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2017年12月2日土曜日

Su-30SM1戦闘機が登場、スホイ優勢の構図は崩れそうもないですね


 


Russia's New Sukhoi Su-30SM1 Fighter: Could It Crush America's Best Fighters?

ロシアの新型スホイSu-30SM1戦闘機は米国の最強戦闘機に勝てるのか。
November 28, 2017

シアがスホイSu-30SMフランカーHの開発を完了し、エイビオニクスと兵装類を改良している。
  1. Su-30SM1と呼称され、シリア作戦の戦訓を盛り込んでいるとロシア紙イズベスチアが伝えている。
  2. 記事によれば合同航空機企業傘下のイルクートがSu-30SM1を生産中ですでに数機が完成しているという。ただし国防産業筋はThe National Interest にイルクーツク工場内に一機しかないと述べている。
  3. Su-30SM1は兵装搭載装備を見直して精密誘導兵器のKAB-250やХ-59МК2対地攻撃ミサイルを搭載とイズベスチア記事は述べている。KAB-250はロシア版の小口径爆弾(250ポンド)でGPS/GLONASS補正付き完成誘導あるいはレーザー誘導式だ。 Х-59МК2 はX-59対艦ミサイルを対地攻撃用にしたものだが、対艦能力を維持しているか不明だ。
  4. イズベスチア記事はエイビオニクスの改良に触れているが、詳細は不明。おそらく、センサー装備、通信機器が以前は弱点だったので改良されたのだろう。
  5. Su-30SMで改良が進むこと自体が驚きだ。ロシア空軍はシリア作戦で多くの戦訓を学んでいるはずでSu-35フランカーEやSu-34フルバック爆撃機に生かされている。
  6. 今年中にSu-30SMは17機が納入予定でSu-35SやSu-34とロシア空軍の主力機となり、さらにSu-57PAK-SAが加わりそうだ。■
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @Davemajumdar.
Image: Reuters.

2017年6月21日水曜日

短信)MiG、スホイが2019年に統合される


Russia’s aircraft corporation to merge MiG and Sukhoi into combat aviation complex

MiG、スホイの統合でUACに戦闘航空機事業体が生まれる

  June 20, 19:37 UTC+3

LE BOURGET (France), June 20. /TASS/
ロシアの合同航空機企業(UAC) はMiGおよびスホイ両航空機企業を単一戦闘航空機事業体として2019年に統合するとUAC社長ユーリ・スリュサアルが6月20日述べた。

「当社にとって2019年は企業形態を単一企業体に切り替える年であり、該当事業部はUAC傘下企業になる」とスリュサアルは述べた。これはスホイ、MiGから生まれる戦闘航空機事業の在り方についての質問への回答。UAC法人形態の切り替えは2019年末になるとも述べた。

「現在統合に向け作業中で参照するロードマップは2016年末に取締役会で承認済みだ」(スリュサアル)

ロシアの産業貿易相デニス・マンチュノフからは先に統合があってもMiG、スホイ両ブランドは残ストの発言があった。■


More:
http://tass.com/defense/952422


2017年3月16日木曜日

再び遅延するPAK-FA(T-50)


出る出る詐欺のようなPAK FAですがさらに実戦配備が遅れそうです。ロシア航空産業の実力が低下しているのかもしれません。インドとの共同開発もこれで遅れることになるのでしょうか。

War Is BoringWe go to war so you don’t have to
T-50のエンジンコンプレッサーが不良となっている。 Photo via Wikimedia

