器を秘匿しようとすることだ。空軍力だけで全部を破壊しきれないのはイラクでのスカッド狩りの事例からもあきらかだ。
「米国・ROK両国が核兵器を捜索できなくするため北朝鮮は簡単に核や核物質を隠すことができるというのは驚き」とRANDでゲーミングを担当するステイシー・ペティジョンがNational Interestに感想を述べている。
金正恩体制を転覆すれば事が終わると信じる向きには今回のRAND報告書を見てもらいた。「毎回のウォーゲームで少なくとも一回は北朝鮮が核兵器を投入してきた。米国にとって北朝鮮核兵器制圧は限定ミッションとの観があるが、北朝鮮内勢力の役をしたウォーゲーム関係者は米国の介入は南北統一の前兆ととらえる傾向があり、北朝鮮国体への脅威と見ることがわかった。このことから体制保持の最終保証手段樽核兵器を使わないと敗戦するとの見方につながった」
さらに中国の問題が加わる。RANDウォーゲームでは中国軍が北朝鮮国内に侵攻し中国北朝鮮国境地帯を制圧したほか、北部の核関連施設も確保している。さらにケソン高地の砲兵部隊制圧で米韓地上部隊が展開すると中国国境への数少ない侵攻経路にもつながる。1950年に同じ状況が中国を刺激し中国軍が大量展開したが、同じ状況の再発可能性がある。
ただし、マザーは実際の展開は状況により大きく変わると釘をさす。「今回のゲームでの中国の動きから見えてきたのは中国政府は米朝対決からなるべく距離を置いておきたいと考えることです。中国としても影響力を増大させながら状況を追い求めていくはずなので重要な段階で自国の立場を弱める選択はしないはず。そこでもし北朝鮮がソウルを砲撃した場合にケソン高地制圧作戦の実施に移っても中国がおじけつくことはないはずです。ではこちらから先制攻撃し北朝鮮が反撃を迫られる状況の場合はどうなるでしょうか」■
Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found on Twitter and Facebook.

Image: Flickr

2018年3月23日金曜日

頂上会談が実現してもトランプが北朝鮮開戦に踏み切るとしたらこうなったとき

4月から5月にかけて朝鮮半島が再び世界の注目を集めそうです。すでに平和は確実(北朝鮮の勝利)を信じる向きが多いと思いますが安全保障の世界はそんなに簡単に考えておらずあらゆる事態を想定していはずです。したがって米国が北朝鮮を壊滅する軍事行動に出ないとの保証はどこにもありません。

5 Ways Trump Could Stumble into a War with North Korea それでもトランプが北朝鮮と開戦する想定5例

Former U.S. Ambassador to the United Nations John Bolton speaks during CPAC 2018 Feb. 22, 2018, in National Harbor, Maryland. The American Conservative Union hosted its annual Conservative Political Action Conference to discuss conservative agenda. (Credit: Alex Wong/Getty Images)
KTLA


