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2025年8月18日月曜日

「ビーストモード」のF-35をイスラエルが世界で初めて実戦投入した(National Security Journal)

 


F-35I Adir

F-35I アディル。画像提供:クリエイティブ・コモンズ。

– 主要ポイントと要約: 

-イスラエルは、戦闘作戦中にF-35を「ビーストモード」で運用した最初の国となった。

-イスラエル空軍のF-35I「アディル」戦闘機がガザで外部武器搭載し攻撃を実施し、搭載量は5,700ポンドから22,000ポンドに大幅に増加させた。

外部に武器を搭載したF-35のステルス性は失われたが、「ビーストモード」の戦闘デビューは、ステルス侵入機としての役割を超えた同機の汎用性を示し、 イスラエルはF-35 への信頼をさらに強固にした。

イスラエルのF-35が「ビーストモード」を発動

イスラエルが、 F-35 ライトニング II を戦闘で「ビーストモード」で使用した最初の国となったが、20年前に開発された同機が、その最大の利点である低視認性を犠牲にすることなく、戦闘で使用できることが明らかになった。

3 月の発表では、ガザで特別改造された F-35Iアディル が使用されたことを紹介し、2023 年 10 月以来 15,000 時間以上の飛行時間を記録している実績が同機へのイスラエルの信頼を反映している。

「イスラエルの『アディル』は、攻撃能力を高める外部武装構成で実戦攻撃を行った世界で唯一のF-35となった」と、イスラエル空軍は当時 X に投稿していた。

この投稿に先立ち、116飛行隊「南の獅子」のF-35I3機がネバティム空軍基地に到着していた。

イスラエルの声明は、同機の「ビーストモード」機能の戦闘効果を示した。

イスラエル空軍が「外部武装配置」の使用に言及したことは、機体が内部兵装庫(ステルス性を維持)と外部翼下パイロンに武器を装備して飛行したことを意味する。

外部に兵装装備することで、はるかに重いペイロードを運搬可能となる。

「ビーストモード」とは

ビーストモードは、2010年代後半のデモと試験に遡る。米海兵隊は2019年に外部武装を搭載した訓練攻撃を実施し、英国は同年、HMSクイーン・エリザベス艦上でF-35Bを完全に「武装状態」で公開した。オーストラリアも2021年の訓練演習でF-35Aをビーストモードで飛行させた。

ただし、いずれも戦闘出撃ではなかった。

ステルスモードでのF-35は他の戦闘機では不可能な方法で敵領域に浸透する能力で知られており、最大5,700ポンドの内部弾薬を搭載可能です。しかしビーストモードでは、その搭載量が大幅に増加し、最大22,000ポンドの内部・外部武器と弾薬を搭載できるようになる。

イスラエルがガザ攻撃で実際に使用した正確な構成は確認されていないが、空軍が公表した写真から手がかりを得られる。The War Zone によると、この写真には、 F-35I が「飛行試験センターに配属され、4 発の 2,000 ポンド級の GBU-31 JDAM を搭載」し、その武器ベイの 1 つに AIM-120 AMRAAM 空対空ミサイルを追加搭載する様子が写っている。

なぜ今、ビーストモードなのか?

では、ロッキード・マーティンがこれらの能力を発表してから数年が経過した今、なぜイスラエルが最初にこの能力を利用したのか?

ほとんどの場合、同機の運用国はF-35をステルス状態に維持している。その主な理由は、それがこの機の設計目的であるからだ。F-35は、検出を困難にすることで、高度な統合防空システムを突破するように設計されている。その機能を損なう改造を行うことは、その最も魅力的な特徴の 1 つを犠牲にするが、大量の搭載量を運搬できる機体である以上、意味がない。

また、ステルス性が要求されない場合、同様の目的を達成するには、他の航空機や、巡航ミサイルなどの長距離兵器を使用する方法の方が簡単な場合が多いのです。

イスラエルの戦闘デビューでF-35の使用されてこなかった機能が披露され、この機体がステルス突破機を超える可能性を示した。その性能は同機への信頼をさらに強化し、2030年までにアディルを75機まで拡大する計画が進行中だ。


Military Hardware: Tanks, Bombers, Submarines and More

Israel Used the F-35 Fighter In ‘Beast Mode’: Here’s What That Means

Jack Buckby

By

Jack Buckby

https://nationalsecurityjournal.org/israel-used-the-f-35-fighter-in-beast-mode-heres-what-that-means/

