ラベル 3Dプリント技術 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 3Dプリント技術 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025年10月5日日曜日

インド太平洋軍司令部(INDOPACOM)の「遠征鋳造所」が3Dプリント技術の未来を実証中(Defense One)―前線や艦上で部品等が調達できれば特に太平洋の兵站を考えれば効果は大きくなります。今後注目すべき動きです。

 Marines Sgt. Jackson Glassel (left) and Cpl. Garrett Boyer move a container of molten metal to pour it into a mold at The Forge, at Schofield Barracks, Hawaii.

海兵隊軍曹ジャクソン・グラスエル(左)と一等兵ギャレット・ボーイアが、ハワイのショフィールド・バラックス内の「ザ・フォージ」で、溶融した金属を金型に注いでいる。DEFENSE ONE / JENNIFER HLAD

FPVドローンから代榴弾砲の部品まで、ザ・フォージはDIY軍事装備の領域を拡大している

ハワイ州スコフィールド・バラックスにて—交換作業に18ヶ月かかるプロペラブレード、拡張式オフィス用の部品で購入に数百ドルかかるもの入手できない榴弾砲用のブラケット、これらすべてが、米インド太平洋軍の新しい先進製造施設で数時間で印刷・交換された。

「ザ・フォージ」と名付けられた施設は、その責任者が「世界唯一の『遠征型鋳造所』」と呼ぶが、大量生産が目的ではない。代わりに、軍事や商業分野での使用をテストし検証するための、唯一無二のプロトタイプや小ロットの部品を製造することが目的だ。これは、太平洋での戦争で必要となる高品質・高精度部品を海上での生産方法に関するアイデアから生まれ、パールハーバー近郊に1万平方フィートの製造施設を建設するステップとして構想された。

しかし、この未来の自立型部隊を構築するには、3Dプリンターやロボット溶接機だけでは不十分だ。同司令部はハワイで教育と人材育成プログラムを構築し、3つの島にある学校で製造と溶接のプロジェクトを実施し、さらに、国防長官室産業基盤分析・維持プログラムの資金で、ホノルルコミュニティカレッジに1200万ドル相当の機器を備えた最先端の訓練施設を設立した。当局は水曜日にその施設の開所式を行う。

「この能力は抑止力の回復を可能にします」と、フォージのディレクター兼国防総省産業基盤分析・維持プログラム(OSD IBAS)の戦略顧問であるベンジャミン・ワーレルは、施設見学中に記者団に述べました。「抑止力の回復には、能力、それを実行する意思のある人々や連合部隊、経済、労働力が必要です。…すべてが揃わなければなりません」

フォージとなっている倉庫は1936年に建設されたものだ。牽引式砲兵部隊の馬小屋として使用され、後にシャーマン戦車の修理工場、ストライダー施設として利用された。ウォーレルが到着するまで約13年間空き家になっており、漏れる屋根の下に草が建物をほとんど隠すほど生い茂り、野生の豚が住み着いていた状態だった。

「中国は待っていないから、早く動け、リスクを冒せと言われた」とワーレルは述べた。

現在、建物には新しい屋根から巨大なアメリカ国旗がはためき、オークリッジ国立研究所が提供した3Dプリンターと溶接機が数台置かれ、新鮮に塗装された金属の支持梁に囲まれている。ジャーナリストは一部のユニークなプロトタイプを閲覧できるが、撮影は禁止された。例えば、18時間で$1,000未満で印刷可能なカーボンファイバー強化ポリマー製ボートがある。この「非常に頑丈な小型ボート」はフラットパックで出荷され、ジップタイで組み立てられ、片道自律補給艇となる。

約50ヤード離れた施錠ドアの向こうには、別のプロトタイプがある:200キロメートルの航続距離を持つファーストパーソンビュー(FPV)ドローンで、ワーレルは「戦闘で実証済み」と述べた。別の小さな部屋には、ミニ冷蔵庫サイズの3Dプリンターと、コストコの折りたたみテーブルに様々なモデリングセンサーとホットグルーガンが散乱している。