Oof — Russia’s Stealth Fighter Delayed Again

The problem is with the engines

by DAVE MAJUMDAR

スホイT-50 PAK-FAステルス戦闘機開発が再び遅延している。エンジンテストが2018年に先送りされたためだ。
  1. 「現時点での作業はロシア国防省との契約の枠内で実施中」と合同航空機製造会社のセルゲイ・コロトコフがTASS通信に語っている。「フライトテストは実施中だ。来年第二段階に入る」
  2. もともと新エンジンは2017年第四四半期にPAK-FAでフライトテストを始める予定だだった。
  3. 次世代エンジンのサトゥルン・イズデリエ izdeliye 30 (別名イズデリエ129)をT-50用に開発した。推力はドライで24,054ポンド、アフターバーナー付きで39,566ポンドといわれる。
  4. 新エンジン搭載でPAK-FAはロッキード・マーティンF-22ラプターに匹敵する運動性能を発揮すると期待されている。アフターバーナー無しで巡航速度がマッハ1.5で高度60千フィートで最高速度はマッハ2.0を超える。
  5. ロシアはステルスより操縦性や運動性能を重視し、エイビオニクスも充実しているようだ。
  6. 「目にした分析内容ではきわめて洗練された設計で米第五世代戦闘機と同等から一部では優れているとあった」と米空軍で情報部門に籍をおいていたデイヴ・デプチュラ中将は述べていた。「推力ベクター、尾翼が全面的に可動式で空力学上も優れた設計でF-35を上回る」が、アクテイブ電子スキャンアレイレーダー、赤外線センサー、電子戦装備をどこまで統合したエイビオニクスになっているか疑問だ。
  7. 米国の場合は数十億ドルを投じ複雑な統合エイビオニクス装備やパイロット機体間インターフェイスを作り上げ、ラプターは相当の威力のある機体に仕上がった。
  8. 最終的にロシアはPAK-FAでも不具合点を潰して高性能機として配備するはずだが、これから何が起こるのか、クレムリン予算で何機調達できるかも不明だ。■

2014年9月19日金曜日

インド・ロシア共同開発で新型第五世代戦闘機開発へ

インドとロシアの第五世代戦闘機共同開発ですが、思惑通り進むのか興味津々ですね。
ロシアが狙うのはインドのエイビオニクス等高度技術のようですが、果たしてどうでしょうか。
交渉事ではタフそうな両国ですから途中で意見が衝突しそうな気もします。




Indo-Russian Jet Program Finally Moves Forward

Sep. 15, 2014 - 02:50PM   |  
By VIVEK RAGHUVANSHI   |   Comments
RUSSIA-AEROSPACE-MAKS-2013
第五世代戦闘機をロシアのT-50を基にインドとロシアが共同開発する。写真は2013年モスクワ上空を飛行する同型機。 (KIRILL KUDRYAVTSEV/ / AFP/Getty Images)
NEW DELHI — インドとロシアが第五世代戦闘航空機Fifth Generational Fighter Aircraft (FGFA) 共同開発で残っていた課題を解決したと在印ロシア外交筋が述べている。計画では200機を300億ドルで生産する。
  1. 課題がすべて解決したとインド国防省は認めておらず、両国間の作業分担率で合意できていなかった。
  2. ただナレンドラ・モディ首相Prime Minister Narendra Modi とウラジミール・プーチン大統領がこの問題を7月にブラジルで協議したことを外務省が認めており、FGFA事業の前進を確認していると消息筋が追加している。
  3. 2010年に初期設計合意がインド国営ヒンドゥスタン・アエロノーティクス・リミテド Hindustan Aeronautics Ltd. (HAL) とスホイ設計局の間で成立しており、FGFAを共同生産するとしていた。ただしこの最終版で生産を開始する予定だったが、インド空軍から設計案の承認が取れず、一方で両国の間で作業分担の合意が取れず棚上げになっていた。
  4. インドは分担率を25パーセント以上に引き上げる変更を求めている。両国は295百万ドルを投入ずみ。
  5. 上記ロシア外交官によればインドの作業比率はインド産業界の成熟に伴い40%まで増加し、高度技術の機体搭載が期待されるという。
  6. インドとロシアは今年末までに最終合意にサインする予定と外務省は説明している。ロシアもインド空軍の要求内容を認め、複座機体とすることを認めているといわれる。試作型は単座機となる。
  7. HALとスホイ設計局はシステム、サブシステムをそれぞれ整理中とHAL関係者が述べている。合意内容ではインド、ロシアは共同で推力方向変更システムを開発し、HALはミッションソフトウェアおよびハードウェア、エイビオニクス一式を供給する。
  8. インド開発の視界外有効射程ミサイル、アストラはインド国防研究開発機構 Defence Research and Development Organisation が開発中で、インド・ロシア共同開発のBrahMos超音速巡航ミサイルも別にある。これらをFGFAに搭載するのがインド空軍の目論見だ。
  9. スホイ設計局とHALの案はロシアのT-50を改良するもので、同機はまだ試作段階にある。T-50試作機あ計4機でテスト飛行回数は300回を上回っている。
  10. インド空軍としてはFGFA試作機一号機を2016年までに取得し、公試を実施し、2018年19年に一機ずつ引き渡しを受けるというもの。量産は2021年までに開始する。
  11. インドが第五世代機開発に参入したことからロシアにも恩恵が出てくる。インド空軍は「本来ならFGFAの設計段階から参画したかったが、インドのFGFA開発がロシアの第五世代機開発の資金になっているようだ」としている。
  12. インド外務省関係者によればプーチンーモディ合意ができたことで事業が迅速に進み、技術上の課題がHALとスホイ設計局間で整理できたことで両国はともに利益を享受できるとする。 ■