March 17, 2018


ナルド・トランプが金正恩提案を受け入れ5月にも会談するとはいえ、朝鮮半島は依然として世界で最も危険な地だ。南北朝鮮の首脳会談は先に4月に板門店で開かれトランプ-金会談がその翌月に実現すれば短時間とはいえ緊張緩和になるのは間違いない。韓国の冬季五輪での微笑や握手をみれば南北が新しい太陽政策に向かうのがわかる。
だが現実はともすれば自ら作り出した幸せの絶頂から簡単にひきずりおとす。米国・同盟国軍が核装備した北朝鮮と武力対決する可能性は依然として残っている。北朝鮮に関する限りすべての点で単純な処理はなく、すべてが悪い方向に向かうこともありうる。
では朝鮮半島で戦火が開かれる事態として以下の五つの場合を見てみよう。
1. ジョン・ボルトンが国家安全保障担当補佐官に任命される
ワシントンポストでは3月16日付記事でトランプ大統領がH・R・マクマスター中将を安全保障担当補佐官の職から解くと決定したとある。前国務省非拡散担当大使で超タカ派のジョン・ボルトンはマクマスター後継者のリストに入っているのは明らかだ。マクマスターは北朝鮮に関しては決してハト派でなく、金正恩の知性をからかったともいわれる。だがボルトンとは違う。ボルトンなら500ポンド爆弾4発を投下させるところをせいぜい2発落とすのが相違点だ。
ボルトンが正式に就任して大統領執務室でトランプの横に立てば国家安全保障会議の毎週の会議を取り仕切り北朝鮮の核兵器開発を中止させるべく米軍に予防攻撃させそうだ。実は同じ失敗をサダム・フセインに対し今世紀初めに実行させている。大統領に攻撃を進言するのは確実だ。
ボルトンはビル・クリントン政権時代から北朝鮮問題を楽しんでおり、20年たったが考え方に変化はない。ウォールストリートジャーナルの昨年のコラムで本人は平壌を先制攻撃を主張を19世紀の砲艦外交にたとえている。もちろん砲艦には何百万人も殺傷する能力はない。
ボルトンは「完璧なまでに合理的で米国は現状の北朝鮮核兵器が生む『必要性』を先制攻撃により対応してよい」と書いていた。現時点ではTVで目立ちたい元関係者の罪のない主張だがホワイトハウス入りし同じ提言をすれば無害とはとても言えなくなる。
2. トランプが怒りに駆られ会談を蹴る
トランプ大統領は歴史に残る成果を必死に求めており、ほかの大統領がみんな失敗したところで成功したい。北朝鮮の核問題の解決だ。韓国政府特使がホワイトハウスに到着し金正恩の平和のメッセージを伝えると本人は有頂天になり、その時点以来頂上会談をさばいて北朝鮮非核化の実現にこぎつける能力に自信を持っている。報道陣から金正恩が核装備を取引対象にするつもりがあるのかを聞かれたトランプは北朝鮮の提案に「誠意」を見ると答えている。
トランプは自ら北朝鮮指導者との協議には基準を高く設定している。期待に沿えない結果となれば本来期待する外交の勝利のかわりに写真だけとって終わる意味のない会談になり、大統領は金正恩が譲歩しなかったと憤慨しワシントンに戻るだろう。トランプは金正恩が恭順の態度を示さず自説を曲げなかったと非難し、自ら設定した期待値が実現しなかった理由とするだろう。「やはりこちらが正しかった。北朝鮮指導者との話し合いは時間の無駄だった。だまされただけだった。もう誠意を見せるのはやめよう。マティス将軍、戦闘作戦案が見たい」
3. 平壌がミサイルテスト中止を破る
金正恩政権は核実験ミサイルテストを5月の頂上会議まで凍結すると約束した。これはトランプ政権も評価する譲歩と言える。たとえ凍結中に核・ミサイル開発がそのまま進められてもだ。ミサイル再突入技術やプルトニウム反応炉やウラニウム濃縮作業は続いている。
だがキム一族が甘言をちらつかせるのは今回が初めてではない。金正日が長距離ミサイル発射を凍結したのが1998年だったが2006年に六か国協議が行き詰まると再開した。金正恩も2012年に同様にミサイル発射を自粛したがわずか数週間で衛星打ち上げと称し同じミサイルを使った。北朝鮮の度重なる約束破りにトランプ大統領は寛容になれないように見受けられる。トランプが約束違反を本人への侮辱と受け止めるのは必至だろう。トランプがB-1B爆撃機隊を北朝鮮領空に侵入する命令を出すと見る向きはないが、一方でその可能性が絶対ないとも誰にも言えない。
4. 会談が決裂しキムがトランプの最後通牒をはねつける
トランプ-キム頂上会談が失敗するか北朝鮮が途中で席を蹴れば、トランプは平壌に国連安全保障理事会決議順守を求める最後のチャンスを与えるだろう。クリントン政権やジョージ・W・ブッシュ政権がサダム・フセインに無条件で国連核査察官に協力を求めることで米軍攻撃を回避したように、トランプも金正恩に最後通告を劇的に発表するかもしれない。IAEA査察官を再度受入れ実証可能な形で非核化を進めるかそれとも...というわけだ。
平壌がデッドラインを守らない場合はトランプが対応する。トランプは譲歩するかレッドラインを数週間口にしバラク・オバマとは違う面を示そうと脅威を持ち出すかのどちらかだろう。前者を選択すれば政治面で追い詰められ後者は第二次大戦以来最大の犠牲を生む武力対決につながる。
5. 交渉は成功してもキムが裏をかいたら
クリントン政権が平壌と1994年に枠組み合意に批准した際はこれで核のない朝鮮半島が生まれる、段階的に米朝関係も正常化すると大きく宣伝された。クリントンの期待は実現しなかった。秘密のうちにウラニウム濃縮をした証拠が見つかり平壌も極秘核兵器製造を認めたことで枠組み合意は死んだ。
北朝鮮は合意内容も自分の都合よく曲解することにかけて専門家だ。2002年にこれをした。2008年も同様でブッシュ政権が目指した査閲案をひきのばした。2012年に衛星を打ち上げたのは一方的にミサイル発射をしないと約束してわずか数週間のことだった。非核化交渉が失敗するとしたら、前例から北政権が裏をかくか、抜け穴を利用するためではないか。CIAがキムが実はトランプを出し抜いていたと報告すれば、大統領は力にまかせた全く無慈悲な行動にでてもおかしくない。■
Daniel R. DePetris is a world affairs columnist for Reuters, a frequent contributor to the American Conservative and the National Interest, and a foreign-policy analyst based in New York, NY.