執筆者:Jack Buckby

ジャック・バックビーは、イギリス出身の作家、過激化対策研究者、ジャーナリストで、ニューヨークを拠点に活動しています。イギリス、ヨーロッパ、アメリカ合衆国を報道し、左派と右派の過激化を分析・理解する活動に従事し、現代の緊急課題に対する西側諸政府の対応を報告しています。彼の著作と研究論文はこれらのテーマを深く探求し、ますます分極化する社会に対する現実的な解決策を提言しています。最新著書は『The Truth Teller: RFK Jr. and the Case for a Post-Partisan Presidency』で

2025年3月19日水曜日

イスラエルのF-35が「ビーストモード」を実戦で初使用(The War Zone)

 Israel has confirmed that its F-35 stealth fighters have flown airstrikes using external ordnance. The F-35’s so-called ‘beast mode,’ featuring heavier loads on underwing pylons, is well known by now, but as far as is known, has not been called upon operationally by any other countries. Meanwhile, Israel’s unique F-35I fleet — locally known as the “Adir” (Hebrew for mighty) — which features various local modifications, has frequently been at the forefront of demonstrating new capabilities.  

イスラエル空軍



F-35Iの中東での「数千回の出撃」には、外部攻撃ストアの初の実戦使用も含まれている

スラエルのF-35ステルス戦闘機が外部搭載兵器を使用して空爆を行った。 F-35のいわゆる "ビースト・モード "は、主翼下のパイロンに大量の兵装を搭載するが、知られている限りでは、他国で運用上の実績はない。一方、イスラエル独自のF-35I(現地では「アディール」(ヘブライ語で強大なという意味)と呼ばれ、現地で改良が加えられている)は、新機能のデモンストレーションで最前線にたび投入されている。

イスラエル空軍は、ソーシャルメディア「X」投稿でこの進展を発表したイスラエルのアディール航空機が攻撃能力を高めた外部武装構成で作戦攻撃を実施した世界で唯一の航空機となった

 先週木曜日にイスラエル空軍のF-35Iがネヴァティム基地に到着し、"南のライオン "116飛行隊に加わると発表した投稿に続くものだった。

 イスラエル空軍は別の投稿で、2023年10月に中東で最新の戦争が勃発して以来、同軍のF-35Iは15,000時間以上飛行し、"すべての戦場で数千回の出撃 "に参加したと述べている。

 最も興味をそそられるのは、紛争中、イスラエルはF-35I用の新しい外部統合直接攻撃弾(JDAM)能力の開発に積極的に取り組んでいたという記述だ。

 「戦時中、飛行試験センター(FTC)はロッキード・マーチンおよび国防総省のF-35プログラムと協力して、同機主翼にJDAMを搭載する新しい能力を開発した」とイスラエル空軍は述べている。

 F-35が4本の主翼下パイロンにJDAMを含む攻撃兵器を搭載できるようになったのは、新しい進展ではないが、イスラエルでの運用許可が緊急要件として早められたということかもしれない。また、イスラエルの "ビースト・モード"が、他国の試験で実証されたベースライン・スタンダードと異なっている可能性もある。


カリフォーニア州エドワーズ空軍基地で、4発のGBU-31 JDAMを外付けした試験中のF-35A試験機。ロッキード・マーティン撮影:ダリン・ラッセル Darin Russell

 とはいえイスラエル空軍は、戦闘で「ビーストモード」を使用した最初のF-35オペレーターになった。

 イスラエル空軍がXに公開した写真には、飛行テストセンターに配属されたF-35Iが、外付けの2,000ポンド級GBU-31 JDAMを4発搭載している様子が写っている。内部兵装庫にはAIM-120 AMRAAM空対空ミサイルが1発見える。左側兵装庫に見える搭載物は不明だが、このような兵器テスト・ミッションでは、何らかのテレメトリー・ポッドを搭載するのは非常に理にかなっている。また、機首下の電気光学照準システム(EOTS)フェアリングが空白になっているのも注目に値する。

2021年のガザ危機の際、イスラエル空軍のF-16に搭載されたGBU-31 JDAM。 イスラエル空軍

 F-35Iに新たな能力を追加することに関しては、2020年に同国に到着したステルス戦闘機のユニークな試験機が提供されたことによって助けられた。この機体は、武器の試験、エイビオニクスの統合、機体の改造と試験など、イスラエル固有の装備を実用化する役割を担っている。


