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2021年1月11日月曜日

海南島のPLANを注視すべき。拡充する海軍施設の役割は南シナ海作戦の支援だ。空母、強襲揚陸艦、潜水艦の配備が続きそう。

 

075型強襲揚陸艦の初号艦が海上公試に出港する。Photo via Weibo

 

 

PLAN(人民解放軍海軍)と呼ばれる中国海軍は南シナ海で実弾演習を数日前に展開したが、注目されるのは新たに拡張した海軍基地を利用していることだ。

 

海南島南端の三亜Sanyaの基地からハルビンZ-9ヘリコプター隊が発進し、対艦ミサイルの模擬射出を行った。Z-9はユーロコプターAS365ドーフィンのライセンス生産機でPLANでは艦載ヘリとして広く使われている。演習は多分にメッセージ性が強かったが、問題は発進基地で、ここ数年で大幅に拡張されている。

 

南シナ海の戦略的重要性が高まり、各国間の鞘あてが激しさを増している。中国は事実上全域を自国領海と主張し、海軍基地施設を強化してきた。三亜の航空基地は域内バランスを変える存在になる。また海南島で空母基地の整備も進んでいる。

 

H I Sutton Image

 

新たに撮影された衛星画像で乾ドック工事が順調に進んでいるのがわかり、新型003型超大型空母用だろう。工事は2016年に始まり、完工が近づいている。衛星画像の限界で実際の用途が異なる可能性もあるが、実に巨大な乾ドックなのは確かだ。

 

海南島の乾ドックが稼働開始すれば南シナ海のPLANプレゼンスは大いに強化される。空母部隊が海南島を本拠地にするようだ。近くの埠頭には新造075型強襲揚陸艦が係留されている。この埠頭を大型艦2隻が同時に利用できそうだ。上海で建造中の003型空母はこれまでで最大規模で先の2隻と異なり電磁発艦システム (EMALS) を米海軍最新鋭のフォード級空母と同様に装備する。

 

EMALSで大型機の運用が可能となる。例えば西安KJ-600早期警戒機がある。これはE-2D高性能ホークアイと類似した機材だ。中国はさらに新型戦闘機や無人戦闘機材 (UCAVs)も搭載するだろう。

 

三亜航空基地の新規設備は空母艦載機用だろう。同基地に長距離飛行可能な無人機も出入りしている。

 

同基地は海南島の既存海軍基地の延長として理解すべきだ。原子力推進潜水艦、通常型潜水艦、大型水上艦艇といった装備に新基地が生まれるのは中国の南シナ海シフトの一環だ。PLAN南方艦隊には常に新鋭艦が配備される傾向がある。空母が一隻、あるいは2隻同島に恒久配備されれば中国は南シナ海への軍事圧力が一層強まる。■

 

この記事は以下を再構成したものです。

 

 

Chinese Navy Expanding Bases Near South China Sea - USNI News

By: H I Sutton

December 29, 2020 11:20 AM


A version of this post originally appeared on Naval News. It’s been republished here with permission.

 


2017年5月18日木曜日

中国の南シナ海進出では海南島への機材展開が要注意


中国の南シナ海重視姿勢が強く感じられる機材配備です。
どの程度の電子能力を有した機材なのかわかりませんが、機数が少なく今のところは稼働効率が悪そうですね。海南島が中国の海洋進出に重要な拠点になっていることに注目です。

Satellite image shows Chinese deployment of new aircraft to South China Sea 衛星画像から中国が新鋭機を南シナ海配備したことがわかる

By: Mike Yeo, May 12, 2017 (Photo Credit: China's Ministry of National Defense)

MELBOURNE, Australia — 中国が最新の早期警戒指揮統制機を南シナ海北方の空軍基地に展開している様子をとらえた衛星写真をDefense Newsが入手した。
  1. 撮影日は3月24日にで商用衛星画像企業DigitalGlobeの写真では陝西KJ-500ターボプロップAEW&C二機が加頼石Jialaishi空軍基地に展開している様子がわかる。同基地は海南島北側に位置する。別にY-8原型の旧型KJ-200 AEW&C一機とおそらくY-8JないしX哨戒機が見える。
  2. KJ-500の海南島配備は初のことで中国は特殊用途機を同島へローテーション配備してきた。派遣部隊は人民解放軍海軍PLANの飛行部隊から編成され中国北部から移動している。従来はKJ-200にY-8JあるいはXが加わり海南島南東部にある陵水Lingshuiから運用していた。
KJ-500 airborne early warning aircraft Hainan China3月24日撮影の画像で陝西KJ-500二機が海南島北部の加頼石空軍基地で確認された。Photo Credit: DigitalGlobe
  1. ただし陵水は駐機場等の大規模工場中であり分遣隊は臨時に展開していると思われる。3月24日画像で初めてY-8またはY-9が加頼石で視認された。
  2. 海南島で加頼石はPLANの大規模航空基地のひとつで他の基地から瀋陽J-11Bフランカー戦闘機三個飛行連隊、西安JH-7戦闘爆撃機一個飛行連隊が飛び、近隣の国際空域を飛行中の米軍機を迎撃することがよくある。
  3. KC-500は中国最新のAEW&C機材で旧式化したKJ-200の後継機となる。原型は陝西Y-9ターボプロップ輸送機で機体上部にレーダーディッシュを搭載し、内部に国産フェイズドアレイレーダーに固定アレイを120度ずつの間隔で三基搭載して全周探知を可能にしている。さらに機首と尾部に小型レーダーも搭載して探知を可能とする。
  4. レーダーディッシュ上部には衛星通信用ドームがあり、側方監視電子情報収集パネルが機体両側にあり情報集監視偵察用途にも使える。人民解放軍空軍では2014年末から2015年初めに供用開始された。計6機ある中で二機がPLAN向けとみられる。
  5. PLAN所属のKJ-500の別の写真では機体番号が海南島を本拠とする第9海軍航空師団のものと判明しており、そのとおりならAEW&Cを特殊機部隊所属にしてきたPLANの通例を破ることになる。このことから該当機は海南島に恒久的に配備されることがわかる。■