屋外では、清潔なコンテナボックス内で海兵隊員と兵士が溶けた金属を注ぎ込み、武器や車両のミッションクリティカルな部品を印刷している。これらのコンテナは、さまざまな装備を備えたポータブルなメイカースペースとなっている。1台の機械は、荒れた海で機能するようにコンテナに最適化されている。別の機械はKC-135用に設計され、既に空輸ミッションに投入されている。すべては今年後半にフィリピンで行われる軍事演習に送られる。

榴弾砲の隣に立つ首席准尉5級アンソニー・グラヴェリーと首席准尉2級ウィリアム・ニコリーは、砲身の特定のブラケット——「非常に高級なショックアブソーバー」とニコリーが説明——が4月の演習中に割れたと説明しました。しかし、その部品は絶対に故障が許されないため、交換の手段がなかった。そこでフォージの兵士と海兵隊員は、約5時間で金型を作成し、別の部品を製造した。さらに数個を製造し、将来的に破損した場合の予備として備蓄した。

この能力は「紛争においてゲームチェンジャーとなる」とグラヴェリーは述べた。■


INDOPACOM’s ‘expeditionary foundry’ is another step toward the 3D-printed future

From FPV drones to irreplaceable howitzer parts, The Forge is expanding the realm of DIY military gear.


BY JENNIFER HLAD

MANAGING EDITOR, DEFENSE ONE

AUGUST 5, 2025

https://www.defenseone.com/technology/2025/08/indopacoms-expeditionary-foundry-another-step-toward-3d-printed-future/407213/




2014年12月22日月曜日

米空軍の考えるOffset Strategyでの重要技術要素


なるほど米空軍が考えている方向がわかりますが、技術だけでは戦争には勝てないのであり、下に出てくる品質管理も行き着くところは人質管理であることと思います。コスト要素として見るのであれば無人化や3Dプリント技術で人の関与を減らす方向に進むでしょうが、それでは人間の組織にならないのですが。

Pawlikowski On Air Force Offset Strategy: F-35s Flying Drone Fleets

By COLIN CLARKon December 15, 2014 at 5:41 PM

Lt. Gen. Ellen Pawlikowski
PENTAGON: 空軍で兵器装備の選定に絡むエレン・ポーリコウスキイEllen Pawlikowski 中将が自律運転 autonomy や3Dプリンター 3-D printing が良いと発言すれば耳を傾けるべきだ。
中将は自律性能(人員の関与なしに兵器を任務実施させる技術の総称)は「大きな役割を期待できる。同じ予算でもっと多く調達できる」とし、数が重要との考えを他の将官と共有している。
これがペンタゴンの進める相殺戦略の実態だ。ボブ・ワーク副長官が進める同戦略ではアメリカの軍事優位性を長期にわたり確保するのが目的だ。ポーリコウスキイは空軍の科学技術研究を統括し、空軍の相殺戦略の実施をまとめている。
「一つのシナリオではF-35一機がRPA(遠隔操縦航空機)20機をセンサー・通信機能で指揮調整することを考えています」という。
DARPA KQ-X Global Hawk refueling
もうひとつは無人機間の空中給油で、「大きな可能性を開く」という。
ポーリコウスキイが考えるもうひとつの可能は付加製造additive manufacturingつまり3-Dプリント技術で従来のコスト概念を変えることだ。
品質管理はF-35や宇宙機開発で明らかになったように「これからも最大の課題」としつつ、兵器開発では人員が一番高価な要素だとする。
「付加製造技術を使えば両方の問題は解決可能」とし、イーロン・マスクのスペースXでは3Dプリント技術を利用していると指摘する。また、エアロジェット・ロケットダイン Aerojet Rocketdyne から同社がMPS-120 CubeSat High-Impulse Adaptable Modular (小型衛星モジュラー)の点火テストに成功したとのニュースが本日飛び込んできた。
MPS-120は3Dプリント技術で製造された初のヒドラジン燃料による推進システムで、CubeSat用に用意された。
マスク、ロケットダイン他の宇宙関連企業以外にも3Dプリンターで大型部品を従来より迅速かつ厳格な品質管理のもので製造する例がある。報道によると中国は3Dプリンターで大型チタン部品を作り、新型J-31戦闘機に使っているという。■