2018年2月9日金曜日

北朝鮮攻撃で韓国海兵隊が果たす役割は重要だ。

South Korea's Plan to Make North Korea Suffer in War: Marines Attacking from an 'Aircraft Carrier' 韓国の北朝鮮攻勢案は海兵隊を「空母」から展開する構想






February 2, 2018


国の現代史で揚陸作戦がカギとなり中心的な役割を果たしてきた。国連軍は韓国を揚陸作戦一回で救った経緯があり、このことから韓国は大規模かつ強力な海兵隊を維持している。新世代の韓国揚陸部隊は有事の攻勢能力を体現し、北朝鮮を侵攻し金正恩一族を権力の座から引きずり下ろすだろう。
半島状の地理条件のため南北朝鮮の住民にとって海は縁遠い存在ではない。同時に半島内で戦闘中の地上部隊は絶えず海からの侵攻で補給通信線を遮断される危険から逃れられない。ダグラス・マッカーサー元帥は朝鮮人民軍(KPA)の攻勢がか細い補給線で支えられて韓国へ侵攻していることを見抜き、インチョン揚陸作戦を立案実行した。その結果、一気に形成が逆転しKPAは勝利一歩手前から引きずり降ろされた。分断された北朝鮮軍は包囲され殲滅されるのを逃れ北へ退却した。
朝鮮半島は東西わずか160マイルで山地があり、機動戦の余裕がない。南北の沿岸は延長3千マイルで、将来の次回朝鮮戦争では揚陸作戦で消耗戦を回避し、ソウルや平壌のような中心地での対決を回避することが期待される。
米海兵隊の支援のもと韓国は世界有数の規模の海兵部隊を整備した。米海兵隊のある大佐がヴィエトナム戦当時に韓国海兵隊の旅団規模部隊が現地に派兵され「すべてを教え込んだのでこっちよりも優秀なくらいだ」と述べていた。今日の韓国海兵隊(ROKMC) は29千名で二個師団と一個旅団を編成している。
従来、ROKMCには戦域予備兵力の役割が想定され、迅速な増援部隊として北朝鮮軍が突破口を開いた場合の対応部隊だった。陸上だけでなく海上から兵力を移動すればこれが実現できるはずだった。1975年に韓国海軍には揚陸艦20隻があり、うち8隻は戦車揚陸艦で、そのほか60隻の揚陸用舟艇があった。必要ならROKMCだけでインチョン上陸作戦の縮小版が実行できた。ただ、北朝鮮への攻撃はまだ実行不可能だった。
冷戦終結とソ連が北朝鮮を手放したことでROKMC関連の有事対応案は大胆さを身に着け、ペンタゴン作成の朝鮮半島有事対応のひとつOPLAN 5027-94は米韓揚陸作戦を元山でおこない、平壌を側面から攻める構想だった。ROKMCは韓国防衛から北朝鮮政府撃滅も任務に加えた。
北朝鮮が核兵器開発に成功したことで交戦想定が変わった。もはや米韓軍は北朝鮮軍を火力で圧倒できなくなり、米空軍力による北朝鮮軍の壊滅は期待できなくなった。部隊は機動力で核攻撃を回避する必要が生まれ、核兵器投入の実行前に北朝鮮政府を降伏させる必要が生まれた。次回の朝鮮戦争は時間との競争になる。
新戦略でROKMCへ期待が高まる。新作戦案では韓国海兵隊と海軍部隊は海上から平壌を直接攻略し、核兵器のボタンをおさせずに北朝鮮政府首脳部を殺害あるいは捕獲する。このため旅団規模のコードネーム「スパルタン3000」が創設され、その任務は「北朝鮮後方の中核軍事施設の破壊」とされた。平壌周辺での作戦を想定しているのがわかる。同旅団は命令が下れば浦項基地から一日で展開可能だ。
