ラベル E-2D Advanced Hawkeye の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル E-2D Advanced Hawkeye の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2021年8月8日日曜日

E-2Dは2025年生産終了するが、今後30年の供用期間を通じ性能向上を続ける。日本向け機材製造も続き、計13機を導入する。

 


E-2Dアドバンストホークアイ(VAW-120所属)が空中給油を受ける US Navy Photo

 

E-2Dの生産はあと四年で終るが、米海軍は同機を今後30年は稼働させたいとする。

 

性能改修でコックピット関連エイビオニクス、ミッションシステム各種、通信能力、サイバー保安体制が強化され、「艦隊の目」を2040年代以降も活躍できる状態にする、とNAVAIR PMA-231で空中指揮統制システムズを主管するピート・アロビオ大佐が述べている。

 

E-2Dホークアイ艦載戦術戦闘管理・空中早期警戒指揮統制機はノースロップ・グラマンのE-2Cを近代化した派生型だ。

 

「現時点では中心はE-2Dのミッション実行能力を向上させることだ」とアロビオ大佐は海軍連盟主催のカンファレンスで述べた。

 

E-2D改修は「デルタシステムソフトウェア・コンフィグレーション」(DSSC)の機能向上として進めており、開発開始から機内搭載まで4年の予定とアロビオは紹介している。現在はDSSC3のヴァージョン3.1の今年末導入をめざす。DSSC3.1では統合戦術無線交信システム(JTRS)やリンク16を導入し、DoDが求める2021年サイバー保安体制標準をE-2Dで満たすという。

 

「標的情報のリンク、相互調整、分散、評価を先端的水準で行う」(アロビオ)

 

DSSCは二年おきに更新され、2023年度にヴァージョン4が導入されるとデータ融合機能、GPS、レーダーの性能向上が実現する。

 

その後のDSSC5で「空母打撃群がA2/AD環境で戦力を発揮するため不可欠な性能向上が加わる」としつつ、内容は大部分が機密情報のため紹介できないとした。

 

「E-2Dには当初想定以上の期待が寄せられており、現在進行中の課題の多くに対応すべくこれまでのアーキテクチャを一新する」(アロビオ大佐)

 

さらにソフトウェア改修の六番目パッケージで統合全次元指揮統制(JADC2)システムや海軍作戦実行アーキテクチャとの相互運用体制が実現する。

 

「E2-Dの生産はまだ続いている。まだ新規製造機体のにおいが残っているが、機内のアーキテクチャや各種システム、コックピット周りの部品等はスマートフォン以前の2005年当時の設計だ」

 

特に機内搭載ミッションコンピュータやディスプレイを敵のサイバー攻撃に対し強化することが最重要事項だ。

 

ホークアイコクピット・テック・リフレッシュHETCRではエイビオニクスを最新の水準に引き上げ、パイロットにヘッドアップディスプレイを導入する。

 

戦域戦闘IDとミッションコンピュータのディプレイはオープンシステムアーキテクチャで今後のソフトウェアアップグレードパッケージの搭載が容易になるとアロビオ大佐は説明している。

 

要求内容にないが、海軍では「改良型着艦モード」ILMをE-2Dにも導入し着艦作業を部分的だが自動化できないか検討している。F/A-18E/FやF-35Cでは「マジックカーペット」と呼ぶ精密着艦が実現している。

 

E-2Dでは機体がフライバイワイヤでなく、機体上部に大型レーダーを搭載していることもありILM導入は簡単ではないことをアロビオ大佐も認める。だが空中給油を受けE-2Dミッションが今後最大9時間になれば、悪天候や夜間の着艦で疲労のたまった乗員には朗報となろう。アロビオもILMは「要求されていないが、艦隊の運用部隊からはナンバーワンの要望になる」という。

 

米海軍はE-2Dを48機運用中で2021年末までに4機が配備される。

 