2013年8月24日土曜日

明らかになったスホイT-50(PAK-FA)の飛行制御性能の革新性

Sukhoi T-50 Shows Flight-Control Innovations

By Bill Sweetman
Source: Aviation Week & Space Technology
aviationweek.com August 19, 2013
Credit: Sukhoi

MAKSエアショーがモスクワ郊外のジューコフスキー空港で来週開催されるが、目玉はスホイ‘T-50PAK FA (Perspektivny Aviatsionny Kompleks Frontovoy Aviatsii—将来型戦術航空機システム)戦闘機の展示飛行だろう。
  1. T-50は二年前の同航空ショーで登場しているが、現在もテスト飛行中で性能限界を徐々に伸ばしている。最近のビデオを見ると高度を維持したままの水平回転や高迎え角で方向転換といった高機動飛行をしており、パリ航空ショーでSu-35Sが示した展示飛行と同様の飛行をしている。T-50試作機の5号機が今年末までに飛行を開始し、公試は2014年に開始予定とUnited Aircraft Corporation社長のミハイル・ポゴシヤンMikhail Pogosyanが伝えており、本生産開始は2015年という。
  2. ロシア大統領ウラジミール・プーチンRussian President Vladimir Putin は量産型の配備は2016年と発言している。ただし、搭載エンジンがまだ確定しておらず、ロシア空軍はソ連時代と同じくテスト用エンジンを稼動中の機体に搭載し、一方でエンジン含むシステム完成度を上げる方法をとっている。
  3. 搭載する機器、兵装は未公表だが、ここに来てスホイ設計局がT-50関連でステルス機の根幹にかかわるもの含む特許数件を取得したと判明している。
  4. また取得特許にはロッキード・マーティンF-22に類似した基本設計内容があるが、Su-27から10年近く経て再開したロシアの戦闘機設計には従来の欠点を改善しようと懸命な様子があらわれている。F-22の推力ベクトル制御 thrust-vector control (TVC) システムではロールあるいはヨーの制御は実現できない。なぜならエンジン二基の配列が接近しすぎているからだ。
  5. エンジン取り付け位置次第で兵倉庫の場所がなくなる。エンジンは空気取り入れ口付近、及びその下に取り付けるものである。曲がりくねった空気取り入れ口は全長が伸びて重量も増える。TVCが作動しないと失速後の姿勢取り戻しはむずかしくなり、固定フィンと方向蛇が大きくなる。
  6. T-50は機体主翼一体型の設計 blended wing-body design で、Su-27とは構造の中心部が“centroplane”(中心面)形状で共通している。ただし、Su-27より中心面が双発エンジンの間で深く、兵倉庫を確保しているのが違う。
  7. 飛行制御には可動面が14あり、うち12で飛行制御表面とエンジンノズルを可動させる。主翼前縁部のフラップは高迎え角で揚力を維持する役割があり、速度に応じ主翼形状を調整する。エルロンは低速飛行時、離着陸時のみで使用する。フラペロン flaperons は揚力を得るために使う。高速飛行時にはロール(横揺れ)防止をフラペロンと水平尾翼で行う。.
  8. 全面可動式垂直尾翼 all-moving vertical tails は短い固定式パイロンの上につけられており、パイロンの中に作動装置が入っており、エンジン空気取り入れ口部に冷却装置、熱交換装置が取り付けられている。パイロンの役目には垂直尾翼用の旋回軸のベアリングアームを長く確保することがあり、荷重を減らし、ベアリングと機体構造を軽量化できる。超音速域ではT-50`は飛行方向安定`性に欠けるので垂直尾翼によるアクティブ制御を用いる。この理由は同機の全面可動式尾翼はF-22の固定式フィンおよび可動式方向蛇より小さいためだ。同機の垂直尾翼はエアブレーキのかわりとなり、縦ゆれを最小限におさえつつ抗力を増す際に対称的に可動する。.
  9. 中心面の上に大きな可動式前縁部があることで、巡航飛行中に生ずる同部分からの揚力を最適化できるが、実は一番大切な機能はTVCが作動しない場合の機体制御回復であり、失速後の高迎え角を想定している。このため大きく下方に方向転換し、重心前面の主翼胴体一体部の投影面積を減らすことでこれを実現する。