ROKMCと新設「スパルタン」部隊を支援するのが韓国の海上輸送部隊でその旗艦がヘリコプター運用揚陸艦ROKS独島だ。全通型飛行甲板とウェルデッキを有する同艦は米海軍のワスプ級ヘリコプター揚陸艦に近い存在だ。独島は排水量19千トンで海兵隊員700名とトラック10両、戦車6両、楊陸強襲車両AAV6両、野戦砲3両、ヘリコプター10機と韓国国産揚陸ホバークラフト2隻を搭載する。
鳴り物入りで2007年に就役した独島は三隻を建造する構想の揚陸艦一号艦で二号艦はMarado馬羅島、三号艦はBaengnyeongdo白翎島の名称が決まっている。ただし二隻の建造は未着手で、独島は一隻だけの扱いにくい運用艦になる可能性もある。ただ2017年に馬羅島の建造が始まり、白翎島の運命は未定だ。これ以外に戦車揚陸艦4隻があり、各艦が戦車17両を搭載する。
今日のROKN/ROKMC任務部隊は海兵隊一個大隊と戦車40両を上陸させる能力がある。独島級二号艦があれば二個大隊に増える。揚陸地点はROKMC基地から遠隔地ではないため、同日中あるいは翌日に同規模の部隊を揚陸させ内陸部侵攻が可能なはずで、米海軍第七艦隊の揚陸艦が佐世保から出撃し韓国海兵隊が同乗できれば旅団規模の上陸作戦も可能だ。
北朝鮮のいかなる地点に上陸するにせよ韓国海兵隊は激烈な戦闘に遭遇するはずだ。北朝鮮は強固な防御を構え120万名の兵員の他、予備部隊や民兵数百万がある。上陸攻撃のタイミングは北が韓国攻撃に専念し、KPAに上陸部隊への反攻用の燃料が不足していれば理想的だ。韓国海兵隊は文字通り槍の穂先となりその活躍は金政権の終焉につながるはずだ。■
Kyle Mizokami is a defense and national-security writer based in San Francisco who has appeared in the Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and the Daily Beast. In 2009, he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch. You can follow him on Twitter: @KyleMizokami.

果たしてこの積極的な攻撃作戦を韓国政府が実施する意思があるのかどうか。また実施しても海空からの支援がなければいかに精鋭の海兵隊でも見殺しになってしまいます。ましてや狂信的に行動する北朝鮮軍の真っただ中でどこまで暴れまわるつもりなのでしょうか。どうもこの作戦は机上の空論のようです

2018年1月31日水曜日

★北朝鮮崩壊後の対処方法をすでに検討している米国、開戦はあり得ないと信じる韓国

 

予想通り北の方が狡猾な手に出て韓国が手玉に取られる様子が世界にさらけ出されていますが、平和だと錯覚しているのは韓国(政府)だけで世界は依然として北への警戒の念を緩めていません。この記事は韓国にも閲覧されていますが、韓国の読者の意見も聞きたいものです。しかし韓国政権は軍事行動にはすべて反対のようですね。ここまで考え抜いている向きが日本にはないのでは。




What Happens After America Destroys North Korea?