常時22機を投入可能な状態に維持するのを2021年7月1日までに実現する目標が2月に達成され、予定を5カ月前倒しできたとアロビオは述べた。

 

ミッション投入可能なE-2Dは基本的に訓練に使い、パイロットに二地点間飛行、空母発着艦を習熟させているが、早期警戒任務についていない。

 

「完全な状態のミッション実施になれば戦いに勝つことにつながる」「機体には基本システムが11通りあり、完全に作動して初めて任務が達成できる」(アロビオ)

 

次の目標は完全な形でミッション実施可能な状態の機体を常時22機艦隊に配備することでこれを9月1日までに実現する。2月以降は平均で29機がミッション投入可能な状態となっている。

 

E-2Dが50機ほどそろえば、9飛行隊、一個予備飛行隊の整備が可能となり、各隊は5機を配備する。すでに5個飛行隊でE-2Cからの機種転換が進んでおり、2027年度で機体転換が完了する。うち二個飛行隊に空中給油対応のE-2Dが配備される。

 

現在26機のE-2Cが訓練専用で稼働中だが2026年度末までに姿を消す。

 

E-2Dの要求は86機のう78機分の予算が海軍に認められており、2025年までに全機完成する。

 

日本が発注した9機のうち3機が自衛隊に引き渡し済みだ。先に発注した4機は稼働中だ。

 

フランスは12月に3機のE-2D購入で合意しており、2027年度に引き渡す。台湾エジプトも導入交渉中とアロビオは紹介している。四か国は旧型E-2Cを運用中だ。■


この記事は以下を再構成し人力翻訳でお送りしています。市況価格より2-3割安い翻訳をご入用の方はaviationbusiness2021@gmailまでご連絡ください。


Navy Plans Upgrades to Fly E-2Ds into the 2040s - USNI News

By: Dan Parsons

August 3, 2021 10:02 PM • Updated: August 4, 2021 1:57 PM


2015年6月3日水曜日

★航空自衛隊>E-2D売却案件が米議会に通告された 4機、総額17億ドル



原文ではE-2Cが海上自衛隊が運用中と誤った記述になっていたため本国サイトに指摘しておきました。

Congress Notified of Potential $1.7B E-2D Advanced Hawkeye Sale to Japan

By: Sam LaGrone
June 2, 2015 4:28 PM

E-2D Advanced Hawkeye aircraft conduct a test flight in 2009. US Navy Photo
テスト中のE-2D Advanced Hawkeye 2009年. US Navy Photo


ノースロップ・グラマンE-2Dアドバンストホークアイ4機および支援装備の日本向販売を米議会に通告したと国務省関係者がUSNI Newsに明らかにした。

  1. ISR用の機体および予備エンジン、予備レーダー含め合計17億ドルを有償海外軍事援助(FMS)として売却する。
  2. 「日本の空域並びに海洋領域の状況把握がE-2D各機の搭載する空中早期警戒統制(AEW&C)能力で向上する。日本はE-2D各機を太平洋で運用し、現行のE-2CホークアイAEW&C機材を補強する」と国務省のデイビッド・マッキービイがUSNI Newsに文書で回答してきた。
  1. 案件では機体合計4機、T56-A-427Aエンジン10基、多機能情報分散システム低量端末装置 (MIDS-LVT)8台、APY-9レーダー4基を含む。
  2. 日本は現在も10機以上のホークアイを運用中で防衛省は昨年末にホークアイ改良型の導入を表明し、ボーイング737AEW&Cウェッジェテイルを退けた。同機はオーストラリア、韓国、トルコが運用中。
  3. 5月に議会は総額30億ドルでベル・ボーイングV-22オスプレイ17機及び支援装備の日本向売却の通告を受けている。
  4. 米海軍ではE-2D初の作戦部隊がセオドア・ローズヴェルト空母打撃群に配備されており、海軍が進める統合火器管制防空構想 (NIFC-CA) 構築の鍵を握る機材となる。■