 F-35Iは2023年10月以来、広範囲に戦闘行動に投入されているが、どのような特定の攻撃任務で外部攻撃用ストアを利用したのかも明らかではない。ガザやレバノンの標的への空襲に参加し、イエメンでイランが支援するフーシ派武装勢力やイランに対する長距離攻撃にも参加している。ただし、イラン攻撃におけるアディールの正確な役割は不明確で、ステルス戦闘機がイラン領空に侵入したという主張もある。

 アディールはフーシの巡航ミサイルなどに対する防空任務にも使用されている。

 今回の紛争では、F-35Iが内部兵器だけでなく外部兵器の搭載にも使用されていることが以前から指摘されていた。

 例えば昨年8月、イスラエル国防省はレバノン上空での任務中とされる、タンカーから給油するF-35Iを映したビデオを公開した。この戦闘機には、(内側のハードポイントに)1対の翼下パイロンが装備されているのは明らかだが、少なくともこの出撃の段階では、このパイロンには装備は搭載されていなかった。

 イスラエルにとって、F-35の「ビースト・モード」は重要である。

 外部搭載は、大きなペイロードを提供する代わりに、F-35の貴重なステルス特性を損なう。だがイスラエル空軍が飛行する多くの種類の任務、特に意味のある防空能力をほとんど持たない相手に対しては、このようなトレードオフは完全に理にかなっている。

 紛争が多発する空域で標的を攻撃する場合、イスラエル空軍はスタンドオフ兵器の使用を好み、有人航空機を防空システムの射程圏外に置く。このようなシナリオでは、F-35の低観測能力はそれほど重要ではなく、武器搭載量の増加を優先する議論もありえる。

 しかし現段階では、スタンドオフ兵器がアディールに統合されたかは不明だ。JDAMは無動力だが、ある程度のスタンドオフ射程を提供し、一般的な高速ジェット機の速度と高度から発射すれば、最大約15マイル離れた標的を攻撃することができる。

 また、イスラエルはF-35Iの航続距離を延ばす手段を開発したと伝えられており、空中給油なしでイランの標的を攻撃するのに十分な航続距離を提供すると言われていることも注目に値する。

 F-35Iがどのようにして航続距離を伸ばしたかは不明だが、最も可能性が高いのは、ドロップタンクの燃料を追加することだろう。その他の選択肢としては、ある種のコンフォーマル型、フラッシュマウント型の燃料タンク、あるいは武器格納庫内に燃料タンクを搭載する方法があるかもしれない。F-35Iの内部搭載容量の一部または全部を燃料に振り向け、タンカー支援なしで長期耐久ミッションを行う場合、外部パイロンに兵器を搭載する必要性が高まるだろう。

イギリスの「ビースト・モード」-HMSクイーン・エリザベスの甲板上でのフル装備のF-35B。その武装には、主翼下に4発のペイブウェイIV精密誘導爆弾が含まれている。 Crown Copyright


 今のところ、F-35Iの航続距離延長に関する詳細は不明だが、F-35Bの主翼下パイロンが戦闘で実証されたことで、JDAMを超える武器が登場するかもしれない。

 イスラエル製の武器や、移動標的の攻撃に理想的なレーザー誘導精密弾も含まれる可能性がある。

 過去にイスラエルのメディアは、F-35Iが「1トン爆弾」を搭載できるように改良されたと報じていたる。これは、米国製のGBU-24ペーブウェイ・レーザー誘導爆弾やGBU-31 JDAMとほぼ同じクラスになる。 しかし、GBU-31と同様、ラファエル・アドバンスト・ウェポン・システムズが開発したイスラエル製新兵器も、F-35のレーダー探知に影響を与えることなく、機内に搭載可能だ。

 もうひとつの選択肢は、地上発射の長距離砲兵誘導ロケット弾(EXTRA)を空中発射するランペイジ・ミサイルである。


ランペイジ・ミサイルで武装したイスラエル空軍のF-16。 イスラエル国防省

 ランペイジは、発射機へのリスクを軽減するため、かなりのスタンドオフ射程を提供し、イスラエル空軍の航空発射弾道ミサイルやその他類似の航空弾薬の武器庫の一部として、ここ数カ月、特にイランの標的への報復攻撃やレバノンでの空爆において、その重要性が急激にクローズアップされている。

 一方、イスラエル空軍は、F-35の空対空兵装搭載量を増やすために、AMRAAM(あるいは他のミサイルの可能性もある)を外部パイロンに搭載する選択肢も検討するかもしれない。