米軍が北朝鮮を崩壊させた後に何が起こるか



January 29, 2018

武装した北朝鮮を軍事的にリスク最小で打倒しつつ北朝鮮並びに同盟側の死傷者を低く抑えることは可能だ。だが戦後の朝鮮をどうするのか、また平和の確立という課題が浮上するはずだ。
平和を勝ち取るのと戦闘で勝利することには根本的な違いがある。必要な段取りも心構えも、準備、技量、経験がことごとく異なる。これらはいずれも軍事標準行動では多く語られておらず、占領軍が平和を築けないことはよくある。
ソ連の東欧占領で生まれたのが「ワルシャワ同盟」の抑圧され陰気な「同盟軍」でソ連の支配力が弱まるとばらばらになった各国だ。
ソ連は中国での共産勢力の勝利を助けイデオロギー上の兄弟関係を気づいたが中国(PRC)が核兵器保有するなど20年もしないうちに互角の関係になってしまった。USSRはPRC抑止を目的に1969年から一部核兵力を割き、USSR崩壊の1991年以降は北朝鮮(DPRK)やヴィエトナム支援の手段が枯渇してしまった。
ロシアはG8各国に失望を与え、国境を力で書き換えることは許されないとの共通理解に反する行為をしたため追放された。現在のロシアは非共産国に戻ったが強力な国力を有し西側主要国と互角の存在である。西側は冷戦に勝利しUSSRをバラバラにするのに成功したもののロシアとの平和構築に失敗した。
DPRKを支えようとPRCが介入したが、北朝鮮はむしろソ連に近く、戦闘は大きな代償につき、DPRKは米国の保護を受けた韓国(ROK)、日本に先を行かれてしまった。さらにDPRKはPRCの防波堤として米国に対抗するのではなく、自ら引き金を引いて国連軍の結束を促し、朝鮮半島の非核化を旗印にした戦いの口火を切りそうになっている。
ニクソン大統領が訪中してほぼ50年、中国共産党(CCP)がPRCを導いてきたがイデオロギーや地政学で双方の違いが明らかになりつつある。PRCはCCPによる世界制覇と戦後の自由な国際秩序に代わる体制の実現を助けようとしている。
トランプ政権がこの度発表した国家安全保障、国防、核戦略の核構想では世界を二大勢力の抗争の場ととらえている。ロシア、そしてもっと能力が高い共産中国で、とくにCCPの経済侵略、商業主義戦略と米国とその同盟国の転覆を狙う姿勢は米国にとって高い優性順位が付く課題だ。
同盟各国もロシアもPRCも自由と民主主義を模索していないことを承知している。この関連でPRCをソ連から引き離したことで生まれた1972年から2000年の間のつかの間の優位性はあたかも第一次大戦後のドイツに再軍備を許したのと同様の大きな間違いだったとわかる。
過去事例の教訓から米国や同盟各国はDPRKの非核化は最終的かつ非可逆的な誠実な執行しか受け付けるべきでない。それが無理なら軍事オプションで同じ結果を実現するしかない。前者ならDPRKは存続の可能性が残るが後者はDPRK体制の終焉を意味する。連合軍が軍事行動を実施した場合、PRCがDPRKⅡ型を作るのは認めることはできない。
もしPRCがロシアとともにDPRK非核化を軍事面あるいは陰で阻止しようと試みれば、連合軍は強い反応を示すだろう。そのような試みで限定戦争あるいはDPRKを陰で助けようとすればロシア、中国は世界市場から遮断され、資産凍結、世界金融制度からの締め出しにつながる。その場合、ロシアと中国は経済不況に陥る。
ではDPRK問題で連合国と完全な協力をするとなればPRCとロシアには非武装緩衝地帯となる新しい国家が生まれる。いかなる形であれ両国が干渉すれば連合国にはDPRKをROKが吸収するドイツ方式をとらざるを得なくなる。
韓国統一省からヒントが出ている。ROKは勝利者になる想定はできないようだ。ドイツ統一の教訓は貴重であり朝鮮統一にも応用できるはずだ。
戦後の統一では連合軍が勝利者となっても国内に戦闘員が出現するのを防ぎながら統治効果を最大店にする工夫が必要だ。まず安定させてから変化のスピードを上げていく。
イラク戦争(2003年のイラクの自由作戦)終結後の悲惨な過ちは侵攻軍がイラクを戦闘終了後直ちに占拠しなかったことだ。侵攻軍はイラク軍を打倒したが人口周密地点すべてを占拠できず略奪や妨害行為を発生焦るままにした。政府機関内の略奪行為や職員逃亡で組織機能が崩壊した。政府機能を一から再建する必要が生まれた。