  10. エンジン二基は大きく離れて配置してあり、兵倉庫の空間を確保するとともにロール・ヨーのベクトル制御を実現。エンジン中心の延長線は外側に広がる配置で仮にエンジン一基が作動不良になっても推力が不均衡になる悪影響を抑えている。作動中エンジンの推力ベクトルを機体質量の中心に近いところへ配置できるからだ。
  11. Su-27/30/35ファミリーにはTVCが装着されているが、各エンジンのノズルベクトルは一方向にしか機能しないにもかかわらず、ベクトル軸は外回りに回転する。そのためノズルの対称運動により縦ゆれピッチの力が発生し、各ノズルが均等かつ反対方向のヨー力を発生させる。仮に‘Su-35の「鐘」機動のようにハイアルファ減速のあとに180度方向転換をするような場合は、横揺れはフラペロンとエルロンで消す。T-50の空気取り入れ口は設計上で妥協している。確かに曲がっているが、曲線はエンジン全体を覆わず(F-22、F-35、ユーロファイタータイフーンはこれを実現)、そのためボーイング F/A-18E/Fスーパーホーネットと同様の‘放射状ブロッカーを搭載している。
  12. F-22の空気取り入れ口と異なり、T-50では可動部分が途中にあり、各ダクトに開閉口がついている。この結果、超音速飛行時にショックパターンが複数発生し、ロシア側はこれによりマッハ2飛行が効率よく行えると考えている。同時に貝形状の網状スクリーンが空気取り入れ口についており、分離スロットとあわせて異物のエンジン取り込みを防ぐ構造になっているのはSu-27ファミリーと同様。
  13. 機体構造設計での大きな課題は機体中央部全体で兵倉庫をタンデム配置する空間の確保だった。ロッキード・マーティンのF-22やF-35では兵倉庫は主翼より前の部分に配置となっている。一方でT-50の中央線構造は奥行きがとれず、ピーク時の主翼変形に耐える設計は困難が伴う。そこでT-50では中央面部分の構造を堅固にし、縦方向の支柱を二本ナセル外縁部と主翼中央面接合部に入れてある。この支柱を翼端におよぶ翼桁でつなぐ。(特許申請図面では翼桁が八本になっている) その結果、機体中央面にかかる曲げ荷重を分散させて中央線にかかるピーク荷重を減らすことができた。
  14. T-50の目標最高飛行速度はマッハ2程度と見られる。当初の目標はマッハ2.35だったが、その後2.1に下方修正され、また下がっているが、Su-35Sではマッハ2.25だ。この差の原因はT-50で複合材料をSu-35S以上に使用していることだ。Su-35Sでは重量がかさむチタンを大量に使用している。
  15. T-50が現在搭載するエンジンはイズデリエ117で、2011年時点の設計者取材ではSu-35Sが使用する117Sよりも高性能としていた。117SエンジンはAL-31エンジンの発展形といわれるが、117の推力重量比は10.1としている。
  16. ただし、サトゥルン社Saturnの常務イリア・フョードロフIlya Fyodorovは記者会見の席上で同社がT-50向け後継エンジンを開発中であることを認め(イズデリエ30型といわれる)、2020年に完成すると117エンジンの性能を書き換えるという。MAKS航空ショーで同機の搭載兵器の詳細があきらかになるかもしれないが、当初は現在利用可能な兵装を搭載するようだ。Tactical Missiles Corporation社の専務取締役ボリス・オブノソフ Boris Obnosov iは取材に答えて、T-50の兵装をいくつか明らかにし、既存のKh-35UE対艦ミサイル、Kh-38ME空対地兵器、RW-MD(R-73Eの改良型短距離空対空ミサイルで大型シーカーを搭載し飛行距離を30%拡大しているという)があるという。新型Kh-58UShKE長距離(射程245Km)というマッハ4級の対レーダーミサイルの開発は大きな意味を持ってくるだろう。同ミサイルは当初はMiG-25BMフォックスバットE用に開発されていた。
  17. ただしオブノソフはこれらは2014年と本人が見る就役開始時の装備品であると念を押している。T-50の機体内兵倉庫が搭載する兵器の情報が不足している。ただし、同機の兵倉庫は四つある模様で、空気取り入れ口外側のふたつにはRW-MDを一発ずつ搭載する。エンジンの間にあるタンデム配置兵倉庫は各二発搭載できるが、前方の兵倉庫が縦方向に余裕があり、Kh-58UShKEのような大型兵器を搭載し、後方の兵倉庫にR-77ファミリーの空対空ミサイルを格納するのだろう。

なお、同機の高機動飛行の様子は AviationWeek.com/video でご覧いただけます。