ラベル LEMV 米陸軍 ハイブリッド飛行船 無人長時間飛行 監視偵察 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2014年3月5日水曜日

開発中止になったLEMVが民間ハイブリッド飛行船として復活する見込み


U.K.'s Hybrid Air Vehicles Begins Re-assembling Large Airship

By Graham Warwick graham.warwick@aviationweek.com
Source: AWIN First
aviationweek.com February 28, 2014
Credit: U.S. Army

英国のHybrid Air Vehicles Ltd. (HAV) 社が米陸軍から取得した大型飛行船の再組み立てをしている。この飛行船はノースロップ・グラマンが音頭を取り開発した長時間飛行多用途情報収集機(LEMV)のこと。
  1. HAV(本社カーディントン)は全長302フィートのHAV304ハイブリッド飛行船(2012年にニュージャージー州レイクハーストで一回飛行したのみ)を同社が企画するエアランダー50 Airlander 50 商用大型飛行船の試作実証用に使う予定だ。英国内での初飛行は今年末の予定。.
  2. 同船の1.34百万フィート容積の機体に空気を入れ、1月末現在でカーディントンの同社飛行船格納庫内に係留中だった。HAVは数千点の部品を検査中だ。
  3. HAVはもともとノースロップ・グラマン向けに機体とシステム類を設計製造しており、LEMVとして完成した唯一の機体を$301,000で購入した。これはスクラップ価格であると同社は説明。
  4. 同社は追加株式発行で17百万ドルを確保し、再組み立てを完了させ英国内の初飛行を実現しようとする。
  5. HAVは英国のタイプB認可でHAV304 (エアランダー10に改名)を試験機として展示飛行させようとしている。カナダと米国へも2015年中ごろに飛行させ遠隔地への重量貨物輸送能力を示すつもり。世界ツアーは2016年のリオデジャネイロで終わるが、ブラジルの有力なスポンサーが同年の夏のオリンピックで同機を販売宣伝用に使う案を練っている。その他に同機の飛行距離を生かした学術プロジェクトや極地飛行の企画がある。
  6. もともと無人監視機材との想定のHAV304試作機は長時間飛行性能に加え重量物運搬能力をアピールしたい、と同社は考える。5トン貨物の輸送が同機で可能なら、もっと大型の次期モデルなら50トンは可能で、カナダ北部の寒冷地なら60トン70トンも可能だ、とする。
  7. デモ飛行の結果でHAVはHAV304の類似モデルあるいはエアランダー50を一気に開発すべきかを決定するのだという。エアランダー50の仕様は全長390フィート、容積3.64百万立法フィートの機体で巡航速度105kt.航続距離2,000 nmで最大4日間の飛行をパイロット2名がペイロード最高132,000 lb. (60トン)で行う。
  8. 開発総予算は4百万ポンドだが、このうち2.5百万ドルの助成金を英国政府の技術戦略委員会から交付されている。
  9. 試作機は12,000 lb. ほど重量超過したが、設計から建造までをわずか開発期間が18か月だったの理由とし、二号機では同じ問題は繰り返さないとしている。
  10. HAVが想定しているのは貨物輸送以外に監視偵察用に英国家警察と打ち合わせている。
  11. LEMVでは517百万ドルで3機の無人長時間滞空マルチセンサー監視偵察飛行船としてアフガニスタンに投入する想定だった。2013年に建造・飛行実施が遅れた同機に米陸軍は予算投入順位を下げた。
  12. 同機にはノースロップが作成したミッション装備が搭載されていないが、米国の輸出規制ではそれでも軍事装備品と区分される。ただ同社は判定により民間機と再区分されることを期待している。■