連合軍臨時行政府も悲惨な間違いをしている。イラクの軍、保安部隊、情報部隊やバース党の解体がそれであり、イラク政府の民営化を命じたこともその例だ。無政府状態の市場が生まれ、生活は「厳しく、残虐で、短く」なった
失業し、無休状態の兵士や元政府職員が行ったのは軍装備の盗難で武装集団を作ることで新しく手に入れた自由と無職の身を利用して盗み、強奪、反乱を繰り広げることで、これが今日まで続いている。
イラクと好対照なのが西ドイツで東関係者や軍幹部をうまくたぶらかそうと東ドイツ通貨マルクを好条件で交換した。この取引で組織だった抵抗は東ドイツでは見られなかった。
ROKには豊かな経済があり同様にDPRK関係者にもDPRKウォンの有利な交換率で釣る方法がある。再統一ため交換レートを水増ししても米国がアフガニスタン、イラクで経験した内乱状態が防止できるのなら、わずかな代償にすぎない。
ではDPRK関係者軍当局に現在の職位を多少名前を変えても継承できる保証を与えたらどうなるか。これも多少の負担が生じるが、国内の治安回復には効果が高いだろう。DPRK住民にROKの社会保障制度を享受させるのも経済安定化に重要な対策となろう。
私有財産権がROK対DPRKの決定的な要素になる。新たに自由を手に入れた住民にこれをどう理解させるのか。戦前は使用権しかもっていなかった住民に居住住宅の権利を与える。住宅など保有していなかった住民には建築次第新居を与える証明書を与える。ROKは大規模住宅建築の展開で雇用を創出する経済力がある。
全住民に住宅所有権を与えればROKは簡単に全員を資産保有者にできる。同様に産業界、商業界、農園他を協同組合化し、加盟員を株主にする。行政上は極めて複雑な内容だが、ROK行政組織の能力で十分実施可能なはずだ。
全員を所有者にできれば理論上は素晴らしいが、実践では住民の大部分に教育期間が必要で市場原理や財産をどう守り増やすか教える必要がある。
ロシアの私有財産化での教訓はこうした工程では貧窮した住民が資産を最低価格で売却するのを防ぐ必要を示している。ロシアではこうした売却で寡頭勢力の出現を許し、中産階級の整備を阻害してしまった。
資産所有権の移転を旧DRPK住民に行う際は何らかの制限を課すべきだろう。これで急速な売却処分を防ぎ、物価急騰も避けれるはずだ。
資産を保有しながら一定収入がある階層が生まれるまで教育が必要でこれには時間がかかる。市場原理の導入はあくまでもゆっくりと進める必要がある。時間がたつのは早く感じられるが、中産階級が出現すれば民主主義の基盤となる。
DPRK住民をROK政治体制に組み込むのが難題だ。現時点でROKではDPRKから脱出した住民に市民権を与え、政治参加に何ら制限を加えていないようだ。統一で新たな有権者が出現して特定政党に全員が同調すればROK政治体制を崩壊させかねない。
移行期間中に各政党に「割り当て」を設定しながら旧DPRK住民を組織化するのいい案だろう。つまりDPRK住民をROK政治体制の安定化につなげるよう急に全員を有権者にするのを避けるのである。70年待ったのだから10年くらい待っても問題ないだろう。米国史ではユタ州の事例が政治体制を不安定化させない工夫として参考になるだろう。
地政学も深刻だ。PRCとロシアが安全保障上で心配になるのは当然だ。ROK軍部隊を現在の軍事境界線以北へ進駐させない対応が必要になるかも知れない。ロシアとPRCとの国境線に小規模の警戒部隊を配備するのは合理的な条件になろう。ただし米国、日本、ロシア、PRCがROK国境線を保障する必要が生まれる。
ROKに潘基文(前国連事務総長)のような優秀な人物があれば、自らの手で有望な解決策で各国にも満足のいく方法が見つからるはずだ。
最後に、DPRK内の「ロケット科学者」、核工学、生物化学兵器専門家はROKで雇用する必要が生まれるだろう。ただ厳しく監視し兵器拡散を回避する必要がある。
平和を勝ち取るため連合軍各国はROKとともに軍事オプションを真剣に検討する必要がある。米国はアフガニスタン、イラク、シリアの再来は望まない。連合国は朝鮮半島再建は住民の手にまかすべきである
鮮戦争は恐ろしい悲劇だった。今度こそ朝鮮半島の住民の手による成功を支援し事態を終結させよう。国際社会は一世紀後にこの効果を評価するはずだ。
Danny Lam is a Senior Contributor to Warrior Maven
This article originally appeared on Warrior Maven.