F-35A/Cの武器ステーション容量。 F-35 JPO

 本誌は以前、ステルスモードで飛ぶF-35が、後方の非ステルス「ビーストモード」構成のF-35からの要求に応じてミサイルを呼び出す運用の価値を検討した。F-35AおよびF-35Cには、サイドキックとして知られるミサイル6発を内蔵する計画があるが、現時点では4発に制限されている。イスラエルのF-35Iはすでに無人機や巡航ミサイルの撃破を任務としているため、より多くの空対空ミサイルを搭載し脅威多数に対処するという選択肢は興味深いものがある。

 イスラエルは繰り返し、F-35フリートを戦闘作戦にさらす意欲を示してきた。イスラエルは2018年5月、同機を攻撃作戦に使用する最初のオペレーターになったと発表し、それ以来、イラン無人機に対する空中戦でも成功を収めている。

 今のところ、F-35の「ビースト・モード」で外部兵器を使用した空爆が初めて確認された事例がイスラエル空軍のアディールにおける最新のマイルストーンとなった。■


Israeli F-35s First To Use ‘Beast Mode’ In Combat

The “thousands of sorties” flown by Israeli F-35Is in the latest Middle East conflicts have included the first combat use of external offensive stores.

Thomas Newdick


https://www.twz.com/air/israeli-f-35s-first-to-use-beast-mode-in-combat




2019年1月18日金曜日

★★F-35がステルスにこだわらず「ビーストモード」になると....



A Must See: This Leaked Video Shows the F-35 in "Beast Mode" F-35の「ビーストモード」は必見だ

January 17, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: F-35F-22StealthAir ForceMilitaryTechnology
近流出したビデオ映像でF-35の威力をうかがわせる場面が見られる。ロッキード・マーティンが「ビーストモード」と表現する仕様だ。.
.映像は2018年11月の撮影とされ、F-35一機が標的5個に空対地ミサイル数発を同時発射している。
Screen capture from new video of F-35 dropping multiple precision guided weapons in multi-target test with moving vehicles. (Photo: Via YouTube)---The Aviationist
試射の場所と誘導爆弾の種類は確認できないが、専門家がThe Aviationistに対して「NTTR(ネリス試験訓練場)です。ペイブウェイIVを5発投下しており、全弾がGEOT(目標に十分な効果を与える)です」と述べている。
場所では議論の余地があるが、映像中の爆弾はペイブウェイIVで間違いないようだ。ペイブウェイIVは英国製500ポンドレーザー誘導爆弾で英国防省は「高性能かつ高度精密兵器でRAF攻撃部隊に高い誘導精密攻撃能力を実現」と述べている。
ペイブウェイIVは2008年に登場し、英軍のほか、サウジアラビア軍も供用中と言われ、製造では米国内のサプライチェーンが密接に関与している。
Load carrying capability of F-35 in both low-observable “stealth” and “beast mode” for more permissive air defense environment. (Photo: Lockheed Martin)---The Aviationist
F-35では各種兵装で多様な戦術戦術シナリオに対応する。そのうち「ステルス」仕様ではAIM-120AMRAAMミサイル四発で空対空戦あるいはAIM-120とGBU-31JDAM合計4発で空対地ミッションに臨み、すべて機内に搭載する。その名の通り、敵の対空装備で完全に機能している前提だステルス性能を重視し開戦初日に対応する。
敵の防空能力が除去されれば、同機はビーストモード、つまりF-35に兵装を外部装着し、レーダー断面積にこだわらない。
ビーストモードではAIM-120を14発、小型AIM-9X2発で空対空戦に対応するか、GBU-31を6発とAIM-120/9Xを4発で対地攻撃に投入される。
この場合の兵装は機内機外に搭載し、今回はこの想定の運用テスト映像が流出したようだ。オランダ空軍のF-35がビーストモードになっているのが昨年目撃され、GBU-31が4発、AIM-9Xサイドワインダー2発が外部搭載されていた。ただしミサイル16発をフル搭載した姿はまだ目撃されていない。
F-35は技術課題や費用効果で困難な局面に直面してきたが、2019年の今年は強気に展開しそうだ。これが本当なのかは時が経てばわかる。■
Mark Episkopos is a frequent contributor toThe National Interest and serves as research assistant at the Center for the National Interest. Mark is also a PhD student in History at American University.