2012年9月1日土曜日

LEMV次回フライトの準備にとりかかるノースロップ・グラマン

Northrop Preps LEMV Airship For Next Flight

aviationweek.com August 27, 2012

ノースロップ・グラマンの長時間飛行多目的情報収集機Long Endurance Multi-intelligenc Vehicle (LEMV)の初飛行が実施されたことで、米陸軍の期待と必要性には底堅いものが裏付けられた。
8月8日の初飛行を完了したハイブリッド飛行船はレイクハースト基地(ニュージャージー州)のハンガー内で機体内外部を点検中だ。
  1. 平 行しノースロップはペイロード用の配線を設置中で、飛行テストの途中で作業は完成する予定だ。「初飛行はペイロードなしだったが、機体には必要なハードポ イントはすでについており、ペイロードベイもあります」 ノースロップ・グラマンのアラン・メツガーAlan Metzger,(LEMV担当副社長)は語る。「有人飛行モードで必要な装備も全部搭載済みです」
  2. . 初飛行で三項目を達成できたとメツガーはいう。離陸、上昇および機体操作など基本機能、着陸だ。「滞空時間は90分で大きな問題は見当たりませんでした」  ただし初飛行には空気より重い同飛行船は垂直離陸に搭載するエンジンvectoring thrustersを使用している。
  3. ハイブリッド飛行船としてLEMVは空力特性、浮力、エンジン推進を組み合わせる。空気より重いため離着陸時には制御が容易だ。ペイロード満載の場合は短距離の滑走で離陸するが、メツガーによるとレイクハーストではハンガーが近接しているため滑走に制約があるという。
  4. 動力にはセンチュリオンエアクラフトエンジンCenturion Aircraft Engines のターボディーゼル4基を前後二基ずつ搭載する。各エンジンに発電機があり、必要な電力を供給する。
  5. .LEMVは無人モードで高度22,000フィートで連続21日間飛行でき、合計2,750ポンドの情報収集監視偵察(ISR)装置を搭載できる。
  6. レ イクハーストで有人操縦飛行を10回から15回実施するとメツガーは説明しており、その後ペイロード搭載した無人飛行テストに入るという。遠隔操縦システ ムはまだ完成していないが、「初飛行では無人操縦ソフトウェアを利用しており、そのデータからシミュレーションに活用できる」という。
  7. LEMVはノースロップの既存無人機のシステムを流用しており、「90%は他の機体の再利用」とのこと。AAI Corp.が同機運用のための地上操作ステーションを製作しており、SAICからフルモーションビデオ映像技術を提供受けている。
  8. ノー スロップが2010年6月に154百万ドル相当の契約を交付された際にはLEMVの飛行を12ないし13ヶ月以内に実施し、アフガニスタンで運用を18ヶ 月以内に開始することになっていた。「システムが予想よりも複雑でした。大きさではA380に匹敵しますが、回転エンジンを装備しています。コンセプトか ら初飛行までは25ヶ月でした。これでも驚くべき成果なのですがね」
  9. 陸 軍情報参謀副部長メアリー・レジェ中将Lt. Gen. Mary Legere, Army deputy chief of staff for intelligenceによると初飛行で「25ヶ月間の重労働」が報われる形がノースロップと飛行船設計でパートナーの英国企業ハイブリッドエアヴィー クルズHybrid Air Vehicles、および「偉大なる中小企業各社が一緒となり、パワーポイントのプレゼン内容から長時間監視機材の必要性を理解し、実現にこぎつけた」と 評した。
  10. 遅延の原因は追加設計と制作上の問題および初飛行準備に影響を与えた悪天候だという。「堅牢性を高め、一部は二重三重に冗長性をもたせました。機内の装置類で追加設計が必要となり、配線、統合、テストが追加されました」(メツガー)
  11. .ノースロップの契約はオプションも入れると517百万ドルに増える可能性がある。オプションであと2機の製作が可能だ。「陸軍式の調達戦略では一号機をまず作り、『技術的可能性』をチェックすること。このチェックは満足させれたと思っています」(メツガー)
  12. 「陸軍の想定は高度2万フィート上昇し、相当の搭載物を二三週間滞空させる発想です。第一号機は要求水準の数点で満足させられません。二号機では改良を加え、三号機ではすべてがいまくいくでしょう。機体構造には今後の変更点を生かす余地を残しています」
  13. ノースロップは陸軍と共同して同機の性能向上ロードマップを作成中だ。
  14. 「センサー類の統合作業が残っていますが、楽観視しています。この機体の性能は実戦でのニーズに答え、情報収集結果をいっそう有効に活用する途を開くと感じています」(レジェ中将)
  15. LEMV は国防総省のISRタスクフォースの構想を陸軍が採用したものと同中将は説明する。「地域紛争で地上部隊が戦略ISR手段の予約が取れない状況に直面する かも知れず、また陸軍だけで長時間にわたり交戦する可能性があるので、持続的情報収集手段を求めているわけです」■


2012年8月15日水曜日

米陸軍のLEMV監視飛行船が飛行試験を開始しました


Army’s LEMV Surveillance Airship Begins Flight Tests


aviationweek.com August 13, 2012


.米空軍は監視偵察用の飛行船開発を断念したが、米陸軍は独自に計画を進めており、ノースロップ・グラマン長時間飛行多用途情報収集機材Long Endurance Multi-Intelligence Vehicle (LEMV) が初飛行を8月7日に完了した。
  1. 同 機はハイブリッド飛行船で全長300フィート、初飛行では有人で90分間マクガイア・ディックス・レイクハースト共用基地(ニュージャージー州)からの飛 行に成功した。「初回飛行では発進と回収の安全性を確認することが第一で、次に飛行制御系の作動確認を目的にした」と宇宙ミサイル防衛軍団/陸軍戦略司令 部が発表。
  2. 「初飛行では耐空性テストと実証が目標であり、システムレベルでの作動確認が加わっていた。全ての点で目標は達成されている。追加して有人飛行が機体の点検のあとで予定されている」(陸軍)
  3. ノースロップ・グラマンが総額154百万ドルでLEMV開発の契約を調印したのは2010年6月で初飛行はその後12ないし13ヶ月後の予定だった。同飛行船はテスト終了後はアフガニスタンで運用される。
  4. LEMVは高度2万フィートで21日間連続運用でき、16kwの発電容量があり、ペイロード2,500ポンドの各種センサーを稼働させる。英国のHybrid Air Vehiclesが飛行船のメーカーとして同契約を下請参加している。
空軍はブルーデビル2監視用飛行船を5月に契約先のMAV6の業務内容が期待以下という理由で開発中止している。