2018年1月29日月曜日

平壌核攻撃で150万人死亡、金正恩はこの事態を回避できるのか

Bloggerが次々に仕様を変えているようで、以前の記事の画像が見えなくなるトラブルが発生しています。今回から画像のアップロード方法を変えますので解決になるはずですが、引き続きご指摘ください。


1.5 Million Dead: This Is What Would Happen If America Nuked North Korea's Capitol

北朝鮮首都を米核攻撃すれば死亡150万人








November 24, 2017


情報機関にとって北朝鮮は最も手ごわい情報収集対象だ。情報の収集解析は時間がかかり危険な作業で、現地協力者の確保には数か月数か年もかかる。中央情報局、国家安全保障庁、国家情報局も北朝鮮国内の情報源は極めて乏しい。ワシントンがあてにできるのは衛星画像や電子信号傍受だが国家情報局長ダン・コーツ Dan Coats も上院情報委員会で「成果は極めて限られている」と述べていた。
ただし、一つ確実なことがある。金正恩が核ICBMを米本土内の都市に向け発射命令を出す狂気のシナリオ(米攻撃すれば米国が折れると金正恩が信じるという前提)ではドナルド・トランプ大統領は躊躇せず「怒りと炎」の核報復攻撃を命令する。実施の可否は議論とならず、北朝鮮のどこを狙うかが議論対象だろう。
核報復攻撃では首都平壌が標的になるのはあきらかだ。金正恩は一族や軍高官と地下退避壕に隠れているはずだが、それでなにも違いは生まれない。米報復攻撃の目的は北朝鮮軍の指揮命令機能を崩壊させ、経済体制や統治機構を抹殺し、国家として金正恩が核攻撃を継続できなくすることにある。発射可能な核が残らないのが理想的だ。
アレックス・ウェラーステイン Alex Wellerstein の主宰するNukeMapウェブサイトを使い、米国が平壌中心部に750キロトン核兵器を投下した場合の人的被害を推定してみた。なお、米国で最大威力の核兵器はB83で1.2メガトンである。平壌は高密度都市のため150万人が死亡すると分かった。国連人口統計では北朝鮮人口は25.3百万人で、750キロトン核爆発一回で人口の6パーセントが消滅することになる。これを米国に当てはめれば19.3百万人が一度に死亡するのと同じ意味を有する。
推定負傷者855千名をくわえると合計死傷者は2.3百万人になる。
では平壌で消える地点、残る建造物はどこか。戦勝祖国解放戦争博物館が平壌北東部にあり、訪問中の人たちは50ないし90パーセントが死亡する。ケソン青少年公園では建物の崩壊で死亡するものが多数発生するだろう。大同江をはさむ模範労働者施設でも悲惨なん光景が展開する。熱と放射能の範囲内の住民は第三度の火傷で四肢切断しか生き残る手段がなくなる。その範囲は11.1キロ四方に広がる。金正恩の肝いりで生まれた高層建築物は無駄な投資になる。
もちろんこのような人の手による大災害の発生を望むものはない。人命をここまで簡単に消失させるのはそれぞれの人生の可能性を否定し全くの無駄であり、道義上も問題がある。世界のいかなる地点であれ核攻撃は人類文明の進展を止め、医学が進歩したといえども21世紀の住民は穴居人並みに原始的であることが判明する。
朝鮮は幻想をいだくべきではない。米本土を核攻撃する常軌を逸した決断をすれば、自国の消滅を覚悟せねばならない。ドナルド・トランプには強力な核報復攻撃しか選択がないはずだ。■
Daniel DePetris is a fellow at Defense Priorities.